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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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全文

(1)

ふ り が な

氏 名

とくだ ともこ

德田 知子

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 784 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 28 年 3 月 11 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Comparison of the bone forming ability of different sized-alpha tricalcium phosphate granules using a critical size defect model of the mouse calvaria

(マウス頭蓋冠臨界骨欠損モデルを用いた粒径の異なる α 型第三 リン酸カルシウム顆粒の骨形成能の比較)

学 位 論 文 掲 載 誌 Nano Biomedicine 第 7 巻 第 2 号 平成 27 年 12 月 30 日

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 今井 弘一 教授 副 査 竹村 明道 教授

論文内容要旨

リン酸カルシウムの一種である α 型第三リン酸カルシウム(以下,α-TCP と表記)は,経時的にヒ ドロキシアパタイトへと転換する性質をもつ.さらに,高い骨形成能力をもつことが広く知られてお り,歯科への応用が期待されている物質である.しかしながら,顆粒径の違いが骨形成能に及ぼす影 響やその機序は完全に明らかになっていない.本研究では,マウス頭蓋冠臨界骨欠損モデルを使用し,

2 種類の α-TCP 顆粒の顆粒径の違いが骨形成能に及ぼす影響を検討した.

実験材料として用いた 2 種類の α-TCP 顆粒は, 200 μ m, 500-600 μ m (以下, α-TCP200, α-TCP600 と表記)の大きさに整粒し用いた.両顆粒の表面性状を走査型電子顕微鏡(SEM)にて評価し,結晶相 の同定には X 線回析(XRD)法を,比表面積の測定にはガス吸着法を使用した.埋入時を模倣した顆 粒間隙の測定には水銀圧入法を用いた.両 α-TCP 顆粒の骨形成能は, 8 週齢 ICR 系雄性マウス頭蓋冠 に形成した臨界骨欠損内に試料を埋入して評価した. α-TCP 200, α-TCP600 を埋入したものを実験群 とし,顆粒の埋入を行っていない群を対照群とした.実験期間は 4,12 週とし, µ CT を用いた骨構造 解析と,ヘマトキシリン-エオジン染色を用いた組織学的解析を併用し両顆粒の骨形成能を見積もっ た.さらに,骨形成の違いをもたらした機序を解明するために,埋入後の顆粒を採取し,XRD 法によ り結晶の転換挙動を評価した.

SEM 画像観察により 2 種類の顆粒に整粒されていることを確認した.整粒後の両顆粒間で,表面形 状と結晶構造に大きな変化は認められなかった.一方,比表面積はそれぞれ α-TCP200 が 0.40 m

2

/g,

α-TCP600 が 0.24 m

2

/g と異なった.粒子間隙のメディアン径は,α-TCP200 が 27 μ m,α-TCP600 が

(2)

209 μ m であった.骨形成能評価において, 4 週までは両顆粒間で大きな違いが認められなかったもの の, 12 週では α-TCP200 が α-TCP600 に比べ,優位な骨形成能を示した.埋入 4 週後の顆粒の XRD 測定から α-TCP200 がより速く骨欠損内で転換されることがわかった.

以上の結果より,顆粒径の違いは α-TCP の骨形成能に影響を与えることが本動物実験モデルでも確 認された.過去のリン酸カルシウム系骨補填剤を用いた報告では, 100 μ m 以上の粒子間隙や孔径をも つ試料がより優れた骨再生能をもつことが報告されている.一方,本研究では, 100 μ m より粒子間隙 が小さい α-TCP200 が優れた骨形成能を示した.その原因は完全に明らかになっていないが, α-TCP は転換時に種々のイオンの放出や取込みをする . さらに,これらのイオンは細胞の分化や増殖の促進な どに関与することが明らかとなっている.これらの点を鑑みると, α-TCP200 が優位な骨形成を促し た一因として,生体内での転換挙動の違いが関与している可能性が考えられる.本研究で得られた所 見は,α-TCP の骨再生材料としての安全かつ効果的な応用への一助となると推察される.

論文審査結果要旨

成人矯正治療時において,歯周疾患や齲蝕を要因とする多数歯欠損は頻繁に遭遇する症例である.

リン酸カルシウムの一種である α 型第三リン酸カルシウム(以下 α-TCP)は,経時的にヒドロキシア パタイトへと転換する性質を持つ.さらに,高い骨形成能力を示すことが広く知られており,歯科へ の応用が期待されている.しかしながら,α-TCP の顆粒径の違いが同物質の骨形成能に及ぼす影響や その機序は完全に明らかになっていない.筆者らは本研究においてマウス頭蓋冠臨界骨欠損モデルを 使用し,2 種類の α-TCP 顆粒の顆粒径の違いが骨形成能に及ぼす影響を検討している.

材料解析には,走査型電子顕微鏡(SEM),X 線回析(XRD)法,水銀圧入法,ガス吸着法を用いて いる.顆粒には、顆粒径 以下の群と 500- 群(以下それぞれ α-TCP200,α-TCP600 と表記)を用意し,それぞれの顆粒を埋入したものを実験群とし,顆粒の埋入を行っていない群を対 照群としている.実験期間は 4,12 週とし, を用いた骨構造解析と,ヘマトキシリン-エオジン 染色を用いた組織学的解析を併用し両顆粒の骨形成能を見積もっている.さらに,骨形成の違いをも たらした機序を解明するために,埋入後の顆粒を採取し,XRD 法により結晶の転換挙動を評価してい る.

SEM 画像観察により 2 種類の顆粒に整粒されていることを確認している.整粒された両顆粒間で,

表面形状と結晶構造に大きな変化は認められていない.一方,比表面積はそれぞれ α-TCP200 が 0.40 m

2

/g,α-TCP600 が 0.24 m

2

/g と異なっている.粒子間隙のメディアン径は,α-TCP200 が ,

α-TCP600 が である.骨形成能評価において, 4 週までは両顆粒間で大きな違いが認められな

かったものの,12 週では α-TCP200 が α-TCP600 に比べ,優位な骨形成能を示している.埋入 4 週後 の顆粒の XRD 測定から α-TCP200 がより速く骨欠損内で転換されることが判明している.以上の結果 より,顆粒径の違いは α-TCP の骨形成能に影響を与えることが本動物実験モデルでも確認されている.

過去のリン酸カルシウム系骨補填剤を用いた報告では, 100 以上の粒子間隙や孔径をもつ試料がよ り優れた骨再生能をもつことが報告されている.一方,本研究では, より粒子間隙の小さい α-TCP200 が優れた骨形成能を示している.α-TCP は転換時に種々のイオンを放出あるいは吸収し,

これらのイオンは細胞の分化や増殖の促進などに関与することが明らかとなっている.筆者らは,

α-TCP200 が優位な骨形成を促した一因として, これらのイオンが大きな役割を担ったと考えており,

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生体内での転換挙動の違いが関与した可能性を考察にて論じている.

以上をまとめると,本論文においては α-TCP200 が優れた骨形成を促した原因の完全な解明には至 っていない.しかしながら,本研究で得られた α-TCP の顆粒径の違いが骨形成能や転換挙動に及ぼす 知見は,同材料の骨再生材料としての安全かつ効果的な応用への一助となる.また,これらの知見は,

他のリン酸カルシウム系骨補填剤を用いた骨再生医療の発展にも広く寄与する知見と推察されること

から,本論文は博士 ( 歯学 ) の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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