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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

うえひら ま よ

上平 真代

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 721 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 3 月 7 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Preparation and characterization of low-crystallized hydroxyapatite nanoporous plates and granules

(ナノ多孔質構造をもつハイドロキシアパタイト顆粒の作製と

評価)

学 位 論 文 掲 載 誌 Applied Surface Science 第 287 巻 平成 25 年 12 月 15 日

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 山本 一世 教授 副 査 武田 昭二 教授

論文内容要旨

ハイドロキシアパタイト(以下、アパタイト)は、生体親和性と骨伝導性に優れた材料であり、骨 補填材等に利用されている。われわれは最近、アパタイトナノ粒子水分散液を乾燥することでナノ多 孔質構造をもつ新規材料を作製した。本研究では、まず、異なる形態をもつアパタイトナノ粒子を用 いて作製条件を検討することで、材料形態およびナノ多孔質構造の制御を試みた。さらに、異なるナ ノ多孔質構造をもつアパタイト顆粒を用い、そのタンパク質吸着・放出挙動について検討した。

アパタイトナノ粒子は、カルシウム塩とリン酸塩を用いた湿式法によって作製した。この際、温度 と原料の種類を変化させて、粒子径の異なるナノ粒子を作製した。作製したナノ粒子分散液をペンタ デカン液体基材上で乾燥させることで、プレートを作製した。また、ナノ粒子分散液の容量を小さく することで顆粒を作製した。作製した顆粒を用いて、ウシ血清アルブミン(BSA)またはシトクロム C の吸着と放出を測定した。

カルシウム塩として酢酸カルシウムを用いた湿式法の場合、粒子径 31 nm の最も小さい球状粒子が

得られた。硝酸カルシウムの場合、作製温度が 20℃では粒子径 46 nm の球状粒子が得られ、また、作

製温度が 60℃では粒子径 73 nm のわずかに細長い粒子が得られた。また、作製温度 60℃にてリン酸

塩の添加速度を遅くした場合、粒子径 320 nm の棒状粒子が得られた。各アパタイトナノ粒子の結晶

性は、高温焼成によって得られる高結晶性のアパタイトと比較して、いずれも低結晶性であった。ま

た、ナノ粒子分散液の濃度および容量を変化させることで、材料全体の大きさもコントロールできる

ことがわかった。プレート状に成形した材料を分光光度計で測定した結果、粒子径が小さいプレート

ほど、透明性が高いことが明らかとなった。各材料の表面構造を走査型電子顕微鏡で観察した結果、

(2)

ナノ粒子の間隙に由来するナノサイズの孔が観察された。孔サイズは、粒子サイズの増加に伴って増 大した。同様に、気孔率も粒子サイズの増加に伴って増大した。ナノ多孔質構造をもつ顆粒とナノ多 孔質構造をもたない粉末を用いてタンパク質の吸着挙動を検討した結果、粒子径 31 nm および 46 nm のアパタイトナノ粒子を用いて作製した顆粒は、BSA の吸着が遅延することが明らかとなった。一方、

シトクロム C の吸着については、粒子径の影響は認められなかった。これは、シトクロム C のサイズ が BSA より小さいことに起因するものと考えられる。また、タンパク質の放出挙動を検討した結果、

粒子径 320 nm のナノ粒子を用いて作製した顆粒からの BSA 放出についてのみ、比較的初期(1 日)で 放出が完了した。他の粒子を用いて作製した顆粒は、はじめの3日間にイニシアルバーストが認めら れたものの、少なくとも4週間は持続的に放出が認められた。シトクロム C の放出においては、孔サ イズが小さくなるにつれて、放出速度が減少することを見出した。

論文審査結果要旨

ハイドロキシアパタイトは、生体親和性と骨伝導性に優れた材料であり、骨補填材等に利用されて いる。本研究では、異なる形態をもつアパタイトナノ粒子を作製する際の条件を検討し、材料形態お よびナノ多孔質構造の制御を試みた。さらに、異なるナノ多孔質構造をもつ顆粒を用い、タンパク質 吸着・放出挙動について検討したものである。

カルシウム塩とリン酸塩を用いた湿式法によってアパタイトナノ粒子を作製する際の条件を変化 させて、粒子径 31 nm、46 nm、73 nm、320 nm の粒子を作製した。また、作製したナノ粒子分散液を ペンタデカン液体基材上で乾燥させることで、プレートを作製し、容量を小さくすることで顆粒を作 製した。材料の表面構造は、ナノサイズの孔が認められ、粒子サイズの増大に伴い孔サイズおよび気 孔率も増加していることを明らかにした。

作製した顆粒を用いて、ウシ血清アルブミン(BSA)またはシトクロム C の吸着を検討した結果、 31 nm および 46 nm の顆粒は、BSA の吸着が遅延しているが、シトクロム C では、粒子径の影響は認めら れず、シトクロム C のサイズが BSA より小さいためであることが分かった。放出挙動については、粒 子径 320 nm の顆粒からの BSA 放出についてのみ初期に放出が完了しているが、他の粒子を用いて作製 した顆粒は持続的に放出が認められた。シトクロム C の放出においては、孔サイズが小さくなるにつ れて、放出速度が減少することが明らかになった。

以上、ナノ多孔質構造をもつ新規材料の孔サイズをコントロールすることによりタンパク質の吸

着・放出挙動を制御できることが確認され、今後、ドラッグデリバリー用担体としての実用化が骨欠

損部の骨再生において有用な材料になる可能性が示唆された点において、本論文は博士(歯学)の学

位を授与するに値すると判定した。

参照

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