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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やたに しんや

矢谷 真也

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 781 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 28 年 3 月 11 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effect of platelet-rich plasma on proliferation of human synovial cells

(ヒト滑膜細胞の増殖に及ぼす多血小板血漿の影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 50 巻 第 1 号 平成 28 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 覚道 健治 教授 副 査 田中 昭男 教授 副 査 百田 義弘 教授

論文内容要旨

顎関節症において、関節円板が前方転位し、非復位性となると咀嚼時や夜間の噛みしめ時に顎関節 円板後部結合組織に過剰な負荷が常態的に加わり、滑膜組織の穿孔等の損傷が生じる。滑膜損傷の治 療法として多血小板血漿(PRP)に着目した。PRP は歯科口腔外科や形成外科などの分野で多用され ている。また PRP はヒト脂肪由来幹細胞、ヒト真皮線維芽細胞等さまざまな細胞に対して増殖を促進 させることが報告されている。しかしヒト滑膜細胞の増殖に対する PRP の影響については明らかでは ない。そこでヒト滑膜細胞の増殖に対する PRP の影響について検討した。

研究を行うために検体を採取することについてインフォームドコンセントを得た患者(21 歳 男性)

から、膝関節内視鏡手術の際にヒト滑膜組織を採取し、分離精製した滑膜細胞を 37℃, 5% CO₂条件下

で 10% FBS, 5% PRP, 5%活性化多血小板血漿(aPRP)を含んだ培地で培養し、滑膜細胞の増殖に対

するそれぞれの影響について比較検討した。また aPRP については 1%, 5%, 10%および 20%の濃度に おける影響を比較した。さらに培養上清中の Interleukins (IL-1β, IL-6, IL-8) の発現タンパクについ ても検討した。

評価方法として, それぞれの培地における培養 5 日目の細胞数を WST assay (Cell Counting Kit 8® : Dojindo Molecular Technologies)を使用し測定、また顕微鏡にて観察した。培養上清中の発現タンパ クの濃度を homogeneous time-resolved fluorescence (HTRF® ; Cisbio)を使用し測定した。 10% FBS,

5% PRP と比較して、5% aPRP において有意に滑膜細胞の増殖を認めた。一方、細胞増殖曲線に示し

た通りに 3 日目から 5%, 10%, 20% aPRP において急激に増殖し、培養 5 日目において 5%, 10%, 20%

aPRP 群において、10% FBS 群および 1% PRP 群に対してそれぞれ有意差を認めた。顕微鏡像におい

ても、濃度依存的に細胞が増殖していることが確認できた。培養上清中の Interleukins の濃度は、 IL-1

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βではそれぞれの群の間で有意差を認めなかったが、 IL-6, IL-8 では濃度依存的にタンパクの産生量が 増加し、有意差を認めた。また IL-6 および IL-8 の細胞数あたりの相対値では 5% aPRP が最も低か った。

PRP は滑膜細胞を増殖させることが認められた。更に aPRP は濃度依存的に滑膜細胞を増殖させる

ことが判明した。このことにより滑膜の再生において PRP は有効であると考えられた。

論文審査結果要旨

本論文は、口腔外科領域において顎関節症および関連疾患 による滑膜組織の損傷に対する多血 少板血漿(PRP)の有用性を検討するため、ヒト滑膜細胞に対する PRP の影響を調べたものであ る。 膝関節内視鏡手術の際にヒト滑膜組織を採取し、分離精製した滑膜細胞を 10% FBS、 5% PRP、

5%活性化多血小板血漿(aPRP)を含んだ培地で培養し、滑膜細胞の増殖に対するそれぞれの影響に ついて比較検討した。また aPRP については濃度を振り分けて影響を比較し、さらに培養上清中の

Interleukins の発現タンパクについても検討したことなどが本論文の特徴である。今回の研究におい

て、10% FBS、 5% PRP と比較して、5% aPRP において有意に滑膜細胞の増殖を認めた。一方、細 胞増殖曲線に示した通りに 3 日目から 5%、 10%、 20% aPRP において急激に増殖し、培養 5 日目 において 5%、 10%、 20% aPRP 群において、10% FBS 群および 1% PRP 群に対してそれぞれ有意 差を認めた。また培養上清中の Interleukins の濃度は、IL-1βではそれぞれの群の間で有意差を認め なかったが、IL-6、 IL-8 では濃度依存的にタンパクの産生量が増加し、有意差を認めた。しかし IL-6 および IL-8 の細胞数あたりの相対値では 5% aPRP が最も低かったことなどが示されている。これら の結果や考察は、過去の論文にはみられない新規性を有している。

以上、このことから滑膜の再生において PRP は有用であることが示唆された点において、本論文は博

士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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