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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

なかにし たまき

中西 環

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 844 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 31 年 3 月 8 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Interleukin-6, Matrix Metallopeptidase-9 Expression in Three-dimensional Tumor Microenvironment using Oral Cancer Cells

(口腔癌由来細胞を用いた三次元腫瘍微小環境の in vitro モ デルにおける IL-6, MMP-9 の発現)

学 位 論 文 掲 載 誌 Nano Biomedicine 第 10 巻 第 2 号 平成 30 年 12 月

論 文 調 査 委 員 主 査 井関 富雄 教授 副 査 今井 弘一 教授 副 査 中嶋 正博 教授

論文内容要旨

体内でがん細胞は生理活性を有する様々な細胞外マトリックスや分子に囲まれており、がん細胞の 様々な機能もまた微小環境に強く依存している。細胞外マトリックスにはコラーゲンやエラスチンの ような線維の豊富な高分子たんぱく質やフィブロネクチンやラミニンのような様々な糖たんぱく質、

プロテオグリカンがある。

例えば、インテグリン等の細胞表面レセプターによる相互作用は細胞外マトリックスで行われてお り、細胞外マトリックスは細胞増殖、分化に加えて細胞運動、形態にも影響している。従って、腫瘍 細胞も初期のがん化から増殖、浸潤、転移までのそれぞれの段階で細胞外マトリックスに影響を受け ている可能性が高い。

しかし、ECM や細胞間相互作用の欠乏により、従来の

3

次元培養法を用いて

in vivo

の腫瘍細胞環 境を再現することは困難であり、細胞はスフェロイド状態の

3

次元培養環境で様々な生物学的動態を 示す可能性が高い。

スフェロイド培養法はしばしば腫瘍研究に使われており、現在までに卵巣癌、大腸癌、前立腺癌の ような様々な腫脹のスフェロイド培養法が報告されている。

そこでヒト扁平上皮癌から採取された

HSC-4

細胞のスフェロイドを用いて

3

次元腫瘍環境の再現を 試み、Interleukin-6(IL-6)と

Matrix Metallopeptidase-9(MMP-9)の発現量をRT-PCR

法で比較 した。

結果から、IL-6 と

MMP-9

はヒト扁平上皮癌から採取された

HSC-4

スフェロイドで

single cells

よ り発現量は多かった。このことはスフェロイドの状態で細胞培養を行うことで腫瘍細胞の環境を再現 できる可能性があることが示唆された。

代表的なサイトカインである

IL-6

は多くのがん細胞でその活性を高め、腫瘍形成や転移に関与する

ことが知られている。また、MMP-9 は癌転移に関係する脈管のバリヤーであるⅣ型コラーゲンででき

(2)

た基底膜の破壊に関係することが知られており、ヒト舌扁平上皮癌から得られた

HSC-4

でも同様の結 果が得られた。

従来の研究では、様々な分析がディッシュ上での

2

次元培養のみで

single cells

を用いて行われてき た。3 次元培養に関しては、コラーゲンを用いた

3

次元培養は多くの研究で行われている。しかし、

これらの方法は実際の体内環境を再現するのに適切ではなく、がん細胞の機能を分析するためには体 内と同じ細胞外環境を再現することが必要であると考えられる。

今回の結果は、この方法が

in vitro

で生物環境を再現する方法として応用できる可能性があること を示唆し、動物実験代替法として有用な研究法であると考えられる。

論文審査結果要旨

体内でがん細胞は生理活性を有する様々な細胞外マトリックスや分子に囲まれており、がん細胞の 様々な機能もまた微小環境に強く依存している。細胞外マトリックスにはコラーゲンやエラスチンの ような線維の豊富な高分子たんぱく質やフィブロネクチンやラミニンのような様々な糖たんぱく質、

プロテオグリカンがある。

例えば、インテグリン等の細胞表面レセプターによる相互作用は細胞外マトリックスで行われてお り、細胞外マトリックスは細胞増殖、分化に加えて細胞運動、形態にも影響している。従って、腫瘍 細胞も初期のがん化から増殖、浸潤、転移までのそれぞれの段階で細胞外マトリックスに影響を受け ている可能性が高い。

しかし、

ECM

や細胞間相互作用の欠乏により、従来の

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次元培養法を用いて

in vivo

の腫瘍細胞環 境を再現することは困難であり、細胞はスフェロイド状態の

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次元培養環境で様々な生物学的動態を 示す可能性が高い。

スフェロイド培養法はしばしば腫瘍研究に使われており、現在までに卵巣癌、大腸癌、前立腺癌の ような様々な腫脹のスフェロイド培養法が報告されている。

そこでヒト扁平上皮癌から採取された

HSC-4

細胞のスフェロイドを用いて

3

次元腫瘍環境の再現を 試み、Interleukin-6(IL-6)と

Matrix Metallopeptidase-9(MMP-9)の発現量をRT-PCR

法で比較 した。

結果から、IL-6 と

MMP-9

はヒト扁平上皮癌から採取された

HSC-4

スフェロイドで

single cells

よ り発現量は多かった。このことはスフェロイドの状態で細胞培養を行うことで腫瘍細胞の環境を再現 できる可能性があることが示唆された。

代表的なサイトカインである

IL-6

は多くのがん細胞でその活性を高め、腫瘍形成や転移に関与する ことが知られている。また、MMP-9 は癌転移に関係する脈管のバリヤーであるⅣ型コラーゲンででき た基底膜の破壊に関係することが知られており、ヒト舌扁平上皮癌から得られた

HSC-4

でも同様の結 果が得られた。

従来の研究では、様々な分析がディッシュ上での

2

次元培養のみで

single cells

を用いて行われてき た。3 次元培養に関しては、コラーゲンを用いた

3

次元培養は多くの研究で行われている。しかし、

これらの方法は実際の体内環境を再現するのに適切ではなく、がん細胞の機能を分析するためには体 内と同じ細胞外環境を再現することが必要であると考えられる。

今回の結果は、この方法が

in vitro

で生物環境を再現する方法として応用できる可能性があること を示唆し、動物実験代替法として有用な研究法であると考えられる。

以上、口腔外科領域の腫瘍研究において有用な研究法を明らかにした点において、本論文は博士(歯

学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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