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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やまだ ゆたか

山田 裕

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1596 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 27 年 6 月 24 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effects of different surgical procedures on the pharyngeal space with mandibular prognathism

(骨格性下顎前突症患者における顎矯正手術法の違いが咽頭 気道形態に与える影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 49 巻 第 2 号 平成 27 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 覚道 健治 教授 副 査 岡崎 定司 教授

論文内容要旨

顎変形症患者の中でも下顎前突症はその数が多く,変形の範囲とその程度には大きな差異がみられ

る. 一般的に手術法の選択は下顎の前突度および上顎の後退度によって決定される. このため手術に

は下顎枝矢状分割術による下顎単独の手術あるいは

Le Fort I

型骨切り術による上顎骨前方移動を併用

する上下顎同時移動術が適用される. これらの術前後の顔貌や咬合の変化,術後の安定性については多

くの報告があり, また,これら2つの術式が術後の上部気道に異なる影響を与えることについても, 現

在まで多くの検討がなされてきた. しかしながら, 咽頭気道の長期的変化について比較した報告は少

ない. そこで本研究では, 骨格性下顎前突症患者で下顎後退術を単独で行った症例と上下顎同時移動

術を行った症例について 手術前後の顎顔面骨格と咽頭気道, さらに咽頭気道に影響する部位の変化を

調査し,術式による咽頭気道の変化の違いを明らかにすることを目的とした.研究対象は大阪歯科大学

附属病院矯正歯科を受診した骨格性下顎前突症の女性患者で, 下顎の後退移動量あるいは上顎骨の前

方移動量と下顎の後方移動量の合計が

10mm

以上であった

20

名とした. このうち, 下顎後退術を単独

で施行した患者(下顎後退群), 上下顎同時移動術を施行した患者(上下顎移動群)はそれぞれ

10

ずつであった. 研究資料は術直前(T0)と術後

1

6

か月以上経過した時点(T1)に撮影した側面頭

部エックス線規格写真を用いた. T0 時の年齢は下顎後退群が

21

3

か月, 上下顎移動群は

21

8

月であった. 下顎後退群の下顎骨の後方移動量は平均

11.2mm,

上下顎移動群の上顎骨の前方移動量

は平均

4.5mm,

下顎骨の後方移動量は平均

7.1mm

であった. 研究方法として, 顎顔面骨格, 咽頭気道

に影響する部位および咽頭気道形態のそれぞれを評価するために基準点および基準平面を設定し,顎

顔面骨格の評価に

4

項目,咽頭気道に影響する部位の評価に

6

項目, 咽頭気道幅径の評価に

5

項目の

(2)

それぞれについて計測を行った

.

次いで下顎後退群および上下顎移動群におけるそれぞれの

T0

時と

T1

時の計測値を比較し

,

差の有意性を

paired t-test

によって検定した

.

さらに

,

下顎後退群と上下顎 移動群間における

T0

時から

T1

時の変化量を算出し比較し

,

差の有意性を

unpaired t-test

によって検 定した

.T0

時と

T1

時の計測値の比較では

,

下顎後退群では∠

HSN

が有意に増加し, ∠

SP, D1, SPPS, MPS, IPS, EPS

が有意に減少した

.

上下顎移動群では

S-H, PPS

が有意に増加し, ∠

SP, D1, IPS

EPS

が有意に減少した

. T0

時から

T1

時における変化量については

,

HSN, PPS, SPPS, MPS, IPS, EPS

で有意差がみられた

.

これらの結果から

,

上下顎移動群の術後の咽頭気道の狭窄は下顎後退群と 比較すると少なく

,

上顎骨の前方移動術による軟口蓋の前方移動が上咽頭気道幅径の減少を妨げた一 因であることが示唆された

.

論文審査結果要旨

顎変形症患者の中でも下顎前突症はその数が多く,変形の範囲とその程度には大きな差異がみられ る.一般的に手術法の選択は下顎の前突度および上顎の後退度によって決定される.このため手術に は下顎枝矢状分割術による下顎単独の手術あるいは

Le Fort

Ⅰ型骨切り術による上顎骨前方移動を併 用する上下顎同時移動術が適用される.しかしながら,咽頭気道の長期的変化について比較した報告 は少ない.著者らは,骨格性下顎前突患者で下顎後退術を単独で行った症例と上下顎同時移動術を行 った症例について手術前後の顎顔面骨格と咽頭気道,さらに咽頭気道に影響する部位の変化を調査し,

術式による咽頭気道の変化の違いについて検討を試みている.

研究対象は大阪歯科大学附属病院矯正歯科を受信した骨格性下顎前突症の女性患者で,下顎の後方 移動量あるいは上顎骨の前方移動量と下顎の後方移動量の合計が

10mm

以上である

20

名とし,下顎 後退術を単独で施行した患者(下顎後退群),上下顎同時移動術を施行した患者(上下顎移動群)はそれ ぞれ

10

名ずつとしている.研究資料は術直前(T0)と術後

1

6

か月以上経過した時点(T1)に撮 影した側面頭部エックス線規格写真を用いている.下顎後退群の下顎骨の後方移動量は平均

11.2mm,

上下顎同時移動群の上顎骨の前方移動量は平均

4.5mm,下顎骨の後方移動量は平均7.1mm

となって いる.研究方法として顎顔面骨格の評価に

4

項目,咽頭気道に影響する部位の評価に

6

項目,咽頭気 道幅径の評価に

5

項目のそれぞれについて計測を行っている.次いで下顎後退群および上下顎移動群 におけるそれぞれの

T0

時と

T1

時の計測値を比較し,差の有意性を

paired t-test

によって検定し ている.さらに,下顎後退群と上下顎移動群における

T0

時から

T1

時の変化量を算出し比較し,差の 有意性を

unpaired t-test

によって検定している.T0 時と

T1

時の計測値の比較では,下顎後退群で は∠HSN が有意に増加し,∠SP,D1,SPPS,MPS,IPS,EPS,が有意に減少している。上下顎移

動群では

S-H,PPS,が有意に増加し,∠SP,D1,IPS

EPS

が 有意に減少している。T0 時から

T1

時における変化量は,HSN,PPS,SPPS,MPS,IPS,EPS で有意差が認められている.

これらの結果から,上下顎移動群の術後の咽頭気道の狭窄は下顎後退群と比較すると少なく,上顎 骨の前方移動術による軟口蓋の前方移動が上咽頭気道幅径の減少を妨げた一因であると考察している.

以上のことを明らかにした点において,本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定し た.

なお,外国語

1

か国語(英語)について試問を行った結果,合格と判定した.

参照

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