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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

ひがし ゆり

東 友莉

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 898 号 学 位 授 与 の 日 付 令和 3 年 3 月 5 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effect of low intensity pulsed ultrasound on osteoclast differentiation

(低出力超音波パルス(LIPUS)照射が破骨細胞分化に対する影 響について)

学 位 論 文 掲 載 誌 Orthodontic Waves 第 79 巻 第 4 号 令和 2 年 12 月 10 日

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 志水 秀郎 教授 副 査 合田 征司 教授

論文内容要旨

矯正歯科治療における歯の移動を効率的にする試みは古くから数多くなされてきた。歯の移動を安 全に促進することができれば、治療期間が短縮でき、齲蝕や歯根吸収等の有害な影響を軽減すること が期待できると考えている。歯の移動を早める方法は、Corticotomy などの外科処置を併用する方法と、

低出力レーザー(LLLT)などの非外科的処置に大別でき、それぞれに長所・短所がある。現在まで臨床に おいては、外科処置を併用した歯の移動促進法が活用されてきたが、不快感、痛みおよび侵襲性などの 問題点が挙げられる。一方、非外科的処置は、侵襲性は少ないが今のところ確実性が実証されていな い。その中で、今回本研究にて着目した低出力超音波パルス(LIPUS)は、歯科分野では歯槽骨形成につ いて広く研究され、また医科分野では主に整形外科領域で、骨折治療用に実用化されている。しかし、

in vitro での破骨細胞に対する影響については未解明な部分が多い。そこで本研究では、in vitro で RAW264 細胞の破骨細胞分化に LIPUS 照射が影響するかどうかを調査した。

RAW264 細胞を MEMα培地にて一晩培養後、破骨細胞分化を促すために RANKL、U0126 を添加し、発振 周波数 1.5MHz、パルス周波数 1000Hz、超音波出力 30mW/cm2 の LIPUS を 10 分間、20 分間、30 分間 1 回 照射した。さらに同様の方法で、1 日 1 回 3 日間合計 3 回照射した。1 回照射群と 3 回照射群を、LIPUS 非照射群を対照群とし、照射時間の違いと照射回数の違いについて比較検討を行った。さらに、超音波 出力を 45mW/cm2、60mW/cm2 に変更して照射を行い、超音波出力の違いについても比較検討を行った。

評価方法は、TRAP 染色、TRAP 活性測定、ウェスタンブロット法を用いた。全ての統計分析は EZR を使

用し、一元配置分散分析(one-way ANOVA)と、事後検定として Tukey-Kramer 法を用いて行った。p 値が

0.05 未満(p <0.05)の場合、統計分析は有意であると判断した。全ての評価方法において、LIPUS 照射

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により RAW264 細胞の破骨細胞分化率が有意に増加した。また、1 回照射群より 3 回照射群が有意に増 加したが、超音波出力の強弱では、有意差は認められなかった。TRAP 活性測定では、1 回照射群のみ照 射時間が長くなるにつれて破骨細胞分化率が有意に増加したが、その他の評価方法では、有意差は認 められなかった。

以上の結果より、LIPUS を照射することにより、RAW264 細胞の破骨細胞分化を促進する効果がある と考えられた。また、LIPUS の超音波出力や照射時間とは相関性がなく、照射回数が多いほど効果的で あると考えられた。これらの結果により、矯正歯科治療における歯の移動中の LIPUS 照射が破骨細胞 の分化を促進する可能性があることが示唆された。

論文審査結果要旨

本研究は、低出力超音波パルス(Low Intensity Pulsed Ultrasound : LIPUS)照射が破骨細胞分化に 及ぼす影響について検討を行ったものである。

本研究では、歯科矯正学の基礎実験において最も広く取り扱われている RAW264 細胞を用いている。

低出力超音波パルス(LIPUS)をマイクロプレートの底面より照射し、破骨細胞分化に影響を与えるかど うかを解明し、また影響があった場合、照射時間・照射回数・超音波出力を変えて照射し、破骨細胞分 化において最適な照射時間・照射回数・超音波出力を解明することを目的としている。破骨細胞分化の 評価には、破骨細胞のマーカー酵素である酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(tartrate-resistant acid phosphatase : TRAP)を染色する TRAP 染色、破骨細胞で発現し分泌される TRAP5b(tartrate- resistant acid phosphatase 5b)を測定する TRAP 活性測定、破骨細胞から分泌されるシステインプロ テアーゼである cathepsin K と破骨細胞分化初期に発現レベルが上昇する NFATc1 を、ウェスタンブロ ット法にて評価している。

TRAP 染色では、TRAP 陽性で核が 3 個以上の細胞を成熟破骨細胞としてカウントしたところ、LIPUS 照射群は非照射群と比較して有意に増加しており、照射回数が増加するにつれて有意に増加すること が示されている。TRAP 活性測定では 1 回照射群に限り照射時間が増加するにつれて TRAP 活性は有意 に増加しているが、TRAP 染色と同様に照射回数が増加するにつれて有意に増加することが示されてい る。ウェスタンブロット法では、破骨細胞分化初期に増加する NFATc1 は照射回数が増加するにつれて 有意に低下し、破骨細胞から分泌される cathepsin K は照射回数が増加するにつれて有意に増加する ことが示されている。

これらの結果より、低出力超音波パルス(LIPUS)照射は RAW246 細胞の破骨細胞分化を促進し、照射 回数が増加するにつれてその効果が高くなることが示されている。

以上、低出力超音波パルス(LIPUS)照射が破骨細胞分化に対する影響を解明した点において、本論文

は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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