• 検索結果がありません。

児童の文記憶における順向干渉に及ぼすトピック類 似性の効果

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "児童の文記憶における順向干渉に及ぼすトピック類 似性の効果"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

児童の文記憶における順向干渉に及ぼすトピック類 似性の効果

著者 藤田 正

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 45

号 1

ページ 151‑163

発行年 1996‑11‑25

その他のタイトル The Effect of Topic Similarity on Proactive

Interference in Sentence Recall with Children

URL http://hdl.handle.net/10105/1594

(2)

児童の文記憶における順向干渉に及ぼす トピック類似性の効果

藤 田   正 (奈良教育大学心理学教室)

(平成8年4月30日受理)

短期記憶における忘却は、時間の経過による記憶痕跡の崩壊だけでなく干渉によっても生じる ことが、 Keppel and Underwood (1962)によって明らかにされた。それ以降、短期記憶にお ける干渉に関する数多くの研究が行われてきた(Klatzky, 1980)c これらの研究では、

Brown‑Petersonパラダイム(Brown, 1958; Peterson & Peterson, 1959)が用いられた。こ の方法では、同時に提示される3項目の単語や子音トリグラム(GJSのような3つの文字)杏 記銘させ、続く保持期間(15‑18秒間)中にリ‑‑サル妨害課題を行い、続いて再生テストが 行われる。これを1試行として試行を繰り返すと、試行とともに再生成績が減少する。この現象 は先行リスト項E]が後続リスト項目の記憶に妨害を及ぼしたもので、順向干渉(Proactive Interference: PI)または順向抑制(Proactive Inhibition: PI)と呼ばれる。

従来の研究ではリスト項目間に意味的、形態的、音韻的な類似性が存在する場合に干渉が形成 され、さらに類似性が高いほど干渉の程度は大きいことが明らかにされている(Birnbaum, 1974; Corman & Wickens, 1968; Delaney & Logan, 1979; Loess, 1968;辰野, 1973;

Wickelgren, 1965; Wickens, Born & Allen, 1963)。また、干渉形成のメカニズムについては、

項目間の弁別性の低下(Wickens, 1970; Watkins & Watkins, 1976)や検索手掛りの効果性 と項目の弁別機能の低下(Craik & Birtwistle, 1971;藤田, 1982)などが提唱されている。

これらの研究は、記銘材料として無意味綴りや単語を用いて検討したものであり、文章のよう な有意味材料については、実験的検討や理論も少なく、従来の理論が適用できるかどうかにも関 心がもたれてきた(Anderson & Bower, 1973; Thondyke & Hayes‑Roth, 1979)。 1950 1960年代にAusbelらにより長文を材料にした一連の干渉の研究(Ausbel, Robbins & Blake, 1957; Ausbel & blake, 1958; Ausbel, Strager & Gaite, 1968)が行われてきたが、近年短文 を用いた干渉研究が新しい角度から行われるようになってきた。

短文を記銘材料に用いた場合、文の意味的、並びに統語的な(syntactic)統制がしやすい点 がある。単語の干渉研究の場合と同じように、短文でも文の類似性が問題となるが、文の類似性 には統語的内容(主語、述語、修飾語などの位置関係)の類似性と、意味的内容(トピック、話 題)の類似性の2つがある。本研究では、教育実践と関連した基礎的データを得るために、意味 内容の類似性に注目することにした。

Blumental and Robbins (1977)は、大学生を対象にトピック類似性が順向干渉の形成に及 ぼす影響について、日常的、自然的な言語材料を用いて検討している。記銘材料には、スポーツ、

歴史、音楽など幅広く定義されるトピック(例えば"歴史"であれば、a:バビロニア社会

151

(3)

152

藤 田   正

b:中世ヨーロッパの貴族社会 C: 1899年の米西条約の反動 d:君主と教会間の争いの影 響)について述べた短文が用いられた。一つのトピックについての短文を記銘させた後、保持期 間中にリ‑‑サル妨害課題を行わせ、その後に再生させるBrown‑Petersonパラダイムの手続 きを3試行行わせた。その結果、試行に伴って再生率が減少し、順向干渉の形成が見られた。さ らに、続く第4試行を別のトピックの短文に変えたところ再生率の上昇、すなわち「順向干渉か らの解除(release from PI)」 (Wickens, Born, & Allen, 1963)が兄いだされた。この結果は、

トピックの類似性が順向干渉の形成に影響するものであることを明らかにしている。しかし、

Blumentalらも指摘しているように、この研究で用いられた記銘材料は、トピック的には同じ であるがそれを構成するリスト一つ一つの関連性は低いという問題点がある。先程の例でみると、

バビロニア社会と中世ヨーロッパ貴族社会の2つは、歴史という広く定義されたトピックでは同 じだが、それぞれの内容の直接的な関連性はないという点である。

トピックの類似性が短文の記憶における順向干渉の形成にとって重要な要因であることは明ら かだが、トピックの類似性を扱う場合、同一のトピック内容についてのものから、関連するト

ピック内容、無関連なトピック内容まで幅広いものがある。それ故、トピックの類似性の影響を 細かく検討した分析的な研究が必要となる。 Dempster (1985)は、この点を考慮してトピック の類似性を組織的に変えることにより、文のトピック類似性が順向干渉の形成に及ぼす効果につ いて大学生を用いて検討している。

実験Iでは、 Brown‑Peterson手続きを用いて、トピックの類似性の異なる2つのリスト条件 (同一トピック条件、関連トピック条件)における順向干渉の形成について比較した。同一ト ピック条件は、試行を通してリストのトピックが変化しない条件であり、次の例に示すように同 一のトピック語を主語に用いている。 [リスト例:第1試行『重宝は、基本的には社会に不適応 を感じ、不満、罪悪感、愛を失うことから生じる。』、第2試行『奉安は、勉鞍しなければならな いというストレスや、仕事の迷い、家族の葛藤を持つ若者に特有のものだといわれる。』、第3試 行『丞安は、人生の幾つかの場面で意識的にしろ無意識的にしろ、困難や失敗を恐れることから 生じる。』 (荏:下線はトピック語を表す)]関連トピック条件は、それぞれの試行でのリストの トピックが概念的に関係している条件であり、次の例に示すように関連したトピック語を主語と して用いている. [リスト例:第1試行『重宝は、基本的には社会に不適応を感じ、不満、罪悪 感、愛を失うことから生じる。』、第2試行『引っ込み思案の傾向は、日常の簡単な事に対処する ことさえ避けるようになるまでだんだんと悪くなっていく。』、第3試行『抑響状態は、思考や集 中力の低下に対する不平不満や罪悪感、自責感であるとみなされている。』 (荏:下線はトピッ ク語を表す)]

実験の結果、両リスト条件で試行に伴う再生率の低下が見られ、順向干渉が形成された。また、

順向干渉形成の程度は、関連トピック条件の方が同一トピック条件より大きかった。

続く実験Ⅱでは、次の例に示すように互いに関連のないトピックばかりの無関連トピック条件 を用いて検討された。 [リスト例:第l試行『塾は、エネルギーを貯蔵するいろいろな要素の物 理的、科学的な物質の循環や転換によって起こる。』、第2試行『出入国管理は、特に危険の恐れ のある外国人の国外追放や、移民入国禁止のために与えられる法律の下で実施される。』、第3試 行『亘語は、意味を理解するのに、それぞれの文化で使われるシンボルの使用により、考えや感 情を伝達するための体系的な手段である。』 (荏:下線はトピック語を表す)]実験の結果、実験

Iでの2つのリスト条件ほど顕著ではないが、ゆるやかな順向干渉が形成された。

(4)

これらの結果は「反応セット干渉説(response set interference theory: Postman, Stark, &

Fraser, 1968)」により解釈されたが、この説だけでは十分説明しきれない結果もあったので、

Dempsterは、反応セット干渉説を基本に、トピック語による活性化(activation)の機能を含 めた形での説明を行っている。それによれば、文を再生する時、最初にトピック語を再生し、ト ピック語による意味的活性化が起こり、それに含まれるキーワ‑ドを再生していくが、類似する トピックが続く場合、同時に直前の試行のキーワードが引き出され再活性化される。これが文同 士の干渉(反応セット干渉)を生じるのである。

この説明により3つのリスト条件の結果は、以下のように解釈された。同一トピック条件の場 合は、トピック語は同じで、同じ概念を持つのでキーワード間の関連性も高い。従って、先行試 行と現試行のキーワードが同時に活性化され、そのため先行試行から若干の干渉が生じる。また、

関連トピック条件の場合は、リスト相互は類似した概念を共有するので、現試行に含まれるキー ワードの再生が先行試行のキーワードを引き出し、さらにそれが先行試行のトピック語を再活性 化し、それが強く残るので、干渉を大きくし顕著な順向干渉が生じるo無関連トピック条件の場 合は、リスト相互が類似の概念を共有していないので干渉は生じにくい。

ところで、これまで紹介してきた短文を記銘材料に用いた実験はいずれも大学生を対象とした ものであった。また、児童の順向干渉の研究は、単語(概念カテゴリー項目)を用いたものが多 く、短文を記銘材料に用いたものはない。

藤田(1989)は、それまで大学生を用いて実証してきた、記憶手掛りの弁別機能の低下が順向 干渉の成立の原因であるという弁別仮説(藤田, 1982; 1985; 1986)が、どの程度児童にも適用 できるかについて検討するため、カテゴリー項目リストを用いて小学6年生を対象に2つの実験 を行った。

実験Iにおいて、同一カテゴリーの項目から各試行のリストが構成されている類似リスト条件 では、毎試行同じ検索手掛りが利用されるため、手掛りの弁別機能が有効に働かず順向干渉が形 成された。他方、各試行が異なるカテゴリーで構成されている非類似リスト条件では、各試行に おいて異なる検索手掛りが利用されるため検索手掛りの弁別機能が有効に働き、順向干渉は形成 されなかったという結果を兄いだしている。

続く実験Ⅱにおいては、弁別的な記憶手掛りとして、リストを構成するカテゴリーの下位カテ ゴリー名を各試行の記銘時または検索時に提示することが、順向干渉の形成に及ぼす効果につい て検討された。その結果、手掛りを与えられない統制条件では順向干渉が形成されたが、記銘時 または検索時の弁別手掛りの提示は、順向干渉の形成を低減させた。

これら2つの結果から、順向干渉の形成が記憶手掛りの弁別機能の低下によるものであるとい う弁別仮説が年長児童の場合にも通用できることが明らかになった。

これらの結果を参考にした場合、短文を記銘材料に用いた場合にも、短文のトピックが記憶手 掛りとして利用されることが十分予想されるので、本研究では、 Dempster (1985)を参考に、

トピック類似性が異なる短文を用いて、児童の順向干渉の形成について検討することを目的とL m

なお、トピックの類似性に関しては、同一トピック条件、関連トピック条件、無関連トピック 条件の3条件を用いることにした。一文の長さに関しては、 Dempsterは、各文英単語19語か ら成る短文を用いていたが、本実験では児童を対象にしているので、須藤(1976)の結果を参考 にした。須藤の研究では、主語が文頭に、動詞が文末にある日本語の6文節の直後再生では、小

(5)

151

藤 田   正

学校の高学年以上になると、語順の系列位置によらず高い再生率が得られることが兄いだされて いる。本実験では小学校6年生を被験者に用い、 20秒の短時間ではあるが、把持時間中にリ

‑‑サル妨害課題を使うため、 5‑6文節の短文を用いることにした。

方   法

実験計画 3 × 3の要因計画が用いられた。第1の要因はリスト条件で、同一トピック条件、

関連トピック条件、無関連トピック条件の3条件であった。第2の要因は試行数で、第1試行か ら第3試行までであった。なお、第1の要因は被験者間の要因であり、第2の要因は被験者内の 要因であった。

被験者 被験者は、この種の実験に未経験な小学6年生90名(男子55名,女子35名)で あった。彼らの平均年齢は11歳8か月(範囲11歳3か月から12歳3か月)であった。

材  料 ①記銘リスト‑表1は、本実験で使用された記銘リストである。 1ブロックは 3試行で構成され、各試行での記銘文は11‑ 12単語で構成されている。各文の第1語(主語) はトピックを表し、以下の語はトピック内容を記述している。

同一トピック条件では、各試行での文のトピックを同じにするため、各文の第1語(主語)杏 すべての試行でそろえたものが3種類用意された。例えば、表1に示すようにブロックIでは、

各文の第1語が『海』で統一され、海というトピックに対応する内容の記述が3試行分用意され m

関連トピック条件では、各試行の文のトピックが何らかの意味で関連したトピックとするため に、各文の第1語(主語)には、試行間で関連したトピック語が3種類用意された。例えば、表 1に示すようにブロックIでは、 "多量の水があるところ"という意味条件で、各文の第1語 (主語)は『海,湖,川』であり、それぞれのトピックに対する内容の記述が3試行分用意され た。

無関連トピック条件では、各文の第1語が、試行間でトピック的に全く関連のないものが3種 類用意された。例えば、表1に示すようにブロックIでは、各文の第1語(主語)が『海,熱, 言葉』であり、それぞれのトピックに対する内容の記述が3試行分用意された。

記銘リストの各文は、ワードプロセッサーで、漢字仮名混じりで、横書きのスタイルで一行に 表1本実験で用いた記銘リストの一例

リスト条件      試 行      記   銘   文

同 一トピック条件

関 連トピック条件

海は地球の表面積の70%をしめている。

海は湖や川とちがい塩分をふくんでいる。

海は日本の国土を四方から取り閲んでいる

無関連トピック条件

海は地球の表面積の70%をしめている。

湖は美しい自然に囲まれていることが多い。

川は上流から下流‑石を運びながら流れる。

海は地球の表面積の70%をしめている。

軌ま物の温度を変化させる力を持つ。

言葉は人間の気持ちをたがいに通い合わせる。

(6)

打ったものを用紙のほぼ中央に置き、それを拡大コピ‑して印刷し、教示とともに冊子の中に綴 じ込んだ。

また、練習課題として、本課題で用いられたトピックとは異なる内容で構成される短文(1.

時計は、時刻や時間を知るめやすになる。 2.太陽は、わたしたちに明るさやあたたかさをあた える。)を用意した。

②リハーサル妨害課題‑リ‑ーサル妨害課題として、減算課題が用いられた。各ページの 上部に、 『3ずつ引算して下さい』という教示と2桁の整数(87, 91など9種類)が印刷された ものを、冊子の中に綴じ込んだ。各試行でどの整数を提示するかは、あらかじめ決められていた。

数字はすべて50以上で、 3や10の倍数でないものとした。なお、これとは別に、練習用として 2種類の2桁の整数が用意された。

③実験用冊子‑条件別に実験用冊子が、一人あたり4冊ずつ(練習課題1冊,本課題3 冊)配布された。冊子には、薄口の上質紙を用いた。冊子1冊分は、練習課題8ページ,本課題 10ページで構成されていた。大きさはすべてB6版であった。また、条件間の混乱を防ぐ為、

条件ごとに冊子の表紙の色を変え、表紙にはブロック数を明示するため、 ①, ②, ③という印を つけた。

手続き 実験には同じ学校の3クラスを用いた。 1クラスを3つの条件に分けて、クラスご とに集団で実施した。なお、各クラスでは、同じ条件の冊子が大体等しい数になるようにして配 られた。

冊子が配られたことを確認した後、表紙に、学年,組,氏名,生年月日,性別等を、書き込ま せた。次に、黒板に、実験用冊子の拡大したものを貼り、児童の前でその冊子を1ページずつめ

くって行きながら、次のような説明を与え、やり方を教えた。

『今から皆さんにやってもらうことは、 「文の記憶」と「計算問題」の2つです。最初に合図が あり、 1つの文が出て来ますので、それをしっかりと覚えて下さい。次の合図があったら、ペー ジを1枚めくって下さい。今度やることは、出てきた数字から小さいほうへ3ずつ引いていくと いう計算です。 「やめ」という合図があるまで、数字を3ずつ引いて、その答えをどんどん書い ていって下さい。例えば、 53が出てきたら50, 47, 44, ‑という具合に、 3ずつ引いた数を 書いていって下さい。その次の合図で1ページめくり、最初に覚えた文を、思い出して書いて下 さい。このようなことを何回か繰り返します。文はきっちりでなくてもよいですから、思い出し ただけ書いて下さい。合図があるまで、ページをめくらないで下さい。』

説明の教示が終わると、すべての被験者に練習課題が2試行与えられた。実験者の「始吟」と いう合図により、被験者に1ページ目をめくらせ、記銘文を10秒間提示し記銘させた。それに 続く20秒間に、減算課題を筆答させた。続いて、 『さっき覚えた文を思い出して書いて下さい』

と教示が書かれた再生用ページに、筆答による再生を45秒間行わせた。時間の計測には、すべ てストップウォッチが用いられた。

練習課題に続いて、それぞれのトピック条件用に準備された冊子を用いて、本課題が行われた。

記銘文の提示時間(10秒)、リ‑ーサル妨害課題(20秒)、再生時間(45秒)の他、手続きはす べて練習課題と同じであった。

このような手続きで第1試行が行われた。第2試行以降も各条件ごとに、同様な手続きで3試 行が繰り返された。第1ブロックが終わった後、第2ブロック、第3ブロックを、同様な手続き で3試行ずつ行った。なお、ブロック間隔時間として1分間を置いた0

(7)

156

@> LU J

ili^^^^^^mz. ∃

再生プロトコールの得点化のために、各リストの文を文節に基づいて5つの部分に分けた。

(例:海揚 地塗壁,表面積の, 70%を,占めている。)なお、得点化に際しては次の基準を用 いた。再生した文が記銘文の一部を欠いていても、全体的に意味が合っていることが必要条件で あり、それぞれの要素がもとの文と同じ、または同じ意味に言い換えたものに対して得点を与え た。得点化の基準を満たす要素に対しては、 1点ずつ与えた。したがって、最高得点は5点であ

る。

正再生数 結果の処理に際しては、各条件で3種類(ブロックlから皿)のリストの成績を平 均したものを用いた。

図1は、各条件別に再生数の平均値を図示したものである。それらについて、 3 (リスト条 件) × 3 (試行)の分散分析を行った。その結果、リスト条件(F‑3.97, df‑2/87, p<

.05)、試行(F‑28.67, df‑ 2/174, pく.01)の主効果、及びリスト条件×試行の交互作 用(F‑8.89, df‑ 4/174, p<.01)にいずれも有意差が見られた。

最初に、リスト条件について、誤差項(MSe(b) ‑2.70)を用いて主効果の検定を行ったとこ ろ、関連トピック条件と無関連トピック条件の間(t (87) ‑2.78, P<.01)に有意差が見られ た。

次に、試行について、誤差項(MSe (w) ‑0.71)を用いて主効果の検定を行ったところ、すべ ての試行問[第1試行と第2試行(〜 (174) ‑5.02, ♪<.001)、第2試行と第3試行(〜 (174)

‑2.39, p<.05)、第1試行と第3試行(f (174) ‑7.40, p<.001)]で有意差が見られた。

また、リスト条件×試行の交互作用が有意になったので、単純効果の検定を行った。最初に、

条件別に試行間の再生数の差について誤差項(MSe (w) ‑0.71)を用いたt検定を行った。その 結果、同一トピック条件では、すべての試行の間[第1試行と第2試行(〜 (174) ‑2.44, ♪<

.05)、第2試行と第3試行(t (174) ‑3.77, p<.001)、第1試行と第3試行(t (174) ‑6.21,

♪<.001)]に有意差が見られた。関連トピック条件では、いずれの試行においても有意差は見 られなかった。無関連トピック条件では、第1試行と第2試行(〜 (174) ‑5.84, ♪<.001)、

及び第1試行と第3試行Q (174) ‑6.76, p<.001)のそれぞれの間に有意差が見られた。

次に、試行ごとに条件間の差について、合成した誤差項(MSE ‑1.37)を用いたt検定を 行った。その結果、第1試行では3つの条件の間に有意差は見られなかった。第2試行では、無 関連トピック条件と同一トピック条件(t (261) ‑2.65, p<.01)、及び無関連トピック条件と 関連トピック条件(t (261) ‑3.24, p<.01)の間にそれぞれ有意差が見られた。第3試行で は、関連トピック条件と同一トピック条件 Q (261) ‑3.67, pく.001)、及び関連トピック条 件と無関連トピック条件(t (261) ‑4.27, p<.001)の問にそれぞれ有意差が見られた。

文の各部の再生数による分析

①第1語(トピック語:主語)の再生について:

第1語の再生数を得点化して、その平均値を図示したのが図2である。各試行ごとに第1語が 正しく再生されていれば1点を与え、リストが3ブロックあるので最高点を3点とした。平均値 を用いて3 (リスト条件) × 3 (試行)の分散分析を行った。その結果、リスト条件の主効果 に有意差が見られた(F‑3.18, d/‑ 2/87, p<.05)。誤差項(MSe (b)‑0.29)を用いて主

(8)

7      2      3  試行

図1リスト条件ごとの平均正再生数

2

sul

図2 第1語の平均正再生数

2

rer ll; 正 円 叶 択

0‑0円‑

S SIW連 とrr八蝣ra.1

1      2      3 試行

図3 第5語の平均正再生数

2

0‑O pl‑

●一一● 関連

△「△ 奈関連

y.i

図4 第1語と第5語のセットの平均正再生数

効果の検定を行ったところ、同一トピック条件と無関連トピック条件(t (87) ‑2.37, p<

.05)の間に有意差が見られた。

②第5語(最終語:述語)の再生について:

第5語の再生数を得点化して、その平均値を図示したのが図3である。採点方法は第1語の場 合と同様に、各試行ごとに第5語が正しく再生されていれば1点を与え、リストが3ブロックあ るので最高点を3点とした。平均値を用いて3 (リスト条件) × 3 (試行)の分散分析を行っ た。その結果、試行(F‑15.79, df‑2/174, p<.01)の主効果に有意差が見られ、リスト 条件×試行(F‑2.04, df‑ 4/174, p<.10)の交互作用に有意な傾向が見られた。

まず、試行について誤差項(MSe(w)‑0.49)を用いたt検定を行った。その結果、第1試行 と第2試行(t (174) ‑4.89, pく.001)、及び第1試行と第3試行(t (174) ‑4.79, pく

(9)

158

糠in ii:

.001)のそれぞれの間に有意差が見られた。

次に、リスト条件×試行の交互作用について単純効果の検定を行った。まず、条件別に試行 間の再生数の差について、誤差項(MSe (w) ‑0.49)を用いたt検定を行った。その結果、同一

トピック条件では、第1試行と第2試行(∫ (174) ‑2.77, ♪く.01)、及び第1試行と第3試行 (∫ (174) ‑2.21, ♪<.05)のそれぞれの間に有意差が見られた。関連トピック条件では、第1 試行と第2試行(t (174) ‑2.93, p<.01)の問に有意差が見られた。無関連トピック条件で は、第1試行と第2試行Q (174) ‑2.82, p<.01)、及び第1試行と3試行(t (174) ‑4.76,

♪<.001)のそれぞれの間に有意差が見られ、第2試行と第3試行(∫ (174) ‑1.94, ♪く.10) の間に有意差な傾向が見られた。

次に、試行ごとに条件間の差について、合成した誤差項(MSE‑0.64)を用いたt検定を 行った。その結果、第1試行、第2試行ともに各条件間に有意差は見られなかった。第3試行で は、無関連トピック条件と同一トピック条件(∫ (261) ‑2.42, ♪く.05)、及び無関連トピック 条件と関連トピック条件(t (261) ‑3.10, p<.01)のそれぞれの間に有意差が見られた.

③第1語と第5語をセットにした再生について:

第1語と第5語は主語と述語の関係にはぼ相当し、各試行ごとに両方とも正しく再生できてい れば1点を与え、リストが3ブロックあるので最高点を3点とした。平均値を図示したものが図 4である。平均値について3 (リスト条件) × 3 (試行)の分散分析を行った。その結果、試 行 CF‑21.1, df‑2/174, p<.01)の主効果に有意差が見られ、リスト条件×試行(F‑

2.03, df‑ 4/174, p<.10)の交互作用に有意な傾向が見られたO

まず、試行について誤差項(MSe(w)‑0.43)を用いたt検定を行った。その結果、第1試行 と第2試行(∫ (174) ‑6.14, ♪<.001)、及び第1試行と第3試行(∫ (174) ‑5.01, ♪く .001)のそれぞれの間に有意差が見られた。

次に、リスト条件×試行の交互作用について単純効果の検定を行った。まず、条件別に試行 間の再生数の差について誤差項(MSe (w) ‑0.43)を用いたt検定を行った。その結果、同一ト ピック条件では、第1試行と第2試行 0 (174) ‑3.54, p<.001)、及び第1試行と第3試行 (t (174) ‑2.72, p<.01)のそれぞれの間に有意差が見られた。関連トピック条件では、第1 試行と第2試行(t (174) ‑2.72, p<.01)の間に有意差が見られ、第2試行と第3試行(i (174) ‑1.95, ♪<.10)の間に有意な傾向がみられた。無関連トピック条件では、第1試行と 第2試行U (174) ‑4.08, pく.001)、及び第1試行と第3試行(t (174) ‑4.90, p<.001) のそれぞれの問に有意差が見られた。

次に、試行ごとに条件間の差について、合成した誤差項(MSE ‑0.72)を用いてt検定を 行った。その結果、第1試行、第2試行ともに各条件の間に有意差は見られなかった。第3試行 では、無関連トピック条件と同一トピック条件(∫ (261) ‑2.19, ♪<.05)、及び無関連トピッ ク条件と関連トピック条件(〜 (261) ‑2.92, ♪<.01)のそれぞれの間に有意差が見られた。

誤反応

誤反応は次の①〜③の基準で数値化した。表2は、条件ごとに各々のエラーの種類の内訳を示 したものである。 ①部分エラー‑.部分的に間違って再生した人。 ②部分無再生・・・部分的に再 生していない人。 ③全体無再生‑一文を全く再生していない人。

(A)侵入エラー:

エラーは、 2種類の侵入エラー(リスト内侵入エラーとリスト外侵入エラー)、及びそのどち

(10)

衰2 リスト条件ごとの誤反応の内訳 エ ラーの種類

芸 ス 左 試 行

@

1 2 3 1 2 3 1 2 3

15 12 28 0 0 2

11 13 13 ll 0 2 3

9 5 5 17 2 5 0 1 o

(数値は人数)

らでもないその他のエラーであるo それぞれのリスト条件ごとに、その特徴を述べる。

同一トピック条件では、リスト外侵入エラーは全く見られなかった。リスト内侵入エラーとし て、前試行の「〜によって」という語尾を次試行の言糞につけているものが2名あった。その他 のエラーとしては、語尾がなかったり、語尾を言い換えて文そのものの意味が通じないものがほ とんどであった。

関連トピック条件では、リスト外侵入エラーとして「自然」を「森」や「林」や「山」に変え たり、 「秋」を「冬」や「春」に変えているものがあった。リスト内侵入エラーは見られなかっ た。その他のエラーは、語尾や語順の間違いで文の意味が通じないものがほとんどであった.

無関連トピック条件では、リスト外侵入エラーとして「温度」を「湿度」に変えたり、 「熟」

を「火」に変えているものがあった。その他のエラーは、他の2つの条件と同じように、語尾や 語順の間違いが多かった。

(B)無再生エラー:

表2からも明らかなように、部分無再生は試行に伴う一貫した変化はなかった。全体無再生を 条件別に見ると、同一トピック条件では第3試行目だけであったのに対し、関連トピック条件と 無関連トピック条件では第2試行目からそれが見られた。

考   察

本研究の目的は、小学6年生を対象にトピック類似性が異なる短文を用いて順向干渉の形成に 及ぼすトピック類似性の効果について検討することであった。

結果からは、年長児童の場合にも、短文の意味的類似性が順向干渉の形成に影響するという証 拠が示された。しかしながら、トピック類似性の効果に関しては必ずしもDempster (1985)の 結果と一致するものではなかった。

本研究では、関連トピック条件では傾向干渉は形成されなかったが、同一トピック条件と無関 連トピック条件では顕著な順向干渉が形成された。特に、無関連トピック条件での干渉が大き

か‑‑>た。

それに対して、 Dempsterの結果では、すべてのトピック条件で順向干渉が形成されたが、無 関連トピック条件は他の2条件よりもゆるやかな干渉であり、関連トピック条件で最も顕著な干 渉が形成された。

両方の研究で、同一トピック条件の結果は一致していたが、関連トピック条件と無関連トピッ ク条件の結果が逆になった。結果の相違については、被験者、材料などの違いがあるので、厳密

(11)

Tat 藤 田   止

な比較による結論は出しにくい。また、発達的な差としてとらえることにも無理があるように思 える。従って、結果の相違については、用いた短文の特徴を考慮して解釈することにした。

短文の場合の順向干渉は、内容の意味的類似性によりリスト弁別が困難になること、あるいは 反応セット干渉によっても説明できるが、本研究の結果は、単純なリスト弁別仮説では説明でき ない。短文の場合の再生のメカニズムは、最初にトピック語を再生し、それを手掛りにしてその トピック語と関連したキーワードを活性化し、文全体を再生していくと仮定される。また、順向 干渉の形成は、検索時の類似する活性化同士の弁別の困難さから生じるというものである。しか

し、 Dempsterの説明の中には記銘時の活性化の問題は扱われていないが、本研究の結果を説明 するためには、記銘時と検索時の両方の活性化の機能(Talasli, 1984)を考えに入れる必要が ある。それ故、記銘時、及び検索時に文のトピック語から活性化される要素同士の類似性による

リスト弁別の困難さを考慮した解釈を行うことにした。

同一トピック条件では、部分別の再生状況をみると、第1語、つまりトピック語はどの試行で も高い再生率(平均95%)を示したが、第5語、及び第1語と第5語(主語一述語)のセット 再生では再生率の低下が見られた。この条件では、トピック語が同じであるため第2試行以降で は記銘は容易になるが、その反面、文中の個々の内容が弁別的な記憶痕跡になりにくい。その結 果、検索時には現試行の活性化が先行試行の内容についても拡がり、リスト間の弁別が困難にな り再生数が低下したと考えられる。また、誤反応については、この条件では全体無再生が3条件 の中で一番少なく、 3試行目の2名のみである。トピック語が高い再生率を示したことと併せて 考えると、再生したトピック語を手掛りとしてそれに関連するキーワ‑ドを活性化したことを示 す.しかし、この条件では2名のリスト内侵入エラーが見られた。これについては、トピック語 を手掛りに関連するキーワードを活性化するものの、試行問の類似性から、先行試行と現試行と の弁別がつきにくかったことが考えられる。

関連トピック条件では、試行に伴う再生数の低下は見られなかった。この条件のリストは、ト ピック語同士は比較的関連があるので、第2試行以降では類似した意味文脈で記銘することが容 易になる。これは、同一トピック条件の場合と同様、トピック語が全ての試行で高い再生率(辛 均93%)を示したことからも分かる。しかも同一のトピックではないので、記憶痕跡も弁別的

である。検索時には、トピック語からそれに関連するキーワードを活性化するが、リスト間の類 似性は同一トピック条件ほど大きくないので、活性化されたものはそれぞれが比較的弁別的であ る。したがって、先行試行と現試行とのリスト弁別が効果的に行われた結果、順向干渉は形成さ れなかったと考えられる。この結果は、 Dempsterの説明からの予想とは異なっていた。本研究 で用いたリストをDempsterの場合と比較してみると、試行毎のトピック語は関連していたが、

そこから活性化されるキーワード間の関連性は低く、むしろ被験者が情報処理を行う過程では、

弁別的であったのかもしれないo誤反応では、部分エラーが3条件中最も多かった。この条件で はリスト外侵入エラーが見られ、 「自然」を「森」, 「林」, 「山」に変えたり、 「秋」を「冬」や

「春」に変えているものが見られた。これは、トピック語に基づいてキーワードを活性化する際、

概念的に類似した言葉を間違えて産出したものと恩われる。また、リスト内侵入エラーが見られ なかったことと併せて考えると、先行試行と現試行のキーワード間の関連性の低さから再活性化

は起こらず、各試行は弁別して記銘、検索が行われたことがわかる。

無関連トピック条件では、トピック語に関連がないため、内容的にも関連性は低く、試行ごと の弁別がつき易いので順向干渉は形成されないことが予想された。しかし、実際は3条件の中で

(12)

最も大きな順向干渉が形成された。部分別の再生では、第1語(トピック語)が他の2条件に比 べると低い再生率(平均89%)を示し、第5語、及び第1語と第5語のセット再生についても、

3条件の中では最も大きな再生率の低下が見られた。これは、無関連なトピックが続く場合には、

試行毎に新しい文脈で記銘していかねばならないので、ある程度の記銘の困難さを負わされる。

そのため第1語(トピック語)はスムーズに記銘しにくく、それに基づくキーワードの活性化も 有効に行われなかった。そのため、文全体がまとまった形で記銘されず、検索の際にリスト間の 弁別がより困難になり、大きな再生率の低下につながったのはないかと考えられる。誤反応を見 ると、部分エラーは3条件中最も少ないが、部分無再生と全体無再生が最も多かった。これは、

トピック語の記銘の困難さから生じるキーワードの活性化の低下を裏付けている。

本研究ではトピックの類似性を扱ったが、トピックにかかわる短文の内容そのものの類似性に ついての厳密な統制ができていなかったのかもしれない。この点が、 Dempsterの結果との違い を生じた可能性もあるので、意味内容が類似する短文における順向干渉の形成に関するメカニズ ムを検討する上においても、今後検討する必要がある。

要   約

本研究は年長児童を対象に、トピックの類似性が異なる短文を用いて順向干渉の形成に及ぼす 効果について検討することを目的とした。

小学6年生90名が、トピックの類似性で異なる3つのリスト条件(同一トピック条件、関連 トピック条件、無関連トピック条件)にそれぞれ30名ずつ割り当てられた。記銘リストには、

第1語がトピック語で始まり、以下の語はトピックの内容を表す11‑12単語で構成される短文 を用いたO同一トピック条件は、試行を通してリストのトピックが変化しないリスト条件である。

関連トピック条件は、リストのトピックが試行を通して概念的に類似しているリスト条件である。

無関連リスト条件は、試行を通してリストのトピックが全く関連のないリスト条件であった。ま た、リスト間の差をなくすためにそれぞれのリスト条件について、異なるリスト3種類が用いら れた。実験は集団で行われ、記銘、再生は全て実験用冊子を用いて行われた。記銘用の短文を 10秒間提示し、 20秒間のリ‑〜サル妨害課題の後、筆答による再生(45秒間)を行わせた。こ のようなBrown‑Petersonの手続きが3試行繰り返された。

主な結果は次の通りであった。関連トピック条件では、試行に伴う再生率の減少は見られず、

順向干渉は形成されなかった。それに対して、同一トピック条件と無関連トピック条件では、試 行に伴う再生率の減少が見られ、順向干渉が形成された。干渉形成の程度は同一トピック条件よ

りも無関連トピック条件の方が大きかった。

これらの結果は、リスト間の意味的類似性に基づく単純なリスト弁別仮説からは説明できない ので、記銘時、及び検索時の文のトピック語から活性化される要素同士の類似性によるリスト弁 別の耐難さを考慮して解釈された。

引 用 文 献

Anderson, J. R. & Bower, G. H. 1973 Human associative memory. Winston & Sons. Washington. D. C.

Ausubel, D. P., & Blake, E. Jr. 1958 Proactive inhibition in the forgetting of meaningful school material. Journal of Educational Research, 52, 145 ‑ 149.

Ausubel, D. P., Robbins, L. C, & Blake, E. Jr. 1957 Retroactive inhibition and facilitation in the

(13)

162

藤 田   正

learning of school materials. Journal of Educational Psychology, 48, 334 ‑ 343.

Ausubel, D. P., Stager, M., & Gaite, AJ. 1968 Retoroactive facilitation in meaningful verbal learning.

Journal of Educational Psychology, 59, 250 ‑ 255.

Birnbaum, I. M. 1974 Category similarity and retroactive inhibition in free recall. Journal of

Expeγimental Psychology, 102, 1147 ‑ 1149.

Blumental, G. B., & Robbins, D. 1977 Delayed release from proactive interference with meaningful material: How much do we remember often reading brief prose passages? Journal of Experimental Psychology : Human Learning & Memory, 3, 754 ‑ 761.

Brown, J. 1958 Some tests of the decay theory of immediate memory. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 10, 12 ‑ 21.

Corman, C. N., & Wickens, D. D. 1968 Retroactive inhibition in short‑term memory, journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 7, 16 ‑ 19.

Craik, F.I.M., & Birtwistle, J. 1971 Proactive inhibition in free recall. Journal of Experimental Psychology, 91, 120 ‑ 123.

Delaney, H. D., & Logan, F. A. 1979 Item similarity and proactive interference in short‑term memory.

Bulletin of the Psychonomic Society, 14, 288 ‑ 290.

Dempster, F. N. 1985 Proactive interference in sentence recall: Topic‑similarity effects and individual differences. Memory & Cognition, 13, 81 ‑i

藤田 止1982 順向抑制の形成と解除に及ぼす再生f・掛りの効果性と項目の弁別性 奈良教育大学紀要,

31, 1, 189‑200.

藤田 正1985 順向抑制の形成に及ぼすリスト類似性の効果 奈良教育大学紀要, 34,1,189‑200.

藤田 正1986 順向抑制の形成に及ぼす漢字属性の類似性の効果 奈良教育大学紀要, 35, 1,259‑269.

藤田 正1989 児童の順向抑制に関する研究 奈良教育大学紀要, 38,1,179‑189.

Klazky, R. L. 1980 Human memory: Structures and processes 2 nd ed. Freeman and Company, San Francisco.

Loess, H. 1968 Short‑term memory and item similarity. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 7, 87‑92.

Peterson, L. R., & Peterson, M. J. 1959 Short‑term retention of individual verbal items. Journal of E坤enmental Psychology, 58, 193 ‑ 198.

Postman, L., Stark, k., & Fraser, J. 1968 Temporal changes in interference. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 7, 672 ‑ 694.

須藤貴明1976 概念伝達を基本とする言語指導 村井潤一ほか(編)言葉の発達とその障害 第一法規出 版, 273‑302.

Talash, U. 1984 Proactive inhibition as a result of activation. Psychological Reports, 55, 363 ‑ 370.

辰野千春1973 学習心理学概説 金子書房,東京.

Thorndyke, P. W., & Hayes‑Roth, P. 1979 The use of schemata in the acquisition and transfer of knowledge. Cognitive Psychology, ll, 82 ‑ 106.

Wickelgren, W. A. 1965 Acoustic similarity and retroactive iterference in short‑term memory.

Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 4, 53 ‑ 61.

Wickens, D. D. 1970 Encoding categories of words : An empirical approach to meaning. Psychological Review, 77, 1‑15.

Wickens, D. D., Born, D. G., & Allen, C.K. 1963 Proactive inhibition and item similarity in short‑term memory. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 2, 440 ‑ 445.

付記:本研究を行うにあたり実験に快く協力下さいました大和郡山」市立郡山西小学校の先生方、児童の皆様 に心より厚くお礼申し上げます。また、実験の実施とデータの整理、分析に際しては吉田郁子さんの多 大な協力を得ました。ここに記して感謝の意を表します。

(14)

The Effect of Topic Similarity on Proactive Interference in Sentence Recall with Children

Tadashi Fujita

(Department of Psychology, Nara University of Education, Nara 630, Japan) (Received April 30, 1996)

The purpose of this experiment was to investigate the effect of topic similarity on proactive interference (PI) in sentence recall using the Brown‑Peterson paradigm with elementary school children.

A 3 × 3 factorial design was used, which incorporated list conditions (same topic, related topic, and unrelated topic condition) and number of trials (from 1 to 3). The subjects were 90 6th grade children with a mean age of ll years and 8 months and were assigned to one of the three list conditions (see Table 1 ). Each list was consisted of three short sentences. Each sentence had ll or 12 words and the first word (subject) was the topic word of each sentence.

Under the same topic condition, all the lists in three trials consisted of sentences with the same topic (e.g. sea). Under the related topic condition, lists in three trials were consisted of sentences with related topics (e.g. sea, lake, river). Under the unrelated topic condition, lists in three trials consisted of sentences with unrelated, different topics (e. g. sea, heat, language).

The experiment was conducted by a group administered procedure of Brown‑Peterson paradigm. The booklet for experiment task contained instruction, three sentences to be remembered, distractor task and recall test sheets. Three sentences were presented simultaneously at 10 sec. rate, which was followed by the distractor task (counting backwards by‑three from a 2 digit number: 20 sec). Then recall test by writing was given for 45 sec.

The main results were as follows (see Fig. 1): on the performance of trial 1 to 3 under the same topic condition and the unrelated conditions, PI was built up as a function of trials. But PI was not built as a function of trials under the related topic condition.

These results suggest that the buildup of PI was influenced with the similarity of topic in each sentence among adjacent trials. Since these results were partly different from the results of Dempster (1985) with university students, we could not simply interpret by the response set interference hypothesis. Instead of simple response set interfernce hypothesis, we interpreted these results by means of the revised list differenation hypotheses which were emphasized on the similarity among elements activated by topic words in each sentence at encoding and retrieval phases.

参照

関連したドキュメント

されている上位概念 は同 じである。両条件の違いは ,事 例が典型か非典型か ,す なわち事例 の 意味素性が上位概念 によ く似ているか比較的そうで はいか ,と

【はじめに】当院における一般撮影系ではCRによるデジタル撮影を使用し、撮影条件は以前

損失のパラメータ値を共振条件を満足する値にしている.そのため,完全共振が発生していることが図よ

Hunt (1980)では、記銘語がお互いに関連しているリスト(関連リスト)と関連していない

第2の立場は、検索手掛かりの弁別機能の低下を特に考慮することなく、項目間の類似性によ

記憶は多くの場合、記銘ないし検索の際に記銘材料に共通する属性を手掛りとしてなされてい

、 のパターンによって群化の効果が異なっていた。 すなわち、 パターン においては 条件の 間の距離の下限閾値が 条件より大きく、 条件で

アルファベットであったときの希釈条件と低負荷条件で は反応時間に差がみられなかったが(Benoni &amp; Tsal,