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児童の順向抑制に関する研究

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

児童の順向抑制に関する研究

著者 藤田 正

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

38

1

ページ 179‑191

発行年 1989‑11‑25

その他のタイトル A Study of Children's Proactive Inhibition in Short‑term Memory

URL http://hdl.handle.net/10105/1999

(2)

奈良教育大学紀要 第38巻第1号(人文・社会)平成元年

Bull. Nara Univ. Educ. Vol. 38. No. 1 (cult. & soc.1,1989

児童の順向抑制に関する研究ー

藤 田   正 (奈良教育大学心理学教室)

・成元年4月280受理)

先行事象の記憶が後続事象の記憶を妨げる現象は、順向抑制(Proactive Inhibition)、または 順向干渉(proactive Interference)とよばれ古くから多くの研究が行われてきた(Houston, 1981 :辰野、 1973)c この現象が短期記憶においても忘却の原因となっていることをKeppeland Underwood (1962)が兄い出して以来、短期記憶の領域においても順向抑制の形成のメカニズム や、順向抑制の形成に影響する要因に関する実験的研究が数多く行われている(Crowder, 1976

: Underwood, 1982)。

短期記憶における順向抑制の検討は、多くの場合Brown‑Petersonパラダイム(Brown, 1958;

Peterson & Peterson, 1959)を用いて行われている。これまでに提唱されてきた順向抑制のメカ ニズムに関する主な理論を分類してみると、項目レベルで順向抑制の原因を考える説と、項目間 に共通する記憶手掛りの機能のレベルで順向抑制の原因を仮定する説とに分けることができる。

Keppel and Underwood (1962)の学習解消と自発的回復による「競合」を仮定する2要因説、

Wickens (1972)の項目間の弁別性の低下を仮定する説、 RadtkeandGrove (1977)の項目の利 用可能性(availability)と接近可能性(accessibility)の差の反映を仮定する説などは前者である。

他方、 Watkins and Watkins (1975)の検索手掛りの過重負荷による検索機能の低下を仮定する 説(「手掛り過重負荷説 cue‑overload hypothesis」)は後者である。なお、 Craik and Birtwistle (1971)の検索手掛りの効果性と項目弁別性の低下を仮定する説は両者にまたがるものである。

記憶は多くの場合、記銘ないし検索の際に記銘材料に共通する属性を手掛りとしてなされてい ると言っても過言ではない。しかしながら、短期記憶における干渉理請では,記憶手掛りの機能 と干渉成立の関係を扱った理論は少なく、また、手掛りの機能や特性などについて組織的に検討 したものも少ない。筆者は、このような問題にアプローチするために、記憶手掛りが弁別的に機 能するリスト条件と弁別的に機能しないリスト条件を設け、記憶手掛りが順向抑制の形成に及ぼ す効果について比較する方法(藤田、 1982、 1985a、 1986)と、記銘時、または検索時に弁別的 な手掛りを提示することが順向抑制の形成に及ぼす程度を比較することにより、手掛りの機能へ の直接的な検討を行う方法(藤田、 1983、 1985b、 1988)を用いてきた。これらの研究を通して

=リスト内に共通する属性に基づく記憶手掛りの体制化機能と、それに基づくリスト間の弁別機 能が効果的に作用する場合には再生は促進され、干渉が生じることはないが、弁別機能が効果的 に作用しない場合には、再生を妨害し、干渉が生じる。"という順向抑制における記憶手掛りの 体制化機能と弁別機能の効果性を仮定する仮説を検討してきた。

これまでに筆者が行ってきた研究は、順向抑制形成のメカニズムを検討する目的で行われたの で大学生を用いたものが中心であった。しかし、記憶手掛りの機能の問題は、手掛りを効果的に 利用できるか否かにも依存しているので、発達的な要因とも関係するものと考えられる。仮説の 妥当性、適用の限界を知るためにも児童を用いた検討が必要である。リスト項目間に共通する属 性を記憶手掛りとして利用する問題は、これまでにもカテゴリー群化の研究(Kail,1984;Koba‑

179

(3)

180

藤 田   正

sigawa, 1974)で数多く検討され、小学6年生の年齢になれば記憶手掛りを自発的に使用する能 力や、手掛りの効率的な利用能力が身につくことを明らかにしている0

本研究では、大学生を用いて実証されてきた記憶手掛りの機能の低下が順向抑制の成立の原因 であるという仮説が、どの程度児童にも適用できるかという点について、筆者がこれまでに用い てきた2つの方法により検討することを目的とした。実験Iでは、記憶手掛りが弁別的に機能す るリスト条件と弁別的に機能しないリスト条件を用いて、記憶手掛りを自発的に利用する状態で、

順向抑制の形成に及ぼす記憶手掛りの機能について検討する。実験Ⅱでは、記銘時、または検索 時に弁別的な記憶手掛りを提示することにより、直接手掛りを使用させる状態での順向抑制の形 成に及ぼす記憶手掛りの効果について検討する。

m り

目的 藤田(1985)は大学生を用いて、順向抑制の形成に関係すると考えられる記憶手掛りの 体制化に基づく弁別機能の働きを明確にするために、リスト内とリスト間の概念の類似性の組み 合わせにより構成された4つのリスト条件を用いた。ここでは、手掛りの弁別性が明確に機能す る2つのリスト条件の結果について紹介する。そのひとつは、同一カテゴリーの項目から各試行 のリストが構成されているリスト条件(s‑s条件)であり、他は各試行が異なる概念カテゴリー で構成されているリスト条件(S‑D条件)であった。両リスト条件についての再生成績を比較し た結果、 S‑S条件では第1試行から第2試行にかけて大きな再生の減少を示し、その後も再生は 減少し順向抑制が形成された。他方、 S‑D条件では再生の減少はほとんどみられなかった。この 結果は、 S‑S条件では記憶手掛りが項目を弁別的に検索できないことによることを示し、 S‑D条 件では各試行において記憶手掛りが項目を弁別的に検索できることを示すものであった。

実験Iでは、児童を用いて記憶手掛りが弁別的に使用できるS‑S条件と、弁別的に使用でき ないSID条件の再生成績を比較し、順向抑制の形成における記憶手掛りの体制化機能と弁別機 能について検討することを目的とした。

方法(1)実験計画‑実験計画は2× 3の要因計画であった。第1の要因はリスト条件で、リ スト内とリスト間の概念的類似性の組み合わせにより構成されたSimilar‑Similar条件(以下 sIS条件)とSimilar‑Dissimilar条件(以下S‑D条件)であった。第2の要因は試行数で、第1 試行から第3試行までであった。なお、第1の要因は被験者間、第2の要因は被験者内の要因で あった。

(2)被験者‑被験者は、小学6年生30名(男児13名、女児17名)であった。彼らの平均年齢は 12歳2か月(範囲11歳10か月〜12歳10か月)であった。これらの被験者は、各リスト条件ごとに 15名ずつ割り当てられた。

(3)記銘リスト‑記銘リストには、北尾・菊野1975)の児童用カテゴリー出現頻度表を参考 にして選択された3‑4音節の名詞が用いられた。 1リストは3項目から成り、リスト間の出現 頻度、音節数、熟知度ができるだけ等しくなるようにした。項目はワードプロセッサーで横書き に仮片名で打ったものを頭文字を1つずつ右へずらして各単語が読みやすいように間隔をあけ、

縦に3段で並べ、拡大したものを印刷した。表1は、実験Iで用いたリスト項目の一例を示した ものであるo S‑S条件では、リストは第1試行から第3試行まですべて同一のカテゴリー(野菜、

(4)

児童の順向抑制に関する研究 rail

または鳥)から選ばれた項目のみで構成されている。 SID条件では、リストは野菜、動物、国名 (または、鳥、花、果物)のように試行ごとにカテゴリーが異なる項目で構成されている。なお、

予めリストの提示順序、リスト内の項目の提示順序を考慮し、 3種類の異なるリストが用意され た。また、練習課題用のリストを2試行分、別に作成した。これらのリスト項目は本課題で用い られたカテゴリーとは異なるカテゴリーで構成されていた。

練習課題、および本課題用の教示、記銘項目、リハーサル妨害課題、再生用紙はB6版の大き さの1冊の冊子にしたものを用いた。なお、冊子はすべて横書きの形式で印刷され、横開きで取 り扱うように作成された。また、提示時間等の時間の計測にはストップウオチが用いられた。

(4)手続き‑実験は集団で行われた。 1クラ スの半数の者がS‑S条件に、残り半数の者が sID条件に割りあてられた。実験用冊子を配布 し、名前、名列番号、生年月日などを記入させ たあと、表紙うらの=やり方の説明"の個所を

表1.実験Iで用いた記銘リスト 試   行 リスト条件

1     2     3

読み上げ、実験のやり方について説明し、実験

を開始した。説明は、次の内容であった     s‑s

=今から皆さんにやってもらうことは、 「こ とばの記憶」と「計算問題」の2つです。最初 に合図があり、いくつかのことばが出てきます ので、それをしっかりとおぼえて下さい。次の

S‑D

ニンジン キャベツ トマト レタス  ピーマン ハクサイ ナスビ  タマネギ ダイコン ニンジン ライオン アメリカ レタス  キリン  フランス ナスビ  ゴリラ  イギリス

合図があったら、ページを1枚めくって下さい.

今度やることは、出てきた数字から、小さい方へ3つずつ引いていくという計算です。 「やめ」

という合図があるまで、数字を3ずつ引いて、その答えをどんどん書いていって下さい。その次 の合図で、 1ページめくり、最初におぼえたことばを思い出した順に書いていって下さい。この

ようなことを何回か繰り返します。"

教示が終わると、練習課題を2試行行い、やり方を理解させた。続いて、本課題が行われた。

項目の提示は3項目同時提示で、提示時間は4秒であった。それに続いて、リハーサル妨害課題 として2桁の整数から3ずつ小さい方‑逆算する減算課題が15秒間行われ、続いて筆答による自 由再生が10秒間行われた。試行間間隔を4秒間とり、同様な手続きで3試行繰り返された。第3 試行が終わったあとで、 「練習課題以外でおぼえたすべての言葉をどんな順序でもよいから想い 出して書いて下さい。」との教示により最終自由再生テストを1分間行った。この後、 1分間の 時間を置いた後に別のカテゴリーから成るリストについても同様な手続きで実験が繰り返され た。なお、それぞれの時間はストップウオチを見て実験者が合図を送り調整した。

結果 結果の処理に際しては、 2種類のリストの成績を平均したものを用いた。

Brown‑Peterson試行の成績(1)正再生率‑項目の提示位置に関係なく正しく再生された項 目の再生を求め、条件別に示したのが図1である。角変換した値の平均値について2(リスト条件)

×3(試行)の分散分析を行ったO その結果、リスト条件(F‑12.10, d/‑l/28, P<.01)と試 行(F‑8.22, df‑2/56, P<.01)の主効果がそれぞれ有意になった。また、リスト条件×試行 の交互作用(F‑2.80, df‑2/56, P<AO)には有意な傾向が認められた。

交互作用に有意な傾向がみられたので、単純効果の検定を行った。最初に、試行に伴う再生率

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藤Ill   」

の変化を条件別にみたところ、 SIS条件では第1試行と第3試行(f(56)‑4.28, P<.001)、及 び第2試行と第3試行U(56)‑3.29, P<.001)の間にそれぞれ有意差がみられたO しかし、

S‑D条件では、どの試行間にも有意差はみられなかった。

次に、試行ごとに条件間の差をみたところ、第1試行では、条件間で有意差はみられなかった がU(56)‑1.74, n.s.)、第2試行(t(56)‑2.73, P<.01)、及び第3試行(t(56)‑4.08, P<

.001)では、 2条件間にそれぞれ有意差がみられた。

(2)誤反応数‑誤反応は、リスト外侵入エラー(リストに含まれていない項目の再生)とリス ト内侵入エラー(先行試行のリスト項目の再生)について算出した。表2は、それぞれのエラー の総数を条件別に示したものである。全体的にエラーの出現は非常に少なかったので、特に統計 的処理は行わなかった。リスト内侵入エラーについては、S‑D条件ではエラーは生じていないが、

S‑S条件では第2試行と第3試行で若干生じている程度であった。

最終自由再生テストの成練 項目の提示位置に関係なく正しく再生された項目の再生率を求 め、 Brown‑Peterson試行で提示された試行ごとに割り振り直した。図2は、再生率の平均値を 条件別に示したものである。角変換した値の平均値について2 (リスト条件) ×3 (試行)の分 散分析を行った。その結果、リスト条件(F‑6.65, df‑¥/28, P<.05)の主効果のみ有意になっ た。その他の主効果、及び交互作用は有意でなかった。

考察 Brown‑Peterson試行の成績に関しては、 S‑S条件では、試行に伴い大きく再生が減少

1      2       3

試行

Pr

料 (%)

90

EI 0

70

1         2         3

試行

図1. Brown‑Peterson試行における条件     図2.最終自由再生テストにおける条件 ごとの平均正再生率       ごとの平均正再生率

表2.誤反応の総数

リスト外侵入エラー    リスト内侵入エラー リスト条件      試   行 試   行

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児童の順W抑制に関する研究

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し順向抑制の形成がみられた。それに対して、 S‑D条件では、試行に伴う再生の低下はほとんど なく、順向抑制の形成はみられないという結果であった。この結果は、大学生を用いて検討した 藤田(1985)の結果と一致するものであり,順向抑制の形成に及ぼす記憶手掛りの弁別機能仮説 を支持するものであった。つまり、 SID条件では試行ごとにカテゴリーが変化するため、リスト 内の項目に共通するカテゴリー名が記銘、または検索時の手掛りとして効果的に機能するので順 向抑制が形成されなかったのであり、 sIS条件ではリスト内の項目間に共通するカテゴリーが、

記銘、または検索時の手掛りとして利用できても、リスト間には類似性が存在するので、記憶手 掛りの弁別機能が低下し、順向抑制が形成されたのであった。

以上のように、全体としては大学生の結果とはC三相寸応した結果となり、仮説をほぼ支持する結 果となった。しかし、記銘リスト、実施手続きが異なるので再生率の厳密な比較はできないもの の、第1試行から第3試行にかけてのS‑D条件の再生率は、大学生(藤田, 1985a)では87.5%、

83.3%、 82.6%であり、児童では1.9%、 90.0%、 81.1%とほぼ同程度であった。それに対して、

S‑S条件の再生率は、大学生では84.0%、 44.4%、 31.9%と第1試行から第2試行にかけて急激 な再生率の低下がみられ、児童では80.0%、 73.3%、 54.4%と、むしろ第2試行から第3試行に かけて大きな低下がみられ、再生率の減少のパターンには相違がみられた。大学生の場合、第1 試行から第2試行にかけての韓初の段階から大きな減少を生じる結果(藤田、 1983, 1985a, 1986;Wickens, 1972)が多かった。このような結果は、児童に比べて大学生の方が、リスト項 目間に共通する手掛りが記銘、または検索の段階で強く機能し、S‑S条件のような同一カテゴリー 項目リストの場合、より早い時期から検索時に手掛りを弁別的に使用できにくくなった結果とし て、このような急激な低下を生じたものと考えられる。

また、最終自由再生テストの結果は、両リスト条件とも、試行に伴う再生率の減少みられなかっ た。この結果は、藤田(1985)の大学生の結果とも一致するものであった。特に、 Brown‑Peter‑

son試行で順向抑制の形成されたS‑S条件で、再生率が一定している結果は、順向抑制の形成の 原因が主として検索段階にあると考える立場(Loftus & Patterson, 1975; Watkins & Watkins,

1975)を支持するものであった。検索時説によれば、順向抑制の形成は、項目が記銘され、貯蔵 されていても、リスト間の類似性により、検索時に一時的に手掛りの弁別性が低下し、効果的な 利用ができなくなる結果として生じるものと説明している。少なくとも、年長児童にはこの検索 説があてはまるように思われる。

実 験 Ⅱ

日的 順向抑制の形成に及ぼす記憶手掛りの体制化に基づく弁別的な機能を直接的に検討する ために、記銘時、または検索時にリスト項目間に共通し、しかも試行間のリスト項目を弁別でき

る手掛りを提示することが順向抑制の形成に及ぼす効果について検討することを目的とした。

記銘時、または検索時の手掛り提示による方法は、手掛りの機能の直接的な検討だけでなく、

順向抑制形成の原因が記銘時にあるのか、検索時にあるのかについて検討できる。もし、記銘時 の弁別的手掛りが順向抑制の形成を防ぐならば、原因は記銘時に存在すると考えられるし、検索 時の弁別的手掛りが順向抑制の形成を防ぐならば、原因は検索時に存在すると考えられる。

藤田(1985)は、各試行が=やわらかい、まるい、赤い"といった感覚印象カテゴリー項目リ ストを用い、記銘時、または検索時に感覚印象カテゴリー名を手掛りとして提示することが順向

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藤 田   正

抑制の形成に及ぼす効果を大学生について検討した。その結果、手掛り提示のない統制条件では、

顕著な再生率の低下がみられ、順向抑制が形成された。それに対して、 2つの手掛り条件のうち、

検索時手掛り条件では再生率の低下はほとんどみられず、順向抑制は形成されなかった。また、

記銘時手掛り条件では、第1試行から第2試行にかけてはては再生率の低下はみられなかったが、

第2試行から第3試行にかけて統制条件程の大きな低下ではなかったが、再生率の低下がみられ た。

このような結果は、記銘時の手掛りの提示はリスト内の項E]を感覚印象カテゴリーによって体 制化することを促進し、試行ごとに異なる手掛りが提示されるので、弁別的な符号化を促進する。

他方、検索時の手掛り提示は、各試行で体制化されたものに基づく弁別的な検索を可能にするの で、順向抑制の形成を防いだものと考えられる。第1試行から第2試行にかけての2つの手掛り 条件の再生率はほぼ同じで変化しなかったが、第2試行から第3試行にかけては記銘時手掛り条 件で再生率の減少がみられた。それ故、記銘時に弁別的な手掛りを与えているにもかかわらず再 生が減少している点から、順向抑制の形成の原因は相対的にみて検索時に大きいと解釈された。

先の大学生の研究は、感覚印象カテゴリーリストを用いて検討したものであったので、実験Ⅲ では、実験Iとの関連から概念カテゴT)‑項目リストを用いて記銘時、または検索時に弁別的な 記憶手掛り(下位カテゴリ一名)を提示することが、順向抑制の形成に及ぼす効果から、児童の 順向抑制の形成における手掛りの機能について検討することを目的とした。

方法(1)実験計画‑実験計画は3×3の要因計画であった。第1の要因は手掛り条件で、記 銘時に下位カテゴリー名を与える記銘時手掛り条件、検索時に下位カテゴリー名を与える検索時 手掛り条件、及び記銘時にも検索時にも手掛りを与えない統制条件の3条件であった。第2の要 因は試行数で、第1試行から第3試行までであった。なお、第1の要因は被験者間の要因であり、

第2の要因は被験者内の要因であった。

(2)被験者‑被験者は小学6年生105名(男児51名、女児54名)であった.彼らの平均年齢は 12歳2か月(範囲11歳8か月‑12歳8か月)であった。これらの被験者は、各条件ごとに1クラ スずつ割りあてられた。

(3)記銘リスト‑記銘リストは、北尾・菊野(1975)の児童用カテゴリー出現頻度表を参考に して「楽器(または、乗物)」のカテゴリーをさらに3つの下位カテゴリーに分け、それぞれの 下位カテゴリーに含まれる典型的な項目で、 3‑5音節のものを3語ずつ選択した。なお、下位 カテゴリー、及び項目を選択するために実験に先立って、記憶実験に参加したのとは別の6年生 (42名)を対象に事前調査を行った。 1リストは3項目から成り、リスト間の出現頻度、音節数 をできるだけ等しくなるように考慮して作成した。項目名はワードプロセッサーで横書きに片仮 名で打ったものを頭文字を右へひとつずつずらして縦に3段で並べ、それを拡大したものを印刷 した。表3は、実験Ⅱで用いたリスト項目の一例を示したものである。なお、予めリストの提示 順序、リスト内の項目の提示順序を考慮し、 3種類の異なるリストを用意した。

なお、各リスト条件に合わせて、練習課題用のリストを2試行分、別に作成した。これらのリ スト項目は、本課題で用いられたカテゴリーとは異なるカテゴリーで構成されていた。

練習課題、及び本課題用の教示、記銘項目、手掛かりの提示、リハーサル妨害課題、再生用紙 は実験Iと同様、 B6版の大きさの1冊の冊子にしたものを用いた。また、提示時間などの時間 の計測にはストップウオチが用いられたO

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児童の順向抑制に関する研究

表3.実験Ⅲで用いた記銘リスト A

リスト条件

1        2         3

下位カテゴリー  管楽器    弦楽器    打楽器

ホルン     バイオリン  シンバル 項     目  トランペット チェロ    カスタネット

フルート   ビオラ     タイコ

185

(4)手続き‑実験はクラスごとに集団で実施された。実験用冊子を配布し、名前、名列番号、

生年月日などを記入させたあと、表紙うらの̀やり方の説明"の個所を読み上げ、実験のやり方 について説明した。説明の内容は、実験Iとほほ同様なものであったが、記銘時手掛り条件では、

毎試行記銘項目の提示に先立って、 『今からでてくることばは、管楽器のなかまです。』といった 形で、下位カテゴリー名が与えられた。検索時手掛り条件では、再生時に『さっきおぼえた管楽 器のなかまを思い出して書いて下さい。』といった形で、下位カテゴリー名が与えられた。

2試行の練習課題でやり方を理解させた後、続いて本課題が行われた。項目の提示は、 3項目 同時提示で、提示時間は3秒であった。次に、 2桁の整数から3ずつ小さい方へ逆算する課題が リハーサル妨害課題として15秒間行われ、続いて筆答による自由再生が15秒間行われた。試行間 間隔を4秒間とり、同様な手続きで3試行繰返した。第3試行が終わった後で、最終自由再生を

1分間行った。この後、 1分間の時間を置いた後に、別のカテゴリーから成るリストについても 同様な手続きで実験が繰返された。

結果 結果の処理に際しては、 2種類のリストの成績を平均したものを用いた。

Brown‑Peterson試行の成績(1)正再生率一項目の提示順序に関係なく正しく再生された項 目の総数を求め、条件別に再生率の平均値を図示したのが図3である。角変換値の平均値につい て3 (手掛り条件) ×3 (試行)の分散分析を行った。その結果、手掛り条件(F‑14.46, df‑

2/102, P<.01)、及び試行(F‑ll.94, if‑2/204, P<.01)の主効果がそれぞれ有意であった が、手掛り条件×試行の交互作用(F‑1.20, df‑A/204, n.s.)は有意でなかった。

手掛り条件について、誤差項(MSe(6 ‑446.63)を用いて主効果の検定を行ったところ、記 銘時手掛り条件と検索時手掛り条件U(102)‑1.78, .05<P<.10)、記銘時手掛り条件と統制条 件(f(102)‑5.20, P<.OOi;、及び検索時手掛り条件と統制条件(((102)‑3.43, p<.OOD の それぞれの間において有意差がみられた。

次に、試行について誤差項(MSe(w)‑225.29)を用いて主効果の検定を行った。その結果、

第1試行と第2試行U(204)‑3.66, P<.001)、第1試行と第3試行U(204)‑4.13, P<.OOi;

のそれぞれの間に有意な差がみられたo Lかし、第2試行と第3試行U(204)‑0.48, n.s.)の 間には、有意な差はみられなかった。これは、再生率が第1試行から第2試行にかけて減少して いることを示している。

交互作用は有意でなかったが、手掛り条件と統制条件で試行に伴う再生率の減少パターンに違 いがみられたので、念のために単純効果の検定を行った。最初に、条件別に試行間の再生率の差 について、誤差項(MSe(w)‑225.29)を用いたt検定を行った。その結果、記銘時手掛り条件

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186

藤 田   正

では、いずれの試行間においても有意な差はみられなかった。検索時手掛り条件では、第1試行 と第3試行O(204)‑3.20, P<.01)の間にのみ有意差がみられた。統制条件では、第1試行と 第2試行(K204)‑3.69, P<.001)、第1試行と第3試行U(204)‑2.75, P<.01)のそれぞれ の間に有意な差がみられた。

次に、試行ごとに条件間の差について、合成した誤差項(MSe‑299.07)を用いたt検定を行っ た。その結果、第1試行では、記銘時手掛り条件と統制条件U(306)‑2.83, P<.Oi;、及び検 索時手掛り条件と統制条件U(306)‑2.00, P<.05)の間にそれぞれ有意差がみられた。第2試 行でも、同様に記銘時手掛り条件と統制条件U(306)‑4.63, P<.001)、検索時手掛り条件と統 制条件(f(306)‑3.80, P<.001)の間に有意差がみられた。しかしながら、記銘時手掛り条件 と検索時手掛り条件の間には有意差はみられなかった。第3試行では、記銘時手掛り条件と検索 時手掛かり条件、及び統制条件との間にそれぞれ有意差がみられたU(306)‑2.ll,P<.05; ((306)

‑3.73, P<.001)c しかし、検索時手掛り条件と統制条件の間には有意な差がみられなかった。

(2)誤反応‑表4は、誤反応の総数について、リスト外侵入エラーとリスト内侵入エラーに分 けて示したものである。誤反応数は全体的に少なく、条件別に目立った特徴もみられなかったの で統計的処理は行わなかった。

図3. Brown‑Peterson試行における条件    図4.最終自由再生テストにおける条件 ごとの平均正再生率      ごとの平均正再生辛

表4.誤反応の総数

リスト外侵入エラー リスト条件      試   行

リスト内侵入エラー 試   行

記銘時手掛り 検索時手掛り 統    制

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児童の順向抑制に関する研究

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最終自由再生(1)正再生率‑項目の提示順序に関係なく正しく再生された項目をBrown‑

Peterson試行で提示された試行ごとに割り振り直した。再生率の平均値を求め、条件別に図示し たのが図4である。角変換値の平均値について3(手掛り条件)× 3(試行)の分散分析を行った。

その結果、手掛り条件(F‑10.75, df‑2/102, P<.001)の主効果のみが有意であり、試行(F

‑2.59, d/‑2/204, n.s.)の主効果と手掛り条件×試行の交互作用(F<1, d/‑4/204)は有意 でなかった.手掛り条件について、誤差項(MSc(b)‑459.21)を用いて主効果の検定を行った ところ、記銘時手掛り条件と統制条件U(102)‑4.46, P<.001)、及び検索時手掛り条件と統制 条件(HI02 ‑3.49, P<.001のそれぞれの間に有意な差がみられたが、記銘時手掛り条件と 検索時手掛り条件(∫(102 ‑0.97 の間には有意差がみられなかった。

考察 順向抑制の形成に及ぼす記憶手掛りの効果をより直接的に検討するために、記銘時、ま たは検索時に下位カテゴリー名を弁別的な手掛りとして提示し、順向抑制の形成に及ぼす効果に ついて児童を用いて実験を行った。 Brown‑Peterson試行において、統制条件では第1試行から 第3試行にかけて顕著な再生率の低下がみられ、順向抑制が形成された。しかし、記銘時手掛り 条件では、試行に伴う再生率の低下はなく順向抑制は形成されなかった。また、検索時手掛り条 件では、第1試行から第2試行にかけては、記銘時手掛り条件の再生率とほぼ同じであったが、

第2試行から第3試行にかけて若干の再生率の低下がみられた。このように2つの手掛り条件の 再生率は統制条件よりも高いものであり、特に、記銘時手掛り条件では、手掛りの弁別機能が効 果的に働いたのでほとんど順向抑制を受けなかったのである。

本研究では、 2つの記憶手掛り条件で順向抑制の形成を低減することが明らかになった。しか し、記銘時手掛り条件と検索時手掛り条件の効果は、大学生を用いた藤田(1985)の結果と逆に なった。つまり、大学生では記銘時手掛りよりも検索時手掛りの方が効果的であったが、児童で は記銘時手掛りの方が検索時手掛りよりも効果的に機能していたのである。

ところで、検索時の手掛りの提示が途中から効果的でなくなったが、これに関しては「符号化 特殊性仮説(Encoding specificity hypothesis : Thomson & Tulving, 1970)」により解釈できる側 面がある。この仮説によれば、検索時に与えられた手掛りが効果的に働くためには、少なくとも 記銘時に手掛りと項目との関係づけがなされている必要があることを主張している。本研究では、

下位カテゴリーが変化する項目リストを使用したため、事前の調査に基づいて作成されたものと いえ、試行の進んだ段階でこのような減少が生じたのは、意味的に類似する項目の記銘、再生が 繰返されるので、児童の場合、記銘リストの性質上、記銘の仕方の不安定さが生じ、手掛りと項 目の結びつきが不十分になったり、不適切になったりした可能性が考えられる。それ故、記銘時 に、後の検索に役立つような状態に項目を下位カテゴリーに基づいて体制化して記銘していな かったのかもしれない。また、両方の研究で用いられた材料が、感覚印象カテゴリーリストと概 念カテゴリーリストであり、機能する手掛りも、"感覚印象カテゴリ一名"と"概念カテゴ7)一名"

といったふうに異なる内容であった。それ故、必ずしもこの結果が順向抑制の形成の原因の所在 についての発達的差異を明確に反映しているものではない。発達差を明確にするためには、同種 の材料を用いた事態で検討することが必要である。

最終自由再生の結果は、実験Iの結果と同様、どの条件においても試行に伴う再生率の低下は なく一定であっ.た。これは、順向抑制の形成の原因が検索時の手掛り機能や項目の弁別性の低下 にあることを主張する検索説(Loftus & Patterson, 1975; Watkins & Watkins, 1975;藤田, 1985a)

(11)

188

藤 田   正

を支持するものであった。しかしながら、この結果は、 Brown‑Peterson試行で記銘時手掛りが 効果的であった結果からの解釈と矛盾するものとなった。先にも述べたように記銘時に提示した 手掛りの方が、検索時に提示した手掛りよりも順向抑制の形成を防ぐのには効果的であった。こ れは、大学生の場合とは異なり、児童の場合には記銘時に項目の体制化が行われ、それが試行間 で弁別的に利用できるか否かが順向抑制の形成に大きく影響することが明らかになった。しかし、

検索時手掛り条件でも初期の試行では順向抑制の形成を防いだ結果を考えると、必ずしも順向抑 制の形成の原因を記銘時、または検索時のいずれか一方に限定することは、妥当でないのかもし れない(Ratke & Grove, 1977)c

要  約

短期記憶における順向抑制の形成の原因が、記憶手掛りの体制化に基づく弁別機能の低下によ るものであることを大学生を用いて検討してきたが、この仮説が児童にどの程度適用できるかを

2つの実験で検討した。

実験Iでは、記憶手掛りが弁別的に使用できるリスト条件(S‑D条件)と弁別的に使用できな いリスト条件(S‑S条件)を用いて、順向抑制の形成における手掛り機能の仮説について検討し た.小学6年生30名を被験者にして、集団で3試行のBrown‑Peterson試行と最終自由再生テス

トを行った。その結果、 Brown‑Peterson試行においてS‑D条件では試行に伴う再生の減少はみ られず順向抑制は形成されなかったが、 sIS条件では試行に伴い再生が減少し、順向抑制が形 成された。最終自由再生では、両条件とも試行に伴う再生の減少はみられなかった。以上の結果 から、順向抑制の形成が主に、検索時の記憶手掛りの体刑化に基づく弁別機能の低下によるもの であることが、児童の場合にもほぼ適用できることが明らかになった。

実験Ⅱでは、記銘時、または検索時に弁別的な記憶手掛り(下位カテゴリ一名)を提示するこ とが順向抑制の形成に及ぼす効果から、順向抑制の手掛り機能の仮説について検討した。小学6 年生105名が、記銘時手掛り条件、検索時手掛り条件、統制条件のいずれかに割りあてられた。

実験は集団で実施された。 3試行のBrown‑Peterson試行を行ったあと、最終自由再生テストを 行った。その結果、 Brown‑Peterson試行において統制条件では試行に伴う再生の低下がみられ 傾向抑制が形成されたが、記銘時手掛り条件では試行に伴う再生の低下はみられず順向抑制は形 成されなかった。また、検索時手掛り条件では後半の試行で再生の低下がみられ、ゆるやかな順 向抑制の形成がみられた。以上の結果から、記銘時または検索時の記憶手掛りの弁別機能の低下 が順向抑制の形成に関係していることが明らかにされた。また、最終自由再生では、全ての条件 で試行に伴う再生の減少はみられなかった。この結果は、順向抑制の形成が検索時にあると主張 する検索時説と一致するものであるが、 Brown‑Peterson試行での検索時手掛り条件の結果から 示唆される結果とは一致しないものであった。

以上2つの実験の結果から、順向抑制の形成の原因が、記憶手掛りの体制化に基づく弁別機能 の低下によるものであるという仮説が、年長児童の場合にもほぼ適用できることが明らかになっ た。しかし、記憶手掛りの弁別機能の低下が、主として記銘時にあるのか、検索時にあるのかと いう点に関しては、明確な結論は得られなかった。

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児童の順lnjffl制に関する研究

189

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〔付記〕本研究を行うにあたり実験に御協力下さいました大和郡山市立郡Ll」西小学校、並びに大和高田市:>/.

高田小学校の校長先生はじめ担任の先生方、児童の皆様に厚く御礼申し上げます。また、実験日の 実施とデーターの分析に際しては、深山裕子さんの協力を得た。ここに記して深く感謝の意を表し

mm

(13)

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A Study of Children s Proactive Inhibition in Shor卜term Memory

Tadashi FUJITA

{Department of Psychology, Naγa University of Education, Nara 630, Japan )

(Received April 28, 1989)

The purpose of this experiment was to investigate the effect of list similarity (Exp. I ) and presenting of encoding or retrieval cues (Exp. II ) on the buildup of Proactive Inhibition in elementary school children.

In Exp. I , 30 6th grade childern were assigned to one of the two list conditions (see Table 1).

Each list was consisted of three words. Under the S‑S condition, all lists in three trials were con‑

sisted of words from the same taxonomic category (e.g. vegetables). Under the S‑D condition, two list adjacent trials were consisted of words from different categories (e.g. vegetables, animals and countries).

The experiment was conducted by a group administered procedure of Brown‑Peterson para‑

digm. The booklet for experimental task contained instruction, three words to be remembered, dis‑

tractor task and recall test sheets. Three items were presented simultaneously at 4 sec. rate, which was followed by the distractor task (15 sec). Then recall test was given for 15 sec. After the third trial was over, final free recall test was required to write all items presented from lst through 3rd trials.

The main results were as follows: On the performance of B.P. recall test (see Fig. 1), (1) under the S‑D condition, PI was not built up as a function of trials, and under the S‑S condition, PI was built up as a function of trials.

(2) On the performance of F.F.R. test (see Fig. 2), the performance of recall under the S‑D and S‑S condition which were built up PI did not decrease as a function of trials.

In Exp. II , Ss were 105 6th grade children who did not participate at Exp. 1. They were assigned to one of the three cue conditions. In encoding cue condition, Ss were provided subcateg‑

ory name as a cue at encoding phase. In retrieval cue condition, they were provided subcategory name as a cue at retrieval phase. In control condition, Ss were not given any cue at encoding and retrieval. The list consisted of subcategories (e.g. percussion, stringed, and wind instrument) from one general category (e.g. musical instruments)(see Table 3).

The experiment was conducted by a group administered procedure of B. P. paradigm as same Exp.1.

The main results were as followes: 1) On the performance of B.P. recall test (see Fig. 3), under the control condition, PI was built up as a function of trials. By contrast, two cue conditions attenuated the buildup of PI, and the degree of attenuation of PI was larger under the encoding cue conditon than the retrieval condition.

(2) The performances of F. F. R. test under the all condition did not decrease as a functin of

(14)

191

trials (see Fig. 4).

Our hypothesis that the buildup of PI was due to the effectiveness of memory cue based orga一

mzational and discriminative function was nearly supported for the effects of the list similarity (Exp. I ) and presenting the discriminative cue at encoding or retrieval phase (Exp. II ) in the case of older children.

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