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博士(農学)韓 丙進 学位論文題名 ー

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Academic year: 2021

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     博士(農学)韓   丙進 学位論文題名   ー

作物の有効栄養面積および最適栄養面積の栽培学的研究 学位論文内容の要旨

  現 存の 有限 の土 地 資源 を利 用し て, 如 何に より多くの 農産物を生産するかは,わ れわれ 人 類の必須の研究課題である ,本研究は,特に,中国東北 地方の畦作地帯では,収量 に影響 大 きい畦幅の問題を作物の有 効栄養面積の新概念を提示し 解明しようとした。資源の 有効利 用 としての土地生産性の向上 を目指し,中国黒龍江省で最 も重要な作物トウモロコシ 、ダイ ズ ,テンサイについて試験研 究したものである.作物の有効栄養面積および最適栄養面積は,

収 量 に 影 響 す る 重 要 な 因 子 で あ る , 得 ら れ た 結 果 は , 次 の よ う に 要 約 さ れ る ,

  1. 作物 の 有効 栄養 面積 ( 一株収量を最大 とする面積)と最適栄養面 積(反収を最大とす る栄養面積)

  実 験 に 供 試 し た3種 類 の 作 物 で は1株 栄 養 面積 が大 きい ほど1株 の収 量 が多 い. 栄養 面 積と1株収 量 の回 帰方 程式 の 最適性解析によ って,黒龍江省のハルビン 地域のトウモロコシ の有効栄養面積は0.335 m2ー ー0.355 mz,ダイズは0.221m2〜0.284mz,テンサイは0.247mz〜 0.357mzで、これらの有効な 畦幅、株間は37 cm−58 cmあ ることを明らかにした,無肥区(肥 沃度 低い土壌) では比較小さい有効栄養面積 で,施肥区(肥沃土壌)で は比較大きい有効栄 養面積であった.

  現 在, 黒龍 江省 で 実際 栽培 に広範に採用 されている67cm〜 70cmの畦 作はすでにこれらの 作物 の有 効栄 養面 積 の畦 幅株 間を 超え て いる .こ のこ とはすでに土壌 資源を無駄にしてい る, これ らの 作物 の 栽培 には50 cm〜 60cmの 畦作 を採 用し,群体の収 量を高めることが期 待で きる,異な る畦幅の実証試験により,同 じ条件下に(主に密度,施 肥で),55cm畦幅は 慣行 の67cm畦 幅よ り ,ト ウモ ロコシの収量 は9.6%,ダイズでは12.2%, テンサイでは19.8%

増産 した .「 有効 栄 養面 積」 理論 にし た がっ て畦 幅株 間を配置し,す なわち畦幅は狭くし 株間 を広 くし て,1株 ごと に 占めている土壌 の栄養面積(空間,太陽エ ネルギを含む)をす べて 有効な範囲 内にして,充分に耕地資源( 土壌養分,水分などを含む ),光を利用でき,

また 根系が肥料 の吸収を充分にでき,さらに 作物個体の生産潜在カを発 揮させて,群体収量 を顕著に向上させたことを明 らかにした.

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  本地区でトウモロコシの最適栄養面積は0.146 mz〜0.166 mzで、収量に調節能カがもっと も強いダイズでは,最適栄養面積は0.052mz〜0.055mz、テンサイの最適栄養面積は0.182rr12

〜0.197mzであることを明らかにした.

  2.作物の収量形質に対する栄養面積の影響

  トウモロコシでは1株栄養面積と収量形質の雌穂長,穂径,1穂粒重,百粒重との関係 は明らかな正の相関が見られた,とくに穂径,1穂粒重,百粒重とは5%水準あるいは1% 水準で有意であった,また栄養面積の大きい0.36 mz区は20c/o〜 25%の植株で2雌穂が稔実 した.このことは収量の自己調節の形式である,ダイズの1株莢数,莢当たりの粒数とも1 株栄養面積と明らかな正相関関係を示した。これは1株栄養面積の増大に伴って,結莢節高 が低くなり、分枝も多くなり,結莢の空間を拡大させ,1株有効莢数が増加したことによっ て いる 。 テ ン サイ で は 自己 調 節 能カ は 低く 、一株 栄養面積 がとくに 重要で ある。

  3その他の生理形態形質に対する栄養面積の影響

  1株葉面積は栄養面積の拡大に伴って増加しているが,葉面積指数は栄養面積の拡大に 伴って減少している.トウモロコシの単位面積当たりの高い収量は比較的大きい葉面積指数 のもとで取り得たことである。ダイズの1株葉面積と葉面積指数(LAI)の最大値は栄養面 積大きい処理のピークは遅れる傾向が見られた.テンサイ個体の葉面積と葉面積指数の最大 値は7月31日にある,

  トウモロコシ,ダイズとも1株栄養面積の増大に伴って,1株の乾物重が高くなったが,

単位面積当たりの乾物重は減少する.しかし栄養面積が小さ過ぎると(く0.14 mz)トウモ ロコシの植株が生育不良,茎が細くなり,単位面積当たりの乾物収量も低くなった.テンサ イの単位面積当たり生重は栄養面積小さいほど高い.最大値は8月25日にある.葉面積の 最大値の後25日日に生重の最大値である.

  植株の地上部/根部の乾物の分配は,トウモロコシ,ダイズでは各処理とも生育に伴つ ておおきくなり.栄養面積の大きい疎植区では地上部′根部の増加はもっと速く,より地上 部の生長に有利である.逆に塊根作物のテンサイでは生育に伴って地上部′根部は小さくな り,栄養面積の大きい疎植はテンサイの地下部生長に有利であることを明らかにした.

  4.土壌水分に対する栄養面積の影響

  生育期間で個体の栄養面積の小さいほど土壌水分も少ない.栄養面積の大きい疎植区と 栄養面積の小さぃ密植区との差異は有意差がある,栄養面積の小さい密植とした場合蒸散量 が多く土壌水分を減少させることを示した,同時に有効栄養面積の範囲では充分に土壌水分 を利用できることを明らかにした.

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学位論文審査の要旨 主査    教授    中 嶋    博 副査    教授    荒 木    肇 副査   教授   渡多野隆介 副査    教授    由 田宏一

学 位 論 文 題 名

作物の有効栄養面積および最適栄養面積の栽培学的研究

  本 論 文 は5章 か ら 構 成 さ れ 、 表14、 図61、 引 用 文 献133編 を 含 む121頁 の 和 文 論 文 で あ り 、 別 に7編の参 考論 文が添 えられ ている 。

  本 研 究 は , 中 国 東 北 部 の 畦 作 地 帯 で 重 要 な 作 物 で あ る ト ウ モ ロ コ シ(Zea mays L.)、 ダ イ ズ (Glycine max Merr)、 テンサ イ位′ vHな ロ′むL.)を用いて、資源の有効利用としての土地生産性の 向 上 を 目 指 し た も の で あ る 。 収 量 に 影 響 の 大 き い 畦 幅 の 問 題 を 作 物 の 有 効 栄 養面 積 ( 一 株 収量 を 最 大 と す る 最 小 面 積 ) お よ び 最 適 栄 養 面 積 ( 反 収 を 最 大 と す る 栄 養 面 積 ) の新 概 念 を 提 示し 解 明し ようと した。 得られ た結果 は、 次のよ うに要 約され る。

  1.作 物の 有効栄 養面積 と最適 栄養 面積

  実 験 に 供 試 し た3種 類 の 作 物 で は1株 栄 養 面 積 が 大 き い ほ ど1株 の 収 量 が 多 い 。 栄 養 面 積 と 1株 収 量 の 回 帰 方 程 式 に よ り 最 適 性 解 析 を 行 っ た 結 果 、 黒 龍 江 省 ハ ル ビ ン 地 域 に お け る ト ウ モ ロ コ シ の 有 効栄 養 面 積 は01335〜0.355m2、 ダ イ ズ はO.221〜0.284m2、テ ンサイ はO.247〜0357m2 と な り 、 こ れ ら の 有 効 な 畦 幅 、 株 間 は37〜58cmで あ る こ と 、 ま た 肥 沃 度 低 い 土 壌 では 比 較 的 小 さ ぃ 有 効 栄 養 面 積 を 、 肥 沃 土 壌 で は 比 較 的 大 き い 有 効 栄 養 面 積 を も つ こ と を 明 ら か に し た 。   さ ら に 最 適 栄 養 面 積 は 、 ト ウ モ ロコ シ でO.146〜0.166m2、 収 量 の 調 節能 カ が 最 も 高 いダ イ ズ で 、0. ( )52へ0.055m2、 テ ン サ イ の そ れ は0,182〜0.197m2で あ る こ と を 明 ら か に し た 。   2.作 物の 収量形 質に対 する栄 養面 積の影 響

  ト ウ モ ロ コ シ で は1株 栄 養 面 積 と 収 量 形 質 の 雌 穂 長 、 穂 径 、1穂 粒 重 、 百 粒 重 と の 聞 に は 正 の 相 関 が 見 ら れ 、 と く に 穂 径 、1穂 粒 重 、 百 粒 重 と は5% あ る い は1% 水 準 で 有 意 で あ っ た 。 ま た 栄 養 面 積 の 大 き い0136m2区 で は20〜25% の 株 で2雌 穂 が 稔 実 し た 。 ダ イ ズ の1株 莢 数 、 莢 当 た り の 粒 数 は と も に1株 栄 養 面 積 と 明 ら か な 正 の 相 関 関 係 を 示 し た 。 こ れ は1株 栄 養 面 積 の 増 大 に 伴 っ て 結 莢 節 高 が 低 く 、 分 枝 も 多 く な り 、 結 莢 の 空 間 を 拡 大 さ せ 、1株 有 効 莢 数 が 増 加 し た こ と に よ る 。 こ の よ う に し て ト ウ モ ロ コ シ 、 ダ イ ズ は 栄 養 面 積 に 対 応 して 生 長 を 調 節し     ―140―

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ている。一方、テンサイでは自己調節能カは低く、一株栄養面積がとくに重要であると判断さ れた。

  3.その他の生理形態形質に対する栄養面積の影響

  1株葉面積は栄養面積の拡大に伴って増加するが、逆に葉面積指数は減少した。トウモロコ シの単位面積当たりの高い収量は比較的大きい葉面積指数のもとで得られた。ダイズの1株葉 面積と葉面積指数(LAI)の最大値に達する時期は栄養面積の大きい処理で遅れる傾向が見ら れ た 。 テ ン サ イ 個 体 の 葉 面 積 と 葉 面 積 指 数 の 最 大 値 は7月31日 に 見 ら れ た 。   トウモロコシ、ダイズとも1株栄養面積の増大に伴って、1株の乾物重が高くなったが、単 位面積当たりの乾物重は減少した。しかし栄養面積が小さ過ぎると(く0.14 m2)トウモロコ シの個体は生育不良で、茎は細くなり、単位面積当たりの乾物収量も低くなった。テンサイの 単位面積当たり生重は栄養面積の小さいほど高い傾向を示し、最大値は葉面積が最大となった 後25日目の8月25日になった.

  株の地上部/根部の乾物の分配は、トウモロコシ、ダイズでは各処理とも生育に伴って大き くなり、栄養面積の大きい疎植区では地上部′根部はもっと速く増加し、より地上部の生長に有 利となった。逆に塊根作物のテンサイでは生育に伴って地上部/根部は小さくなり、栄養面積の 大 き い 疎 植 は テ ン サ イ の 地 下 部 生 長 に 有 利 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。   これらの作物の最適栄養面積/有効栄養面積はダイズ、トウモロコシ、テンサイの順に大きく なり、自己調節能カと逆の関係にあることが示された。

  4.土壌水分に対する栄養面積の影響

  生育期間で個体の栄養面積の小さいほど土壌水分も少ない。栄養面積の大きい疎植区と栄養 面積の小さい密植区との聞には有意差が認められた。栄養面積の小さい密植では蒸散量が多く 土壌水分を減少させること、同時に有効栄養面積の範囲では充分に土壌水分を利用できること を明らかにした.

  5.有効栄養面積に基づく増収の実証

  さらに、黒龍江省で現在広範に採用されている67〜 70cmの畦作は有効栄養面積の畦幅、株 間を超えていることから、土壌資源を無駄にしていることを指摘し、これらの作物の栽培に50

〜60cmの畦作を採用することにより、トウモロコシの収量は9.6%,.ダイズでは12.2%,テン サイでは19.8%現行よりも増収する事を実証した。

    以上のように、本研究は中国東北部での効率的な土地利用の理論的な基礎を提案し、また 栽培現場で実証したもので、学術的また応用面からも高く評価できる。よって審査員一同は、

韓 丙 進 が 博 士 ( 農 学 ) の 学 位 を 受 け る の に 充 分 な 資 格 を 有 す る も の と 認 め た 。     ′

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参照

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