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〈 研 究 ノ ー ト〉
ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)
流 通 業 の 経 営 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ・ゲ ー ム
百 海 正 一・
1.経 営 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ・ ゲ ー ム 2,モ デ ル の 概 要
3.業 績 評 価 4,ま と め
5.ワ ー ク シ ー ト 6.参 考 資 料
1.経 営 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ・ ゲ ー ム
1)経 済 情 報 処 理
1980年 代 後 半 よ り,経 営 学 科 ・経 営 情 報 学 科 ・情 報 管 理 学 科 な ど の学 科 に お い て,経 営 管 理,管 理 技 術 さ らに は経 営 シ ス テ ム を 総 合 的 か つ 体 験 的 に教 育 す る機 運 が 高 ま っ て き て い る。
そ の 背 景 に はパ ー ソ ナ ル ・コ ン ピ ュ ー タ を 巾 心 とす る情 報 技 術 の 進 歩 と普 及 に よ って,大 学 教 育 の場 に お い て も情 報 機 器 が 利 用 しや す い 環 境 が 整 って き た こ と,管 理 手 法 の ソ フ ト化 の技 術 が 進 展 して きた こ とで, 複 雑 で 大 が か り な経 営 意 思 決 定 モ デ ル を パ ソ コ ン上 で の実 現 が 可 能 と
な っ た こ と,関 連 す る 応 用 ソ フ トウ エ ア ー の 普 及 や 経 営 意 思 決 定 を シ ミュ レ ー トす る デ ー タ ・べ 一 ス の 充 実 な ど が 指 摘 で き る。
こ の よ う な 経 営 教 育 の ソ フ ト化 の な か で,古 くか ら バ ッ チ 方 式 で 汎 用 コ ン ピ ュ ー タを 用 い て 利 用 さ れ て き た ビ ジ ネ ス ゲ ー ム を パ ー ソナ ル'コ
ン ピ ュ ー タ上 で 実 現 す る様 々 な 試 み が 行 わ れ て い る。
そ こで,神 奈 川 大 学 で は1988年 よ り,経 済 学 部 の な か に情 報 教 育 と し
78商 経 論 叢 第33巻 第4号
(ユ53)
て,以 下 の コー ス を 開 講 した 。 経 済 情 報 処 理:
「演 習 全 体 の 構 成 と狙 い 」 こ の 演 習 で は,
1参 加 者 一 人 一 人 が 自 分 で 会 社 を 創 業 し,自 ら社 長 とな って 企 業 経 営 の 実 際 を 擬 似 体 験 す る,
2与 え ら れ た 経 営 環 境 の も と で,商 品 の 仕 入 れ ,価 格 決 定,採 用,在 庫 管 理,資 金 の 借 入 な ど さ ま ざ ま 場 面 に お け る 意 思 決 定 を 通 し て ,自 社 が 成 長 し て い く た め の 経 営 ノ ウ ハ ウ を 学 ぶ,
3意 思 決 定 の プ ロ セ ス を 擬 似 体 験 し,そ の 中 で生 じ る問 題 を試 行 錯 誤 (Tryanderror)に よ っ て 解 決 して ゆ く。 ま た,そ の 結 果(業 績) を 自 分 自 身 で 分 析 し,修 正 す る,
な ど を 目 的 と す る 。
「演 習 内 容 」
1PC入 門
2経 営 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と は 3販 売 会 社 の 経 営
4レ ス トラ ン の 経 営
「授 業 方 法 と学 習 上 の 留 意 点 」 1
9臼ΩU4﹃0ρ0
前提履 修科 目…基 礎簿記,基 礎 会計,経 営学 あるい は商業学 既習 の こ と。
関連科 目… ……管理 会計,財 務諸 表論,会 計 監査論 教授法 講義,実 習,VTR
その他 演習 が時間 内 に終 了 しない場合 は昼休 み まで延長 す る。
使用書 資料 は授 業 中に配布 す る。
参考書 鴨田中 弘 「経営分 析 の基 本 的技 法」 中央経済社 ,森 田松太郎 「経営分 析入 門」 日本経 済新 聞社
こ こ で は ・ 経 済 情 報 教 育 で 実 施 し て い る 内 容 の 一 部 一 パ ソ コ ン を 利 用 し た 経 営 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ・ゲ ー ム(あ る い は ゲ ー ミ ン グ ・シ ミュ レ ー シ ョ ン)一 を 紹 介 す る 。
2)ビ ジ ネ ス ・ ト レ イ ニ ン グ
企 業 経 営 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン が で き る ゲ ー ム に ビ ジ ネ ス ゲ ー ム が あ る が,近 年 パ ー ソ ナ ル ・ コ ン ピ ュ ー タ を 使 っ た ゲ ー ム ソ フ トが ソ フ ト ウ エ
(152) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム ②79
ア ・ハ ウ ス数 社 か ら開 発 さ れ て い る。 従 来 か ら バ ッ チ 方 式 で 汎 用 コ ン ピ ュ̲タ を用 い て 利 用 さ れ て きたTい わ ゆ る ビ ジ ネ ス ゲ ー ム と比 較 して パ ソ コ ンを 使 っ た 経 営 シ ミュ レー シ ョ ン ・ゲ ー ム を 採 用 した 理 由 は,
① 教 育 ス タ ッ フ が 小 人 数 で よ い,
② 参 加 者 が 一 人 か らで も実 施 で き る,
③ 短 い教 育 時 間 で 実 施 で き る,
④ 経 営 教 育 用 ッ ー ル と して 比 較 的 安 価 で 入 手 で き る,な ど の理 由 か らで あ る。
ま た,特 徴 と して
① 経 営 と は知 識 で は な く,体 験 の な か で 理 解 す る,
② 参 加 者 一 人 ひ と りが 自分 で 会 社 を創 業 し,自 ら社 長 と な って 企 業 経 営 を擬 似 体 験 で き る,
③ 与 え られ た 経 営 環 境(同 一市 場 での企業 間競争 を通 じて)の 下 で,仕 入 れ,経 営 計 画,採 用,販 売,財 務 な ど,さ ま ざ ま な 場 面 に お け る 意 思 決 定 を通 して,自 社 が 成 長 して い くた め の 要 因 を っ か む ・
④ 市 場 と 内 部 資 源 と の バ ラ ン ス を 考 え て,経 営 す る こ と を 認 識 す る,
⑤ 経 営 の プ ロ セ ス(Plan‑Do‑Check‑Action),い わ ゆ る マ ネ ジ メ ン ト ・サ イ ク ル を理 解 し,ま た,そ の 結 果 を 自 分 自身 で 確 認 で き る,
⑥ 経 営 全 体 を み る経 験 が 不 足 して い る参 加 者,と く に 学 部 学 生 に と って,ビ ジ ネ ス ゲ ー ム と異 な り,何 回 で もや りな お しが き く・
⑦ 対 話 型 の ソ フ トの た め ゲ ー ム の ル ー ル に不 慣 れ な 参 加 者 に も比 較 的 使 い 易 い,
な ど の理 由 か らで あ る。
使 用 し た ソ フ トは 個 人 学 習 用 に 開 発 さ れ た ソ フ ト,ビ ジ ネ ス ・ ト レ イ ニ ン㌢ で,参 加 者 は コ ン ピュ ー タ相 手 に経 営 感 覚 を 磨 こ う と い う もの で
あ る 。
80商 経 論 叢 第33巻 第4号
(151)
2.モ デ ル の 概 要
こ の ゲ ー ム は3種 類 の 機 械 器 具 を 取 り扱 う流 通 業 の 経 営 を想 定 した ソ フ トで あ り,商 品 の発 注,仕 入 れ か ら人 事,販 売,財 務 等 の 各 活 動 に っ い て,レ ベ ル1は19項 目,レ ベ ル 皿 は39項 目 の 意 思 決 定 項 目 を 経 て, 経 営 実 績 と してP/L(損 益 計算書),B/S(貸 借対 照表)な ど が 表 示 され る シ
ス テ ム で あ る。 参 加 者 は これ を 分 析 し,次 期 の意 思 決 定 に生 か す とい う サ イ ク ル で学 習 を 進 め る。
プ ロ グ ラ ム の フ ロ ー は図 表1の 通 りで あ る
。 以 下,図1の 流 れ に沿 っ て ・ 学 習 の 要 点 を 幾 つ か あ げ て み る。
1)学 習 の 準 備
参 加 者 の レベ ル に よ って,学 習 の レベ ル を 選 ぶ こ とが で き る。 レベ ル 1は 入 門 編 と もい うべ き も の で あ る が,レ ベ ル2は 市 場 も三 市 場 に 分 割 さ れ る な ど複 雑 な 内 容 と な る。 ま た ,市 場 に お け る会 社 数 も参 加 者 が 自 由 に 設 定 で き る た め,繰 り返 し学 習 す る際 競 争 条 件 も変 動 し,マ ンネ
リ化 が 防 げ る。
一会社 の経営活動期間
一市場 の会社 数( (
一 コ ン ピュ ー タ に経 営 させ る会 社 数 …(
2)会 社 設 立
)期 )社 )社
まず,参 加者 は資 本 金5,000万 円 な ど与 え られ た条件 の下 で,機 械 器 具 の販 売 会社 を設 立 す る。 この市 場 に は競 合会 杜 が あ り,そ の数 は参加 者 が1社 か ら6社 まで の範 囲 で設 定 す る ことが で き る。(図表2)
3)需 要 予 測 と商 品 仕 入 ・発 注
通 常,企 業 に お け る仕 入 ・発 注 は,そ の 業 務 を 担 当 す る部 門 な り,担 当 者 独 自 に で き る も の で は な い 。 生 産 財 で あ って も,ス ー パ ー や 小 売 店
(150) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)81
図 表1モ デ ル の フ ロ ー
① 資 本 金5,000万 で機 械 器具 販 売 会 社 を設 立 す る
結 果 を よ く検 討 して次 期 へ
匪垂 亟]一
B/S 貸借 対 照 表
P/L 損益計算書
匿
画 圃
学習の準備
[「
START一
岬
一匝 品仕入 一一
② 商 品 を発 注 す る が,発 注 数 量 全 部 が仕 入実 績 にL
懸 ずしもなり禦 鎌 套
ず,高 す ぎ る と 人 件 費 増
動が示活績でる営実値れ経の数さ
③
畿 趨
坐 ラ プ ル ー
発 生 す る 可能性有り
退職司 塵 璽i 医 亙亜]1
匝管・ 實伝 睡
璽
三 塑 姿 堂採用す酬
当期発注で次期入荷 次期仕入れ分
図 表2P/L(千 円)
臨 謡 戸i本 金50,000
一 会 社 名 ・代 表 者 名 を 決 め る … … …()
一 経営慮 鰍 める() 一 商品を発注 す る
82商 経 論 叢 第33巻 第4号
0149) の よ うな 消 費 財 の仕 入 れ で あ っ て も
,販 売 部 門 や 生 産 部 門 と密 接 な関 連 性 を もっ もの で あ る。 ま た,製 造 部 門 ま た は販 売 部 門 の 現 場(セ ール スマ
ンや店 舗)と の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンは不 可 欠 で あ る
。 図表3仕 入 ・発 注 の流 れ
・ ①商品計画 一一一一・ 一運 壷 ユ ・‑ri魎
一 顧 客 は 明 確 に 設 定 さ れ 一 仕 入 ・発 注 の ス ケ ジ
ュ ー 一 検 収 基 準 は で き あ が っ
て いるか ル は立 て られ て いるか
一商品 構成 ・商品系列 に 一仕入先 の検討 は行 われ , 問題 はな いか 決 定 して い るか
て い る か
一一品 質 検 査 は お こ な わ れ て い る か
一商品別 の価 格政策 に問 一仕入 条件 その他 の交渉 の 一数量検 査 は行 われて い
題 はないか 予定 はで きて い るか るか
一 在 庫 管 理 計 画 は で き あ 一発 注 上 の 事 務 手 続 き は完 一納 品 事 務 は マ ニ ュ ア ル
が っ て い る か 備 さ れ て い る か 化 さ れ て い る か
⑤販売活動 塵 輕 厘ト ・
図 表3に も明 らか な よ うに,商 品 計 画 は主 と して販 売 部 門 との調 整 の も とに立 て られ る。 そ の際 企 業 に と って の基 本 的 な商品 政 策
,商 品 戦 略 マ ー チ ャ ンダ イ ジ ングが確 立 され て い な けれ ば な らな い。 商 品 計 画 の 内容 は,対 象顧 客 層 の選定 ,そ れ に基 づ い た商 品構成 や 商品 系列,ま た価 格 政 策 や在 庫 管理 も内包 され た もの で あ る。
そ う した商品 計 画 に基 づ いて,仕 入 業務 が遂 行 され る。仕 入 業 務 の遂 行 にあ た って は,仕 入 日程 計 画,仕 入 先 の検 討 ・選 定 ・決 定 ,仕 入 商品 の 品質 チ ェ ック・商談 ・交 渉 ・仕 入条 件 の明確 化 な どを経 て,発 注 とな る。
ゲー ムで は・ まず画面上 に赫 され た過去1嘲 の儲 要量 の推翫
参 考 に して,自 社 の マ ー ケ ッ ト ・シ ェ ア,必 要 在 庫 量 な ど を 想 定 した 上 で 発 注 量 を決 め る。 仕 入 高 の算 出 方 法 は,次 の 公 式(図 表4)に 基 づ い て 行 わ れ る の が 一 般 的 だ が,仕 入 れ は需 要 動 向 ,競 合 条 件,自 社 の 経 営 戦 略 に応 じて 実 施 され ね ば な らな い 。
・ 図 表4仕 入 高の公式 一 一 一
総仕 入高 罵 総売上 高 一月初在庫 高+月 末在庫 高+仕 入 戻 し高 一売 上戻 り高 一取 引運 賃額+値 下高+割 引高+消 耗 高
(148) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2}83
す な わ ち,堅 実 経 営 で い くの か,あ る い は高 成 長 を 志 向 す る の か に よ り発 注 ・仕 入 数 量 も 自 ず か ら決 ま って く る。
例 え ば,同 一 市 場 に て,5社 が 競 合 して い る と設 定 す る。来 期 の総 需 要 量 を予 測 す る と,A商 品15,000個,B商 品1,500個,C商 品400個 前 後 と な る。 仮 り に 自社 の販 売 目標 シ ェ ア を 市 場 の10%と 仮 定 す る と,目 標 販 売 量 は15,000個 ×0.10=1,500個 と な る。 これ に10%前 後 の 安 全 余 裕(需 要 のバ ラッキ に対す る余裕)を 見 込 ん で 発 注 す る と,以 下 の 成 果 が 得
られ る。(図 表5お よび6)
図表5需 要 予測,商 品発 注例
一 圃
需要量 目 標
シ ェ ア
目 標 販売量
発 注 数 量
発 注 価 格
当 期 仕 入
当期仕 入金額
在 庫 合 計
A商 品 15,000 10% 1,500 1,650 25 1,485 26,730 1,485
}
B商 品 1,500 10% 150 165 goo 143 1s,590 143 占
一
C商 品 38010% 3SI42 780 1 40 19,200 40
(単位 個 個 個 千 円 個 千 円 個)
4)基 本計 画
企 業 に お け る重 要 な決 定 項 目の一 っ に価 格 決 定 が あ る。 目標売 上 高 は (目標)売 上 高e(設 定)販 売 価 格x(目 標)数 量 で あ らわ され るが,売 上 を増 やす に は,
(1)販 売 価 格 を あ げ る,
② 販 売 数量 を増 や すs
(3>双 方 を あ げ る,の いず れか で あ る。
しか しなが ら,販 売 価 格 は一 社 が恣意 的 に決 め られ る もので はな い。
全 くの新 製 品 か電 力 事 業 な ど独 占市 場 以外 の 市場 で は,競 合 企業 の価格 や市 場 価 格 に大 き く拘 束 され る。
この ゲ ー ム の場 合,新 設 企 業 の(設 定)販 売 価 格 に対 して,競 合 企 業 は 新 規 参 入 を 阻 み,し か も既存 の企 業 に利 益 が得 られ る よ うな水 準 に販 売
価 格 を 当然 設定 して くる こ とが予 想 され る。
84商 経 論 叢 第33巻 第4号
(147)
瞬
シ%藤 % ﹂ 己
X
B商 品 需 要 量 1,500
齋 醜
}目工﹂
ー
X
1
綴 × 豚1
憾 副 喬 標 董
〜品粗高⁝[B一
﹁
一目利↓
告
⁝ヨー旺り一
⁝轍 高
商標益}匠
↓
図表6基 本計画 作成 シー ト
]魎鞭 鋤 轡 × 幽
注1A商 品 販 売 価 格 …23,24,25 ,26,27,28329(千 円)
× 齢 × 騰 怪鯉 轡
注2B商 品 販 売 価 格 …185,190,195,20U ,205,210(千 円)
一塵灘 ×[塾 棚 …囎麹 × 塵團
注3C商 品 販 売 価 格 …sso,700 ,720,740,760,780, 800,820,840(千 円)
注4粗 利 益 率 一(販 売 価 格 一 仕 入 価 格)/販 売 価 格
匹
↓
醜
×
一目粗合﹁
﹁
軸
↓﹁ーI‑ー
} 鴇 廃 塾
}平㎝
﹁
標費︺牛
一醜
ま た,こ こ で 取 り扱 う商 品 は生 産 財 に 限 定 して い る が
,価 格 決 定 の 原 理 は 同 じで あ る。 三 種 類 の製 品 の う ち,A商 品 は普 及 品 で あ り,あ ま り 販 売 価 格 を 高 くす る と売 行 き は悪 くな る。 これ に対 して
,C商 品 は 高 級 t7C1であ り,価 格 弾 力 性 が 低 く,セ ー ル ス マ ン の 能 力 向 上 や ア フ タ ー.
サ ー ビ ス面 で の 充 実 な ど に よ って 売 れ て ゆ く商 品 で あ る
。 そ の 中 間 がB 商 品(中 級品)で あ る。
この よ う に,商 品 そ れ ぞ れ の特 性 に基 づ い た 価 格 政 策
,販 売 戦 略 が 必 要 と さ れ る。
(4}
ま た,価 格 政 策 は各 参 加者(経 営者)の 基本 的 な経 営戦 略 高 価格 で販 売 す る こ とによ り確 実 に利 益 を あ げて ゆ く政 策,高 価 格政 策 を採 るか, そ れ と も当初 か ら低 価 格 で,か つ積 極 的 な マ ーケ テ ィング活 動 によ って
0146) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム ②85
市 場 開 拓 を め ざ す か,に よ って 大 き く異 な って く る。
さ らに諏 売価格 を設定す る際 粗利益(一 値輝)お よび粗利益率を
どの程 度 にす るか を考慮 した上 で決定 す る必要 が あ る。例 え ば,仮 りに, 販売 ・一 般 管 理 比 率 が25%程 度 とす る と,粗 利 益 率 を30%に しな い と 利 益 は出て こな い。 したが って,商 品別 の(目 標)粗 利益 率 の幅 を あ る程 度決 あ,過 重平 均 粗 利益 率 で30%を 超 え る よ うな意思 決 定 が学 習 者 に求め られ る。(図 表7)
図表7基 本計画例 販売単価
目標 数量
売上高目 標
i
目標粗
利益率 目標 粗1 利 益高
労 働 分配率
目 標 人件費
一期平 均給 与
従業 員数
¶
A商 品 25 1,485 37,125 28.0 XO,395 目標粗
利益高
X
労働分配率 B商 品 goo 143 28,600 35.0 lo,olo 膚
C商 品 7$a 40 31,200 38.5 12,012
合計 96,925千 円
1
千 円
32,417 38
千 円 12,818
千 円 1,050
人 11〜12
一
(注 粗 利益率=(販 売 価格 一仕人 価格)/販 売 価格 平均給 与 一月給 ×3ヶ 月)
A商 品 売 上 高37,125(千 円)
原 価26,730(千 円)
利 益10,395(千 円)
5)人 員 計 画,営 業 所 の 開 設,損 害 保 険
企 業 の規 模 を決 定 づ け る最 も基 本 的 な 要 因 は何 で あ ろ うか 。 い ろ い ろ な 要 因 が 挙 げ られ る が,一 般 的 に は そ の 企 業 が 属 して い る業 界 の総 需 要 で あ り,当 該 マ ー ケ ッ トの 競 争 状 況 で あ る。
い ま,仮 りに 一 兆 円 の総 需 要 に対 し,供 給 し う る企 業 が 一 社 の み で あ る な ら ば,そ の 企 業 の 規 模 は 売 上 高 一 兆 円 で あ り,そ こ か ら従 業 員 数 や 支 店 ・営 業 所 な ど の 組 織 も 自ず か ら規 定 さ れ て く る。 しか し,一 社 独 占 で な く,競 争 が 生 じて い る とす れ ば,各 社 の マ ー ケ ッ トシ ェ ア ー が 各 社
の規 模 とな る。 最 も こ の規 模 は売 上 高 で あ って,粗 利 益 や 付 加 価 値 な ど
86商 経 論 叢 第33巻 第4号
0145) は業 種 に よ って ま ち ま ち で あ る。 従 っ て,従 業 員 数 で み る規 模 と い う に は,別 の指 標 が 必 要 と な る。
た だ し,総 需 要 と競 争 条 件 か ら一 定 の 企 業 規 模 を想 定 す る こ と は 可 能 で あ る。 ゲ ー ム で は,総 需 要 はA商 品 約25 ,000個,B商 品 約2,500個, C商 品 約500個 で あ り,そ れ ぞ れ 業 界 平 均 単 価 を 乗 じて 加 え れ ば
,10〜
20億 円 と な る。
仮 に,自 社 の 販 売 目標 シ ェ ア ー を10%と す る と売 上 が1〜2億 円
。 ま た ・ 売 上 高 人 件 費 率(図 表8)を10%と す る とLOOO〜2
,000万 円 程 度 が 人 件 費 の 支 払 い可 能 限 度 額 と な る。
・ 図表8適 正従 業員数 ・人件 費 を決め るため の経 営指標 、 1)人 件費 対売上 高比 率 篇人 件費 ÷売上 高
売上 高 に占め る人件 費 の 占め る割 合 を見 る もので,業 種業界 によ っ て比 率 は異 な るが,機 械器具 販売業 界 で は約8%前 後 の数値(参 考 資料2「 経 営指標 」参 照)が 標 準 で あ る。
2)従 業員 一人 当 り売上 高 融売上 高 ÷期 中平均在 籍人 員
従業 員一 人 が い くらの売上 を あげて い るか を見 る指標。 これ も業 種 によ って異 な り機 械販売 会社 で は,1期 約1,000万 円前後 であ る。
3)従 業 員一人 当 り付加価値 生産 性=付 加価値(粗 利益)÷ 期 中 平均在 籍人員 販売 会社 の場 合,付 加価値 は売上 総利 益(粗 利 益)と み てよ い 4)従 業員一 人 当 り経常 利益額=経 常 利益 ÷期 中平 均在 籍人員 。
売上 高経常 利益 率(=経 常利益 ÷売上 高)は ,機 械 器具販売 業 で は 約2.5%従 って,一 人 当 りで は25〜30万 が適 正。
5)労 働分 配率=人 件 費+付 加価値(粗 利益)
人件 費 の高低 を見 る指 標 と して労働分 配 率が あ る。企業 に おけ る利 益 の源泉 は付加価 値(販 売 業 で は粗利益)で あ り,そ の うちに人件 費 の 占め る割 合 をみ る指標 で あ る。機械 器 具販 売業 界で は,労 働分 配 率 は38〜42%前 後(過 去 の 平 均)が 標 準 。従 っ て,粗 利 益 が 3,200万 で あれば,一 期 分(3ヶ 月)1 ,200万 程 度 の人件 費 が妥 当 な金額 とい う ことにな る。(図 表7参 照)
これ らの指 標 は,た だ単 に高 い,低 いで はな く業界 平均や競合 企業 と 数 値 と比較,ま た は当社 の年 度 ごとの動 きにおい て と らえ なければ な
らない。
これ らの経 営指標 を参 考 に して,適 正従業 員数 と人件費 を決定 していか な ければ な らない。
(144) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)87
この方 法 で考 えて い けば,適 正 人員 数 もあ る程 度算 出 して い くこと も 可 能 とな る。 しか し,採 用す る従 業 員数 は適正 人 員 が算 定 された と して
も社 員 の募集 ・採 用活 動 は別 の もの で あ る。
この ゲ ーム にお いて も,能 力 の あ る人 を予 定 した人 数分 確 保 で き る と は限 らな い。 会 社 が競 合他 社 よ り低 い給与 を提 示 した場 合,応 募 者 は他 社 へ入社 して しま う こ とにな る。(図 表9)
図表9人 事計画,営 業 所 の開設 と損 害保険型 人
事
平均 給 与
350
集員募人
10
採用人員
8
雇数解者
0
教育費
15
中央地区
開設
0
閉鎖
0
損害保険
加入数
0
(単位 千円 人 人 人 千円 箇所 口)
(注 労働分配率=人 件費/粗 利益,付 加価値生産性 一粗利益(付 加価値) /従 業員数)
適 正 人 員,ま た は適 正人 件 費 を算 出す るた めの経 営 指標 と して,い く っ か の指 標(図 表8)が あ る。 これ らの指標 は,た だ単 に高 い,低 いで は な く業 界平 均 や競 合 他社 との比較 が必要 で あ る。 ま た,こ れ らの指 標 は 年 度 ごとの動 きにお い て と らえ な けれ ば な らな い。
この ほか,こ の ゲ ー ムで は営 業 所 の開設 お よび損 害保 険 に加 入 す るか ど うか の意思 決 定項 目が あ る。 図表9の 例 で は,会 社 設立 時 に は営 業 所 の 開設 は負担 が大 き く,経 営 を圧 迫 しか ね な い と判 断 して・営 業 所 の開 設 は見送 って い る。
6)販 売 計 画
マ ー ケ テ ィ ン グ の分 野 で は,先 に 述 べ た 価 格 決 定(Price)を 初 め と し て,製 品(Product),販 売 促 進(Prom。tion),販 売 チ ャネ ル(Place),い
わ ゆ る4Pが あ る 。
こ こで は,広 告 宣 伝 と販 売 促 進 に つ い て 考 え て み る こ と に す る。 広 告 宣 伝 は軍 隊 で い え ば,空 軍 で あ り,販 売 促 進 は戦 車 や 砲 兵 隊 で あ る とい え る。 ま た,セ ー ル ス マ ンは歩 兵 に あ た る。 今 日 の よ う な総 合 戦 に あ っ
88商 経 論 叢 第33巻 第4号
0143) て は・ まず ・ 空 軍(宣 伝)が 歩 兵(セ ールスマ ン)に 先 行 して
,軍 事 目標 (見込 み顧 客)を 爆 撃 し,さ ら に戦 車 や砲 兵 隊(販 売 促進)を 投 入 し
,軍 事 目標(見 込 み顧 客)を 砲 撃 し,最 終 的 に は歩 兵(セ ール スマ ン)に よ って
, 軍 事 拠 点(顧 客)を 占領 す る(獲 得 す る)。
マ ー ケ テ ィ ン グ も ま っ た く同 様 で あ る
。 広 告 に よ っ て,商 品 を タ ー ゲ ッ トと す る消 費 者(潜 在顧 客 や見込 み顧 客)に 認 知 させ る
。 さ らに販 売 促 進 に よ っ て ・ そ の 商 品 を 見 込 み顧 客 に 対 して ,強 く意 識 させ る。 そ して 最 後 に ・セ ー ル ス マ ンな り,店 頭 に お い て 購 入 へ と っ な げ る わ け で あ る
。 しか し,顧 客 を 獲 得 す る た め に,た だ 単 に マ ー ケ テ ィ ン グ費 用 を 増 や せ ば,よ い と い う もの で は な い。 当 然 の こ と な が ら
,費 用 対 効 果(Cost
‑Effectiveness)の 原 則 を 忘 れ て は い け な い
。
広 告 費 用 を 算 定 す る方 法 に は,分 類 方 法 に よ って 多 少 異 な るが,以 下 の6っ の 方 法(図 表10)が あ る。
1
2
3
4
5
6
図表10広 告 宜伝費 用 の算 出方法
ガイ ドライ ン方式;過 去 の デ ータや判 断 を重 視 す るアブmチ で ,基 準 と して売上 高,利 益,販 売単 位,販 売 店 を用 い る。例,売 上 高 の10%を 広 告費 とす る。
任意充 当法;ト ップマ ネ ジメ ン トや財 務部 門 な どが 企業 全体 の財務 状況 か らの判断 で広告 支出 を決 定 す る方式。
理 論 ・実 験 法(計 量 法);通 常,理 論 方式 は イ ンプ ッ トと して歴 史 的 デ ー タを用 い るモデル(売 上 高 モデ ル,競 争 モデル な ど)を べ 一 ス とす る。実験 法 は市場実 験 デー タを用 い
,複 数 のテ ス ト市場 か らの広 告一売 上 高反 応 の デ ー タを基 に広 告 支 出を決 定 す る。
競 争対抗 法;こ の方式 は主要 競争会 社 が どの程 度 の広 告費 を使 って いる か とい うことか ら自社 の広告費 を決定 す る方式 でt自 己防 衛 方式 といわれ てい る。
目標 ・課 業設 定法;特 定 の広告 キ ャ ンペ ー ン目標 が事 前 に決定 され,こ れ らの 目標認知 率,ブ ラン ド試行 などを基 に,こ れ らの 目標 達成 に必要 な広 告量 が決 定 され る。
資本投 資 アブmチ;広 告 と広告支 出 を資本投 資 とみな し,広 告予算 の 評価 が資本投 資額(ReturnOnInvestment)ま た は広告 に 支出 され る資本 に関 す る他 の形態 の利益 を基準 にす る。
0142) ビ ジ ネ ス ゲ ー ムL2189
こ の ゲ ー ム で は,他 社 の 広 告 費 を参 考 に して,広 告 費 を 決 定 す る方 が 現 実 的 で あ る。 広 告 費 は販 売 促 進 宣 伝 費 や 顧 客 サ ー ビス 費 と違 って,累 積 効 果 を 伴 う も の で あ る。 広 告 費 を0期 で も中 断 す る と,そ の 累 積 効 果
は な くな り,ま た 一 か ら広 告 しな け れ ば な らな くな る。
さ て,広 告 費 が 決 定 し た ら,マ ー ケ テ ィ ン グ計 画 と して,ど の 商 品 を 重 点 商 品 とす る か を 考 え,広 告 宣 伝 費,販 売 促 進 費,顧 客 サ ー ビ ス費,
セ̲ル ス マ ン(販 売 員)の 配 置 な ど を決 め な け れ ば な らな い 。
広 告 宣 伝 費,販 売 促 進 費,顧 客 サ ー ビス費 は,高 級 品(商 品C)か 普 及 品(商 品A)か,そ の 商 品 特 性 に よ っ て 効 果 が 異 な る。 しか も,前 述 した よ うに,広 告 費 は あ る程 度 継 続 して 支 出 しな い と,十 分 な広 告 効 果 は期 待 で き な い こ と を 考 慮 して,経 営 者 は意 思 決 定 しな け れ ば な らな い。(図 表11)
この ゲ ー ム で は,以 上 の マ ー ケ テ ィ ン グ費 用 を 入 力 す る と,損 益 分 岐 点 グ ラ フ と計 画 の評 価 が 表 示 さ れ る。 従 ってs学 習 者 は これ らの 計 画 が 妥 当 で あ るか 否 か を,損 益 分 岐 点 分 析 に よ り,そ の 適 否 を 検 討 す る こ と
に な る。
学 習 者 は ま ず 韻 益 分 岐(6)確 か め韻 益 分 岐 点 縞 い 場 合 に は,固 定 費 や 変 動 費 率 を 再 検 討 す る。 次 に,学 習 者 は 人 件 費 が 高 す ぎ な い か, 従 業 員 が 多 す ぎ な い か,広 告 費 や 販 売 促 進 費 等 が 適 正 か,ま た 商 品 の販
図表11第1期 中央地 区 販 売活動計画 例 一
項 目 単価 計画数1 販 売 価 格 の 範 囲
A商 品 25 1,485 A商 品 23 24 25 26 27 28 29 * *
一
B商 品 goo 143 B商 品 185 190 195 200 205 210 * * * C商 品 780 40 C商 品 680 700 720 740 760 780 800 820 840
広 告 宣 伝 費 400 400 (千 円)
販 売 促 進 費 200 200
300
L6N
顧 客 サ ー ビ ス 費inn
鑑
販 売一 一員
90商 経 論 叢 第33巻 第4号
(141)
売 価 格 は妥 当 か な ど を 検 討 す る。
こ の ゲ ー ム で は,当 初 の 計 画 に 変 更 が あ れ ば
,修 正 が 可 能 で あ る。 こ れ に よ り,学 習 者 は損 益 分 岐 点 の 意 味 と そ の 活 用 方 法 を 会 得 す る こ とが で き る。(図 表12)
図表12損 益分 岐点 グ ラフ例 ヰ員益分山支点 上ヒ率53(%)
16,459
損 益 分 岐 点 売1;高52,251
利益
変動費
固定費
96,925(T・ 円)
7)資 金 繰 り
販 売 活動 の結 果 が処 理 され,図 表13に 見 られ る よ うに,売 上 高 計 画実 績 対 比 グ ラ フが 表示 され る。 次 に,資 金 繰 り表 が表 示 され,資 金 の過 不 足 に対 す る必 要 な処 置 を学 習 者 は と る こと にな る。
収 益 と資金 の流 れ と は別 の もの で あ り,利 益 が あ が って いて も資金 が 不 足 す れ ばs会 社 は倒 産 す る こ とになC7)。
(140) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)91
図表13売 上 高計画 実績対 比グ ラ フ例
資金繰 り表
A商 品
50
画績計実
100%
(千 円)
1OnU(UAU∩U
入 し入 借 戻益収 金払利 他 入金金 の計 借 預預 そ
nU(U∩VOAU
済益他
返入利 の 金預 金 そ 入金 入金計
借預借税 0支収務財 鱗34金現越繰期次 収入支出
一
財務収支
脚30
金現越繰期前 nU∩UO畑瑚ΩりR)
収上回売金金掛計現売 20 05520955,β6,⑩
4ムQサ7‑9旧68
入
仕 出費 金 支理 現金 費管
品掛売般計商買販一 働4足不過支収常経 鰯34足不過
劃 1収入支出
一 経常収支
図表14 A社 当期損益 計算書
1■り乙
3
当期 損益 計算書 ・貸借対 照表例 (千 円)
売上高 売上原価
87,080 57,9ss 上総 利益
販売 ・一般 管理費
29,112 17,x55
業利益 11,457
4.営 業 外 収 益 5.営 業 外 費 用
nUO
11,457 0 0
一
経 常 利 益 6.特 別 利 益
7.特 別 損 失
税引き前当期利益 法人税等
11,457 0
当期利益 11,457
料費給伝費員宣料費売告管送計売販広保発
販
s,720 700
159 2,376 9,955
一一般管理費 事務員給料 退職金 募集費 教育訓練費 貸倒損失 保険料
賃借料 営業所費用 本社費用 減価償却費 計
1,sso O 1,000
240 0 0 0 0 4,700
80 7,700
92商 経 論 叢 第33巻 第4号
0139) A社 貸借対照表
流 動 資 産
固定資産
資産合計
(千 円) 資産 の部(借 方)
負債 資本の部(貸 方)
現 金34,985 預 金0 売 掛 金O A商 品2,682 B商 品1,950 C商 品1,920
負
債
買掛金0 借入金0 特別借入金0
警辞引当金00
合 計41,537
資
本 f
資 本 金50,000 繰 越 利 益 剰 余 金0 繰 越 利 益0
当 期 利 益II,457 建 物 設 備19,920
合 計41,537 合 計61,45
合 計fi1,457 負 債 資 本 合 計61,457
経営診 断 グラフ 経営安全率
40 30 20
当 期 業 績 評 価 損 益 分 岐 点 比 率60.0 売 上 高 総 利 益 率33.4 販 売 ・一 般 管 理 比 率20.3
一人 当 り売 上 高10 ,885 二労働 ラ}酉己率28.9
10A社
*
⊥L̲L ̲L̲ユ̲.̲̲
110120130140150
‑10
コ
ー20
‑30
‑40
8)経 営 分 析
経 営 活 動 の 結 果 は か な ら ず,図 表14参 照 に 見 ら れ る よ う に 数 値 に よ って 表 され る。例 え ば,フ ロ ッ ピー ・デ ィス ク(消 耗 品)一 枚 を 購 入 し た だ け で も,そ の 結 果 は財..表(一(8)損益 計算書 ・貸借 対照表)に 反 映 さ れ る もの で あ る。
0138) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)93
これ まで の各 ス テ ップにお い て意 思決 定 した結 果 は,確 実 に財 務諸 表 に反 映 され る。 損 益計 算 書,貸 借 対 照 表 な どの数字 を的確 に読 み取 り, 判 断 で きるか否 か は,経 営 者 と して必 須 事項 で あ る。 そ れで は,企 業 の
数 値;財 務 諸 表 を 読 み と る ポ イ ン トにっ い て述 べ て い こ う。
a)収 益 性 の 分 析
収 益 性 と は,企 業 が 現 在 行 って い る事 業 に お い て ど れ だ け の 収 益 を 出 して い る か を 見 る もの で あ る。 収 益 性 の 分 析 指 標 に は 図 表15で 示 した よ うに総 資 本 利 益 率,売 上 高 純 利 益 率,一 般 管 理 費 ・販 売 費 比 率,総 資 本 回 転 率 な ど が あ る。
「 図表15収 益性 の分析指 標
当期純 利益(税 引 き前)x100 総 資本利益 率 一
総 資本(当 期平均) 当期純利 益(税 引 き前)x100 売 上高利 益率 = 売上 高
一囎 囎 ・販売費比率 一 一囎 磐 嵩販売費x1・ ・
総資本回転率一 総資講 覇平均)×1・・
なか で も,総 資 本利 益 率 は,投 下 して い る資 本 で どれ だ けの利 益 を あ げて い るか をみ る指 標 で あ る。総 資本 利 益 率 は以 下 の よ うに売 上 高 経常 利益 と総 資本 回転 率 に分解 で き る。
(例) 総 資 本 利 益 率 一 藩 野1・ ・11,45761
,457
一 讐 欝 × 議 栗 一ll:457080×87,08061 ,457 (売 上 高 経 常 利 益)(総 資 本 回 転 率)
=18 .6
っ ま り,総 資 本 利 益 率 は 当 期 の 売 上 に お い て どれ だ け の利 益 を あ げ た か,ま た,そ の売 上 を達 成 す る た め に ど れ だ け の 資 本 を 投 下 した の か に
94商 経 論 叢 第33巻 第4号 X137)
よ っ て,収 益 性 を み る もの で あ る。
b)安 全 性 の 分 析
安 全 性 と は,資 金 面 か らみ て 会 社 は大 丈 夫 か,と い う観 点 で 分 析 を 行 う。 収 益 性 の 高 い 企 業 で は資 金 面 も豊 富 で あ る。 逆 に利 益 が 少 な か っ た り,赤 字 会 社 で は運 転 資 金 も不 足 す る。 す な わ ち,収 益 性 の 良 さ と資 金 と は密 接 な 関 係 が あ る。 た だ し,収 益 が よ け れ ば資 金 の ほ う も安 全 と い うわ け で は な い。 い わ ゆ る 「黒 字 倒 産 」 と い う ケ ー ス もあ る。
そ こで ・ そ の企 業 が危 険 か 安 全 か,を 判 断 す る ひ と っ の 基 準 と して 資 金 状 況 を み る わ け で あ る。 そ の 代 表 的 指 標 は 図 表16で 示 した よ う に ,
「流 動 比 率 」,「固 定 比 率 」,「 自 己 資 本 比 率 」 な ど が あ る。
・ 図表16安 全性 の分析 指標
流動 資産 流動比 率 轄x100
流動 負債 固定 資産 固定比率=x100
目己資本
固定 資産
固定 長期適 合率e ×100
自己資 本十固定 負債 自己資本
自己資本比率 靴XlQQ 総資本
流 動比 率 は一年 以 内 に返 済 しな けれ ば な らな い負 債(流 動負債)に た い し,支 払 い原 資(流 動資産)の 割 合 をみ る ことに よ って,そ の 企業 の支 払 い能 力 を分 析 す る指 標 で あ る。
(例) 流 動 比 率 一 霧 雛 ×1・・̲41,5370
固 定 比 率 は,そ の 企 業 の 固 定 資 産(設 備,機 械)が ど の 程 度 自 己 資 本 に よ って 賄 わ れ て い るか を 見 る。 した が って,か り に固 定 比 率 が50%で あ る な らば,50%は 他 人 資 本(主 と して長期借 入金)に よ っ て 賄 わ れ て い る こ と を 意 味 す る。
(136) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム ②95
固定比率摺 諜 ×1・ ・
仮 に固 定 比率 が50%で あ るな らば,残 りの50%は 他人 資 本(主 として 長期借入れ)に よ って賄 われ て い る ことを示 す。
自 己資 本 比 率 は投 下 して い る総 資 本 の うち 自己 資 本 を み る こ とに よ り,経 営 の安 定性 や安全 性 を計 ろ う とす る指 標 で あ る。 この数 値 が低 い と他 人 資 本(主 として長期借入金)が 多 い とい うこ とにな り,金 利 負 担 が 過 大 とな り資金 繰 りに苦 しむ ことに な る。
配 資本比率一 自 瞭 ×1・ ・
c)成 長 性 の分 析
成 長 性 を見 る代 表 的 な指 標 と して,売 上 高 成 長率(図 表17)が あ る。売 上 高 の成 長 は経 済 成長 率,当 該 企 業 の属 す る業 界 の平 均成 長 率,競 争 企 業 の成 長 率 な どを参 照 した い,と の比 較 検討 が必要 で あ る。
図表17安 全性の分析指標 売上高成長率 一[詣 羅 薯 一1]×1・・
売 上高 成 長 率 は,過 去 の伸 び率 との比 較,業 界 や競 合他 社,さ らに は GDPと の比 較 が必 要 で あ る。
売上高成長癬 當艦 悪 ×1・ ・
d)損 益 分 岐点 分 析
損益 分 岐 点 と は,損 失 もな いが利 益 もな い損 益 トン トンの売 上 高(ま たは売上量)を い う。っ ま り,こ の売 上 よ り少 な けれ ば赤字 とな り,多 け れ ば黒 字 とな る。
従 って,こ の分 岐 点 は低 い ほ ど経営 が安 定 す る とい え る。 損益 分 岐点 を算 出す るた め に は,費 用 を まず固 定 費 と変 動 費 とにわ けな けれ ばな ら
な い。 固 定 費 は売 上高 に関係 な く発生 す る費 用 で あ り,減 価 償却 費,火 災 保 険 料,人 件 費(固 定給の給料手当て),福 利 厚生 費 な ど,が その主 た る
96商 経 論 叢 第33巻 第4号(135)
もの で あ る。
一 方,変 動 費 は売 上 原 価 と販 売 分 の 荷 造 り発 送 費 が ,こ の ゲ ー ム で は これ に該 当 す る。
損益分 嚇 分析e固 霧 費 ×1・ ・
1一 売上 高e)生 産性 の分 析
生産 性 を見 る指 標 と して,付 加 価値 生 産 性 が あ る。
付加価値生産 性一 付力 雅 購IJ益)
また・ 次 の式 に よ って付加 価 値 のな か か ら人件 費 と して どの くらい支 払 わ れ たかが あ き らか にな る。
労働分配率一論 論
これ ら指 標 を もとに して,経 営 者(学 習者)は 同業 他社 との経 営比 較 や 期 間比 較 分 析 を行 う。
以 上,図 表1の 流 れ に沿 って説 明 して きたが,学 習者 は この演 習 を通 して企 業活 動 の仕組 み,損 益 分 岐点分 析,マ ー ケ ッテ ング活 動 とその結 果 で あ る財 務 諸表 との関 係 な どに つ い て,容 易 に理 解 で き る よ うに な
る。
3.業 績 評 価
以 下 の レポ ー トは,学 生 が 実 際 に シ ミュ レー シ ョ ン した 結 果(会 社 の業 績)を 分 析 し た もの で あ る。
(三田さん)「三 田工 業 の経 営 」(写 真1参 照) 1)経 営 戦 略
① 当 社 は主 力商 品 をA商 品 と し,低 価 格 戦 略 を採 り,大 量 販 売 に よ る利益 で収益 ア ップ を狙 う。
(134)
0
ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)97
A商 品 販 売 価 格 を 他 社 よ り低 め に設 定 し・ 大 量 販 売 し・ マ ー ケ ッ トシ ェ ア の 獲 得 を 目指 す 。
B商 品 マ ー ケ ッ トシ ェ ア9%前 後 を 目標 と す るが ・ あ ま り力 を い れ な い。
C商 品 顧 客 サ ー ビ ス費 に 力 を い れ る が,在 庫 費 用 が か な りか か る た め,売 れ 残 らな い よ う に しな が ら,仕 入 を 増 や す 。
写真1休 日に もか かわ らず演習 に参加 した学 生
(前列)桜 井 さん 二田 さん(中 央)斉 藤 さん (後列)鈴 木 さん 秋本 君 桜 井君 吹一L君 2)経 営 分 析
図 表18・19よ り,第4期 と第6期 は,共 に 在 庫 量 が 少 な か った た め, 売 上 高 が 減 少 して しま った が7そ の 他 の 期 で は,広 告 費,販 売 販 促 費,
顧 客 サ ー ビ ス 費 が 増 加 す る に つ れ て,売 上 高 も増 加 し た 。 さ ら に,第6 期 を 見 る と,売 上 高 が 減 少 した が,こ れ は第5期 が 同 じだ っ た た め,他 社 と の 競 争 に遅 れ を と り,売 上 高 が 減 少 した の が 原 因 で あ る。 しか しな
が ら,広 告 費,販 売 促 進 費,顧 客 サ ー ビ ス費 を 同 じ単 位 で増 加 して い る
98商 経 論 叢 第33巻 第4号
(133) 図 表18亮 上 高,マ ー ケ ッ トシ ヱ ア と マ ー ケ テ ィ ン グ ミ ッ ク ス
期 売上高 広告費 販促費 1 顧 客 サ ー
ビ ス 費
マ ー ケ ッ ト シ ェ ア(%) (千 円) (400千 円) (200千 円) (100千 円) A商 品 B商 品 C商 品
1 g7,s40 1 2 2 5.85 4.86 10.48
2 154,595 2 3 3 13.45 9.97 12.50
3 158,890 3 3 4 X4.30 1Q.13 9.80
4 148,890 5 4 5 14.70 8.76 9.24
5 i$o,404 」 s s 15.4$ 12.71 11.02
6 1fi4,49D 5 fi 6 1fi.20 9.94 9.88
7 X90,905 s 6 7 16.29 ..・ ・ 10.80
8 144,fi39 5
1
6 7
図表19各 商 品の売上 高(千 円) 期 A商 品 B商 品 C商 品
1 31,59Q 21,730 34,320 2 67,025 43,590 43,680 3 72Zoo 59,400 37,240
4 74,016 40.30 34,32Q
5 81.14 5s700 4z,5so
i
84,150 41.5$0 38,76Q 7 $3,600 61,705 45,fiOO 8 6,989 28,810 5Q,840
一
た め ・ ど の 要 因 が 売 上 高 と強 い 相 関 が あ るか 不 明 で あ る
。
ま た,広 告 費 に つ い て 見 る とy第4 ,5,6期 と も広 告 費 は 同 じ金 額 で あ った に もか か わ らず,A商 品 の 売 上 高 が 少 しず っ 伸 び て い る
。 これ は 広 告 費 は 累 計 効 果 を 伴 う もの で あ る と思 わ れ る。 顧 客 サ ー ビ ス に っ い て は,顧 客 サ ー ビス 費 を 増 加 す れ ば ,C商 品 の 売 上 高 も増 加 す る の で は な い か と考 え た が,因 果 関 係 は は っ き り しな か っ た
。
次 に,社 員 数,営 業 所 の数 教 育 費 と売 上 高 との 関 係(図 表20)を 見 る と,最 も関 係 が あ る と思 わ れ るの は,営 業 所 の 数 で あ る。 営 業 所 を 開 設 した 第2・3,5期 は売 上 高 が 伸 び て い る こ とか ら も明 らか で あ る
。 教 育 費 に っ い て は第3期 以 降 他 社 に 比 べ 力 を い れ た が,そ れ ほ ど売 上 に対 す る影 響 力 は見 られ な い。 他 社 と同 程 度 に して い れ ば
,売 上 に 対
(132) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)99
図 表20社 員数,営 業所 数,教 育費 と売上 高の関係
ー
期 売上 高(千 円)
累 計 社員 数 (人)
営 業 所 数
i
教育費(千円)
1 70,470 10 0 15
2 11$,$71 12 1 15
3 120,959 1fi 2 20
4 128,064 18 2 35
5 139,606 Zo 3 35
6 129,74fi 20 2 35
7 125,628 21 2 35
i
18 131,631 21
2135
す る影響 は大 き くな い と思 わ れ る。
次 に,販 売 価格 と販 売量 との関係(図 表21)に つ いて考察 して み る。ま ず,A商 品 にお け る販 売価 格 と販売 量 との 関係 につ いて は,販 売 価格 を 低 く設 定 す る と4販 売 量 が増 え,販 売 価 格 を高 く設 定 す る と,販 売 量 が 減少 す る傾 向 が見 られ る。 特 に}第5期 で は需要 量 が減 少 して い るに も か か わ らず,販 売 価 格 を低 く したた め,販 売 量 は増 加 した。 これ よ り, 需 要 量 が減 少 して い る時 は販 売 価 格 を低 く設 定 す る必 要 が あ る と い え
る。
ま た,C商 品 の場 合,A商 品 と同様 に販売 価 格 を下 げ る と,販 売 量 が
図 表21各 商 品の売上 高 一
A商 品 B商 品 C商 品
一
期 需要量 販売
価格 販売
数量 需要量 販売 価格
販売数量 需要量 販売 価格
販売数量
1 12,000 26 1,215 1,ZOo 205 106 goo 780 44
2 22,000 25 2,681 2,100 210 206 440 780 56
3 23,500 25 2,$90 2,200 200 297 410 760 49
4 23,740 24 2,084 1,400 210 193 Aso 7so 44
5 22,500 23 3,528 2,100 210 270 390 7GO 56
6 20,000 25 3,3ss 2,200 210 198 Aso 760 51
7 2s,000 25 3,344 2,400 215 287 330 soo 57
8 23,100i 27 2,407 2,050 215 134 330 820 62
一
一
(単位 個 千 円 個 個 千円 個 個 千円 個)
100商 経 論 叢 第33巻 第4号
(ユ31)
増 え る と い う傾 向 は見 られ ず,そ の 逆 の 傾 向 が 第7 ,8期 の場 合 に 見 られ る。第5期 以 降,C商 品 の 需 要 量 が 減 少 しつ つ あ る 中,第7・8期 と徐 々 に 販 売 価 格 を 高 く して い る に もか か わ らず,販 売 量 は増 え て い る。 つ ま り,C商 品 は販 売 価 格 を む や み に低 く設 定 す る よ り,高 め に設 定 した 方 が 良 い と い え よ う。 しか し,販 売 量 は,販 売 価 格 だ け と関 係 が あ る わ け で は な く,需 要,他 社 の一戦 略 や マ ー ケ テ ィ ン グ ・ ミッ ク ス と も関 係 が あ る わ けで,い つ もA商 品 は安 くiC商 品 は 高 く設 定 す れ ば い い と い う も の で は な い。
3)「 財務 分 析 」
まず,収 益 力 につ いて だが,総 資 本対 経 常 利益 率 ,売 上 高 対経 常 利益 率,自 己資 本対 経 常 利 益利 率,自 己資本 対経 常 利 益 率 すべ て にお いて, 第一 年度 に比 べ・ 第二 年 度 の方 が少 な くな って い る。 これ は当 た り前 の
こ とだ が・ 経 常 利 益 が少 な い ため で あ るが,こ の原 因 は売 上 高,特 にC 商 品 の 高付 加価 値 に よ る利 益 が す くなか った ため だ と思 う。(図 表22)
「
へ
図表22
12345
収益 力
総 資本対経 常利 益率 売上 高対経 常利 益率 自己資本対経 常 利益 率 不況抵抗 力
損益 分岐点、比率 活動 力
総 資本[亘1転擦ζ 売 上高成 長率 財務 安定 力
自己資本比率 流 動比 率 生 産性
一一人 当た り付加価 値(粗 利益) 一人当 た り経常利 益
1年 度 40.4(%)
9.7(%) 70.3(%) 63.5(%)
2年 度 27.2(%)
4.2(%) 31.5(%) 75.9(%)
4.2(回)6.4(回) 0.0(%)121.5(%)
57.5C%)86.4C%) 200.6(%)601.0(%)
10,200(T'円)10,894(千 円) 3,010(T・Pヨ)1 ,371(二r‑「][」)
(130 ビ ジ ネ ス ゲ ー ム{2)101
損 益 分 岐 点 比 率 は,固 定 費 が か か り す ぎ た こ と が 最 大 の 原 因 だ と思 う。 計 画 で は無 謀 な売 上 高 を 目標 と して い た の で 損 益 分 岐 点 比 率 は か な り低 め で あ っ た が,や は り実 際 は そ ん な に 売 れ るわ けで は な く,こ の よ うな 結 果 に な って し ま っ た 。
次 に,総 資 本 回 転 率 で あ るが,こ れ は1年 度 に 比 べ,2年 度 の 方 が 高 く な っ て い る。 ど の く らい が 妥 当 な数 値 な の か わ か り ま せ ん が,た と え 資 本 が 少 な くて も有 効 に使 っ て い る と い う こ とで あ るか ら良 い 結 果 と い え る。生 産 性 に お け る1人 あ た り付 加 価 値 も同 様 で,1年 度 に 比 べy2年 度 の 方 が 多 くな っ て お り,1人 あ た りの 生 産 性 の ア ップ が 現 れ て い る。
最 後 に財 務 安 定 力 で あ る が,自 己 資 本 比 率 は第1年 度 に 比 べ,2年 度 の方 が 増 加 して い る。 こ れ は借 入 金 返 済 の た め で あ る。 借 入 金 は必 要 な 時 に 必 要 な 分 だ けす る こ と が 重 要 で あ る と い え る。
4)「 ま とめ 」
前 回 の マ ネ ジ メ ン トゲ ー ム で は 消 極 的 過 ぎ た た め,今 回 は積 極 的 な経 営 を しよ う と,初 め か ら考 え て い ま した 。 そ の た め ・ 第 一 期 か らか な り
大 量 に 発 注 を し,第3期 ま で は 順 調 に売 上 高 を 伸 ば して 行 き ま した が, 第4期 以 降 特 に 力 を 入 れ て い たA商 品 の 在 庫 が 大 量 に 発 生 し て し
ま っ た。
これ は,1)需 要 予 測 が 甘 か った こ と,2)自 社 の販 売 能 力 に気 づ く こ と が で きず,た だ 基 本 戦 略 の通 りマ ー ケ ッ トシ ェ ア獲 得 の た め に 大 量 発 注 し続 け た こ と に原 因 が あ る。 この よ う に在 庫 が 大 量 発 生 して しま っ た A商 品 と は逆 に,B,C商 品 は,第4期 在 庫 不 足 の た め マ ー ケ ッ トシ ェ ア,売 上 高 を急 激 に ダ ウ ンさ せ て し ま っ た 。 これ はB,C商 品 に あ ま り 力 を 入 れ な か っ た こ と に も よ る が,在 庫 費 用 が か な り か か る た あ,在 庫
を コ ン トロ ー ル しよ う と,発 注 を 抑 え た た め で あ る。 この た あ,売 上 を 伸 ば す 可 能 性 が あ っ た に も か か わ らず,在 庫 不 足 の た め,販 売 機 会 を 失 って しま った 。
102商 経 論 叢 第33巻 第4号
(129)
(川 口君)「JRHONTOKAIの 経 営 」 1)「 経 営 戦 略 」
ま ず,シ ミュ レー シ ョ ン期 間 を8期2年 と設 定 。本 来 は12期3年 の 設 定 で あ っ た が,レ ポ ー トに ま と め る に は長 い と判 断 し,8期2年 と した。
大 ま か な 目標 と して,1年 目終 了 時 点 に は他 社 並 み の 会 社 規 模 に拡 大 さ せ,2年 目 に は市 場 に お け る リー ダ ー企 業 と して 君 臨 す る
,と い うか な り高 い と ころ に 目標 を 置 い た。
目標 を 達 成 す る た め の基 本 戦 略 と して,
① プ ロ モ ー シ ョ ン活 動 の顧 客 サ ー ビ ス ・販 売 宣 伝 費 ・販 売 促 進 費 ・ 広 告 宣 伝 費 は1年 目 か ら最 高 に 設 定 し,以 後 ど ん な 事 が あ ろ う と
もy動 か さ な い。
② プ ロ モ ー シ ョ ン活 動 を最 高 に 設 定 した こ と に よ っ て,A,B,C全 商 品 を 市 場 に お け る最 高 値 で 販 売 し,最 高 の 粗 利 益 を得 る。
③ 人 員 は,多 め に 採 用 す る。 解 雇 者 は だ さ な い 。 月 給 は最 低 レベ ル か ら2期 ご と に ワ ン ラ ン ク ・ア ップ さ せ る。 社 員 教 育 も2期 ご と に 行 う。
④ 目標 シ ェ ア は20%を 想 定 し,需 要 動 向 に は も ち ろ ん 注 意 を 払 う が,強 気 に発 注 を行 う。
⑤ 早 期 に業 務 拡 大 を 図 る た め,営 業 所 は早 め に開 設 す る。
⑥ 事 務 活 動 と して,預 金 の 預 け入 れ を行 う。 預 金 額 は,期 末 現 金 の 半 額 ま で と す る。
2)「 販 売 分 析 」
図 表23〜25は,A,B,C商 品 の 販 売 と売 上 に っ い て の もの で あ る。A 商 品 とC商 品 は マ ー ケ ッ トシ ェ ア ・売 上 高 共 に 同 じ よ う に 推 移 して い る。 しか しな が ら,販 売 達 成 率 で 見 る と,C商 品 は か な り低 い。C商 品 は 高 級 品 で あ り,粗 利 益 率 も高 い の で 容 易 に売 れ る と は思 わ な か った が, そ れ で も第6期 か ら8期 に か け て はか な りの 実 績 を 残 して い る
。B商 品
(128) ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)103
期
12345678
目 標 販 売 量 (個)
2,700 4,939 5,324 5,483 5,352 5,038 4,814 5,482
図 表23A商 品
実 際 販 売 量 売 上
(個)(千 円)
2,43070,470 4,099」118,871 4,171120,959 4,416j128,064
4,814139,606 4,474129,746 4,332'125,628 4,539131,631
図 表24B商 品
一
古i同 マ ー ケ ッ ト 販売達成率
) シ ェ ア(%) (%)
470 9.37 90.0
871 16.45 83.0
959 16.51 78.3
064 16.84 80.5
606 16.89 90.0
746 1.22 88.8
s2s 16.88 90.0
631 17.54 ・
一
期
12345678
目標販売量 実際販売量 (個)(個)
260 494 547
×47 473 514 493 550
売 上 高 (千円) 430
401 492 312 419 401 443 495
50,310 86,215 105,780 fi7,080 90,085 8,215 95,245 145,425
ト%
ソ/﹁kケア一エ
マシ
8.59 15.31 13.42 11.32 15.78 1fi.10 15.91
16.42
販売達成 率]
(%)[
90.0 81.2 89.9 89.9 88.6 78.0 89.9 90.0
期
12345678
目標販売 量(個)
72 115 133 129 137 121 98 110
7 ﹃
量売)販個際(実図 表25C商 品
売 上 同
(千 円) 47,88
88626807889989
riu
30
灘1
80,640 73,920 75,600
ケ ッ ト ア(%)
販売 達成 率 {/) 10.86
13.93
79.2 67.8 14.08
14.45 14.49 14.88 13.33
iS.zJ ̲si.a
66.2 66.7 67.2 79.3 89.8
は第3,4期 で マ ー ケ ッ トシ ェ ア を 落 と して しま い,売 上 高 もA・C商 品 に比 べ 波 が 激 しい。 しか し販 売 達 成 率 は高 い レベ ル で 安 定 して い る し,
104商 経 論 叢 第33巻 第4号
0127) 第6期 か ら8期 にか けて も売 上 高 も順 調 に上 昇 傾 向 を示 して い る。
商品 に関 連 した もの と して,図 表26で は期末 在 庫 量 の推 移 が示 され て い る。 図表23〜25の 目標 販 売 量 と実 際 販 売 量 とを比 較 して み れ ば 分 か るよ うにか な り多 くの在庫 を抱 えて い る。 特 に,C商 品 は第2期 か ら 第5期 にか け てか な りの量 の在庫 が抱 え て しま った。1年 目 は在 庫 調 整
を行 わ なか ったの で雪 だ るま式 に在 庫 が増 え て しま ったが,2年 目 は在 庫 を調 整 した の で な ん とか 在庫 が や や減 少 した。 しか し,在 庫 水 準 は や っぱ り高 い と思 う。 強 気 の経 営戦 略 に沿 った発 注 で あ ったが,も う少
し慎 重 に計 画 す べ きで あ った。
図表27は 経常 利 益 の推 移 を示 して い るが,1年 目は好 調 で あ ったが, 2年 目 は第5期 は と もか く後 半3期 は伸 び悩 ん で しま った
。
図 表27と 関連 して い るのが図 表28で あ る。特 に労 働 分配 率 と販売 ・ 管理 費比 率 の上 昇 は,図 に は示 して いな いが,損 益 分 岐点 比 率 の上 昇 に 直結 し・ 経常 利 益 の伸 び悩 み に大 きな影 響 を及 ぼ して い る。1人 当 り売
口皿品品商商商
ABC
期 270
2fi I5
図表26期 末在 庫量
2期 3期 4期 5期 6期7期 8期 平 均
840 93 37
1,153 55 45
1,067 35 43
538 54 45
564!482 11350
25110
、
943 55 20
732 so 30
(T・lIl) so,ono
70,000
60,000
50,000
40,000
図表27
町
一 一
一 一
一
一 一
一 期 12345678
(126)
30
20%
10%
t
/
̀\\
ρ(%)
σ!△ ・一△(%)
図表28
ビ ジ ネ ス ゲ ー ム(2)105
労 働 配 分 率(%)013 ,000 ・人 当 売L高C臼IDx
販 売 ・管 理 費 比 率(%)△
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000(下 「ll)
1̲12345678(期)
ド1323233029354040人(従 業員数)
上 高 は従 業 員 数 の 増 加 が 急 ピ ッ チ に進 ん だ こ と も あ って,急 降 下 して し ま った。
以 上 の視 点 か ら分 析 して み る と,2年 目 の 伸 び悩 み は そ れ ま で の 企 業 規 模 の 拡 大 政 策 が あ ま り に も急 ピ ッチ だ った の で,そ の ッ ケ が 回 って き
た と考 え る の が 正 解 だ ろ う。
3)「 財 務 分 析 」
初 め に総 括 して しま え ば,1年 度 に お け る絶 好 調 経 営 に対 し,2年 度 は 安 定 経 営,悪 くい う と伸 び悩 み と 言 う一事で あ ろ うか 。
「収 益 力 」 の面 か ら見 る と,総 資 本 ・売 上 高 ・自 己 資 本 の伸 び に対 し, 経 常 利 益 の 伸 び が 停 滞 した た あ,い ず れ も低 下 して い る。 総 資 本 対 経 常 利 益 率 の低 下1さ,資 本 が 増 加 して い る の に もか か わ らず,そ の 資 本 が 効 率 よ く活 用 さ れ て い な い こ と が 原 因 で あ ろ う 。 こ の こ と は,活 動 力 の 面 に お け る総 資 本 回 転 率 の 低 下 を み れ ば,明 らか で あ る。 経 常 利 益 低 下 の 原 因 と し て 最 も大 き い の は,製 造 固 定 費 ・販 売 費 ・一 般 管 理 費 と い っ た,固 定 費(期 間費用)の 上 昇 で あ ろ う。 これ らが 売 上 高 対 経 常 利 益 率 の
106商 経 論 叢 第33巻 第4号 0125)
図 表29 1.収 益 力
総 資本対経 常利 益率 売 上 高対経常 利益 率
自己資本対経 常利 益率 2,不 況抵 抗力
損益 分 岐点比 率 3.活 動 力
総 資本 回転 率 売上 高成長 率 4.財 務安定 力
自己資本比率 流動比 率 5.生 産性
一人 当 た り付加価 値(粗 利益)
L̲一 埜 当たり経常利益
1年 度
83.1C° °/a) 24.6(%) 142.4(%)
35.fi(%)
2年 度
58.?C%) 20.6(%) 83.3{° °/a)
51.0(%)
3,4(回)2.8(回) 0.0(/)120.3(%)
58.4(%)76.5(%) 224.4(%)323.3{%)
13,787(千 円)12,332(=FF正 』)
8・5『 監塑 遡 」
低 下,不 況 抵 抗 力 の面 に お け る損 益 分 岐点 比 率 の上 昇 に もっ なが って い る。 固 定 費 の上 昇 に関 して言 え ば,2年 とい う短 期 間 で他 社 と同 じ レベ ル で戦 うた め に急 激 に投 資 を行 った た め に止 む を得 な い こ とだ と考 え る。(図 表29)
「財務 安 定 力」 の面 に お け る,自 己資本 比 率 の20%以 上 近 い上 昇 は2 年 度 にお いて高 く評 価 で き る点 で あ ろ う。 借 入金 もな く,余 剰現 金 も適 度 に預金 に回 して い る こ とで,財 務 の安 定 が 計 られ て い る。流 動 比 率 の 上 昇 も評 価 して いい点 で あ ろ う。
「生 産 性 」の面 で は,一 人 当 た りの付 加 価値(粗 利益)・ 経常 利 益 と もに 減 少 して い るが,前 に も述 べ たよ うに,従 業員 の急 激 な増 加 を考 え れ ば,
や む を得 な い こ と と解 釈 して い るので さ ほ ど心配 して いな い。
4)「 総 合 評 価 」
こ の シ ミュ レー シ ョ ンゲ ー ム を 実 施 す る に あ た って ,い か に して利 益 を あ げ よ うか と考 え た し,い ろ い ろ な ケ ー ス を 想 定 して,経 営 戦 略 を 策