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諸外国におけるデザイン保護の実態に関する調査研究

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成1 特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書

諸外国におけるデザイン保護の実態に関する

調査研究報告書

成1 3月

財団法人 知的財産研究所

(2)

お知 せ

成 7 日 決 定 さ 知 的 財 産 戦 略 大 綱 お い て 従 来 知的所 権 という用語 知的財産 知的財産権 工業所 権 という用語

産業財産 産業財産権 改 ことと まし 本報告書 おい て 可能 限 新しい用語を使用してお ます

※法律名や組織名 ついて 一部従来 用語 まま使用してお ます

(3)

至 要取 約取

知的創造活動の成果物であるデザインの保護を考える上で、意匠制度 その中心的な役 割を担 いることに い 疑う余地 ない 、デザイン 有する多面的な性格から、 一のデザイン創作物に 、意匠法以外の法令に基 く重畳的な保護 及ぶ場合もある デ ザインのより適 な保護を図るべく、 国意匠制度の在り方に い 具体的な検討を進 めるために 、 国のみなら 、諸外国におい 、デザイン創作物 意匠制度を始めと する知的財産制度によ のように保護され いるかに い 、正しく理解し おくこ と 不可欠である

本調査研究 、そのような理解に資することを目的とし 、有識者から成るワーキング・ グループを設置し、欧州共同体及び欧州諸国、米国、並びに中国に い 、その意匠制度 の基本的な枠組みを概観するとともに、現地協力先や文献等より入手した裁判例の分析を 通し 、保護対象、保護要件、効力範囲等の意匠保護の実体面における具体的な判断の理 念、基準及び手法を明らかにすることに主眼を置いた また、著作権法、商標法、不正競 争防 法等、デザイン保護手段とし も機能し得る諸制度に い 、裁判例に準拠しな ら、その適用の実態に い 、可能な限り、分析、整理を試みた

第1部 欧州におけるデザイン保護

Ⅰ. 欧州デザイン保護の概要

欧州共同体域内における物の自由な移動を確保するために、加盟国の意匠制度を調和さ るための欧州意匠指令 1拡拡拠年10月1年日に成立し、加盟国 指令に従 た国内法の改正 を行 きた 物の自由な移動と深くかかわらない、刑事罰、出願手続等に い 、各 国の自由とな いる

また、共同体域内に単一の意匠権を創設する欧州意匠規則 平00平年年月6日に施行された 欧州意匠規則 登録共同体意匠と非登録共同体意匠の平部構成から成る

欧州意匠指令で 、 意匠 、製品自体及び 又 その装飾の特徴、取り分け、線、輪 郭、色彩、形状、手 わり及び 又 素材による、製品の全体又 部分の外観であり、 製 品 、部品、包装、外装、グラフ゛ッェ・クンボル及び印 用書体を含 、コンヌュー タ・プログラム 除外され いる

意匠の保護要件 、新規か 独自性を有し、複合製品の部品の場合、製品の通常の使用 中に視認できることである 情報に通 た使用者に える全体的印象 、出願日(優先日)

(4)

至至

前に公衆の利用に供された意匠と異な いる場合、独自性 あるとされ、その際、当該 意匠の開 における意匠創作者の自由度も考慮される

先行意匠 、出願日(優先日)前に開示され いた場合に、公衆の利用に供 られ いた とされる 、共同体域内の関係分野の専門家群 合理的に知り得なか たもの 該当しな い

保護範囲 保護要件と同様の基準で決められる 保護期間 出願日から最長平5年である 意匠権と著作権による重畳保護の範囲・条件 加盟国にゆ られ いる

欧州共同体商標制度で 、立体的形状を、立体商標とし 登録し、保護すること でき る 立体商標の登録要件 、通常の商標と同様、識 力 あり、先行商標と抵触 、機 能的でないことである 識 力 、生来的に識 力 ある場合と、使用により識 力を取 得した場合の双方 含まれる 立体商標の識 性に い 、生来的に識 力 あるとさ れたミネラル・ゞァーターのボトルの事案 ある 立体商標の効力範囲 、原則、商標 同一又 類似、商品・役務 同一又 類似で、公衆に混同を生 さ る範囲である 、立 体商標 名声を博し いる場合に 、一定の要件 で、非類似の商品又 役務まで及ぶこ とになる

共同体全域をカバーする不正競争防 法 存在 、各国ごとの、不正競争防 法、民 法、コモン・ローにより、デザインの模倣 不正競争行為に当たるとされる場合 ある

デザイン 、一定の要件 で、各国の著作権法により、著作物とし も保護される

Ⅱ. 欧州共同体

登録共同体意匠権 、欧州共同体商標意匠庁(以 Oシ同M という)に出願・登録すること により 生し、共同体全域に及ぶ単一の権利である 保護期間 出願日から最長平5年間で ある 保護対象及び保護要件 欧州意匠指令と同様である

一出願に同一分類の複数意匠を包含できる多意匠一出願制度 採用され いる Oシ同Mで

、意匠出願 方式要件並びに保護対象及び公序良俗の観点からのみ審査され、審査に不 服 ある場合 Oシ同M審判部に審判請求できる

その他の保護要件に い 、登録後、無効宣言請求によりOシ同M無効部 、又 侵害訴 訟におい 共同体意匠裁判所(加盟国の指定を けた第一審、第 審の国内裁判所) 判断 する 無効宣言請求 理由ごとに請求人適格 規定され いる 無効部決定 Oシ同M審判部

不服申し立 できる

Oシ同M審判部の審決 、第一審裁判所、そし 欧州司法裁判所 不服申し立 できる 登録意匠の無効 、侵害訴訟における被告の抗弁又 訴におい も主張できる 抗弁 による主張 、被告の先行国内意匠を理由とする場合に限られる

先 行 意 匠 と 同 一 又 重 要 で な い 細 部 の み 異 な る 場 合 、 意 匠 新 規 性 な い と さ れる

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至至至

(Oシ同M無効部決定:新規性肯定―天井灯 新規性否定―菓子

独自性に い 、いすの機能により、底部、支持構造部、 面の必然的な構成により創 作者の自由度 制限されるとし、情報に通 た使用者 、当該分野に特化した環境におい

、通常の商業活動を行う際に常識とされる技術状況(この種のいすに 足置き部と背もた れ 通常備わ いる)を認識し いるとした上で、当該意匠の独自性を否定し、登録無効 としたいす、情報に通 た使用者 、全体的印象を判断する際に、技術的条件を前提とし た、この種の天井灯に必須の共通する特徴をそれ 重視しないとし 、その他の部分を 基に当該意匠の独自性を肯定した天井灯、塗布具の頭部形状 機能から必要なので なく、 頭部によ 引用実用新案と全体的印象 異なるので独自性 あると判断した皮膚消毒剤 塗布具の事案 ある

技術的機能のみによ 定められる製品の外観の特徴に 意匠権 認められない この 点に い 、Pプ至争至pモ社の 剃りのロータモー・バッド形状に関する商標事件におい 、 欧州司法裁判所の法務官意見書で、意匠の場合に 、同 技術的機能を奏する代暶意匠 ある場合に 保護される旨述べられ いる

プラグのソォットとの嵌合( めあい)部分のように、い れか一方の機能を 揮さ る ために機械的に相互連結する製品の外観に 意匠権 認められない(muモ典 フ至典除外)

登録共同体意匠権 、第三者の独自創作にも権利の効力 及ぶ絶対的独占権である 修理用部品(モpバre pバr典モ)のようなmuモ典 mバ典cプ意匠 登録可能である 、修理目的の使用 に 効力 及 ない

非登録共同体意匠 、意匠 最初に共同体域内の公衆の利用に供された日から無方式で 権利 生し、年年間保護される 保護要件 登録共同体意匠と同様である 権利の効力 、 著作権同様、第三者の独自創作に 及 ない模倣禁 権である

侵害訴訟 共同体意匠裁判所 管轄を有する 非登録共同体意匠権 、登録共同体意匠 権と異なり、権利の有効性の推定 働かないため、権利者 有効性を立証する必要 あり、 被告 、抗弁、 訴によ 争うこと できる

侵害事例とし 、ドイゼにおける仮処分決定(三層式゠アー・ベッド第1及び第平、コンヌ ュータ・フラット・モニター、靴)、英国における和解例(バービー人形) ある 三層式゠ アー・ベッド第1事件で 、自由度を考慮し、情報に通 た使用者に える全体的印象 公 知資料と異なるとし 、有効性 肯定されたのに対し 、第平事件で 、公知資料により新 規性 否定され いる

Ⅲ. 英国

英国におけるデザイン保護 、登録意匠、非登録デザイン権、著作権によるというユニ ーェな形態である

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至ュ

現行の1拡4拡年登録意匠法 、1拡拠拠年に一部改正され、平001年に欧州意匠指令を け 大 幅改正された

登録意匠 、英国特許庁に出願し、方式及び保護対象等の一部実体審査 行われる 新 規性・独自性の調査 登録官の判断で行われる

保護対象 、1拡拠拠年法で 、視覚に訴える(e止e-バppeバ争)完成品で、部分意匠やmuモ典 mバ典cプ 意匠 認められなか た 平001年法で 、e止e-バppeバ争要件及びmuモ典 mバ典cプ除外要件 削除 され、部分意匠や修理用部品も登録可能とな た

保護対象に い 、背もたれ等に形成された溝 侵害比較の際に無視できないとし 侵 害を否定したイーデン・チェア、一方向からの図 けで登録に十分としたビイールの意匠 出願、コンヌュータのOSによ 表示される場合に認められたアイコン、゠ングン部分で なく機能的でもないとし 登録された゠ングン・カバー、単なる機械装置とし 登録無効 としたニップルやフューゲ、 視覚に訴えるもの なく、技術的機能とした電気ターミナル、 一部 muモ典 mバ典cプ意匠とし 登録 認められ 一部 認められた自動車用部品の事案 あ る

保護要件に い 、1拡4拡年法で 独創性 必要 た 、1拡拠拠年法で新規性のみとなり、 著作権的アプローチ なくな た 平001年法で新規性及び独自性 保護要件とな た

新規性に い 、寺院の形状の適用に新規性を認めたスプーン・ファーェのデンドル、 類似デザイン ナイフ・デンドルに使用され い 新規性を否定した自転車デンドル、先 行意匠と重要な違い ないか通常の変形の範囲であること 示され 新規性を肯定したコ ーナー・フットの事案 ある

意匠権の効力範囲に い 、創作者の自由度 考慮され 中間差 めを認めた芳香剤容 器、機能で定まる形状による類似性 無視した前出イーデン・チェア、先行意匠との相違 も考慮し 被告意匠との相違を判断し侵害を否定した乳母車、先行意匠と細部でのみ異な る場合 、関心のある顧客の目 細部に向けられ、根本的に異なる場合 全般的な形に注 目するとし 、登録意匠と侵害品を比較し 立ち去り、侵害品に戻 くる 今及び後 の推定によ 比較し、実質的に異なるとし 侵害を否定したデ゛スヒンサー、先行技術 と個々の特徴 極め 類似し い も、有効な場合もその逆もあるとし、関連する商品の 消費者・取引業者の目で裁判所 判断すべきとした前出コーナー・フット、電気技師・配 線関係者の視覚で判断すべきとした前出電気ターミナルの事案 ある

デザイン権 、登録意匠法で保護されない純粋な機能的意匠 著作権で長期間保護され るという1拡56年著作権法の解釈による れ現象を解消し、機能的意匠を保護する制度と し 1拡拠拠年法によ 創設され、意匠 書類上に記録又 物品とし 創作されたときに自 動的に 生する 保護期間 15年 原則である

保護対象に い 、部分意匠の保護に基 き侵害を認めた ォース、配色 表面的装飾 で あ り デ ザ イ ン 権 の 保 護 対 象 で な い と し デ ザ イ ン 権 の 存 在 を 否 定 し たグホォット、

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muモ典 フ至典意匠及びmuモ典 mバ典cプ意匠に該当しないとし 侵害を認めた温室及びキッチン・ユ ニットな の事案 ある

保 護 要 件 に い 、 デ ザ イ ン 権 独 創 (為r至ブ至点バ争) 意 匠 に 存 在 し 、 創 作 時 点 で 陳 腐 (c為mm為点p争バce)な意匠 独創的とみなされない 陳腐であ たとし 侵害を否定したサック 窓、陳腐 周知と 異なるとした前出温室、陳腐テスト手法を示した肥料分離機の事案 ある

デザイン権の効力 、登録意匠と異なり絶対的な独占権で なく、著作権同様、模倣 なけれ 侵害とならない 模倣の成立を認めなか た衣類の事案 ある

著作権による意匠保護の可否 、美術工芸か、芸術性 要求されない図形(特に彫版・版 画(e点ブrバュ至点ブ))・彫刻(モcu争p典ure)かに関係する 保護期間 、原則、著作者の死後70年で ある 、工業的複製物の場合 最初の 売日から平5年である

芸術性 ないとし 侵害を否定した、前出衣類の事案の原審、彫刻の著作物と認めなか たカートモッグ金型、彫板・版画の著作物と認めた自動車用ガム・マットの事案 ある デザイン 、識 性等の要件を満た 、商標とし も保護される 立体商標の識 性 に い 判示したアイスェモームの事案 ある

デザイン 、コモン・ローに由来する詐称通用(Pバモモ至点ブ-為フフ)による不正競争とし も保 護される場合 ある 保護を認めたヤモン果 容器、販売・配送方法から欺もうの可能性 を否定したェックョンの事案 ある

Ⅳ. フランス

フランスで 、1拡0拡年意匠法 、1拡拡0年の改正を経 、1拡拡平年の知的所有権法典に取り 込まれ、刑事罰強化等の1拡拡4年改正を経 、平001年7月平5日に欧州意匠指令に対応し 改正 された

意匠登録の出願 フランス工業所有権局になされる 意匠を表す図 1出願で100まで提 出できる 出願 、方式と公序良俗違 のみ 審査され、登録される 流行産業に い

、通常の出願様式の制約を け に簡易な図面等により出願し、公報掲載を年年間延期す る簡素化出願手続 ある

保護要件の充足 裁判所 判断する 意匠の無効の主張 、無効訴訟や、侵害訴訟にお ける 訴・抗弁とし 行うこと できるとされ いる

意匠権の効力を日本法と同様の絶対権とみるの 躊躇される 登録意匠の公報掲載後も、 善意の抗弁 認められれ 、善意の侵害行為に民事・刑事上の責任 問われない 、製造・ 販売者 民事上の責任 免れないとする事案 ある

フランスで 、意匠と著作物 、美の単一性の理論の 、 積的に保護され きた(サラ ジ菜の水 りかご )

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ュ至

意匠の保護対象に い 、販売時の視覚確認性により保護を認めたバア・ェモップ、自 動車に組み込まれると一般大衆の目に付かないとし 無効とした自動車ランプ用ソォット、 機能的とし 保護を認めなか たデンイー、運動靴(縫い目 機能上の制約とされた)、投 票箱、瓦、一方、機能的でないとし 保護を認めたろうそく、加工技術から独立した意匠 と認めた中世風プモーゼの事案 ある

意匠法に固有の保護要件とし 、新規性の要件 ある 新規性 、既知の構成要素の 新規な組合 で足りるとされ いる 部分的に 公知でも特徴のある相違点で新規性を認 めた厚底サンジル、一方、縫い目の長さ等、重要性のない細部の変更であるとし 保護を 否定したアグア風衣服、火打石の部分を延 し も新規性 ないとしたライターの事案 ある

平001年改正法で 、意匠の保護要件とし 固有の特徴の要件 加えられ いる 、固有 の特徴の有無 、情報に通 た観察者に える全体の視覚的印象によ 判断される こ の要件 、判例法に古くから見られる要件で なく、欧州意匠指令に基 い 導入された ものであるため、学説 その位置付けに 慮し いる この要件を判断した、Z型テーノ ル、道路標識、前出アグア風衣服、゠ッフェル塔型駒チェス・オーム、持ち手と脚付きグ ラスの事案 ある

著作権保護に要求される創作性 、 積原則の で 、意匠法のみによる保護でも問題 となる 、新規性より高度で ないと考えられ、判例でも新規性と同一視され いる (ラ イター、アグア風衣服)、新規性を認め も創作性を要求する暖炉の事案もある

新法における効力範囲の判断基準 、旧法に 存在しない 、判例法による基準を明文 化したものとも言える 部分の相違 ある 、通常の消費者 払う注意をも し も印 象上の類似を打ち消 、目前で比較しない限り区 かないと侵害を肯定した水差し、 創作者の自由度を考慮し、情報に通 た観察者 通常経験する標識と 全体的に異なると し 固有の特徴を認め、被告標識との差異 同一性の印象に影響を えないとし 侵害を 認めた道路標識、情報に通 た観察者と 、 均的な注意を払うので なく、特 に熟慮 する利用者であるとした上で、全体的な印象とし 購入者に原告の家具と思わ ないとし 侵害を否定したZ型テーノル、要素の相違を示した上で全体的印象の相違を判断した靴 のイラストの事案 ある 一方、全体的印象に影響を えない例とし 、祭具に書かれ た文 (ユジボ教祭具)、スカートの長さ(プモーゼ・スカート)、底の厚さ(厚底サンジル)、 生地(アグア風衣服)、 部と寸法(いす)、 まみの形状(バア・ェモップ )、ロガ(デンド バッグ )な の事案 ある

侵害行為に い 、自動車の意匠権 組立式のミニチュアに及ぶとしたモデル・カー の事案 ある

意匠権の場合の新規性 客観的に、著作権の場合の創作性 主観的に判断される 、多 くの場合、両者の判断基準 重複し、侵害の判断基準も接近し いる 著作権 、無方式

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ュ至至

による保護、著作者の人格的権利、著作者 原始的権利者であること、著作者の死後70年 又 集合著作物の公表後70年の保護期間、な で意匠権と異なる

デザイン 、識 性 あれ 、商標法で保護できる 皮革表面の型押し模様の保護を認 めた゠ヌ、洗剤液の色彩 、透明容器、ラベルと組み合わされ 商標とし 保護された食 器洗剤の事案 ある 一方、ボトルの一般的形状で なく、栓の形状 商標の対象である とし 侵害を否定した水滴型ボトルの事案 ある

デザイン盗用の場合に 、意匠権、著作権による保護 認められない場合でも、民法1年拠平 条(不法行為)によ 不公正競争とし の保護 認められる場合 ある デッド・コヌー、 極度の安値販売、商品のラインナップ全体の模倣な に不公正競争 認められ いる

Ⅴ. ドイゼ

ドイゼ意匠法 、1拠76年1月11日の図案及び な型の著作権に関する法律に始まり、1拡拠6 年の改正を経 、平00年年に欧州意匠指令に適合さ る改正 行われ、平004年6月1日に施行 された

意匠 、ドイゼ特許商標庁に出願し、旧法で 方式及び公序良俗違 の審査、新法で 意匠の定義 の適合性も審査され、登録される 保護適格性、新規性・独自性の実体的判 断 裁判によ 確認される

新規で独自性(旧法で 、独創性)のある製作物 意匠とし 保護される 従来、特 法 で保護され いたタイプフェース 新意匠法で保護される

保護対象に い 、紙に色彩を付し 模様を表した登録意匠で、素材 サテンである という説明の記述を根拠と できないとした多色縞サテン、アイデア 保護されないとし たベモ・ノロッェ、統一体とし 流通可能な製品の意匠のみ保護されるとし 、クモー ゲ全体に保護を認めた家具クモーゲ、車体部分と共同で全体的印象を える部品 保護の 対象となり得るとしたフェンジー、モチーフや基本的素材 保護されないとしたプヤイ・ ファミモー、専ら技術的機能によ 定ま いない技術目的に役立 形状 美的感覚 失われなけれ 保護されるとし、意匠の部分的特徴の保護も認めたライター上部点火部の 事案 ある

新規性に い 、絶対的新規性か主観的新規性(創作者 創作時に知らなけれ 新規性 ある)かで見解 分かれ おり、後者を支持する学説 有力であ た 、最高裁 、ドイ ゼ国内の当該分野の専門家集団にと 、米国 注意を払うべき文化圏に属し いるとし たフモル付き帽子で、客観的相対的新規性という統一的基準を示した

独創性に い 、部分的な個 特徴における先行意匠との比較で なく、それらの個 特徴 全体とし える全体的印象の相違 独創性を認定する上で十分であるとした目 覚まし時計(助プér至e)の事案 ある 独創性の要件とし 、当業界のデザイナーであれ

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ュ至至至

通常到達し いる熟練や、単なる職業的ルーチンを超える創作的活動の結果とし の美的 効果 あることといわれ いる 創作者の自由度 く も独創性のヤベル 低過

ならないとし 独創性を否定したトモプル・コンビネークョン・スイッチ、無数の可能性 あるとし 独創性を認めた前出ライター上部点火部、関連する専門家群 、製造段階で、 複数のろうそく 1本の芯で な いることを知 いたとし 独創性を否定したチ ェーン・キホンドルの事案 ある 独創性の判断主体に い 、当該分野の 均的デザ イナーのルーチンの観点といわれ いる

意匠権の効力に い 、旧法で 、意匠権 、著作権に近い、相対的な複製禁 権であ た 侵害被疑意匠 、登録意匠と実質的に同一なら 、模倣との一応の推定 なされ、 侵害被疑者 、登録意匠を知らなか たこと、又 独自創作であることを立証しなけれ ならない 形状の完全な一致から模倣とした前出ライター上部点火部、寸法の一致を模倣 の判断材料とした助プér至e、個々の相違 あ も、 ぼ同一の全体的印象から模倣を判断 した家具クモーゲの事案 ある 新法で 絶対権に改正された

保護範囲 、新規性及び独創性を判断し 評価され、意匠の進歩の程度に基 く 独創 性の判断に 、意匠 当業界の周知意匠から の程度際立 いるか 重要とし、意匠の 創造的成果 大きい 保護範囲も大きいとした家庭用裁断機の事案 ある 工芸品に精 通した者 両方の意匠を並置し 個々の特徴の全体的観察を行うとし 侵害を否定した前 出プヤイ・ファミモーの事案 ある なお、保護 、開示された意匠の表現物に表された 特徴のみに及ぶとした電気かみそりの事案 ある

デザイン 、独自性、新規性及び美的価値を有し いれ 、意匠権と著作権で重畳保護 される 意匠に要求される美的ヤベル 著作物よりも低い タイトル書体の保護を意匠法 と著作権法とで認めたEur為pバp為モ典、意匠に著作物性を認めた、スチール・パイプいす、花 瓶型燭 、安楽いすの事案 ある

デザイン 、自他商品識 力を有する場合に 、商標とし も保護される この場合独 創性 問わないとしたモキュール瓶の事案 ある

旧不正競争防 法1条で 、商品等主体混同行為、商品形態等模倣行為 規制の対象とさ れ いた 1クーゲンに限 保護を認めた新作モード、具体的需要を創造したとし 保護 を認めた連結ノロッェの事案 ある

Ⅵ. その他の欧州諸国

スゞェーデンで 、出願人自身の公知の登録意匠から新規性 否定された自動車、情報 に通 た使用者と 、自動車製造者や最終消費者で なく、ビルジーを仕入れ 自動車に 取り付ける取引業者であるとし、また、創作者の自由度も考慮し 、独自性 低く設定す べきとし、意匠権侵害を否定した自動車用プヤート・ビルジーの事案 ある

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至x

ウモクホで 、新規性を欠くため意匠権侵害 否定された段ボール紙製品の事案 ある イタモアで 、著作権に い 、保護を否定したいす、保護を認めたランプの事案 あ る

第 部 米国におけるデザイン保護

米国で 、権利形成を行う米国特許商標庁に加え、権利の有効性判断や特許侵害訴訟に 関し 、連邦地方裁判所、連邦巡回区 訴裁判所、連邦最高裁判所 関係する

意匠の保護 1拠4平年特許法に始まるといわれる 意匠 特許法(年5 US助)で意匠特許とし 保護され、保護期間 14年である

保 護 対 象 、 製 造 物 品 の 装 飾 的 意 匠 で あ り 、 製 造 物 品 に 適 用 又 具 現 化 す る 表 面 証 モurフバce 至点d至c至バ 、製造物品の形状のための意匠、又 それらの組合 である 保護対 象に い 示したG為rプバm、運動靴の意匠の装飾的側面と機能的側面に い 示し 保護を 認めたグュ至バ及びL.グ.Geバr、人口石歩道の金型に い 同様の判断をしたシupp ある

保護要件 、新規で独創的であることであり、また、特許一般に求められる非自明性 あり、後者の判断基準とし 、Grバプバm におい 、(グ) 先行技術の範囲・内容の決定、(B) 先行技術と相違の解明、(助) 技術水準の分解、及び(努) 非自明性の客観的証拠の評価よ り成るGrバプバm調査 示された この調査の適用に当た 、商業的成 の要素を加え 電 子ヤングの意匠に適用し保護を認めたL至典典為点、専門家の意見に い 示した前出グュ至バ、自 明性の教示・示唆の必要性を示した前出L.グ.Geバr、予見性に い も示し いる前出シupp 等の事案 ある

保護範囲に い 、専門家で なく、通常の観察眼を持 者 判断するとし 侵害を 認めたG為rプバm、さらに、p為至点典 為フ 点為ュe争典止のアプローチによ 新規部分に類似性 ある 場合に侵害を認めた前出L至典典為点、グュ至バ、陪審員 通常の観察者であるとし 、侵害の判断 に経験的データの必要性を否定したBrバu点、外観 類似しなけれ 機能の類似による侵害 ないとしたOddラO点、Mバrkmバ点 判決及びその意匠 の適用を示したE争mer 判決に従 、裁 判官 意匠特許のェヤーム解釈を行 たG為為d止eバr T至reの事案 ある

著作物 、有体物に固定された場合、連邦著作権法により保護される 保護要件 独創 的であることである 実用品の意匠 、その物品の実用的様相と独立し 存在でき、分け

認識できなけれ 保護されない 著作権法の関連法とし 船舶船体意匠保護法 ある 保護対象に い 、実用品とし のマネキンから芸術的特徴を分離不可能とし 著作権 保護を否定した助バr為争 Bバr点プバr典、美術的著作物から部分的に由来し いる 実用目的で特 徴 変更され いるため自転車用ラッェに著作権保護を否定したBrバ点d至r、セーターの模様 の著作物性を確認したズ点至典ユバュeモの事案 ある

著作権侵害を成立さ るために 、複製 行われたことを証明しなけれ ならない 前

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x

出ズ点至典ユバュeモで 、全体とし の概念及び感覚に い 調査し、創作的 献部分の一致を認 め侵害とした

連邦商標法であるLバ点プバm法により、出所の偽りの表示によ 出所の混同を生 さ る 行為を禁 するトヤード・ドヤス保護 ある 保護を けるに 、製品形状 、非機能的 であり、生来的識 性を持ち、又 次的意義を獲得し いる必要 ある 識 性 ある ために 、製品形状 、独特で印象的で、製品から概念上分離可能で、製品の出所表示手 段を果たすものでなけれ ならないとする努urバc為、一義的に審美的であり、出所表示機能 ないとし 保護を否定した前出ズ点至典ユバュeモ ある 次的意義の獲得に い 、ヤスト ラン屋内外の外観 、生来的識 性 あれ 、 次的意義の立証なしで保護されるとした Tユ為 Peモ為モ、 マ ス ・ ベ デ ゛ ア の 宣 伝 に よ 次 的 意 義 確 立 さ れ い る と し た 前 出 L.グ.Geバr、 次的意義の認定に関する要素を示した前出努urバc為、 次的意義 示された場 合にのみ識 性を有するとしたテバ争-Mバr典 ある 保護範囲に い 、違 行為を立証する 要素を示し、混同のおそれを否定したL至典典為点、L.グ.Geバr ある

不正競争に い 、特許保護 認められない場合、不正競争とし 州法で模倣を禁 すること 特許制度に対する侵害としたSeバrモ、助為mpc為の事案 ある

第3部 中国におけるデザイン保護

中国で 、意匠 特許法によ 保護される 特許法 1拡拠5年4月1日に施行され、テTO 加盟に向けた改正法 平001年7月1日に施行された 意匠出願 、予備審査(方式・一意匠一 出願・公序良俗等)を経 登録・公告され、実体審査 行われない

保護対象 工業的方法で生産される製品に限定され、 復生産できない工芸品等 製品 と みなされない 部分意匠も保護されない

保護要件 、出願前に刊行物によ 世界公知とな た意匠又 国内で公然使用された 意匠と同一又 類似でなく、先行する他人の合理的権利と衝突しない意匠であり、また先 願主義 明示され いる

登録意匠の無効宣言 特許復審委員会に請求でき、その決定に不服 ある場合 人民法 院に提訴できる

意匠権 公告日から効力を生 出願日から10年存続する 先使用権 認められる

意匠権の類否判断に い 、比較される意匠 、同一 類似の用途の製品で、意匠の要 素(形状、模様、色彩) 同一又 類似の場合、同一又 類似とされる

類否判断 、無効判断で 、先行意匠との1対1の対比判断、及び公知資料の職権 査 等による当該物品の意匠の趨勢を前提とし 、要部判断又 総合判断によ なされる 、 侵害判断で 、提出された公知資料にない新規な部分 登録意匠の要部とされ、全体観察 による総合判断によ 、登録意匠と侵害意匠 混同するかの判断 なされる

(13)

x至

意匠の類否判断主体 、無効判断で 審査指南に規定され いる 無効決定の不服訴訟 で、判断主体である一般消費者を、旧審査指南に基 い 、バイェの形状のみを考慮する 仮想の人間であるとした中級人民法院の判断を、バイェの一般的な知識、素養、認知能力 を持 た消費者と変更し、無効宣言を取り消した北京市高級人民法院の小型バイェ、その 後、同様の判断を行 無効宣言を取り消した北京市中級人民法院のオートバイの事案 ある これらの判決の流れを け 、平004年7月施行の審査指南で 、一般的消費者の定義

変更され いる

侵害判断で 、北京市高級人民法院の 特許権認定の若 の問題に関する意見(試み) におい 、専門家で なく、普通消費者の審美感を基準とするとされ、普通消費者 意匠 特許と類似の製品の購入者とされ いる 北京市に限られる 、重要な判断基準である

侵害事件とし 、包装の形状 同一、模様 類似、色彩 相近似するので一般消費者に 誤認を生 るとし 侵害を認めた包装用袋、相違点 、全体的外部構造、網目の構造形式、 主要部分の配置等の普通消費者の視覚フイントで ないとし 侵害を認めた旋回扇風機、 一定の差 ある 、販売使用状態で普通消費者 この差異を 見するの 困 であり、同 時に観察すれ 混同を招くとし 侵害を認めたドア枠材の事案 ある 、5、6年前の判決 である 普通消費者と一般消費者の定義と意味 異なる 、実務上区 しにくいとし、判 断主体 、無効手続で 専門分野の創作者とし、侵害手続で 普通消費者とすべきである とする説もある

意匠権による保護範囲 、図面又 写真中に示された当該特許製品に基 い 定めると 規定され いる それに従い、全体観察・総合判断によ 侵害を認めた、湯沸しフット、 前出ドア枠材の事案 ある

意匠権 、国際意匠分類による区分に基 い 同一又 類似の先行意匠 ある場合、無 効とされる 一方、侵害判断で 、分類のみなら 、商取引の慣習、販売・購入状況等 考慮される

分類 異なる 類似物品に属すと判断した復審委員会に対し 、対比文献の図面及び文 言から判断すべきとし 高級人民法院 無効決定を取り消したビデオプヤーボの事案 あ る

平004年7月施行の審査指南で 、一般の製品に い 、総合判断を採用し、部分又 局 部から同一 類似の結論を出し ならないと改正された

前出小型バイェで 、第一審で、全体観察による総合判断で類似し いるとした 、第 審で 、先に要部判断した後、総合判断し 、い れにし も類似しないと判断した また、審査指南で 、使用時に容易に目に付く部位 、全体的な視覚効果に顕著な影響 を え、機能的効果や色彩及び材質等 、 えないとされ いる

著作権による保護に い 、応用美術作品 美術の著作物に含まれると解され おり、 複製可能で、独創性を有する応用美術とし 著作権の保護を認めたヤガ・ノロッェの事案

(14)

x至至 ある

周知商品 、それと同一又 類似する名称、包装、装飾等で誤認混同を生 さ る行為 に対し 不正競争防 法により保護される

立体商標 保護される 、単に商品自体の性質による形状、技術的効果を得るために不 可欠な商品形状、又 商品に本質的な価値を備える形状 保護されない

まとめ

今回の調査対象とした諸外国における意匠保護制度を総括すると、おおよそ以 の通り となる

制度枠組みに い 、意匠登録制度に加え 、英国で デザイン権、欧州で 非登録 共同体意匠の制度によ ゼー・トラッェ・クステム 採用され いる 、権利 生要件 や保護対象な 、その内容に い 違い ある 特に、権利の有効性 推定されない非 登録意匠の制度 、登録制度の場合と較べ 意匠権者側の負担も大きいとの指摘 ある

意匠の保護対象に い 、欧州で 意匠を構成する 製品 に有体物以外のもの 含 まれ おり、保護対象の範囲 広い 部分意匠、グラフ゛ッェ・クンボル、アイコン等の 扱い 、欧州、米国、中国におい 、それ れ異なる結果とな いる

保護要件、特に新規性の考え方に い 、欧州、中国 相対的新規性であり、米国 日本と同様の絶対的新規性と言える また、米国や日本と 異なり、欧州及び中国に 、 判断主体をデザイナー・ヤベルとする保護要件 ない

意匠権の効力範囲に い 、その判断主体 、デザイナー又 知識のない一般需要者で なく、その中間に位置する者に置くという点で 各国とも共通し おり、その具体的ヤ ベル 異なるのみである 物品の類否 意匠権侵害の前提となる国とし 中国 ある ま た、各国とも、意匠権侵害の有無を判断する際に 、保護要件とのバランス 考えられ いる

デザインを保護する他の制度とし 、創作を直接保護する著作権法以外にも、不正競 争防 法、商標法、民法、コモン・ロー等による保護の可能性 ある 、デザインの保護 とし 飽くまでも補完的なものである 意匠法と著作権法によるデザインの重畳的な保 護に い 、フランスを筆頭に各国で差 ある 、特に著作者人格権との関係におい 、 改変の必要性の高い産業デザインを著作権法で保護することに い 慎重に検討する必 要 ある

以上のような各国制度の違いも踏まえた上で、 のような尺度で意匠の保護対象、保護 要件、保護範囲を画定するの 国産業の 展のために適当なのかを、今後の議論にお い 検討し いく必要 ある

(15)
(16)

めに

デザインの戦略的活用による製品の高付加価値化を実現すること 、 国産業の競争 力強化にと 重要であり、そのために 、独創性の高いデザインを的確に保護し、権利 の積極的な行使や活用を可能とする環境を整備する必要 ある

デザイン創作物のより適 な保護を図るべく、 国意匠制度の在り方に い 具体的 な検討を進めるために 、 国のみなら 、諸外国におい 、デザイン創作物 意匠制 度を始めとする知的財産制度によ のように保護され いるかに い 、正しく理解 し おくこと 不可欠である

本調査研究 、そのような理解に資することを目的とし 、有識者から成るワーキング・ グループを設置し、欧州共同体及び欧州諸国、米国、並びに中国に い 、その意匠制度 の基本的な枠組みを概観するとともに、現地協力先や文献等より入手した裁判例の分析を 通し 、保護対象、保護要件、効力範囲等の意匠保護の実体面における具体的な判断の理 念、基準及び手法を明らかにすることに主眼を置いた また、著作権法、商標法、不正競 争防 法等、デザイン保護にも機能し得る諸制度に い 、裁判例に準拠しな ら、その 適用の実態に い 、可能な限り、分析、整理を試みた

本報告書に掲載され いる調査・分析に い 、今後のデザインの保護の在り方を検 討するための基礎資料とし 、様々な場面で有効に活用されることを期待するとともに、 更なる調査研究のための一助になれ 幸いである

最後に、本調査研究の遂行に当たり、ワーキング・グループにおい 、外国制度の調査・ 分析と、数多くの外国判例の分析作業に、貴重な時間と労力を割い いた いた委員の方々 を始め、調査にご協力いた いた各国の特許事務所、ご助言いた いた研究者各位に、こ の場を借り 深く感謝する次第である

成17年3月

財団法人 知的財産研究所

(17)

ワーキング・グループ名簿

ワーキング・グループ長

青木 博通 ユアサデラ法律特許事務所商標意匠部 パートナー・弁理士 委 員

鹿又 弘子 三好内外国特許事務所 弁理士 長塚 真琴 獨協大学法学部法律学科 助教授 水野 みな子 青和特許法律事務所 弁理士

田 親司 鈴榮特許綜合事務所 弁理士 早稲田 祐美子 マッェス法律事務所 弁護士 岩井 勇行 財 知的財産研究所 主任研究員 オノザーバ

木本 直美 特許庁総務部総務課工業所有権制度改正審議室 室長補佐 伊藤 政道 特許庁総務部総務課工業所有権制度改正審議室 審議企画係長 清野 貴雄 特許庁総務部総務課工業所有権制度改正審議室 室員

高山 芳之 特許庁総務部技術調査課 研究班長

前畑 さおり 特許庁総務部技術調査課大学等支援室 支援普及班長 原田 美 特許庁審査業務部意匠課意匠制度企画室 室長

伊藤 宏幸 特許庁審査業務部意匠課 課長補佐

木村 智加 特許庁審査業務部意匠課意匠制度企画室 室員 前 第3回ワーキング・グループまで

小柳 崇 特許庁審査業務部意匠課意匠制度企画室 室員 事務局

岩井 勇行 財 知的財産研究所 主任研究員 内山 誠治 財 知的財産研究所 主任研究員 田口 昌浩 財 知的財産研究所 研究第 部長

(18)

目次

要約 めに

ワーキング・グループ名簿

序 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1. 本調査研究の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

. 本調査研究における検討課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3. 本調査研究の実施方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 第1部 欧州におけるデザイン保護 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

Ⅰ. 欧州デザイン保護の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 1. 欧州意匠指令と欧州意匠規則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

. 欧州意匠指令の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 3. 欧州共同体におけるデザイン保護の状況 ・・・・・・・・・・・・・・ 11

. 欧州共同体各国におけるデザイン保護の状況 ・・・・・・・・・・・・ 1年

Ⅱ. 欧州共同体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 1. 欧州意匠規則成立の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

. 登録共同体意匠制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1拠 3. 非登録共同体意匠 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 年4

Ⅲ. 英国 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 1. 意匠法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45

. 意匠法以外のデザイン保護関連制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 3. デザイン保護における意匠制度の位置付け ・・・・・・・・・・・・・・ 拠4

Ⅳ. フランス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 拠7 1. 意匠法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 拠7

. 意匠法以外のデザイン保護関連制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 11拡 3. デザイン保護における意匠制度の位置付け ・・・・・・・・・・・・・ 1平4

Ⅴ. ドイゼ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1平7 1. 意匠法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1平7

. 意匠法以外のデザイン保護関連制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 150 3. デザイン保護における意匠制度の位置付け ・・・・・・・・・・・・・ 16平

Ⅵ. その他の欧州諸国 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 165 1. スゞェーデン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 165

. ウモクホ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16拡

(19)

3. イタモア ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 170 第 部 米国におけるデザイン保護 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17年 1. 総論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17年

. 米国法典年5巻における意匠特許 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1拠6 3. 連邦著作権法(Federバ争 c為p止r至ブプ典 争バユ) ・・・・・・・・・・・・・・・ 平10

. トヤード・ドヤス(Trバde 努reモモ)保護 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 平16

. 連邦法と州法の関係:不正競争に関する州法と連邦法 ・・・・・・・・ 平平拠 6. まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平年平 第3部 中国におけるデザイン保護 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平年5 1. 意匠制度(特許法)によるデザイン保護 ・・・・・・・・・・・・・・・ 平年5

. 意匠法以外のデザイン保護関連制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 平5拡 3. デザイン保護における意匠制度の位置付け ・・・・・・・・・・・・・ 平6平 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平67

資料編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平6拡 資料 1 本報告書で引用されている判例一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 平71 資料 平 各国意匠制度手続フロー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平拠年 資料 年 各国意匠保護法令 抜粋 仮訳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 年01

本報告書 ワーキング・グループの各委員と事務局 分担執筆し いる 各報告の執筆 分担 以 のとおりである

序 … 事務局

第1部 Ⅰ.Ⅱ.及びⅥ.並びに、まとめ … 青木WG長

第1部 Ⅲ. … 早稲田委員

第1部 Ⅳ. … 長塚委員

第1部 Ⅴ. … 鹿又委員

第 部 … 水野委員

第3部 … 田委員

なお、本調査研究に当た 、以 の各所に海外調査を依頼した R.G.助. スe点k至点モ ろ 助為. (英国・ロンドン)

Bureバu 努.グ. 助バモバ争為点ブバ-ス為モモe (フランス・パモ)

Gr分点ecker, ズ至点ke争de止, S典為ckmバ至r ろ Scプユバ点プäuモモer (ドイゼ・ミュンバン) 華誠律師事務所:テバ典モ為点 ろ Bバ点d Lバユ Oフフ至ceモ (中国・上海)

(20)

また、以 の方々からご助言をいた いた

Pr為フ. グ争至モ為点 F至r典プ 英国・ニューキホッスル大学 教授

(Neユcバモ典争e Lバユ Scプ為為争, U点至ュerモ至典止 為フ Neユcバモ典争e up為点 T止点e) Mモ. Eモ典e争争e 努erc争バ止e 英国・ロンドン大学 講師

(ダuee点 Mバr止 同点典e争争ec典uバ争 Pr為per典止 Reモeバrcプ 同点モ典至典u典e, U点至ュerモ至典止 為フ L為点d為点) Pr為フ. テ至争争至バm T. Fr止er, 同同同 米国・ボルチモア大学 教授

(Scプ為為争 為フ Lバユ, U点至ュerモ至典止 為フ Bバ争典至m為re)

本報告書掲載の資料編 .各国意匠保護法令 抜粋 仮訳 Ⅰ.欧州共同体 に い

、社団法人日本国際知的財産保護協会より承諾を得 、 EU意匠規則成立後の欧州に おける意匠制度に関する調査研究報告書 社団法人日本国際知的財産保護協会、 成15 年年月 掲載の和訳を一部改変し 使用した

欧州連合の各資料に い 、欧州共同体の定めた一般許諾に基 い 掲載し いる

(21)
(22)

-1-

1. 本調査研究の背景

知的財産基本法に基 き政府の知的財産戦略本部 本部長:内 総理大臣 定めた 知 的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画 成15年7月 で 、その具体的施策の 一 とし 、 魅力あるデザインを創造し より価値の高い製品を提供する環境を整備す るための具体的方策に い 意匠制度の在り方を含め検討し 平005年度までに結論を得 る こと 決定された

また、上記推進計画の改訂版となる 知的財産推進計画平004 成16年5月 におい も、引き続き 意匠制度の全般的な在り方に い 広範に検討し、平005年度までに結論を 得る こと 定められ いる

1

デザイン創作物のより適 な保護を図るべく、 国意匠制度の法制面及び運用面にお ける具体的な検討を進めるために 、 国国内のみなら 、欧米、アグアの主要国にお けるデザイン保護の実態、すなわち、それら諸外国におい 、デザイン創作物 意匠制度 を始めとする知的財産制度によ 実際に のように保護され いるのかという点に い

、正しく理解し おくこと 不可欠である

本調査研究 、そのような理解に資することを目的とし 、それら諸外国におけるデザ イン保護法制の制度枠組み並びにその実効性という側面から、比較考量のための基礎調査 を行 たものである

. 本調査研究における検討課題

(1) 具体的課題

知的創造活動の成果物であるデザインの保護を考える上で、意匠制度 その中心的な役 割を担 いることに い 、洋の東西を問わ 疑う余地 ない

一方、各国の意匠制度 、これまで各々の国の事情に応 た独自の 展を遂 き い

1

知的財産推進計画平004 保護分野

Ⅰ.知的財産の保護の強化

3.知的財産の保護制度を強化する

デザイン保護のために意匠制度を整備する

平00年年度に 、ネットワーェ上で利用される操作画面 アイコン等 のデザイン保護の在り方に 検討

した 平004年度におい 魅力あるデザインを創造し、より価値の高い製品を提供する環境を整備するため、

意匠制度の全般的な在り方に 広範に検討し、平005年度までに結論を得る 経済産業省

ここで 、各種の造形活動及びその成果物一般を表す用語とし デザイン を、主とし 意匠法に基 く保護対象

物を表す用語とし 意匠 を用い いる

(23)

-平-

るため、出願・登録の手続や保護要件に関する事前審査の有無とい た権利取得のための 制度枠組みの違いに加え、保護対象である 意匠 の定義や保護要件、意匠権の効力範囲 に い の考え方やその判断手法な 、具体的な保護の内容に い も必 しも一致した ものと な いない また、デザイン 有する多面的な性格から、一のデザイン又 そ のデザイン 施された製品に 、意匠法のみなら 著作権法や商標法、不正競争防 法な

による複合的 重畳的 な保護 及ぶ場合もある

本調査研究におい 、第一に、各調査対象国・地域における意匠制度の基本的な枠組 みを概観するとともに、当該国・地域における具体的な裁判例等の分析を通し 、特に、 保護対象、保護要件、効力範囲とい た意匠保護の実体面における具体的な判断の理念、 基準及び手法を明らかにすることに主眼を置いた また第 に、デザイン保護手段とし も機能し得る意匠法以外の諸制度に い 、具体的な裁判例に準拠しな ら、その適用の 実態に い 可能な限りの分析、整理を試みた

( ) 調査対象国・地域

本調査研究 、世界におけるデザイン保護の潮流を見る上で重要と考えられる欧州諸国、 米国及び中国を対象とし 行 た これらの対象国・地域の個 選択理由 次に示すとお りである

( ) 欧州

欧州諸国 、意匠保護に長年の歴史を有する国々である 従来 、各国ごとに た独 自のアプローチによる意匠保護制度を定め いた 、近年におい 、欧州共同体という 経済域内における市場統合化の流れの中で、意匠保護制度に い も域内各国制度の統一 化という大きな変革を経験した

欧州共同体における今後の意匠保護 、欧州統一意匠法とも呼ぶべき欧州意匠指令

に掲 られた共通理念の 、同指令に適合する形で改正された域内各国の国内意匠制度と、欧 州意匠規則

4

により創設された共同体域内全域を対象 とする共同体意匠制度の双方によ 実現されることとなる 欧州という一大経済圏におい 採用されたこの新しい意匠保護 の理念と実際の運用 、 国の意匠制度の在り方を考える上でも大きな参考となる

本調査研究におい 、欧州諸国における意匠 デザイン 保護のアプローチとその変

意匠の法的保護に関する1拡拡拠年10月1年日の欧州議会及び理事会指令拡拠/71/E助

(努至rec典至ュe 拡拠/71/E助 為フ 典プe Eur為peバ点 Pバr争至バme点典 バ点d 為フ 典プe 助為u点c至争 為フ 1年 Oc典為パer 1拡拡拠 為点 典プe 争eブバ争 pr為典ec典至為点 為フ deモ至ブ点モ)

4

共同体意匠に関する平001年1平月1平日の理事会規則 (E助) N為.6/平00平

(助為u点c至争 Reブu争バ典至為点 (E助) N為 6/平00平 為フ 1平 努ecemパer 平001 為点 助為mmu点至典止 deモ至ブ点モ)

(24)

-年-

、特に、欧州意匠指令及び意匠規則成立の前後における変化の方向性を確認するために、 域内各国の国内ヤベルにおける意匠保護並びに欧州共同体ヤベルでの意匠保護という の視点から、以 の国・地域ごとに分析、整理を行 た

欧州共同体 登録共同体意匠及び非登録共同体意匠を含 共同体意匠制度 英国 国内法に基 くデザイン保護、以 同

フランス ドイゼ

その他の欧州諸国

( ) 米国

米国 、特許法の で意匠を保護し いる国であり、 明に係る実用特許の考え方 意 匠特許の保護を考える上でも大きな影響を持 という特徴 ある 実体的な保護要件の充 足性に係る行政庁の事前審査制度を有し いるという点におい 国と共通し おり、

国との制度比較を行う上で 欠かすことのできない存在である

( ) 中国

中 国 に お け る 知 的 財 産 権 保 護 の 歴 史 浅 い 、 近 年 に お け る 経 済 活 動 の 急 な 拡 大 に 伴 意匠権を始めとする知的財産権侵害事件 多 し き おり、これに後押しされる 形で、意匠保護分野における行政、司法の動きも非常に活 化し き いる 米国同様、 特許法の で意匠を保護する国で ある 、意匠権の有効性判断に係る事後審査制度な 、 いわゆる欧州型類似の無審査登録制度に特徴を有する国でもある このような制度の特徴 とアグアという地域的な特質、そし 国との経済的な結び付きの点からも、非常に重 要な調査対象国である

(3) 具体的調査項目

本調査研究におい 、各調査対象国・地域におけるデザイン保護の特徴を明らかにす るために、意匠法及びその他のデザイン保護関連法令の規定並びにそれらを実際に解釈、 適用する代表的な裁判例を具体的に分析することによ 、特に、以 に示す項目の具体 的判断に係る基本理念、判断手法、判断主体、訴訟当事者の挙証・立証責任な の諸観点 からの分析、整理を行うことに努めた

(25)

-4-

( ) 意匠制度に基 くデザイン保護 沿革及び制度枠組み

保護対象 保護要件

意匠権の効力及び効力範囲

( ) 意匠制度以外のデザイン保護関連制度 著作権法

商標法

不正競争行為の防 に関する法令 その他の法令

3. 本調査研究の実施方法

(1) ワーキング・グループの設置

本調査研究の実施に当た 、当研究所に6名の有識者から成るワーキング・グルー プを設置し、このワーキング・グループの会合におい 、具体的調査事項の検討並びに調 査結果に係る分析、整理、確認の作業を行 た

( ) 各国裁判例等の収集、選択、翻訳

本調査研究におい 分析の対象とした各国の裁判例等 、ワーキング・グループにおけ る検討に基 い 選択されたものである なお、当該裁判例等の選択及び収集に当た

、以 の現地協力先に対し 各指定調査範囲における主要な裁判例等の一次的な収集、 選択作業を依頼し、その報告結果を基に、本ワーキング・グループにおい 取捨選択を行 た また、その他必要な場合に 、各種文献調査等を行うことにより、対象とする裁判例 の追加補充を行 た

収集、選択した裁判例等の本報告書中における利用に際し 、既存の邦訳 存在する ものを除き、原則とし 当研究所による仮訳を参考にした

現地協力先

( ) 英国

R.G.助. スe点k至点モ ろ 助為 Mr. 努バュ至d 助 Muモker

(26)

-5-

指定調査範囲

共同体意匠制度及び欧州連合全加盟国における意匠指令対応新法 での判断事例 英国における主要なデザイン保護関連裁判例 意匠法及びその他の法令を含

( ) フランス

Bureバu 努.グ. 助バモバ争為点ブバ-ス為モモe Mr. グxe争 助バモバ争為点ブバ 指定調査範囲

共同体意匠制度及び欧州連合全加盟国における意匠指令対応新法 での判断事例 フランスにおける主要なデザイン保護関連裁判例 意匠法及びその他の法令を含

( ) ドイゼ

Gr分点ecker, ズ至点ke争de止, S典為ckmバ至r ろ Scプユバ点プäuモモer Mr. G為典典フr至ed ズ争至典ラモcプ 指定調査範囲

ドイゼにおける主要なデザイン保護関連裁判例 意匠法及びその他の法令を含

( ) 中国

華誠律師事務所 徐 申民 氏 指定調査範囲

中国における主要な意匠保護関連裁判例

(27)
(28)

-7-

第1部 欧州におけるデザイン保護

Ⅰ. 欧州デザイン保護の概要

1. 欧州意匠指令と欧州意匠規則

欧州共同体域内における物の自由な移動を確保するために、加盟国の意匠制度を調和さ るための欧州意匠指令 1拡拡拠年10月1年日に成立した

1

加盟国 、欧州意匠指令に従い、 平001年10月平拠日までに国内意匠法を改正する必要 あ た 、半分以上の加盟国 、この 期限経過後に国内法の改正を行 いる

また、欧州共同体域内における物の自由な移動を確保するために、共同体域内に単一の 意匠権を創設する欧州意匠規則

平001年1平月1平日に採択された 欧州意匠規則 、登録共 同 体 意 匠 (Reブ至モ典ered 助為mmu点至典止 努eモ至ブ点) と 非 登 録 共 同 体 意 匠 (U点reブ至モ典ered 助為mmu点至典止 努eモ至ブ点)の平部構成から成り、平00平年年月6日に施行され、登録共同体意匠の出願 付 平00年 年4月1日より正式に開始された

. 欧州意匠指令の概要

欧州意匠指令 、以 の平0条から成 おり

4

、物の自由な移動と深くかかわる事項 加 盟国意匠法の調和の対象とな いる 特に、1条 意匠等の定義、年条 保護要件、4条 新 規性、5条 独自性、6条 開示、拡条 保護範囲 、加盟国によ 新規事項を含んでお り、重要である

物の自由な移動と深くかかわらない、刑事罰、出願手続等に い 、各国の自由とな いる 例え 、英国、イタモア、ウモクホに 、意匠権侵害に い 刑事罰の適用 ない 、フランス、ドイゼ、スヒインで 適用 ある

欧州意匠指令の内容 、欧州意匠規則と ぼ一致する 、修理用部品(モpバre pバr典モ)

5

の 保護の問題に い 、欧州意匠指令 各国の自由とな いるのに対し 、欧州意匠規 則で 、修理用部品 保護するものの、意匠権の効力 、修理目的の部品の使用に 及

1

意匠の法的保護に関する1拡拡拠年10月1年日の欧州議会及び理事会指令拡拠/71/E助 (努至rec典至ュe 拡拠/71/E助 為フ 典プe Eur為peバ点 Pバr争至バme点典 バ点d 為フ 典プe 助為u点c至争 為フ 1年 Oc典為パer 1拡拡拠 為点 典プe 争eブバ争 pr為典ec典至為点 為フ deモ至ブ点モ) 加盟国の意匠法制度の 調和に 、1拡50年代から検討され、1拡拡1年に欧州委員会 工業意匠の法的保護に関するグモーンヒーパー(Gree点 Pバper 為点 典プe Leブバ争 Pr為典ec典至為点 為フ 同点duモ典r至バ争 努eモ至ブ点) 、1拡拡年年欧州意匠指令案、1拡拡6年修正案を経 、修理用部品

の問題を各国の法制にゆ ることで欧州議会と欧州理事会 妥協し、1拡拡拠年に意匠指令 採択された

共同体意匠に関する平001年1平月1平日の理事会規則(E助) N為.6/平00平 (助為u点c至争 Reブu争バ典至為点 (E助)

6/平00平 為フ 1平 努ecemパer 平001 為点 助為mmu点至典止 努eモ至ブ点モ)

平00年年に 、10,46拠件の出願(意匠件数 40,61拠件) 出願意匠件数 、ドイゼ 拡,拡平0件で1位(平5.年7不)、日本 1,711件で7位(4.年拠不)とな いる

4

各条項の意義に 、特許庁委 成14年度工業所有権制度各国比較調査研究等事業 EU意匠規則成立後の欧

州における意匠制度に関する調査研究報告書 1-平拡頁存茶園成樹]((社)日本国際知的財産保護協会、平00年年)参照

5

欧州意匠指令14条で c為mp為点e点典 pバr典 uモed フ為r 典プe purp為モe 為フ 典プe repバ至r 為フ c為mp争ex pr為duc典 モ為 バモ 典為 reモ典為re 至典モ 為r至ブ至点バ争 バppeバrバ点ce と定義され いる

(29)

-拠-

ないこととな いる(欧州意匠規則110条)

以 、欧州意匠指令の項目である 重要条項に い 、指令の内容を説明し、関連 す る 欧 州 共 同 体 商 標 意 匠 庁 (Oフフ至ce フ為r シバrm為点至ラバ典至為点 至点 典プe 同点典er点バ争 Mバrke典(Trバde Mバrkモ バ点d 努eモ至ブ点モ):Oシ同M、以 Oシ同M という)の決定及び各国の裁判例の略称を付す 裁判例の 細に い 、第1部ⅡないしⅥで解説する

1条 意匠等の定義

意匠 と 、製品自体及び 又 その装飾の特徴、取り分け、線、輪郭、色彩、形状、 手 わり及び 又 素材によ もたらされる、製品の全体又 部分の外観をいう

製品 と 、あらゆる工業品又 手工芸品をいい、なかん く、複合製品に組み込ま れること 意図された部品、包装、外装、グラフ゛ッェ・クンボル及び印 用書体を含 、 コンヌュータ・プログラム 除外する (以 、省略)

裁判例

・英国:アイコン事件(グpp争e 助為mpu典er意匠出願) 平条 適用範囲

年条 保護要件

1.加盟国 、登録によ 意匠を保護し、本指令の規定に従 権利物に排他的権利 を える

.意匠 、新規であり独自性を有する範囲で、意匠権によ 保護される 3.複合製品の構成部品である製品に適用され又 組み込まれた意匠 、

(バ) 構成部品 、複合製品に組み込まれた後も、複合製品の通常の使用中に視認でき る場合に、及び、

(パ) 構成部品の視覚的特徴 、それ自体とし 、新規性及び独自性に関する要件を満 たす範囲におい 、

新規であり独自性を有すると認められる

.第年項(バ)号にいう 通常の使用 と 、最終使用者による使用をいい、保守、整備 又 修理作業 除くものとする

4条 新規性

意匠 、登録出願日前又 優先権 主張され いる場合 優先日前に、同一の意匠 公 衆の利用に供 られ いないとき 、新規であるとされる 意匠 、その特徴 重要でな い点におい のみ異なる場合に 、同一であるとされる

裁判例

・Oシ同M:天井灯事件

・Oシ同M:皮膚消毒剤塗布具事件

(30)

-拡-

・Oシ同M:菓子事件

・フランス:サンジル事件

・フランス:アグア風衣服事件

・ウモクホ:段ボール紙製品事件

5条 独自性

1.意匠 、情報に通 た使用者に える全体的印象 、登録出願日前又 優先権 主 張され いる場合 優先日前に公衆の利用に供 られたい れかの意匠 そのような使用 者に える全体的印象と異な いるときに、独自性を有するとされる

.独自性の査定におい 、当該意匠の開 における意匠創作者の自由度を考慮しな けれ ならない

裁判例

・Oシ同M:いす事件

・Oシ同M:天井灯事件

・フランス:Z型テーノル事件

・フランス:道路標識事件 6条 開示

1.第4条及び第5条の適用上、意匠 、登録出願日前に又 優先権 主張され いる場 合 優先日前に、登録に続い 若しく その他の場合に公示され、展示され、取引におい 使用され又 その他の方法で開示され いた場合に、公衆の利用に供 られ いたとさ れる た し、これらの出来事 、共同体内で活動する関係分野の専門家群にと 、通 常の事業の過程におい 合理的に知ることのできなか たものであ た場合に 、この限 りで ない しかしな ら、意匠 、明示的又 黙示的な秘密保持条件の で第三者に開 示されたという理由 けで、公衆の利用に供 られたとみなされ ならない 以 、省 略

7条 技術的意匠によ 特定される意匠及び相互連結部の意匠

拠条 公の秩序又 善良の風俗に する意匠 拡条 保護の範囲

1.意匠権によ えられる保護の範囲 、情報に通 た使用者に対し異なる全体的 印象を えない一 の意匠 含まれる

.保護の範囲の査定におい 、意匠の開 における意匠創作者の自由度 考慮され る

(31)

-10-

裁判例

・英国:芳香剤容器事件(Reck至典典 Be点ck至モer (Uズ) L典d. ュ. シろ同 (T為至争e典r至eモ) L典d.)

・フランス:Z型テーノル事件

・フランス:道路標識事件

・フランス:靴 のイラスト事件

・フランス:サンジル事件

・フランス:アグア風衣服事件

・スゞェーデン:自動車用プヤート・ビルジー事件

・ウモクホ:段ボール紙製品事件 10条 保護期間

登録により、年条平項の要件を満たす意匠 、出願日から、一 又 複数の5年の期間にお い 、意匠権によ 保護される 意匠権者 、出願日から平5年となるまで、一又 複数 の5年ごとの保護期間の更新をすること できる

11条 無効又 登録の拒絶

1平条 意匠権によ えられる権利

1年条 意匠権によ えられる権利の制限

14条 経過規定 15条 権利の消尽

16条 他の保護形式との関係

本指令の規定 、非登録意匠権、商標その他の識 標識、特許及び実用新案、書体、民 事 責 任 若 し く 不 正 競 争 に 関 す る 共 同 体 法 又 関 係 加 盟 国 法 の 規 定 を 妨 る も の で な い

17条 著作権との関係

本指令に従 加盟国におい 又 関し 登録された意匠権によ 保護される意匠 、 その意匠 創作され又 何らかの形式で固定された日から当該加盟国の著作権法に基 く 保護も けること できる そのような保護 えられる範囲及び条件(必要とされる創作 性のヤベルを含 ) 、各加盟国 決定する

裁判例

・英国:自動車用ガム・マット金型事件(シ至-Tecプ グu典為pバr典モ L典d. ュ. T為ユerブバ典e Tユ為 L典d.)

参照

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