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博士(理学)若林 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(理学)若林 学位論文題名

Observation of Adsorbed Layers of IVIetal Chelate       by Scanning Probe IN/Iicroscopy

(走査型プローブ顕微鏡による金属キレート錯体の吸着層の観察)

学位論文内容の要旨

  [M(phen)3]2゛(phen二ニ1,10‑phenanthroline)のようなポリピリジル金属錯体はモンモリロナイ ト に代表される膨潤性層状粘土鉱物に強く吸着(インターカレーション)する。また、′この錯 体 のエナ ンチオマーとラセミ混合物で は膨潤性層状粘土鉱物への 吸着量が異なることが知ら れ ている 。この原因は、粘土表面上に おいて錯体間に立体選択的 な相互作用が起きているた め だと考 えられてきた。このことを実 証するために膨潤性層状粘 土鉱物表面における錯体の 吸 着を走査型原子間力顕微鏡(AFM; atomicforcemicroscopy)によって直接観察することを試 み たが、 測定装置の限界および試料作 製が困難なため今までのと ころ十分な結果が得られて い な い。 一方 、マ イ カはAFM測 定 の標 準試 料と し て用 いら れて おり 、 その 表面は非膨潤性 層 状粘土鉱物であるが一.般 的に膨潤性層状粘土鉱物表面のモデルとしてみなされている。そ こ で本研 究では、非膨潤性粘土層状鉱 物であるマイカ粉末を用い た実験および金属錯体水溶 液 中 でのAFM観察 によ って マイ カ 表面 への 金属 錯 体の 吸着 構造 のキ ラ リテ ィの影響を調べ た。

  また、液晶分子は走査型トンネル顕微鏡(STM;scanningtunnelingmicroscopy)で容易に観察 で きるこ とが知られている。その研究 を行うことによって本来三 次元で研究が行われている 液 晶分子 を二次元で観察することによ り、三次元で起こっている ことを証明、また、新たな る 異なっ た観点から研究を行うことが できると考えられている。 本研究で用いた八面体型金 属 錯体は カラムナー液晶であるがその 温度によって液晶の構造を 六方晶系および四方品系に 変 え るこ とが 知ら れ てい る。本研究 ではまたこれらの分子をSTMによって観察することを試 みた。

  第 一章 では これ ま での 粘土 表面 への 金 属錯 体の 吸着に関する 研究、および、液晶分子の STM観察にっいて簡単にまとめ概説した。

  第二章 ではマイカ表面のキラル識別 に関して述べた。粉末状マ イカを溶液中に分散させ、

そ の中で 分光装置を用いて測定するこ とによってキラル識別能カ があるかをしらべた。また 金 属錯体 溶液中で板状マイカの観察を 行うことによってキラル識 別能カがあるかを調べた。

そ の 結果 、粉 末状 マ イカ ではマイカ ヘの吸着量として、AFM画像 の凹凸としてキラル識別が 観察された。

  第 三章 では 液品 性 金属 錯体のSTMに よる表面観察を行った。液 晶分子を滴下・乾燥したサ ン プルお よび探針に直接滴下した溶液 中での測定を行った。その 結果、分子レベルも含めて     ―267ー

(2)

液品性金属錯体分子が六方晶系で並んでいることを確認した。これは、今までの論文に適合 する。

  第四章は第二章から第三章までの総括を、またこれからの研究の展望についても短く述べ た。  .

‑ 268

(3)

学位 論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授

教授

教授

助教授

西村紳一郎 山岸晧彦

(東京大学大学院理学系研究科)

川端和重 門出健次

     学位論文題名

Observation of Adsorbed Layers ofMetal Chelate     by ScannlngProbeMiCrOSCOpy

(走査型プローブ顕微鏡による金属キレート錯体の吸着層の観察)

  [M(phen)3]2゛(phen二ニ1,10‑phenanthroline)のようなポリピリジル金属錯体はモンモリロナイトに 代表される膨潤性層状粘土鉱物に強く吸着(インターカレーション)する。また、この錯体のエナンチ オマーとラセミ混合物では膨潤性層状粘土鉱物への吸着量が異なることが知られている。この原因 は、粘土表面上において錯体間に立体選択的な相互作用が起きているためだと考えられてきた。こ の ことを 実証する ために膨潤性層状粘土鉱物表面における錯体の吸着を走査型原子間力顕微鏡 (AFM; atomic force microscopy)によって直接観察することを試みたが、測定装置の限界および 試料作製が困難なため今までのところ十分な結果が得られていない。一方、マイカはAFM測定の 標準試料として用いられており、その表面は非膨潤性層状粘土鉱物であるが一般的に膨潤性層状 粘土鉱物表面のモデルとしてみなされている。そこで本研究では、非膨潤性粘土層状鉱物であるマ イ カ粉末 を用いた 実験お よび金属 錯体水溶 液中でのAFM観察によってマイカ表面への金属錯体 の吸着構造のキラリティの影響を調べた。

  ま た、液 晶分子は 走査型トンネル顕微鏡(STM; scanning tunneling microscopy)で容易に観 察できることが知られている。その研究を行うことによって本来三次元で研究が行われている液晶分 子を二次元で観察することにより、三次元で起こっていることを証明、また、新たなる異なった観点か ら研究を行うことができると考えられている。本研究で用いた八面体型金属錯体はカラムナー液晶で あるがその温度によって液晶の構造を六方晶系および四方晶系に変えることが知られている。本研 究ではまたこれらの分子をSTMによって観察することを試みた。

‑ 269

(4)

  

第一章ではこれまでの粘土表面への金属錯体の吸着に関 する研究、および、液晶分子のSTM 観察について簡単にまとめ概説した。

  

第 二章 では マイカ表面のキラル識別 に関して述べた。粉末状マイカを溶液中に分散させ、

そ の 中で 分光 装置を用いて測定するこ とによってキラル識別能カがあるかをしらべた。また 金 属 錯体 溶液 中で板状マイカの観察を 行うことによってキラル識別能カがあるかを調べた。

そ の 結果 、粉 末状 マイ カで はマ イカ ヘの 吸着量として、

AFM

画像の凹凸としてキラル識別が 観察された。

  

第 三 章 では 液晶 性金 属錯 体の

STM

に よる 表面 観察 を行 った 。液 晶 分子 を滴 下・ 乾燥 した サ ン プル およ び探針に直接滴下した溶 液中での測定を行った。その結果、分子レベルも含め て 液 晶性 金属 錯体分子が六方晶系で並 んでいることを確認した。これは、今までの論文に適 合する。

  

第 四章 は第 二章から第三章までの総 括を、またこれからの研究の展望についても短く述べ た。

  

これを要するに、本論文は八面体型金属錯体とマイカとを分光法及び水溶液中での原子間力顕 微鏡を用い、初めてマイカ表面でキラル識別をすることを発見した。また、八面体型金属錯体液晶と 高配向性グラファイトとを走査型トンネル顕微鏡を用い、分子レベルでの金属錯体の周期構造の観 察をするをど、アキラルな表面での走査型プローブ顕微鏡観察について十分に考えられており高く 評価できる。

  

よ って 、著 者は、北海道大学博士( 理学)の学位を授与される資格があるものと認める。

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参照

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