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博士(理学)秦 克章 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(理学)秦   克章 学位論文題名

Metallogenic Systematics of the Intracontinetal Magmatism in the Southern        Ergun Mo,Cu,Pb, and Ag Belt Inner Mongolia, NE‑China

(中華人民 共和国、内蒙古、南部エルクナMo‑Cu‑Pb‑Zn‑Ag鉱化地帯の大陸内部火成活動と鉱化システム)

    学位論 文内容の要旨

    中国 北東 部、南 部エ ルク ナ地 域の 鉱化 帯は シベ リア 古期 台地 の南 東周縁部に位置 するが、中生代の火成鉱化作用は太平洋プレートの活動の影響を受けている。すなわち,

ア ジ ア 東縁 部 で 一 般 的 な 断 裂 系 , 北 東 系 の エ ル クナ(Ergun)− フー ロン(Hulun)深 部 断裂帯が発達し,それに沿って大陸内的(intracontinental)なマグマ活動が生じ、同一方向 に大規模な火山―深成岩体,そして関連する鉱床をもたらした。

    この 地域 は内蒙 古の 北東 端に 当た り、 これ まで 地質 調査 が最 も遅 れていた。1978 年のWushan徴 候地の 発見 以後 、精 力的 に地 質調 査と 鉱床 調査 が行 われ 、Wushan鉱床は 大 規 模Cu‑Mo鉱 床(Cu 50万 ト ン 以 上 )で あ る 事 が 判 明 し 、 そ の 後 の12年 前 の 調査 で 三 つ の 大規 模Ag‑Pb‑Zn‑Cu鉱 床(Pb‑Zn 100万 ト ン 以上 、Ag 1000トン 以上 )の 他、 多 数の小規模鉱床が発見された。

    筆 者は 主 要 メ ン バ ー と し て1985年 よ り こ の プロ ジェク トに 参加 し、 近年 は火 成 岩の 年代 学、 火成岩系列の決定、鉱化流体の特性解明などの基礎研究面において主役を 果たし、次の成果を得た。

1 Rb‑Sr全 岩 年 代 法 で212Ma225Maを 得 て 、 こ の 地 域 に 初 め て イ ン ド シ ナ 期花 崗 岩を 発見 した 。これまでへ少シニア期後期、燕山期前期に分類された花崗岩類は再検討 が必要であることを指摘した。

2. 多 方 法 同 位 体 年 代 決 定 法 の 確 立 。ジ ル コ ン の 単結 晶を 用い るU‑Pb年 代188Ma、 全 Rb‑Srア イ ソ ク ロ ン 年 代184Ma、 絹 雲 母K‑Ar年 代184Maに よ っ て 斑 岩 型Cu‑Mo 床の 年代 がこ れまでの様に燕山期後期(白亜紀)ではなく、同前期(ジュラ紀)である 事を確立した。

3.エ ル クナ 地 域 の 火 山 岩 類 はSiAl、 ア ル カ リ (特 にK) 、お よびREE (94‑286ppm) に富 む。 同地 域の花崗岩、斑岩を含めこれら諸岩石は同一分化トレンドを示す。火成岩 帯は 大陸 内の 構造帯に関連して発生しており、そのマグマは大陸内変動帯の再活動によ り下部地殻の苦鉄質岩に起源を持つ提案がなされた。

(2)

4.鉱化時期は次の三つに分けられる。

(1)インドシナ期;I夕イプ磁鉄鉱系列の花崗岩バソリス形成と、それに伴うCu‑Fe、   Cu‑Zn‑Snスカルン型鉱床(小規模)。

(2)燕 山 期 前 期 ; 基 盤 の 隆 起 部 に お け る 斑 岩 型Cu‑Mo鉱 床 ( 大 規 模 ) 。 (3)燕 山 期 後 期 ; 火 山 岩 盆 地 隆 起 帯 に お け る 鉱 脈 型Ag‑Pb‑Zn‑Cu鉱 床 。 (4)  同  ;沈降部における高硫化型鉱脈鉱床。

5.斑岩型鉱床に伴う熱水変質作用は石英―カリ長石、石英ー絹雲母、イライトー加水 白雲母、プロピライトの4帯に分けられる。変質岩の研究にREEバターンを導入するこ と が 中 国 で 初 め て 試 み ら れ 、 各 帯 の 特 性 が 有 効 に 把 握 さ れ た 。 6.鉱石のさ34Sは全体として マントル値 に近いが、浅成鉱床ほど幅広い値を示す。

これは地表水/マグマ水反応比、母岩特に黒色頁岩とマグマとの岩石/水反応比が異な る結果である。

7.流体含有物の均質化温度測定は、中心部のボーフイリー型Cu‑Moが790℃〜、中熱 水性Ag‑Pb‑Zn鉱脈が480℃〜、浅熱水性Au鉱脈390℃〜、また塩濃度はそれぞれNaCl 相当56〜26%、13〜3%、8〜3%と低下し、この順に沈殿メタル量が多い。すなわちメ タルは主に塩化物として運搬され、温度低下、地表水との混合による塩濃度低下などが メタル沈殿の主因であった。

(3)

学位論文審査の要旨 主 査    教 授    石原 舜三 副 査    教 授    宇井 忠英 副査   助教授   松枝大治

    学位論文題名

Metallogenic Systematics of the Intracontinetal Magmatism in the Southern     ・、Ergun Mo,Cu,Pb,and Ag Belt Inner Mongolia,NE‑China

(中華人民共和国 、内蒙古、南部エルクナMo‑Cu‑Pb‑Zn‑Ag鉱化地帯の大陸内部火成活動と鉱化システム)

    中国北東部、南部エルクナ地域の鉱化帯はシベリア古期台地の南東周縁部に位置 するが、中生代の火成鉱化作用は太平洋プレートの活動の影響を受けている。すなわち 中生代 に北東系のエルクナ(Ergun)―フーロン(Hulun)深部断裂帯は活発に再活動し、

同一方向に大規模な火山一深成岩体をもたらした。

    この地域は内蒙古の北東端に当たり、これまで地質調査が最も遅れていた。1978 年のWushan徴候地の発見以後、精力的に地質調査と鉱床調査が行われ、Wushan鉱床は 大 規模Cu‑Mo鉱床(Cu 50万トン以 上)である 事が判明し 、その後の12年前の調査 で 三つの 大規模Ag‑Pb‑Zn‑Cu鉱 床(Pb‑Zn 100万トン以上 、Ag 1000トン 以上)の他、多 数の小規模鉱床が発見された。

    筆者は 主要メンバ ーとして1985年よ りこのプロ ジェクトに 参加し、近年は火成 岩の年代学、火成岩系列の決定、鉱化流体の特性解明などの基礎研究面において主役を 果たし、次の成果を得た。

1.Rb‑Sr全 岩年 代 法で212Maと225Maを 得て 、 この 地域に初め てインドシ ナ期花崗 岩を発見した。これまでヘルシニア期後期、燕山期前期に分類された花崗岩類は再検討 が必要であることを指摘した。

2.多 方 法同 位 体 年代決定 法の確立。 ジルコンの 単結晶を用 いるU‑Pb年代188Ma、全 岩Rb‑Srア イ ソ ク ロ ン 年 代184Ma、 絹雲 母K‑Ar年代184Maによ っ て斑 岩 型Cu‑Mo鉱 床の年代がこれまでの様に燕山期後期(白亜紀)ではなく、同前期(ジュラ紀)である 事を確立した。

3.エルク ナ地域の火 山岩類はSi、Al、 アルカリ( 特にK)、およびREE (94‑286ppm) に富む。同地域の花崗岩、斑岩を含めこれら諸岩石は同一分化トレンドを示す。火成岩 帯は大陸内の構造帯に関連して発生しており、そのマグマは大陸内変動帯の再活動によ り下部地殻の苦鉄質岩に起源を持つ提案がなされた。

(4)

4.鉱化時期は次の三っに分けられる。

川イン ドシナ期;Iタイプ 磁鉄鉱系列 の花崗岩バ ソリス形成 と、それに伴うCu‑Fe、   Cu‑Zn‑Snスカルン型鉱床(小規模)。

(2)燕 山 期 前 期 ; 基 雛 の 隆 起 部 に お け る 斑 岩 型Cu‑Mo鉱 床 ( 大 規 模 ) 。 (3)燕 山 期 後 期 ; 火 山 岩 盆 地 隆 起 帯 に お け る 鉱 脈 型Ag‑Pb‑Zn‑Cu鉱 床 。 (4)  同  ;沈降部における高硫化型鉱脈鉱床。

5.斑岩型鉱床に伴う熱水変質作用は石英一カリ長石、石英―絹雲母、イライト―加水 白雲母 、ブロピライトの4帯に分けられる。変質岩の研究にREEパターンを導入するこ と が 中 国 で 初 め て 試 み ら れ 、 各 帯 の 特 性 が 有 効 に 把 握 さ れ た 。 6.鉱石のd34Sは全体として マントル値 に近いが、浅成鉱床ほど幅広い値を示す。

これは地表水/マグマ水反応比、母岩特に黒色頁岩とマグマとの岩石/水反応比が異な る結果である。

7.流体含有 物の均質化 温度測定は 、中心部の ポーフィリ ー型Cu‑Moが790℃〜、中熱 水性Ag‑Pb‑Zn鉱脈 が480℃〜 、浅熱水性Au鉱脈390℃ 〜、また塩 濃度はそれぞれNaCl 相当56〜26%、13〜3%、8〜3%と低下し、この順に沈殿メタル量が多い。すなわちメ タルは主に塩化物として運搬され、温度低下、地表水との混合による塩濃度低下などが メタル沈殿の主因であった。

    以上のように本研究は鉱床探査優先の中華人民共和国の鉱物資源探査の過程で、

寸暇を惜しんで基礎的研究を行い、エルクナ地域の鉱化作用を空間的、時間的に明らか にし、 学術的に貢献したのみならず、今後の探査活動にいくっかの指標を提案した。

よ って 著 者は 北 海道 大 学博 士 (理 学 )の 学 位 を授与 される資格 ある者と認 める。

参照

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