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Exchange Server 2010 サイジングガイド

ホワイトペーパー

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著作権 このドキュメントに記載されている情報 (URL 等のインターネット Web サイトに関する情報を含む) は、将来予告なしに変更すること があります。別途記載されていない場合、このソフトウェアおよび関連するドキュメントで使用している会社、組織、製品、ドメイン名、電 子メール アドレス、ロゴ、人物、場所、出来事などの名称は架空のものです。実在する名称とは一切関係ありません。お客様ご自身の 責任において、適用されるすべての著作権関連法規に従ったご使用を願います。 マイクロソフトは、このドキュメントに記載されている内容に関し、特許、特許申請、商標、著作権、またはその他の無体財産権を有する 場合があります。別途マイクロソフトのライセンス契約上に明示の規定のない限り、このドキュメントはこれらの特許、商標、著作権、また はその他の無体財産権に関する権利をお客様に許諾するものではありません。

 2010 Microsoft Corporation.All rights reserved.

Microsoft、Active Directory、ActiveSync、Microsoft Press、MSDN、Outlook、Windows、Windows Mobile、Windows NT、および Windows Server は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

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はじめに

本ガイドは、Exchange Server 2010 を導入する際行うサイジング作業について、以 下の章に分けて説明します。  第一部 サイジングの流れ サイジング作業全体の流れを説明します。  第二部 サイジングの考え方 サイジングの考え方を説明します。  第三部 各 Exchange サーバー ロールのサイジング Exchange サーバー ロールごとのサイジング方法を説明します。  第四部 Exchange 2010 サイジング ケーススタディ 特定のシステム構成でのサイジング例を説明します。  第五部 サイジング検証 サイジングに影響する部分について実施した検証内容を説明します。 また、本ガイドでは以下の表に示す略称を用います。 正式名称 略称

Exchange Server 2010 Exchange 2010 Exchange Server 2007 Exchange 2007 Exchange Server 2003 Exchange 2003 エッジトランスポート サーバー Edge サーバー ハブトランスポート サーバー HUB サーバー クライアントアクセス サーバー CAS サーバー ユニファイド メッセージング サーバー UM サーバー メールボックス サーバー MBX サーバー データベース可用性グループ DAG データベース DB

Outlook Web App OWA Microsoft Outlook Outlook

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本ガイドで使用する基本的な用語を以下に説明します。  エッジトランスポート サーバー (Edge サーバー) Edge サーバーは、インターネットに直接接続されたすべてのメール フローを 処理します。これにより、Exchange 組織に SMTP 中継およびスマートホスト サービスが提供されます。さらに、Edge サーバーで実行される一連のエージェ ントにより、メッセージ保護とセキュリティが提供されています。これらのエー ジェントでは、ウイルスやスパムを防御し、メッセージ フローを制御するトラ ンスポート ルールを適用する機能がサポートされています。  ハブトランスポート サーバー (HUB サーバー) HUB サーバーはメールの中継サーバーの役割を果たし、組織内のすべてのメー ル フローの処理、トランスポート ルールの適用、ジャーナリング ポリシーの 適用、および受信者のユーザー メールボックスへメッセージの配信を行います。 インターネットに送信されるメッセージは、HUB サーバーによって、境界ネッ トワークに展開される Edge サーバーに中継されます。インターネットから受 信されたメッセージは、Edge サーバーで処理されてから、HUB サーバーに中 継されます。Edge サーバーがない場合は、インターネット メッセージを直接 中継するか、サードパーティ スマートホストを活用するよう HUB サーバーを 構成できます。  クライアントアクセス サーバー (CAS サーバー) CAS サーバーは、クライアントから Exchange 2010 サーバーに対する接続を 受け付けます。Outlook などの MAPI クライアント、OWA と Microsoft Exchange Active Sync クライアント アプリケーション、POP3 プロトコルと IMAP4 プロトコルからの接続をサポートします。

 ユニファイド メッセージングサーバー (UM サーバー)

UM サーバーにより、音声メッセージング、FAX メッセージング、および電子 メール メッセージングが Exchange ストアに統合されます。UM サーバーを 展開することで、ユーザーは Outlook Voice Access を使用して、電話、携帯電 話、またはコンピューターから自分のメッセージにアクセスできます。  メールボックス サーバー (MBX サーバー) MBX サーバーは、Exchange 組織の中でも中心的な機能を果たします。メール ボックス DB をホストし、Outlook や OWA ユーザーのために、電子メール記 憶域および高度なスケジュール サービスを提供します。さらに、パブリック フォルダー DB のホスト、アドレス一覧とオフライン アドレス帳の生成などの MBX サービスを提供します。

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 コンバインドロール サーバー コンバインドロール サーバーとは、HUB サーバー ロール、CAS サーバー ロールを同じ物理サーバー上に構成したサーバーのことです。これにより、1 つ の Exchange サーバー ロールでは使用可能な CPU が利用されないままにな る可能性がある場合に、複数のロールを結合することで、サーバーの CPU リ ソースをより効果的に使用することができます。  マルチロール サーバー マルチロール サーバーとは、HUB サーバー ロール、CAS サーバー ロール、 MBX サーバー ロールを同じ物理サーバー上に構成したサーバーのことです。 MBX サーバー ロール単独では、使用可能な CPU リソースを活用できない場 合に、HUB サーバー ロールと CAS サーバー ロールを追加すると、サーバー の処理能力をより効率的に活用できます。

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目次

第一部 サイジングの流れ... 1 1.1 サイジングの流れ... 2 1.1.1 プロファイルの決定... 2 1.1.2 システム構成の決定... 3 1.1.3 Exchange サーバー ロールごとのサイジング ... 4 第二部 サイジングの考え方... 6 2.1 ロール構成の考え方... 7 2.1.1 マルチロール構成の考え方... 7 2.1.2 コンバインドロール構成の考え方... 9 2.1.3 単体ロール構成の考え方... 9 2.2 仮想化の考え方...10 2.3 冗長化の考え方...11 2.3.1 MBX サーバー ロールの冗長化...11 2.3.2 MBX サーバー ロール以外の Exchange サーバー ロールの冗長化 ... 12 2.4 CPU サイジングの考え方...13 2.4.1 CPU サイジングの概要... 13 2.4.2 MBX サーバー ロールと各 Exchange サーバー ロールのプロセッサ コア数比率 14 2.4.3 最小と最大のプロセッサ コア数の範囲 ... 15 2.4.4 CPU サイジングの注意事項... 16 2.5 メモリ サイジングの考え方...17 2.5.1 メモリ サイジングの概要... 17 2.5.2 最小と最大のメモリ容量の範囲... 17 2.6 ディスク サイジングの考え方...20 2.6.1 ディスク サイジングの概要 ... 20 2.6.2 サポート対象のストレージ システム... 20 2.7 ネットワーク サイジングの考え方 ...24 2.8 Active Directory サーバー サイジングの考え方 ...25 第三部 各 Exchange サーバー ロールのサイジング...26 3.1 MBX サーバー ロールのサイジング...27 3.1.1 サイジングに必要な要素の確認... 27 3.1.2 CPU のサイジング ... 28 3.1.3 メモリのサイジング... 37 3.1.4 ディスク容量のサイジング... 43 3.1.5 ディスク性能のサイジング... 57 3.2 CAS サーバー ロールのサイジング...62 3.2.1 CPU のサイジング ... 63 3.2.2 メモリのサイジング... 63 3.3 HUB サーバー ロールのサイジング...65 3.3.1 CPU のサイジング ... 66

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3.3.2 メモリのサイジング... 66 3.4 コンバインドロールのサイジング...68 3.4.1 CPU のサイジング ... 69 3.4.2 メモリのサイジング... 69 3.5 マルチロールのサイジング...70 3.5.1 CPU のサイジング ... 70 3.5.2 メモリのサイジング... 71 3.5.3 マルチロール サーバーのサイジング例 ... 73 3.6 Edge サーバー ロールのサイジング...79 3.6.1 CPU サイジングの考え方 ... 79 3.6.2 メモリのサイジング... 80 3.7 UM サーバー ロールのサイジング...81 3.7.1 CPU のサイジング ... 81 3.7.2 メモリのサイジング... 81 第四部 Exchange 2010 サイジング ケーススタディ...82 4.1 サイジング ケース スタディ ...84 4.1.1 MBX サーバー ロール ... 86 4.1.2 コンバインドロール サーバーのサイジング... 94 4.1.3 サイジング結果... 95 第五部 サイジング検証...96 5.1 検証概要...97 5.1.1 MBX サーバーの搭載メモリ容量とディスク I/O の相関調査検証... 97 5.1.2 CAS サーバー 1 台でホスト可能なユーザー数の調査検証... 97 5.1.3 最少構成台数でのマルチロール環境と仮想環境の比較検証... 98 5.2 MBX サーバーの搭載メモリ容量とディスク I/O の相関調査検証 ...100 5.2.1 テスト シナリオ... 100 5.2.2 検証環境... 100 5.2.3 プロセッサとメモリのパフォーマンス... 103 5.2.4 ディスク I/O パフォーマンス... 105 5.2.5 サイジング指針と検証結果を比較した考察... 108 5.2.6 まとめ...110 5.3 CAS サーバーへの RPC 負荷検証...112 5.3.1 テスト シナリオ...112 5.3.2 検証環境...112 5.3.3 プロセッサとメモリのパフォーマンス...114 5.3.4 RPC パフォーマンス...117 5.3.5 サイジング指針と検証結果を比較した考察...119 5.3.6 まとめ... 121 5.4 最少構成台数でのマルチロール環境と仮想環境の比較検証...122 5.4.1 テスト シナリオ... 122 5.4.2 検証環境... 122 5.4.3 プロセッサとメモリのパフォーマンス... 125

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5.4.4 RPC パフォーマンス... 128

5.4.5 ディスク I/O パフォーマンス... 131

5.4.6 サイジング指針と検証結果を比較した考察... 136

5.4.7 まとめ... 137

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第一部 サイジングの流れ

この章では、Exchange 2010 システムをサイジングする場合の流 れを説明します。

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1.1 サイジングの流れ

システムのサイジングは、大きく分けて以下の 3 ステップで行います。 1. プロファイルの決定 プロファイルとはシステムの利用状況を定義するもので、サイジングに特に影 響を与える要素です。現在の利用状況を踏まえて決定してください。 2. システム構成の決定 システム構成は、利用する Exchange サーバー ロールの選択、可用性要件に 従った冗長化構成の有無の選択、仮想化システムの有無の選択により決定しま す。 3. Exchange サーバー ロールごとのサイジング 最後に各サーバーをサイジングします。 以降で、それぞれのステップの詳細を説明します。

1.1.1 プロファイルの決定

システム構成の検討や Exchange サーバー ロールごとのサイジングの前に、プロ ファイルを決定する必要があります。現行のシステム調査を行った上で将来的な増 加分を含めて決定してください。 プロファイルとは、ユーザー メールボックスの利用状況特性であり、1 日あたり の平均メール送受信数と平均メールサイズで定義されます。プロファイルに基づい てユーザー メールボックスあたりに必要な性能が算出されるため、プロファイルの 情報はサイジングにおいて特に重要な要素となります。 以下の表は、Exchange 2010 用のプロファイル範囲と、Exchange 2007 用のプロ ファイル範囲の対応です (平均メールサイズは 75 KB)。 Exchange 2010 でのプロファイル (1 日あたりのメール送受信数) Exchange 2007 でのプロファイル 50 平均的負荷 100 高負荷 150 非常に高負荷 200 きわめて高負荷 250 ― (Exchange 2007 では該当なし) 300 ― (Exchange 2007 では該当なし) 350 ― (Exchange 2007 では該当なし) 400 ― (Exchange 2007 では該当なし) 450 ― (Exchange 2007 では該当なし) 500 ― (Exchange 2007 では該当なし)

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本ガイドでは、1 日あたりの平均メール送受信数が 50 ~ 500 通の範囲における サイジング方法について説明します。また、特に明記がない部分に関しては平均メー ルサイズを 75 KB と想定し、説明します。 Exchange 2007 から Exchange 2010 への各種性能向上に加え、今日の電子メー ル使用量の増加に伴ってプロファイルの範囲も広く想定されています。プロファイ ルとして、1 日あたりのメール送受信数を上記の表の範囲から決定してください。

1.1.2 システム構成の決定

プロファイルの決定後、システム構成を決定します。システム構成で重要となるの は、ロール構成 (複数ロール、単体ロール)、仮想化、冗長構成の 3 点です。複数 ロール構成と仮想化はいずれもサーバー リソースを有効活用するソリューション です。 ロール構成は、複数のロールを 1 台のサーバーで構成するか、それぞれ単体のロー ルで構成するかを決定します。ロール構成の検討の詳細に関しては以下を参照して ください。  「2.1 ロール構成の考え方」 仮想化構成は、複数のロールを物理サーバー上の仮想 OS を介して共存することで、 サーバー リソースの有効活用が可能ですが、仮想化を検討する上では、仮想化特有 の考慮事項があります。仮想化構成の検討の詳細に関しては以下を参照してくださ い。  「2.2 仮想化の考え方」 冗長構成は、障害発生時に継続してサービスを提供する上で非常に重要となります。 冗長化構成の検討の詳細に関しては以下を参照してください。  「2.3 冗長化の考え方」

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1.1.3 Exchange サーバー ロールごとのサイジング

システム構成の決定後、Exchange サーバー ロールごとに CPU とメモリのサイ ジングを行います。MBX サーバー ロールではディスク容量のサイジングも行いま す。 Exchange サーバー ロールの中で、MBX サーバー ロール、CAS サーバー ロー ル、HUB サーバー ロールは必須であり、Edge サーバー ロールと UM サーバー ロールは必要な場合に構成します。 各 Exchange サーバー ロールのサイジングは、MBX サーバー ロールのサイジン グ結果を基準として使用します。そのため、MBX サーバー ロールのサイジングを 最初に行います。Exchange サーバー ロールの構成によって、以下の手順で各 Exchange サーバー ロールのサイジングを行います。  マルチロール構成を選択した場合 ① マルチロールのサイジング 詳細に関しては「3.5 マルチロールのサイジング」を参照してください。 ② Edge サーバー ロール、UM サーバー ロールのサイジング (オプション) マルチロール サーバー コンバインド ロール サーバー HUB サーバー CAS サーバー MBX サーバー 単体ロール構成 コ ン バ イ ン ド ロール構成 マ ル チ ロ ー ル 構成 Edge サーバー UM サーバー 必須 オプション MBX サーバー

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詳細に関しては「3.6 Edge サーバー ロールのサイジング」、「3.7 UM サー バー ロールのサイジング」を参照してください。  コンバインドロール構成を選択した場合 ① MBX サーバー ロールのサイジング サイジングの基準となる MBX サーバー ロールのサイジングを行います。 詳細に関しては「3.1 MBX サーバー ロールのサイジング」を参照してくださ い。 ② コンバインドロールのサイジング ①の MBX サーバー ロールのサイジング結果を基に、コンバインドロールの サイジングを行います。 詳細に関しては「3.4 コンバインドロールのサイジング」を参照してください。 ③ Edge サーバー ロール、UM サーバー ロールのサイジング (オプション) 詳細に関しては「3.6 Edge サーバー ロールのサイジング」、「3.7 UM サー バー ロールのサイジング」を参照してください。  単体ロール構成を選択した場合 ① MBX サーバー ロールのサイジング サイジングの基準となる MBX サーバー ロールのサイジングを行います。 詳細に関しては「3.1 MBX サーバー ロールのサイジング」を参照してくださ い。 ② CAS サーバー ロール、HUB サーバー ロールのサイジング ①の MBX サーバー ロールのサイジング結果を基に、CAS サーバー ロール、 HUB サーバー ロールのサイジングを行います。 詳細に関しては「3.2 CAS サーバー ロールのサイジング」、「3.3 HUB サー バー ロールのサイジング」を参照してください。 ③ Edge サーバー ロール、UM サーバー ロールのサイジング (オプション) 詳細に関しては「3.6 Edge サーバー ロールのサイジング」、「3.7 UM サー バー ロールのサイジング」を参照してください。

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第二部 サイジングの考え方

この章では、サイジングを行う前に知っておくべきサイジングの考 え方を説明します。 システム サイジングの考え方として、ロール構成の考え方、仮想化 の考え方、冗長化の考え方を説明します。 サーバー サイジングの考え方として、CPU サイジングの考え方、 メモリ サイジングの考え方、ディスク サイジングの考え方、ネッ トワーク サイジングの考え方を説明します。

最後に、Exchange で必要となる Active Directory サーバーのサ イジングの考え方を説明します。

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2.1 ロール構成の考え方

今日のサーバー ハードウェアでは、CPU パフォーマンスの向上と、サポートする プロセッサ コア数の増加が図られています。そのため、2 つ以上の CPU を搭載 した標準構成のサーバーに 1 つの Exchange サーバー ロールだけを展開すると、 規模などによってはサーバーの CPU リソースに余裕が生まれ、CPU を効率的に 使用できない可能性があります。 この場合 1 台のサーバーに複数の Exchange サーバー ロールを展開することで、 CPU リソースを十分に活用できるケースがあります。複数の Exchange サーバー ロールを展開するには、ロール構成を変更するか、サーバーを仮想化します。 ここでは、ロール構成を選択する上での考え方を説明します。Exchange サーバー ロールの構成には様々なものがありますが、本ガイドでは、以下の 3 つのロール 構成について説明します。 1. マルチロール構成 CAS サーバー ロールと HUB サーバー ロールと MBX サーバー ロールを 同じサーバーにインストールします。 複数の Exchange サーバー ロールが搭載されるためシステムを構成する上 での制約がありますが、システムを構成する物理サーバーが最も少なくなりま す。 2. コンバインドロール構成 CAS サーバー ロールと HUB サーバー ロールを同じサーバーにインストー ルし、MBX サーバー ロールを単体ロール構成とします。マルチロール構成よ りも物理サーバーが増えますが、マルチロール構成の制約を解消することがで きます。 3. 単体ロール構成 1 台のサーバーに 1 つの Exchange サーバー ロールをインストールします。 上記の順番でロール構成を検討してください。それぞれのロール構成の考え方につ いて、以下で説明します。

2.1.1 マルチロール構成の考え方

マルチロール構成は、以下の場合に推奨されます。また、1 台のマルチロール サー バーでホストする最大のユーザー メールボックス数 (縮退などのピーク時含む) は、4,000 個以内を推奨します。

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 支社などの小規模な組織にサーバー統合し導入する場合 ブランチオフィスに Exchange サーバーを配置する際など管理対象の物理 サーバー、オペレーティング システム インスタンス、および Exchange サー バーの数を最小限に抑えたい場合、マルチロールでの展開が推奨されます。マ ルチロールでは、2 台または 3 台の物理サーバーといった最小の要件で必要 なロールの冗長性が得られます。  単純なスケールアウトを計画する場合 ユーザー メールボックス数の定期的な増加が見込まれ、増加分に対し一定のコ ストで Exchange のサービスを提供するような組織では、マルチロールでの 展開を検討する必要があります。マルチロール サーバーは、1 台で完結した 構成要素となるため、簡単に構成要素を追加することができ、増大する処理能 力に対応できます。  サーバー内蔵のストレージにユーザー メールボックスを格納する場合 Exchange 2010 では I/O 要件が削減されているため、サーバー内蔵のディス クでも、数千個のユーザー メールボックスをホストできる場合があります。 今日、多数のサーバーでは 2 つの CPU (8 ~ 12 プロセッサ コア) と 10 ~ 16 個の内蔵ディスクを搭載できるため、プロファイルとディスクの種類に依 存しますが、内蔵ディスクを使用して最大 4,000 個のユーザー メールボック スをホストできます。この構成では、CPU リソースに余裕が生まれ、CPU を 十分に活用できない可能性がありますが、サーバーに CAS サーバー ロール と HUB サーバー ロールを追加し、マルチロール構成とすることで、CPU を 効率的に使用できるケースがあります。  障害発生時に影響を受けるユーザー メールボックス数を制限したい場合 マルチロール サーバーは、障害発生時に影響を受けるユーザー メールボック ス数を制限したい場合に有用なソリューションになります。たとえば、10,000 個のユーザー メールボックスがある組織で、1 台のサーバーが停止しても環境 内の 25% 超のユーザー メールボックスに影響を与えてはならないというポ リシーがあるとします。これにより、MBX サーバーあたりのユーザー メール ボックス数は 2,500 個に制限されるため、サーバーの処理能力を十分に活用で きない場合があります。この場合、サーバーに CAS サーバー ロールと HUB サーバー ロールを追加することで、このサーバーの処理能力を活用できます。 マルチロール構成には以下の制約があります。  Windows ネットワーク負荷分散 (NLB) を使用できない MBX サーバー ロールを冗長化する場合、冗長化のために使用するクラスタリ ング コンポーネントと NLB は同じサーバーに構成することは仕様上できま せん。そのため、ハードウェア負荷分散装置を使用するか、MBX サーバー ロー ルと CAS サーバー ロールを分離した上で、NLB を利用する必要があります。

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 仮想化の制約 ホストできるユーザー メールボックス数が大幅に制限されるため、4 つの仮 想プロセッサ コアを搭載した仮想サーバーに、マルチロールを構成することは 推奨されません。各仮想サーバーに 1 つの Exchange サーバー ロールを展 開するか、MBX サーバーの仮想サーバーごとにコンバインドロール サーバー の仮想サーバーを展開した方が効率的です。 ただし、ユーザー メールボックス数が 500 未満の場合、仮想サーバーにマル チロールを構成し、管理対象の OS と Exchange サーバーの数を減らすこと ができます。 仮想化の詳細に関しては「2.2 仮想化の考え方」を参照してください。

2.1.2 コンバインドロール構成の考え方

コンバインドロール構成は、以下の場合に推奨します。  サーバー統合 2 つの CPU を搭載した標準構成のサーバーに、Exchange サーバー ロール を 1 つ構成しただけでは、CPU リソースに余裕が生まれ、CPU を効率的に 使用できない可能性があります。システムの制約などでマルチロール構成にで きないが、上記の様にCPU リソースに余裕がある場合、コンバインドロール 構成にすることで、サーバーの CPU を効率的に使用するとともにサーバー台 数の増加を抑えることができます。また、コンバインドロール構成では、MBX サーバー ロールを除き最低 2 台の物理サーバーで CAS サーバー ロールと HUB サーバー ロールに必要な冗長性を実現できます。また、マルチロール構 成とは違い、NLB を使用することができます。  仮想化 仮想化ホスト サーバーのプロセッサ コア数が 8 で分割できる展開環境の場 合 (8・16・24・32・48 プロセッサ コア)、コンバインドロール サーバーと MBX サーバーを 1 : 1 のプロセッサ コア比率で仮想化ホスト サーバー上に 仮想サーバーとして展開すると、ホスト サーバーのサイズに関係なく、バラン スのとれた仮想マシンの配置を実現できます。そのため、仮想化構成をとる場 合はコンバインドロール構成を検討してください。 仮想化の詳細に関しては「2.2 仮想化の考え方」を参照してください。

2.1.3 単体ロール構成の考え方

組織内のメッセージング量が多いほど、MBX サーバー、CAS サーバー、HUB サー バーに対する負荷が高くなります。組織内のメッセージング量が非常に多く、マル チロール構成、コンバインドロール構成で負荷を処理しきれない環境では、単体ロー ル構成とすることを推奨します。

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2.2 仮想化の考え方

仮想化は、UM サーバー ロールを除いて物理サーバーと同様にマルチロール、コ ンバインドロール、単体ロールの構成が可能です。また利用する物理サーバーを減 らす事が出来るので、ブランチオフィスやサーバ統合シナリオ向けのソリューショ ンに最適です。 仮想環境では CPU、メモリ等のリソースの割り当てを柔軟に行うことが可能です が、仮想環境特有の考慮事項もあります。仮想環境特有の考慮事項は主に下記とな ります。  最大の仮想プロセッサ コア数 仮想化プラットフォームでサポートされる仮想プロセッサ コア数の最大数を 確認し、Exchange サーバー ロールに割り当てる CPU を決定してください。  CPU オーバヘッド 仮想マシン内のゲスト OS のオーバーヘッドは約 9% - 12% です。例えば MBX サーバー ロールで利用を考えた場合、同一のハードウェアであれば物理 サーバーと比較してホストするユーザー数を 10% 削減することを考慮してく ださい。 Exchange Server 2010 の仮想化とその他の考慮事項の詳細に関しては「サーバ仮 想化における システム構成ガイド ホワイト ペーパー 第 2 版」を参照してくだ さい。

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2.3 冗長化の考え方

冗長化は、障害発生時に継続してサービスを提供する上で、非常に重要となります。 冗長構成をとる場合、縮退運用の要件をベースにサイジングを行うことが重要とな ります。 各 Exchange サーバー ロールの冗長化の考え方について、以下に説明します。

2.3.1 MBX サーバー ロールの冗長化

メールボックス DB およびそれに含まれるデータは、すべての Exchange 組織に とって最も重要なコンポーネントです。障害発生時にエンドユーザーへの影響を最 小限に抑え、サービスを継続して提供したい場合は MBX サーバーを冗長化します。 Exchange 2010 で MBX サーバーを冗長化するには、データベース可用性グルー プ (DAG) を構成します。 DAG は、Exchange 2010 で導入された、DB レベルの冗長化機能です。最大 16 台 の MBX サーバーでメールボックス DB のコピーを格納できます。コピーされた DB はどのサーバーでもマウントできます。そのため、ディスク障害やサーバー障 害だけでなく、メールボックス DB のみの障害発生時でも、影響を最小限にして切 り替えが可能です。 運用中のユーザー メールボックスを含む DB コピーをアクティブ DB コピーと 呼び、障害に備えて待機する DB コピーをパッシブ DB コピーと呼びます。障害 発生時は、影響を受けるアクティブ DB コピーに対するパッシブ DB コピーをア クティブ化し、障害からの復旧を実現します。 DB1 DB2 DB3 DB4 DB2 DB4 DB3 DB3 MBX4 DB2 DB4 DB1 DB1 MBX1 MBX2 MBX3 アクティブDB コピー パッシブDB コピー アクティブ化 アクティブ化

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DAG を構成する場合は、以下のサイジングに影響があります。  ディスク容量 DB コピーの数に応じた追加の容量が必要です。  CPU リソース DB コピーの管理やレプリケーションのために、追加の CPU リソースが必要 です。  メモリ容量 DB が増えるとメモリ容量の要件が増加する可能性があります。 MBX サーバーの冗長化の詳細に関しては「Exchange Server 2010 可用性ガイド」 を参照してください。

2.3.2 MBX サーバー ロール以外の Exchange サーバー ロールの冗

長化

CAS サーバー、HUB サーバー、Edge サーバー、および UM サーバーの各 Exchange サーバー ロールにおける冗長化は、サーバーの冗長化、負荷分散、お よびドメイン ネーム システム (DNS) ラウンド ロビンを組み合わせることで実 現されます。  CAS サーバー ネットワーク負荷分散 (NLB) またはハードウェア負荷分散装置を使用するこ とで、高可用性を実現します。  HUB サーバー 複数台の HUB サーバーを展開することで、自動的に負荷分散が行われます。  Edge サーバー 複数の Edge サーバーを展開して、DNS MX ラウンド ロビンにより、サー バー間で処理の負荷分散を行います。 また、NLB を使用して負荷分散と高可用性を実現することもできます。  UM サーバー

複数の UM サーバーを展開して、VoIP (Voice over IP) ゲートウェイを構成す ることで、UM サーバーに対する呼び出しをラウンド ロビン方式でルーティ ングすることができます。

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2.4 CPU サイジングの考え方

2.4.1 CPU サイジングの概要

Exchange 2010 はマルチコア プロセッサで実行される場合に、大きな利点をもた らします。マルチコア テクノロジによって Exchange にもたらされるパフォーマ ンス上の利点は、使用されている CPU によって異なります。特定のハードウェア アーキテクチャにおけるマルチコア プロセッサの利点については、ご使用のサー バー ハードウェア ベンダーに問い合わせてください。サーバーの CPU がパ フォーマンスに影響する要素は、以下のように複数存在します  CPU の種類

Windows Server 2008 x64 版もしくは Windows Server 2008 R2 が動作する x64 互換 CPU が Exchange 2010 でサポートされますが、Itanium ベース のシステムでは動作いたしません。

x64 互換 CPU には Intel がサポートする Intel 64 と AMD がサポートす る AMD 64 があります。各 CPU の詳細に関しては下記を参照してください。  インテル® 64 アーキテクチャ http://www.intel.co.jp/jp/technology/intel64/index.htm  AMD Opteron™ プロセッサ・ファミリー http://www.amd.com/jp-ja/Processors/ProductInformation/0,,30_118_88 25,00.html  CPU の数 Exchange は複数のプロセッサに完全に対応しており、サーバーで使用する CPU の数を増やすとパフォーマンスが向上します。ただし、CPU の数、プロ セッサ コアの数、およびパフォーマンスの関係は複雑です。最適な CPU と プロセッサ コアの数は、サーバーに展開されている Exchange サーバー ロールによってある程度決まります。  CPU のクロック速度 最速の CPU を選択すれば最高のパフォーマンスを得ることができますが、予 算とコストを検討して最適なクロック速度の CPU の選定を行ってください。

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CPU サイジングは、マルチロールを除き、以下の流れで行います。 1. MBX サーバーの CPU を決定します。 詳細に関しては「3.1 MBX サーバー ロールのサイジング」を参照してくださ い。 2. MBX サーバー以外のサーバーの CPU は、MBX サーバー ロールと他の Exchange サーバー ロールとのプロセッサ コア数の比率から決定します。 マルチロール サーバーの CPU サイジングの詳細に関しては、「3.5 マルチロール のサイジング」を参照してください。 CPU は、マイクロソフトが提示している最小と最大のプロセッサ コア数の範囲で 決定することを推奨します。また、CPU サイジングの注意事項に従って CPU を 決定する必要があります。

2.4.2 MBX サーバー ロールと各 Exchange サーバー ロールのプロ

セッサ

コア数比率

MBX サーバー ロールと各 Exchange サーバー ロールのプロセッサ コア数の比 率は、以下の通りです。 Exchange サーバー ロールの構成 推奨されるプロセッサ コア数の比率 MBX サーバー : HUB サーバー (HUB にウイルス対策スキャンなし) 7 : 1 (HUB にウイルス対策スキャンあり) 5 : 1 MBX サーバー : CAS サーバー 4 : 3 MBX サ ー バ ー : コ ン バ イン ド ロール サーバー 1 : 1  比率は原則であり、すべての環境に有効であるとは限りません。また、この比率 はサポート要件ではありません。  比率は、プロファイルに基づいて大幅に変更できます。例えば、HUB サーバー ロールよりも MBX サーバー ロールに対して負荷が大きいと予期される場合 は、比率を増やします。また、この逆の場合も同様です。  MBX サーバー ロールと他の Exchange サーバー ロールの CPU は、同じ種 類で同じクロック数の CPU であることを前提としています。  上記の推奨比率は、プロセッサ コアあたり約 750 人で、ユーザーあたりの 1 日 の平均メール送受信数が 100 通 (Exchange 2007 では高負荷ユーザー) の環

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境における、マイクロソフトの社内運用実績に基づく比率です。

 サーバーの障害時に中断しないサービスを提供するためには、プロセッサ コア比 率に関わらず最低でも 2 つの HUB サーバーと 2 つの CAS サーバーが展 開され、冗長化されている必要があります。

 ウイルス対策スキャンを含む HUB サーバー ロールの比率は、5 つのスキャン エンジンを実行している Microsoft Forefront Protection 2010 for Exchange Server を使用して取得されています。

 CAS サーバー ロールの比率には、すべてのアクセス プロトコル用の SSL (Secure Sockets Layer) の使用が含まれています。

2.4.3 最小と最大のプロセッサ コア数の範囲

プロセッサ コア数の最小要件と推奨最大要件は下記のように定義しています。  最小要件 Exchange サーバー ロールに対して適切な最小のプロセッサ コア数です。マ イクロソフト カスタマー サポートからサポートを受けるには、提示している CPU の最小要件を満たす必要があります。  推奨最大要件 Exchange サーバー ロールに対して定義される推奨最大プロセッサ コア数 です。最大とは、リソースを効率良く使用できる上限であり、推奨とは、価格 とパフォーマンスを基にした最適な構成です。設計時には負荷や要件を考慮し た最小要件を満たすリソースを選択する必要があります。この定義は価格やテ クノロジーの変遷に伴い、今後変更される可能性があります。 マイクロソフトが提示している、各 Exchange サーバー ロールの 1 台あたりの 最小要件と推奨最大要件のプロセッサ コア数は次の通りです。 Exchange サ ー バ ー ロール CPU の最小要件 (プロセッサ コア数) CPU の推奨最大要件 (プロセッサ コア数) Edge サーバー 1 プロセッサ コア 12 プロセッサ コア HUB サーバー 1 プロセッサ コア 12 プロセッサ コア CAS サーバー 2 プロセッサ コア 12 プロセッサ コア UM サーバー 2 プロセッサ コア 12 プロセッサ コア MBX サーバー 2 プロセッサ コア 12 プロセッサ コア コ ン バ イ ン ド ロ ー ル サーバー 2 プロセッサ コア 12 プロセッサ コア マルチロール サーバー 2 プロセッサ コア 24 プロセッサ コア

(25)

2.4.4 CPU サイジングの注意事項

CPU サイジングの注意事項は以下の通りです。  Exchange サーバーの CPU 使用率は、ピーク時 (縮退運用も含む) でも約 60% までに抑えることを推奨します。CPU 使用率をこのレベルに保つことにより、 極度に負荷がかかった場合でも対応できる余裕が確保されます。CPU 使用率 が 75% を超える状態が続く場合、CPU のパフォーマンスがボトルネックに なっていると見なされます。  Exchange サーバーに搭載する CPU では、ハイパースレッディング機能はデ フォルトで無効にしてください。追加のハードウェアを入手できるまで、CPU 容量を増加させるための一時的な容量として使用する場合のみ有効にしてくだ さい。 仮想環境に Exchange を導入する場合、以下の点に注意してください。  最大の仮想プロセッサ コア数 仮想化プラットフォームでサポートされる仮想プロセッサ コア数の最大数を 確認し、Exchange サーバー ロールに割り当てる CPU を決定してください。  仮想マシンのオーバヘッドについて 仮想マシン内のゲスト OS のオーバーヘッドは約 9% - 12% です。例えば MBX サーバー ロールで利用を考えた場合、同一のハードウェアであれば物理 サーバーと比較してホストするユーザー数を 10% 削減することを考慮してく ださい。

(26)

2.5 メモリ サイジングの考え方

2.5.1 メモリ サイジングの概要

Exchange サーバー ロールに必要なプロセッサ コア数のサイジング後、メモリの 推奨容量をサイジングすることができます。64 ビット版 Windows Server 2008 上の MBX サーバーは、64 GB 以上のメモリも効率的に利用することができます。 Exchange 2010 のハードウェアを選択するときは、サーバーの最大メモリ構成を 考慮することを推奨します。サーバーのアーキテクチャが異なると、メモリの制限 も異なります。以下に示すサーバーの技術仕様を確認し、そのサーバーで最も費用 対効果の高いメモリ構成にすることを推奨します。  メモリ速度 一部のサーバー アーキテクチャでは、サポートする最大のメモリ容量へ拡張す るために、低速なメモリ モジュールが必要とされる場合があります。必要なメ モリ容量と速度が両立することを製造元に確認してください。  メモリ モジュールのサイズ 一般的には大容量のメモリ モジュールほど高価なため、必要なメモリ容量と価 格のバランスを考慮してください。  メモリ スロットの合計数 サーバーでサポートされるメモリ モジュール数を考慮してください。メモリ モジュールは、ペアで取り付けることが必要な場合があることに注意してくだ さい。 多くのメモリ スロットを使用すると、パフォーマンスが向上するサーバーもあれば、 パフォーマンスが低下するサーバーもある点に注意してください。この点がサー バー アーキテクチャに与える影響については、ハードウェア ベンダーに確認して ください。

2.5.2 最小と最大のメモリ容量の範囲

MBX サーバー、マルチロール サーバーを除いた各 Exchange サーバー ロールの メモリ容量の推奨要件は、プロセッサ コア数から見積ります。MBX サーバー、マ ルチロール サーバーのメモリ容量はサーバーに搭載する DB キャッシュから見積 ります。メモリ容量は、マイクロソフトが提示しているメモリ容量の最小要件を満 たしてください。メモリ容量の最小要件と推奨要件は下記のように定義しています。

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 最小要件 Exchange 2010 サーバーに対して適切な最小のメモリ構成です。マイクロソ フト カスタマーサポートからサポートを受けるには、提示しているメモリ容量 の最小要件を満たす必要があります。  推奨要件 Exchange サーバー ロールに対して定義される推奨メモリ構成です。推奨と は、価格とパフォーマンスを基にした最適な構成です。設計時には負荷や要件 を考慮した最小要件を満たすリソースを選択する必要があります。この定義は 価格やテクノロジーの変遷に伴い、今後変更される可能性があります。 各 Exchange サーバー ロールの 1 台あたりの、メモリ容量の最小要件と推奨要 件は次の通りです。 Exchange サ ー バー ロール メ モ リ 容 量 の最小要件 メモリ容量の推奨要件 Edge サーバー 4 GB 1 プロセッサ コアあたり 1 GB HUB サーバー 4 GB 1 プロセッサ コアあたり 1 GB CAS サーバー 4 GB 1 プロセッサ コアあたり 2 GB UM サーバー 4 GB 1 プロセッサ コアあたり 2 GB MBX サーバー 4 GB 4 GB + ユーザー メールボックス数 × DB キャッシュ コ ン バ イ ン ド ロール サーバー 4 GB 1 プロセッサ コアあたり 2 GB マ ル チ ロ ー ル サーバー 10 GB (4 プロセッサ コア サーバー) 10 GB + ユーザー メールボックス数 × DB キャッシュ (8 プロセッサ コア サーバー) 14 GB + ユーザー メールボックス数 × DB キャッシュ (12 プロセッサ コア サーバー) 18 GB + ユーザー メールボックス数 × DB キャッシュ (16 プロセッサ コア サーバー) 22 GB + ユーザー メールボックス数 × DB キャッシュ (24 プロセッサ コア サーバー) 30 GB + ユーザー メールボックス数 × DB キャッシュ

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 Edge サーバーおよび HUB サーバー Edge サーバーおよび HUB サーバーでは、最適な条件でのパフォーマンスを 得るために、大量のメモリは必要としません。通常は、1 プロセッサ コアあ たり 1 GB (最小で 4 GB) の RAM があれば、非常に高い負荷を除き、ほとん どの負荷に対応することができます。  CAS サーバー CAS サーバーでは、クライアント接続の数およびトランザクション速度と比 例的な関係にあります。CPU およびメモリ構成の推奨事項 (1 プロセッサ コ アあたり 2 GB) に基づいて構成した CAS サーバーでは、メモリとプロセッ サの使用率に関してバランスがとられ、メモリが限度に達するのとほぼ同時に CPU も限度に達します。これらの推奨事項は、Exchange 2010 の機能、RPC クライアントアクセスに基づいています。CAS サーバーにかかる負荷が増加 した場合は、より大きなメモリとプロセッサ構成が必要となります。  MBX サーバー MBX サーバーのメモリ構成プロセスは、他のロールよりも複雑です。これは、 プロセッサ コアの要件の予測と同じように、最適なメモリ構成がユーザー メールボックス数、プロファイル、およびアクティブな DB 数に依存している ためです。 MBX サーバーのメモリ サイジングは、サーバー上のディスク I/O を減らす 上で重要です。MBX サーバーに多くのメモリを追加すると、メモリに展開さ れた DB キャッシュにより、Exchange によって生成されるディスク I/O が 大幅に軽減されます。しかし、サーバーにメモリを追加しても、そのメモリ価 格の上昇と見合うパフォーマンスの上昇が見られなくなるポイントがあります。 MBX サーバーの推奨要件は、このポイントを考慮すると共に、現在のメモリ 価格およびパフォーマンスの指標に基づいています。 MBX サーバーに適したメモリ サイジングの詳細に関しては「3.1 MBX サー バー ロールのサイジング」を参照してください。  マルチロール サーバー マルチロール サーバーのメモリ要件を決定する際は、HUB サーバー ロール、 CAS サーバー ロール、および MBX サーバー ロールのそれぞれの要件を考 慮する必要があります。 マルチロール サーバーに適したメモリ サイジングの詳細に関しては「3.5 マ ルチロールのサイジング」を参照してください。

(29)

2.6 ディスク サイジングの考え方

2.6.1 ディスク サイジングの概要

企業によるサーバー統合が増えている現在、ディスクのサイジングを行う際は、コ スト、可用性、パフォーマンスのバランスをとる必要があります。また、CPU や メモリはシステムを停止しなくても拡張できますが、ディスクを再設計するにはシ ステムの停止が必要になる場合があります。そのため、ディスクのサイジングは十 分な時間をかけて適切に行ってください。 ストレージ アーキテクチャを選択する場合、容量とパフォーマンスは両立しないこ とが多いため、通常は次の要素を検討し、以下をすべて満たすストレージ アーキテ クチャを決定することを推奨します。  すべてのデータを格納するために十分な領域を確保できるか ディスク容量のサイジング結果から判断します。  ソリューションによって提供されるディスク性能とユーザー レスポンスが許容 範囲か ディスク性能のサイジング結果から判断します。  トランザクション以外の I/O に対して、ディスク レスポンスとスループットを 確保できるか ディスク性能のサイジング結果から判断します。

2.6.2 サポート対象のストレージ システム

Exchange 2010 でサポートしているストレージ構成、物理ディスクの種類を説明 します。

(30)

 サポート対象 / 未サポートのストレージ システム構成 以下に、サポート対象と未サポートのストレージ システム構成を説明します。 ストレージ構成 説明 サポート状況 Direct Attached Storage (DAS) DAS とは、ストレージ ネットワークを挟ま ずにサーバーやワークステーションに直接 接続されるストレージ システムです。 ○ Storage Area Network (SAN) : iSCSI SAN とは、リモートのディスク アレイや テープ ライブラリなどをサーバーからロー カル接続のように認識させる構成です。 iSCSI は、SCSI コマンドを IP パケット内 にカプセル化し、標準ネットワーク (イーサ ネット) をストレージ転送に使用します。 iSCSI 構成とする場合は、以下を考慮してく ださい。 ・Exchange データと他のアプリケーション データを同じ物理ディスクで共有しない でください。 ・専用ネットワークを使用してください。 ・スタンドアロン構成では、複数のネット ワーク パスを使用してください。 ○ Storage Area Network (SAN) : Fibre Channel (FC) FC 構成の SAN は、SCSI コマンドを FC パケット内にカプセル化し、専用 FC ネット ワークをストレージ転送に使用します。 FC 構成とする場合は、以下を考慮してくだ さい。 ・Exchange データと他のアプリケーション データを同じ物理ディスクで共有しない でください。 ・スタンドアロン構成では、複数の FC パス を使用してください。

・Queue Depth や Queue Target などの FC ホスト バス アダプター (HBA) の最 適なチューニングは、ストレージ ベン ダーにお問合わせください。 ○ Network Attached Storage (NAS) NAS は、ネットワーク上の他のデバイスに ファイルベースのデータ ストレージ サー ビスを提供する目的でネットワークに接続 される自己完結型のコンピューターです。 × (未サポート)

(31)

 サポート対象の物理ディスクの種類

以下に、サポート対象の物理ディスクの種類を説明します。

物理ディスク の種類

説明 ベストプラクティス

SATA SATA は 、 Advanced Technology Attachment (ATA) と Integrated Device Electronics (IDE) ディスク のシリアルインターフェースです。 一般的に、SATA ディスクは、大容 量、適度な性能、適度な電源使用率 が 設 計 の 要 件 で あ っ た 場 合 に 、 Exchange 2010 メールボックスと して選択されます。 ・最適なデータ信頼性と I/O 性能のためには、バッ テリー バックアップ機能 を搭載したアレイ コント ローラーが必要です。 ・Uninterruptable Power Supply (UPS) を使用しな い場合は、物理ディスクの 書き込みキャッシュを無 効にする必要があります。 ・SATA ディスクを構成す る場合は、発熱量、振動、 信頼性のよいエンタープ ラ イ ズ ク ラ ス の SATA ディスクを推奨します。 SAS SAS は、SCSI ディスクのシリア

ルインターフェースです。 一般的に、SAS ディスクは、大容 量、高性能、適度な電源使用率が設 計 の 要 件 で あ っ た 場 合 に 、 Exchange 2010 メールボックスと して選択されます。 UPS を 使 用 し な い 場 合 は、物理ディスクの書き込 みキャッシュを無効にす る必要があります。 Fibre Channel (FC) ファイバーチャネル (FC) は、SAN 構成で利用する電気的なインター フェースです。 一般的に、FC ディスクは、適度な 容量、高性能、SAN 接続が設計の 要 件 で あ っ た 場 合 に 、Exchange 2010 メールボックスとして選択さ れます。 UPS を 使 用 し な い 場 合 は、物理ディスクの書き込 みキャッシュを無効にす る必要があります。 SSD (Flash Disk)

Solid State Drive (SSD) は、半導 体メモリーを使用して、永続的に データを格納するストレージ装置 です。 一般的に、SSD ディスクは、低容 量、超高性能が設計の要件であった ・UPS を使用しない場合 は、物理ディスクの書き込 みキャッシュを無効にす る必要があります。 ・ 一 般 的 に 、Exchange 2010 メールボックスは、

(32)

場 合 に 、Exchange 2010 メ ー ル ボックスとして選択されます。

SSD の性能特性を必要と しません。

(33)

2.7 ネットワーク サイジングの考え方

Exchange 2010 のネットワーク サイジングを考える上での考慮点は、以下の 3 点です。  最新のネットワーク ドライバを維持することを推奨します  1 Gbps 以上のネットワークを備える事を推奨します  ギガビット イーサネット接続の、複数スイッチを備えた高速イーサネット ネッ トワークを推奨します

(34)

2.8 Active Directory サーバー サイジングの考え方

MBX サーバーまたはユーザーを含む各サイトにある Active Directory サーバー の推奨される数は、MBX サーバー ロールを実行する各コンピューターのプロセッ サ コア数と Active Directory を実行するハードウェア プラットフォームに依存 します。Active Directory を実行するハードウェア プラットフォームにより、以 下の違いがあります。  Active Directory が x86 プラットフォーム (32 ビット) で実行されている場 合 Active Directory サーバーのプロセッサ コア数と MBX サーバーのプロセッ サ コア数の推奨比率は 1 : 4 です。  Active Directory が x64 プラットフォーム (64 ビット) で実行されている場 合 Active Directory サーバーのプロセッサ コア数と MBX サーバーのプロセッ サ コア数の推奨比率は 1 : 8 です。この比率を実現するために、Active Directory サーバーのメモリ容量は、Active Directory DB 全体をキャッシュ するために十分な量が必要です。Active Directory DB のサイズを確認するに は、グローバル カタログ サーバーの NTDS.DIT ファイルを調べてください。 既定では、このファイルは%WINDIR%¥NTDS にあります。 上記の比率から、4 プロセッサ コアの MBX サーバーごとに 1 プロセッサ コア の 32 ビット グローバル カタログ サーバーを、または 8 プロセッサ コアの MBX サーバーごとに 1 プロセッサ コアの 64 ビット グローバル カタログ サーバー (Active Directory DB 全体をキャッシュ可能なメモリが実装されている ことが前提) を展開することを推奨します。

(35)

第三部 各

Exchange サーバー ロールのサイジング

この章では、Exchange サーバー ロールである、MBX サーバー ロール、CAS サーバー ロール、HUB サーバー ロール、コンバイ ンドロール、マルチロール、Edge サーバー ロール、UM サーバー ロールのサイジング手順を説明しています。

(36)

3.1 MBX サーバー ロールのサイジング

ここでは、MBX サーバー ロールのサイジング方法を解説します。 MBX サーバー ロールのサイジングは、以下の手順で実施します。 1. サイジングに必要な要素の確認 MBX サーバー ロールのサイジングに必要となる要素を確認します。 2. CPU のサイジング 必要となる CPU クロック速度、プロセッサ コア数、個数を決定します。 3. メモリのサイジング 必要となるメモリ容量を決定します。 4. ディスク容量のサイジング 必要となるディスク容量を決定します。 5. ディスク性能のサイジング 必要となるディスクの IOPS 値を決定します。

Mailbox Server Role Requirements Calculator について

Exchange 2010 Mailbox Server Role Requirements Calculator を使用すると、一連の入力要素を指定す ることで、MBX サーバー ロールの要件を確認できます。計算用シートで、メモリ、ストレージ (I/O パフォーマンス、 容量、および記憶域構成)、最適な LUN レイアウト、CPU メガサイクルの要件を確認できます。MBX サーバー の最適なソリューションを設計するには、多数の変数を考慮する必要があり、計算用シートを用いると設計プロセ スでの作業が容易になります。Exchange 2010 Mailbox Server Role Requirements Calculator の詳細に 関しては「付録A ツールの紹介」を参照してください。

3.1.1 サイジングに必要な要素の確認

MBX サーバー ロールのサイジングをする場合に必要となる要素を事前に決定し ておく必要があります。必要な要素とその影響範囲は以下の通りです。  プロファイル ユーザーあたりの 1 日の平均メール送受信数、平均メールサイズです。プロ ファイルからユーザー メールボックスあたりの基準値を導くため、すべてのサ イジングに影響します。  ユーザー メールボックス数 システム全体のユーザー メールボックス数です。プロファイルから導くユー ザー メールボックスあたりの基準値と組み合わせて必要な性能を算出するた め、すべてのサイジングに影響します。

(37)

 メールボックス サイズ クォータ ユーザーに割り当てる最大のメールボックス サイズです。ディスク容量のサイ ジングに影響します。  DAG 構成の有無 DAG 構成の有無は、サイジングの手順に影響します。以降で説明するサイジ ング手順は、DAG 構成をとることを前提としています。DAG を構成しない 場合は、以降で説明するサイジング手順の中で不要な手順もありますが、追加 で必要な特別な手順はありません。  サーバーでホストするアクティブ メールボックス数 サーバーでピーク時にホストする最大アクティブ メールボックス数です。ピー ク時のアクティブ メールボックス数は縮退運用ポリシーなどに依存し決定さ れます。この数値はすべてのサイジングに影響します。

3.1.2 CPU のサイジング

MBX サーバー ロールに必要な CPU は、以下の手順でサイジングします。 1. CPU のサイジングに必要な要素の確認 2. CPU 要件の算出 3. CPU の選定 以下に、それぞれの手順について説明します。

3.1.2.1

CPU のサイジングに必要な要素の確認

CPU のサイジングを行うために、以下の要素が必要です。  1 つのアクティブ DB コピーに対して他のサーバーへ作成するパッシブ DB コピー数 DAG を構成しない場合は必要ありません。  1 サーバーでホストするパッシブ メールボックス数 DAG を構成しない場合は必要ありません。 縮退運用時の数をサイジングに使用します。

(38)

3.1.2.2

CPU 要件の算出

MBX サーバー ロールの CPU 要件は以下の式で算出します。CPU 要件はメガサ イクル (CPU クロック数 × プロセッサ コア数) で算出します。

注意事項

メガサイクルの算出は、Intel Xeon x5470 3.33 GHz CPU (4 つのプロセッサ コア) の場合、3.33 GHz CPU の 1 プロセッサ コアあたり 約 3,300 メガサイクルとなります。他のプロセッサ構成については、Standard Performance Evaluation Corporation (SPEC) によってテストされたサーバー プラットフォームを比較して確認 できます。詳細に関しては、「Standard Performance Evaluation Corporation」にある SPEC CPU2006 の 結果を参照してください。 MBX サーバー ロールの CPU 要件 = アクティブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 + パッシブ DB コピーへのレプリケーションに必要な CPU 要件 + パッシブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 上式の各 CPU 要件は、以下の手順で算出します。  アクティブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 アクティブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件は以下の式で算出し ます。 アクティブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 = アクティブ メールボックス数 × アクティブ メールボックスあたりに必要な CPU 要件 アクティブ メールボックスあたりに必要な CPU 要件は、プロファイルに応 じて、以下の表から求めることができます。 プロファイル (平均メール送受信数) CPU 要件 (メガサイクル、アクティブ メールボックスあたり) 50 1 100 2 150 3 200 4 250 5 300 6 350 7 400 8 450 9

(39)

500 10  パッシブ DB コピーへのレプリケーションに必要な CPU 要件 DAG を構成する場合、1 つのアクティブ DB コピーに対していくつのパッシ ブ DB コピーを配置するかは、高可用性を考慮する場合に重要な要素ですが、 サイジングにおいても重要な要素となります。 パッシブ DB コピーの数を増やすたびに、アクティブ DB コピーをホストし ているサーバーで行う作業が増えます。追加作業は、主にログ レプリケーショ ンとコンテンツのインデックス処理です。この追加作業に必要な CPU 要件は、 アクティブ DB コピーをホストするために必要な CPU 要件の 10% です。 この追加要件はパッシブ DB コピーごとに必要なため、追加の CPU 要件は 以下の式で算出します。 パッシブ DB コピーへのレプリケーションに必要な CPU 要件 = アクティブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 × 10% × 他のサーバーへ作成するパッシブ DB コピー数  パッシブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 プロファイルから、パッシブ メールボックスあたりに必要な CPU 要件が求 まります。この値を用いてパッシブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件を算出できます。必要な CPU 要件は以下の式で算出します。 パッシブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 = パッシブ メールボックス数 × パッシブ メールボックスあたりに必要な CPU 要件 パッシブ メールボックスあたりに必要な CPU 要件は、プロファイルに応じ て、以下の表で求めることができます。 プロファイル (平均メール送受信数) CPU 要件 ( メ ガ サ イ ク ル 、 パ ッ シ ブ メールボックスあたり) 50 0.15 100 0.30 150 0.45 200 0.60 250 0.75 300 0.90 350 1.05 400 1.20

(40)

450 1.35 500 1.50

3.1.2.3

CPU の選定

算出した CPU 要件から、以下の式を満たす CPU を選定します。 プロセッサ コア数 × クロック数 (MHz) × CPU の数 × CPU 使用率 > 算出した CPU 要件 DAG を構成しない場合、CPU 使用率は 70% までに抑えることを推奨します。 DAG を構成する場合、CPU 使用率は 80% までに抑えることを推奨します。 また、MBX サーバー ロール には、以下に示す CPU の最小要件と推奨最大要件 があります。MBX サーバー ロールに搭載する CPU は、少なくとも最小要件を 満たす構成で決定してください。 Exchange サ ー バ ー ロール CPU の最小要件 (プロセッサ コア数) CPU の推奨最大要件 (プロセッサ コア数) MBX サーバー 2 プロセッサ コア 12 プロセッサ コア

(41)

3.1.2.4

CPU のサイジング例

ここでは以下のようなシステム構成を想定し MBX サーバー ロールの CPU サ イジング例を示します。 【システム要件】 要件 値 ユーザー メールボックス数 12,000 個 プロファイル 平均メール送受信数 150 通 平均メールサイズ 75 KB 1 アクティブ DB あたりのユー ザー メールボックス数 1,000 個 可用性レベル 2 サーバー同時障害まで対応可能 DB1 MBX4 MBX1 MBX2 MBX3 アクティブDB コピー パッシブDB コピー 【システム構成図】 DB2 DB3 DB7 DB8 DB9 DB10 DB11 DB12 DB10 DB11 DB12 DB4 DB5 DB6 DB4 DB5 DB6 DB7 DB8 DB9 DB4 DB5 DB6 DB1 DB2 DB3 DB10 DB11 DB12 DB7 DB8 DB9 DB1 DB2 DB3

(42)

1 MBX サーバーでホストするア クティブ メールボックス数 (縮退運用時) 6,000 個 サイジングは、縮退運用時の負荷を考慮して行います。本構成の要件では 2 サー バー同時障害まで対応可能と定義しますので、障害発生時は下記の構成図のように 6,000 個のメールボックスをホストすることになります。 DB1 MBX4 MBX1 MBX2 MBX3 【システム構成図 (縮退運用時)】 DB2 DB3 DB10 DB11 DB12 DB4 DB5 DB6 DB7 DB8 DB9 DB4 DB5 DB6 DB1 DB2 DB3 DB10 DB11 DB12 DB7 DB8 DB9 DB1 DB2 DB3 DB4 DB5 DB6 DB10 DB11 DB12 DB7 DB8 DB9 アクティブDB コピー パッシブDB コピー

(43)

次のようにサイジングします。 1. CPU のサイジングに必要な要素の確認 要件 値 根拠 1 つ の ア ク テ ィ ブ DB コピーに対して 作 成 す る パ ッ シ ブ DB コピー数 2 個 2 サーバー同時障害に備え、3 つの DB コピーが必要なため 1 MBX サーバーでホ ス ト す る パ ッ シ ブ メールボックス数 (縮退運用時) 3,000 個 1 つのアクティブ DB コピーあた り 2 個のパッシブ DB コピーを配 置するため、通常運用時の 1 サー バーあたりのユーザー メールボック ス数は、3,000 個 (アクティブ DB コピー) + 6,000 個 (パッシブ DB コピー) で 9,000 個。 1 サーバーあたり 9,000 個のうち 縮退運用時のアクティブ メールボッ クス数が 6,000 個のため、縮退運用 時のパッシブ メールボックス数は 3,000 個。 2. CPU 要件の算出例 ① アクティブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件の算出 プロファイルから、アクティブ メールボックスあたりに必要な CPU 要件 は 3 メガサイクルです。 プロファイル (平均メール送受信数) CPU 要件 ( メガサイクル、アク ティブ メールボックスあたり) 150 3 システム要件から、縮退運用時のアクティブ メールボックス数は 6,000 個であるため、必要な CPU 要件は以下のように算出します。 アクティブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 = 6,000 個 × 3 メガサイクル = 18,000 メガサイクル

(44)

② パッシブ DB コピーへのレプリケーションに必要な CPU 要件の算出 必要な CPU 要件は以下のように算出します。 パッシブ DB コピーへのレプリケーションに必要な CPU 要件 = 18,000 メガサイクル × 0.1 (10%) × 2 パッシブ DB コピー = 3,600 メガサイクル ③ パッシブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件の算出 プロファイルから、パッシブ メールボックスあたりに必要な CPU 要件は 0.45 メガサイクルです。 プロファイル (平均メール送受信数) CPU 要件 ( メ ガ サ イ ク ル 、 パ ッ シ ブ メールボックスあたり) 150 0.45 必要な CPU 要件は以下のように算出します。 パッシブ メールボックスのホストに必要な CPU 要件 = 3,000 個 × 0.45 メガサイクル = 1,350 メガサイクル ④ MBX サーバー ロールの CPU 要件の算出 手順①~③の結果を合計し、MBX サーバー ロールの CPU 要件は以下の ように算出します。 MBX サーバー ロールの CPU 要件 = 18,000 + 3,600 + 1,350 = 22,950 メガサイクル 3. CPU の選定 縮退運用時に CPU 使用率が 80% を超えないようにするには、サーバーに搭 載する CPU は以下の式を満たす必要があります。 プロセッサ コア数 × クロック数 × CPU の数 × 0.8 [80%] > 22,950 メガサイクル MBX サーバー ロールに搭載する CPU は、少なくとも以下に示す最小要件を 満たす構成で決定してください。 Exchange サ ー バ ー ロール CPU の最小要件 (プロセッサ コア数) CPU の推奨最大要件 (プロセッサ コア数)

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