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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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(1)

ふ り が な

氏 名

ほそやま ゆきこ

細山 有規子

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 795 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 10 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effects of gallotannin on osteoclastogenesis and the p38 MAP kinase pathway

(破骨細胞形成と p38 MAP kinase 経路に対する Gallotannin の影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Orthodontic Waves 第 75 巻 第 4 号 平成 28 年 12 月 9 日

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 池尾 隆 教授 副 査 田村 功 教授

論文内容要旨

破骨細胞は造血系の多核巨細胞で、矯正歯科治療時における歯の移動の際、圧迫側歯槽骨で骨吸収 を起こす役割を担っている。近年、植物由来の低分子化合物が骨芽細胞や破骨細胞の生理機能に影響 を及ぼすことが報告されている。Gallotannin は加水分解性のタンニンで、抗酸化作用、抗炎症作用を 示すことが知られているが、骨代謝に対する影響は不明である。そこで本研究では、破骨細胞分化に 及ぼす Gallotannin の影響を生化学的・免疫学的手法を用いて検討を行った。

破骨細胞分化に及ぼす Gallotannin の影響について、マウス骨髄細胞と活性型ビタミン D

3

を用いた 実験系と、マウス骨髄細胞由来マクロファージ(BMM)と RANKL、M-CSF を用いた実験系により評価し た。Gallotannin による BMM の増殖および細胞死に及ぼす影響について BrdU の取り込みと Annexin V の 結合により評価した。破骨細胞分化に必須のサイトカインとその受容体である RANKL および RANK の細 胞表面での発現については、フローサイトメーターを用いて解析した。転写因子の発現と細胞内シグ ナル伝達分子の活性化はウエスタンブロット法を用いて解析した。

骨髄細胞および BMM を用いた破骨細胞分化実験において、Gallotannin は濃度依存的に破骨細胞分化

を抑制した。また、Gallotannin は破骨細胞分化に必要である転写因子 NFATc1 と c-fos の発現を濃度

依存的に抑制した。一方、Gallotannin は活性型ビタミン D

3

により誘導された骨芽細胞上の RANKL の

発現には影響を及ぼさなかった。さらに、Gallotannin は BMM の細胞増殖および細胞死に影響を及ぼさ

なかった。次に、RANKL/RANK の下流で働く細胞内シグナル伝達分子の活性化を複数検討したところ、

(2)

Gallotannin は p38 MAPK の活性化を特異的に抑制することが明らかとなった。

以上の結果より、Gallotannin は

in vitro

で破骨細胞分化を抑制することが明らかとなった。これ は Gallotannin が、破骨細胞分化に必須の転写因子である NFATc1、c-fos の発現を抑制するという結 果や、RANKL 刺激の下流で働く p38MAPK 経路を阻害するという結果とも一致する。Gallotannin は破骨 細胞分化を抑制することから、骨吸収を負に制御する可能性が示唆された。

論文審査結果要旨

本研究は植物由来の低分子化合物である Gallotannin が破骨細胞形成に及ぼす影響を検討したもの である。

本研究での破骨細胞分化の評価は、破骨細胞分化因子である RANKL 刺激によるマウス骨髄由来マク ロファージの破骨細胞分化実験系(

in vitro

) 、および、活性型ビタミン D

3

刺激によるマウス骨髄細胞 の破骨細胞分化実験系(

ex vivo

)が用いられている。いずれの実験系においても Gallotannin の添加 により破骨細胞分化が抑制されることが示されている。

これに続く実験では、Gallotannin の破骨細胞前駆細胞に対する毒性が検討されている。細胞毒性は 破骨細胞前駆細胞の増殖と細胞死によって評価されており、上で示された破骨細胞の分化抑制が生じ る濃度では、Gallotannin による細胞毒性が生じないことが示されている。以上の結果は、Gallotannin は破骨細胞前駆細胞への毒性とは別のメカニズムにより破骨細胞分化を抑制することを示すものであ る。

続く実験では Gallotannin による破骨細胞分化抑制のメカニズムが検討されている。ここでは破骨 細胞分化に必須である転写因子発現誘導と、それに至る細胞内シグナル伝達が生化学的に解析されて いる。Gallotannin は破骨細胞分化に必須な転写因子 NFATc1 と c-fos の発現を濃度依存的に抑制する ことが示されている。また、RANKL により活性化される細胞内シグナル伝達分子である p38 MAPK の活 性化が抑制されることが示されている。

以上の結果より、Gallotannin は RANKL 刺激の下流で働く p38 MAPK 経路を阻害することで、破骨細 胞分化に必要な転写因子である NFATc1、c-fos の発現を抑制し、破骨細胞分化を抑制することが示さ れている。

以上、植物由来低分子 Gallotannin が破骨細胞分化を抑制するという知見と、そのメカニズムを解

明した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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