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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

おおもり ゆうこ

大森 裕子

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 743 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 27 年 3 月 6 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Fabrication of dispersible calcium phosphate nanocrystals via a modified Pechini method under non-stoichiometric conditions

(改良 Pechini 法による分散性リン酸カルシウムナノ粒子の開 発)

学 位 論 文 掲 載 誌 Materials Science and Engineering: C Materials for Biological Applications 第 42 巻 第 1 号

平成 26 年 9 月

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 池尾 隆 教授 副 査 今井 弘一 教授

論文内容要旨

最近の矯正歯科治療において成人の歯周疾患の問題が指摘されている。特に歯槽骨の局所的欠損が 見られる場合、歯の移動範囲の制限や治療後の歯肉退縮などが矯正治療上問題となる。近年になって、

組織誘導再生(GTR)法を適用することで、損傷・喪失した歯周組織を再生することが可能となって きた。GTR 法に用いられる細胞遮断膜として吸収性を示す乳酸系高分子等が使用されているが、組織 との結合性が低い問題が指摘されている。そこで本研究では、組織結合性に優れるハイドロキシアパ タイト(Ca10(PO4)6(OH)2)結晶からなるナノ粒子の合成について検討を行った。一般的に、高温加熱 処理を経て作製される結晶は、高温での焼結・融着が避けられないため分散性のナノ粒子としては得 られない。本研究で検討した手法は、均一系から固相反応をスタートさせる

Pechini

法を改良したもの であり、ハイドロキシアパタイトナノ粒子が酸化カルシウム(CaO)マトリクス中に分散した状態で合 成した後、酸化カルシウムマトリクスを除去することでナノ粒子を得るものである。

まず、Ca 塩、PO4 塩、ポリアクリル酸、アンモニアを水中に溶解した。この際、Ca/P 比をアパタイト の化学量論組成である

1.67

から種々変化させた。同水溶液を加熱することで水媒体を除去し、所定の 温度で焼成後、pH が中性になるまで遠心洗浄した。ついで、走査型電子顕微鏡により粒子形態を観察 し、レーザー回折法により水分散状態での粒子径を測定し、また、X 線回折法(XRD)により結晶構 造を評価した。

各試薬を均一に溶解後、加熱して水媒体を除去した結果、添加したポリアクリル酸の効果によって、

(2)

均一・透明な樹脂(ポリマー/イオンコンプレックス)が得られた。同樹脂を焼成した結果、白色の粉 末が得られ、

XRD

測定からアパタイトと

CaO

の混合物であることを確認した。同混合物を遠心洗浄す ることで、CaO は完全に除去できた。仕込み

Ca/P = 1.67

の場合、得られたアパタイトはナノサイズの 結晶が融着した数百 µm オーダーの粒子であったが、Ca/P 比の上昇に伴って水分散状態での粒子径は 減少し、最終的には結晶サイズと分散粒子サイズがほぼ一致した。

以上のように、ハイドロキシアパタイト結晶からなる分散性の高いナノ粒子の開発に成功した。組織 結合性に優れるナノ粒子を細胞遮断膜に複合化あるいはコーティングすることで、GTR 法による歯周 組織再生能の向上が示唆された。

論文審査結果要旨

組織結合性に優れるハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)結晶からなるナノ粒子の合成につ いて検討したものである。各試薬を均一に溶解後、加熱して水媒体を除去した結果、添加したポリア クリル酸の効果によって、均一・透明な樹脂(ポリマー/イオンコンプレックス)が得られた。同樹脂 を焼成した結果、白色の粉末が得られ、XRD 測定からアパタイトと

CaO

の混合物であることを確認し た。同混合物を遠心洗浄することで、CaO は完全に除去できた。仕込み

Ca/P = 1.67

の場合、得られた アパタイトはナノサイズの結晶が融着した数百 µm オーダーの粒子であったが、Ca/P 比の上昇に伴っ て水分散状態での粒子径は減少し、最終的には結晶サイズと分散粒子サイズがほぼ一致した。以上の ように、ハイドロキシアパタイト結晶からなる分散性の高いナノ粒子の開発に成功した点において、

本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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