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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

いわき ふとし

岩城 太

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1606 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 22 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 Nicorandil inhibits osteoclast differentiation in vitro

(破骨細胞分化過程におけるニコランジルの抑制効果)

学 位 論 文 掲 載 誌 European Journal of Pharmacology 第 793 巻 平成 28 年 12 月

論 文 調 査 委 員 主 査 大浦 清 教授 副 査 西川 泰央 教授 副 査 今井 弘一 教授

論文内容要旨

ニコランジルは、nitric oxide (NO)作用と

ATP

感受性

K

チャネル(K

ATP

チャネル)の開口作用を有す るハイブリッド型の狭心症治療薬である。破骨細胞の分化や活性化には、

NO

や細胞内カルシウムの一 過性上昇が深く関わっていることが明らかにされている。本研究は、ニコランジルの薬理作用が、

in

vitro

において破骨細胞分化過程における抑制効果を得られるか否かを検証する目的で行った。

Emori

らの方法に従い、造血幹細胞は

5-8

週齢の

ddY

マウスから採取した。10% fetal bovine

serum(FBS)、1% GultaMAX、Penicillin-Streptomycin Mixed Solution

を含む

pH7.0

のα-minimal

essential medium(α-MEM)培地に懸濁し、5×104

個ずつ

96

穴プラスチック培養プレートに播種した。

すべての培地中に

human macrophage colony-stimulating factor (M-CSF) 25ng/mL

、soluble

receptor activator of NF-κB ligand (sRANKL) 100ng/mL

になるように添加した後、実験群にはニコ ランジルを濃度別に

1~ 100µM

を添加し、非添加の対照群とに分け

37℃ 5%CO2, 95% air

気相下にて

6

日間培養した。培地は

3

日間に一度交換した。ニコランジルの作用点の確認のため、25µM ニコラ ンジルを前期(0~3 日)に加えた群、後期(4~6 日)に加えた群で破骨細胞数を比較した。培地中の

NO

濃度は

Griess

法にて計測した。培養終了後、ローダミンファロイジン染色および

TRAP

染色にて破骨

細胞数を計測した。骨吸収窩アッセイでは、von Kossa 染色にて骨吸収面積を比較した。ニコランジ ルによる破骨細胞抑制の薬理作用を検証するために、破骨細胞形成過程において可溶性グアニリルシ クラーゼ阻害剤(ODQ)と

KATP

チャネル開口作用阻害剤(グリベンクラミド)添加による阻害回復実 験を行った。

Griess

法においてニコランジル添加により培養液中の

NO

濃度は時間依存的に増加していた。その

作用は破骨細胞が、単核から多核の成熟総破骨細胞になる分化後期で顕著であった。形成数の指標と

なる

TRAP

陽性多核細胞数と活性型破骨細胞の指標となる F アクチンリングを有する細胞数は、とも

(2)

にニコランジル濃度に依存して減少した。骨吸収窩アッセイでは骨吸収面積がニコランジルの濃度依 存的に減少することを観察した。阻害回復実験では、

ODQ

添加群、グリベンクラミド添加群ともに破 骨細胞数は増加し、さらに両剤の添加によりニコランジルによる破骨細胞形成抑制作用が消失するこ とを確認した。

本実験結果から、

NO

作用および

KATP

チャネル開口作用は、ともに破骨細胞分化を抑制することが わかり、ニコランジルが骨粗鬆症治療薬につながる可能性が示唆された。

論文審査結果要旨

ニコランジルは、

nitric oxide (NO)

作用と

ATP

感受性

K

チャネル

(KATP

チャネル

)

の開口作用を有す るハイブリッド型の狭心症治療薬である。ニコランジルの薬理作用が、

in vitro

において破骨細胞分化 過程における抑制効果を得られるか否かを検証する目的で行った。

実験には、マウスから採取した造血幹細胞を用いて、破骨細胞数、NO 濃度、骨吸収面積を比較検討 した。また、ニコランジルによる破骨細胞抑制の薬理作用を検証するために、可溶性グアニリルシク ラーゼ阻害剤(ODQ)と

KATP

チャネル開口作用阻害剤(グリベンクラミド)添加による阻害回復実験 を行った。

その結果、ニコランジル添加により培養液中の

NO

濃度は時間依存的に増加していた。その作用は 破骨細胞が、単核から多核の成熟総破骨細胞になる分化後期で顕著であった。また、F アクチンリン グを有する細胞数は、ともにニコランジル濃度に依存して減少した。骨吸収窩アッセイでは骨吸収面 積がニコランジルの濃度依存的に減少することを観察した。阻害回復実験では、ODQ 添加群、グリベ ンクラミド添加群ともに破骨細胞数は増加し、さらに両剤の添加によりニコランジルによる破骨細胞 形成抑制作用が消失することを確認した。

以上、NO 作用および

KATP

チャネル開口作用は、ともに破骨細胞分化を抑制することが判明し、ニ コランジルが骨粗鬆症治療薬につながる可能性を示した点において、本論文は博士(歯学)の学位を 授与するに値すると判定した。

なお、外国語1か国語(英語)について試問を行った結果、合格と認定した。

参照

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