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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名 足立

あ だ ち

哲也

て つ や

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1609 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 3 月 29 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 Inhibitory mechanisms of NK92 cell cytotoxicity by IL-17 stimulation

(IL-17 による NK92 細胞の細胞傷害能抑制機構について)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 51 巻 第 2 号 平成 29 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 西川 泰央 教授 副 査 大浦 清 教授 副 査 池尾 隆 教授

論文内容要旨

慢性歯周炎などの炎症歯周組織には,リンパ球をはじめとする免疫担当細胞の浸潤が認められるこ とにより,局所的免疫反応が歯周疾患の発症と進展の要因の一つであると考えられる.IL-17 は主に活 性化ヘルパーT 細胞から産生され,種々の細胞に作用して炎症性サイトカインなどを誘導して各種炎症 病態を誘発することが知られている.以前,IL-17 刺激が NK92 細胞の細胞傷害能を抑制している可能 性について報告した.今回は,細胞傷害能を抑制する細胞内シグナル伝達機構について検討した.

NK92 細胞を抗 IL-17RA 抗体にて標識後,細胞表面における IL-17RA の発現を Fluorescence-activated cell sorting (FACS)にて解析した.その結果,NK92 細胞は IL-17RA を強く発現していることを確認し た.NK92 細胞の標的細胞に対する細胞傷害能を検討した.標的細胞として用いる K562 細胞を calcein AM で標識し,NK92:K562 の混合比を 20:1(2.0×10

5

:1.0×10

4

)とし IL-17( 10, 20 ng/mL)を入れ丸底 96 穴プレートに播種した.4 時間共培養した後,傷害を受けた細胞から放出された calcein AM を含む培 養上清 100μL を採取し,蛍光発色をマイクロプレートリーダーにて測定した.その結果,NK92 細胞の 細胞傷害能が IL-17 により抑制されることを確認した.NK92 細胞に IL-17 刺激( 10, 20 ng/mL)を加え,

ウエスタンブロッティングにより mitogen-activated protein kinase (MAPK) サブファミリー (c-Jun N-terminal kinase (JNK), extracellular signal-related kinase (ERK) and p38)と Glycogen synthase kinase 3-β (GSK3-β)のリン酸化について検討した.NK92 細胞を IL-17 にて刺激した後,lysing buffer にて可溶化し,可溶化タンパクを SDS/PAGE で分離後,PVDF 膜上に転写した.各種リン酸化抗 体にてタンパクが転写した PVDF 膜を処理し,ECL システムと ChemiDoc を用いてリン酸化バンドを検出 した.その結果,IL-17 刺激により JNK のリン酸化の増強は認められなかった.同様に ERK についても IL-17 刺激による ERK のリン酸化は認められなかった.p38 は無刺激状態でもリン酸化が認められたが,

IL-17 刺激によりこの p38 のリン酸化は抑制された.GSK3-βは IL-17 刺激によりリン酸化のわずかな

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増強を確認した.以上の結果より,IL-17 は NK92 細胞の細胞傷害能を抑制し,その細胞内シグナル伝 達に p38 と GSK3-βが関与している可能性が示唆された.

論文審査結果要旨

慢性歯周炎などの炎症歯周組織には,リンパ球をはじめとする免疫担当細胞の浸潤が認められるこ とにより,局所的免疫反応が歯周疾患の発症と進展の要因の一つであると考えられる.IL-17 は主に活 性化ヘルパーT 細胞から産生され,種々の細胞に作用して炎症性サイトカインなどを誘導して各種炎症 病態を誘発することが知られている.著者は、IL-17 刺激が NK92 細胞の細胞傷害能を抑制する細胞内 シグナル伝達機構について調べている.

NK92 細胞は IL-17 レセプターの 1 つ IL-17RA を強く発現していることをフローサイトメトリーにて 確認した.また,NK92 細胞の標的細胞に対する細胞傷害能を検討した結果,NK92 細胞の細胞傷害能が IL-17 により抑制されることを明らかにした.

NK92 細胞に IL-17 刺激( 10, 20 ng/mL)を加え,ウエスタンブロット法にて MAPK サブファミリー ( JNK,ERK,p38)と GSK3-βのリン酸化タンパクの検出を試みた.それにより,以下 1)から 4)の結果を 明らかにした.

1) JNK は無刺激状態でもわずかにリン酸化が認められたが,IL-17 刺激によるリン酸化の増強は認め られなかったこと.

2) ERK の IL-17 刺激によるリン酸化は認められなかったこと.

3) p38 は無刺激状態でもリン酸化が認められたが,IL-17 刺激によりこの p38 のリン酸化は抑制され たこと.

4) GSK3-βは IL-17 刺激によりリン酸化がわずかに増強すること.

以上のことから,IL-17 はNK92細胞の細胞傷害能を抑制し,その細胞内シグナル伝達にp38とGSK3-β が関与している可能性を見出した点で,本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した.

なお,外国語 1 か国(英語)について試問を行った結果,合格と認定した.

参照

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