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マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」 研 究 の理 論 と方 法

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(1)

マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る

「 解 釈 」 研 究 の理 論 と方 法

武 井 寿

1.序

近 年 さ ま ざ まな学 問領 域 に おい て パ ラ ダ イ ム ・シ フ トが認 め られ,自 然 科

学 を模靴 した蜥 的方法に対する反省 と鰍 学的方塑 再評価の動 きが進

ん で き た 。 マ ー ケ テ ィ ン グ研 究 に お い て も,既 述 の よ う に,1980年 代 よ り消 費 者 行 動 の 分 野 に お い て か か る傾 向 に基 づ く研 究 成 果 が 数 多 く著 さ れ て お り,

エ モ ー シ ョ ン,価 値,あ る い は 意 味 と い っ た 消 費 者 行 動 の 主 観(内 面)的 側

面へ の学 問的関心 を喚起 し・ マー ケテ ィング現 象 を研 究者 噸 識 との薩 に

お い て 構 成 主 義 的 に 把 握 す る傾 向 が 強 くな っ た 。 既 述 の ご と く,「 説 明 」よ り

1}拙 著 『現 代 マ ー ケ テ ィ ング ・コ ミュニ ケー シ ョ ン』 白桃 書 房,昭 和63年;拙 稿 「マ ー ケ テ ィ ング に お け る 「消 費 者研 究 」 の新 潮 流 」 大 分 大学 経 済論 集,第 40巻 第3号,1988年9月;拙 稿 「マ ー ケ テ ィ ン グ研 究 にお け る知 識 生 成 の 方 法 一 一 解 釈 主義 の 台頭 一 一」 大 分 大 学 経 済 論 集a第40巻 第6号,1989年2月;拙

稿 「マ ー一ケ テ ィ ング研 究 へ の解 釈 学 的 ア ブmチ 」日経 広 告研 究 所 報129号,1990 年2月,74‑81頁;拙 稿 「マ ー ケ テ ィ ン グ にお け る 「理 解 」 研 究 の 方法 論 的 考 察 」神 奈 川 大学 国 際 経 営 論 集,第1号,1990年3月 。

2)拙 稿 「マ ー ケ テ ィ ン グ にお け る 「理 解 」 研 究 の方 法 論 的 考 察 」 神 奈 川 大 学 国 際 経 営 論 集,第1号,1990年3月 。

41

(2)

は 「理 解 」 を志 向 し た 学 問 的 立 場 は,古 典 ギ リシ ア に さか の ぼ る解 釈 学 や 神 学 の 影 響 の も と に 発 達 し,解 釈 の 理 論 的 体 系 化 に お い て はSchleiermacher やDiltheyを 忘 れ る こ とが で き な い 。 解 釈 学 的 方 法 に よ る 「理 解 」 はDilthey の 指 摘 し た"Verstehen"(解 釈 的 理 解)を 基 礎 と し て考 え る こ とが で き る

。 解 釈 の た め の 個 性 記 述 的 知 識 の 生 成 に あ た っ て は現 象 の 詳 細 な 記 述 が 不 可 欠 で

あ っ て,社 会 現 象 の な か で は こ れ を ケ ー ス ・ス タ デ ィ ・ リサ ー チ に よ

っ て 実 現 す る こ とが で き る 。

実 証 挙 の 影 響 力 の 低 下 に 伴 っ て 相 対 犠(relativism)が 注 目 を集 め ,D.

Bellの 所 説 を踏 ま え,さ ら に は科 学 哲 学 者 の 意 見 を巻 き こ ん で

,消 費 者 行 動 研

4)に お け る 棚 蟻 の 論 がP・F・Anders・nら を 中 心 と し て な さ れ て き た 。 ま た ・B.J.Calder=A .M.Tyboutに よ っ て 消 費 者 研 究 の 知 識 生 成 の 方 法 に つ い て 纐 型 が 提 起 翫M .B.H。lbr。 。k‑J.。 ・Shaughnessyに

っ て消m行 動 へ の解 釈 学 的 ア ブ 匹 チ の 意義 が 指擶 れ6)f'

.そ して,R.w.

3)DanielBell,"NewDirectionsinModernThought

,"PartisanRevzew,Vol.

51,1984,pp.215‑‑219 .

4)PaulF.Anderson ,"OnMethodinConsumerResearchACritical RelativistPerspective ・"加nalofC・nsumerRese礁September1986

,PP.

155‑173;HarveySiegel ,"RelativismforConsumerResearch?(Commentson Anders・n),"加nalofC・nsumerRese融June1988

,PP.129‑132;P.F.

Anders・n,"Relativet・Wha卜ThatistheQuesti・n:AR

eplyt。Siegel,・

JournalofConsumerResearch,June1988 ,pp.133‑137P.F.Anderson,

"Relativi

smRqvidivus=lnDefense・fCriticalRelativism

,・ 加 忽 げ

ConsumerResearch ,December1988,pp.403‑406.

5)BobbyJ.CalderandAliceM .Tybout,"WhatConsumerResearchls

・・・…"JournalofConsu

merResearch ,June1987,pp.136‑140.

6)MornsB.HolbrookandJohnO'Shaughnessy

,"OntheScientificStatusof ConsumerResearchandtheNeedforanlnterpretiveApproachtoSt

udying

C・nsumpti・nBehavi・r ,"加nalofConsumerResearch,December1988 ,PP.

398‑402.

(3)

Belkら を 中 心 と し て こ う し た 方 法 に よ る 実 験 が 開 始 さ れ 報 告 が ま と め ら れ て い7)。

解 釈 的 理 解 は研 究 者 が 現 象 を あ り の ま ま の 姿 で 把 握 す る こ と を 目 的 と し て お り,現 実 の 再 構 成(realityreconstruction)を 試 み る た め の 方 法 と考 え る こ

とが で き る 。社 会 学 の 定 性 法(qualitativemethod)は こ の た め の 理 論 と方 法 を

  ラ

探 究 し て お り,本 稿 で はH.Schwartz‑=J・Jacobsに 基 づ き 当 該 問 題 に つ い て 考 察 し た い 。

今 世 紀 に お け る 解 釈 主 義 の 理 論 的 基 盤 の ひ と つ はG・H・Mead,H・Blume「

ら を 中 心 と し た 象 徴 的 相 互 作 用 論(symbolicinteractionism)に あ る 。Blumer

9)

に よれ ば 当該 理 論 の前 提 はつ ぎの三 点 に要 約 で きる。(1)人 間 は意 味 に基 づ い て行 為 す る,② 意 味 は社 会 的 相 互 作 用 過 程 にお い て生 じ る,(3)意 味 は人 間 に

よっ て解 釈 され る。本 稿 で はJ.M.Charonの 研 究 に依 拠 す る こ とに よっ て 当 該 理 論 の 内容 と消費 者 行 動研 究 へ の応 用可 能 性 を探 究 した い と考 え る。 また,

日常 の理 論 を対 象 とした ア メ リカ社 会 学 の伝 統 の な か でNK.Denzinは 解

釈 的 相 互 作 用 論(interpretiveinteracts・nism)を 提 唱 し ・ 言轄 を 基 礎 と し た 人 間 の 体 験(experience)を 探 究 す る 方 法 を 明 ら か に し た 。

7)RussellW.Belk,J・hnF.Sherry,Jr。andMelanieWallend・rf・"A NaturalisticlnquiryintoBuyerandSellerBehaviorataSwapMeet,"

加 癩 げC・resumerRes召 α肱March1988・PP・449‑470;RW・Belk,M・

Wallendorf,andJ.F.Sherry,Jr.,"TheSacredandtheProfaneinConsumer

Behavi。r:The。dicy。ntheOdyssey,"加 忽(ゾC・resumerResearch,June X959,pp.1‑38.

)8

HowardSchwartzandJerryJacobs,QualitativeSociology,TheFree

Press,1979.

9)見 田 宗 介 ・ 栗 原 彬 ・ 田 中 義 久(編)『 社 会 学 事 典 』 弘 文 堂,昭 和63年 。

10)JoelM.Charon,Symboliclnteractiorcism,Prentice‑Hall,lnc.,1989.

ll}NormanK.Denzin,lnterpretivelnteraetionism,SagePublications,lnc., 1989.

マ̲ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」 研 究 の 理 論 と 方 法43

(4)

本稿 は,近 年 に お け るサ イ エ ンス の 方 法論 の変 化 を踏 まえ

,消 費 者 行動 を 中心 と したマ ー ケ テ ィ ング研 究 に お け る相 対 主義 と解 釈 主 義 の動 向 を明 らか に しつ つ,解 釈 的理 解 に よ っ て現 象 を行 為 者 の立 場 に即 して再 構 成 し

,真 に釦

るた め に は いか な る理論 と方 法 が必 要 で あ るか を考 察 す る こ とを 目的 とす る

2.解 釈 主 義 の 動 向

(1)批 判 的 相対 主 義

現 代 科 学 思 想 にお け る分 析 か ら解 釈 へ の焦 点 の移 行 をい ち はや く指 摘 した

1)

の はD・Be11で あ っ た 。 彼 に よ れ ば,分 析 哲 学(analyticalphilosophy)の 優越 性 の 崩 壊 に と もな い,科 学 哲 学 の新 し い 潮 流 が 形 成 され て きた

。 そ れ は,説 明(explanation)に よ る論 理 的 規 範 の 研 究 や 反 証 な ど の な か で

,観 察 が 理 論 と は無 関 係 で は あ り え ずsむ し ろ理 論 の 影 響 を う け て 行 わ れ る との 批 判 に基 づ い て い る 。 ま た,科 学 研 究 の な か で 議 論 さ れ る こ とが 少 な か

っ た 道 徳 的 言 説 (m・raldisc・urse)に 光 を あ て る 動 き も認 め ら れ る.そ の 結 果,個 人 の 選 好 と,

そ の 測 定 や 最 適 性 を 柱 と した 功 利 主 義(utilitarianism)に 対 し て疑 問 が 投 げ か け られ,新 古 典 派 経 済 学 へ の 批 判 も聞 か れ る

Bellに よれ ばsこ う した 新 しい 潮 流 を 表 現 す る もの が 鞠 へ の転 換 で あ る。 解 釈 は人 間 の 知 的 活 動 の 最 も古 い 形 式 の ひ とつ で あ り

,宗 教 思 想 に お い て は釈 義(exegesis)の 名 で 呼 ば れ た。 そ れ は神 話,比 喩,あ る い は聖 典 の な か の 意 味 を 明 らか に す る行 為 で あ る・ 近 代 に お い て は解 釈 学(hermeneutics)が

発達 し溜 釈 の学問的基礎 が築 かれ鍵。解釈への転換 は蟻 には薙 蟻

1)Bellの 所 説 に つ い て の 説 明 は つ ぎ の も の に よ る

D.Bell,"NewDirectionsinModernThought

,"PartisanReview,Vol.51, 1984,pp.215‑219 .

2)拙 稿 「マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る 解 」 研 究 の 方 法 論 的 考 察 」 神 奈 川 大 学 国

際 経 営 論 集,第1号,1990年3月

(5)

(P・sitivism)か らの脱 却 ・ さ らに は法 則,規 則 性 ,も しGよ 因 果 関 係 か らの転 換 を示 唆 して い る・ 人 類 学 で は解 釈 は文 イヒの構 造 を解 明 す る ため の 象 徴 レベ ル で の議 論 に関連 してお り,社 会 学 で は行 為 の道 徳 的 意 味 や 機 能 主 義 者 に対 す る批判 と関 連 して い る。 この よ うに,解 釈 主 義 の 台頭 に よ って,社 会 科 学 は 自然 科 学 をモ デ ル と した様 式 か ら人 文 科 学(humanities)と の結 び つ きを深 め つ つ あ る。

分 析 蟻 に対 す る

.i}判と反 省 の な か カaら・価 値 や 酵 繊 を重 要 と考 え る 方

法 論 が 台 頭 して きた。 マ ー ケ テ ィ ング論 ,と りわ け消 費 者 行 動 研 究 に お い て はP.F.Anders・nを 中 心1こ相 対 蟻 の 謝 が 展 開 さ れ て い 習

。 彼 は 自 己 の 学 問 的 立 場 を 批 判 的 相 対 主 義(criticalrelativism)と 呼 び

,そ の 特 色 を つ ぎ の よ う に 指 摘 した 。(1)単 一 の 「科 学 的 方 法 」 とい っ た もの は存 在 せ ず ・ 知 識 は研 究 者 の信 念 ・ 価 値 ,標 準,方 法,な ら び に 認 識 上 の 目 的 に よ っ て 変 わ るy② 社 会 科 学 に お け る知 識 生 産 は広 範 な 文 化 的 環 境 に 影 響 され る , (3)科学 は社 会 的 な ら び に 歴 史 的 企 て で あ っ て,生 産 され た 知 識 は純 粋 な 「認 識 的 」 も し くは 経 験 的 考 察 ば か りで は な く社 会 的 要 因 に 影 響 さ れ る

。Ander‑

sonに よ れ ば,科 学 が 条 件 適 応 的(contingent)な 研 究 方 法

,独 自 な 歴 史 的 事

実,ま た社会学 的諸 力 に依存 す る との認識 のゆ えに当該所 説 を疵絢的相対主 義 と呼 ぶ こ とが で きる。 実 証 主 義 が知 識 の 正 当 化 の た め の単 一 の科 学 的 方 法 に固執 す るの に対 し,批 判 的相 対 主 義 はす べ て の科 学 的 知 識 に対 して懐 疑 的 立場 を と る。 なぜ な らば,複 数 の科 学 的 目的 と方 法 を容 認 し

,科 学 的 知 識 の 価 値 は その 独 自 の生産 様 式 と正 当化 の 方法 に照 ら して評 価 しな けれ ば な らな

3)た とえばつ ぎの文献 があ る。

じ ねん

大 河 内 了 義 『自 然 の 復 権 』 毎 日 新 聞 社,昭 和60年;西 谷 啓 治 ・八 木 誠 一 『直 接 経 験 一 西 洋 精 神 史 と 宗 教 』 春 秋 社,ユ989年

4)Andersonの 所 説 に つ い て の 説 明 は つ ぎ の も の に よ る

Y.F.Anderson,"QnMethodinConsumerResearch:ACriticalRelati

vist Perspective・"JournalofC・ ηs襯 召γR6s6磁September1986

,PP。155.173.

マ}ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」 研 究 の 理 論 と 方 法45

(6)

い と考 え る た め で あ る。

Andersonは 消 費 者 行 動 研 究 に お け る 実 証 主 義 者 の リサ ー チ ・プ ロ グ ラ ム を つ ぎ の 四 種 類 に分 類 し,そ れ ぞ れ の お も な 特 色 を以 下 の ご と く指 摘 した 。

〈認 知 的(cognitive)プ ロ グ ラム 〉

① 認知 心 理 学,社 会 心 理 学 を基 礎 とす る。

② 仮 説一 演 繹 的推 論 様 式 を用 い る。

③ 行 動 意 図,態 度,信 念,追 従 動 機 を存 在 論 の基 盤 とす る。

④ サー ベ イ調 査 に よ って他 人 の 心 を知 り うる と仮 定 し,行 為 者 は 自己 の認 知 状 態 を把握 で き る とみ なす 。

⑤ 人 間 を信 念,態 度,意 図 を形 成 す る合 理 的情 報 処 理 者 と考 え る(認 知 的 人 間‐cognitiveman)。

⑥ 人 間 は信 念,態 度,意 図,な らび に行 動 の変 容 につ なが る情 報 の探 究 と 評 価 が で き る と仮 定 す る。

〈行 動 主義 的(behaviorist)プ ロ グ ラム〉

① 行 動 主 義 を基 礎 とす る。

② 帰 納 的推 論様 式 を用 い る。

③ オペ ラ ン ト,刺 激 強 化,消 去 を存 在 論 の基 盤 とす る。

④ 他 人 の 心 に接 近 す る こ と はで きな い と仮 定 す る。

⑤ 人 間 を将 来 の 行 動 を決 定 す る環 境 と経 験 に影 響 す る行 動 人(behavioral man)と 考 え る。

⑥ 人 間 の 自 由 と自律 は架 空 の もので あ りs強 化 の発 生 に よ って個 人 は幸 福 を達 成 し,社 会 は問 題 を解 決 す る と仮 定 す る。

〈経 済 学 的(economic)プ ロ グ ラ ム 〉

① ミ ク ロ 経 済 学 を 基 礎 とす る。

(7)

② 仮 説一 演 繹 的 推 論様 式 を用 い る。

③ 効 用,生 産 関 数,全 部 収 入}限 界 効 用 を存 在 論 の基 盤 とす る。

④ 他 人 の心 に接 近 す る こ とはで きな い とみ な す。

⑤ 人 間 を時 間,所 得s情 報,技 術 の制 約 下 に あ り効 用 極 大 化 を はか る経 済 人(economicman)と 仮 定 す る。

⑥ 人 間 は同 じ選 好 関 数 を もち,情 報 へ の接 近 の様 態 が 異 な る とみ なす 。

〈構 造 主 義 的(structuralist)プ ロ グ ラム 〉

① 構 造 機 能 主 義 を基 礎 とす る。

② 仮 説一 演 繹 的 推 論 様 式 を用 い る。

③ 社 会 構 造,社 会 階 層,コ スモ ポ リタ ニ ズ ム,社 会 的移 動,地 位 を存 在 論 の基 盤 とす る。

④ 他 人 の心 に接 近 で きる場 合 も,そ うで な い場 合 もあ る と考 え る。 人 間行 動 は心 理 学 的変 数 に還 元 で きな い社 会 構 造 的 変 数 に影 響 され る と考 え る。

⑤ 人 間 を社 会 構 造 的 要 因 に よ って拘 束 され る社 会 的 人 間(socialman)と 仮 定 す る。

⑥ 大 規 模,複 合 社 会 に お け る統 合 と異質 性 を重 視 す る。

Andersonは 目 的 → 方 法 → 理 論 と い う伝 統 的 リサ ー チ ・プ ロ グ ラ ム の 階 層 構 造 に対 して,L.Laudanの 所 説 に よ りつ ぎ の 要 素 か ら成 る相 対 主 義 の モ デ ル を提 起 し た 。(1)認 識 的 も し くは社 会 的 目 的,② 経 験 的 信 念(理 論)も し く は形 而 上 的 信 念 に よ る事 実,(3)方 法 。 そ し て,研 究 の 目 的 と事 実 は 調 和 す べ

き こ と を 指 摘 し た 。

5)6)

以 上 のAndersonの 所 説 は,L.G.Cooper,科 学 哲 学 者 のH.Siegelら に よ

5}LeeG.Cooper,"DoWeNeedCriticalRelativism?Commentson"On

MethodinConsumerResearch","JournalofConsumerResearch,June1987,

マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」 研 究 の 理 論 と 方 法47

(8)

っ て批 判 され,科 学 研 究 の 目標,真 理,方 法 論 に お け る認 識 論 の あ り方 につ

r)

い て 議 論 を招 い た 。

(2)解 釈 主 義

マ ー ケ テ ィ ン グ,と りわ け 消 費 者 研 究(consumerresearch)1こ お い て 知 識 の 類 型 化 を 試 み,相 対 主 義 や 解 釈 学 的 方 法 に つ い て 説 明 し た研 究 者 の な か にB.

8)

J.Calder=A.M.Tyboutが い る。 彼 ら は 消 費 者 研 究 の 知 識 を つ ぎ の よ う に 分 類 し た 。(1)日 常 的 知 識,② 科 学 的 知 識,(3)解 釈 的 知 識 。

日 常 的 知 識(everydayknowledge)は 社 会 生 活 の な か の 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン や 日常 行 動 を 通 じ て 明 らか と な る 共 有 的 知 識 で あ る

。 科 学 的 知 識 (scientificknowledge)は 理 論 を 論 破 す る こ と を 目 的 と し た 経 験 的 試 み が 存 在 し て い る こ と,な ら び に 新 しい 理 論 が そ れ 以 前 の もの よ り も説 明 能 力 が 高 い こ と を 特 色 とす る 。 理 論 を 否 定 す る よ う な 経 験 的 事 実 を提 起 す る こ と に よ っ て 理 論 は 改 善 さ れ,科 学 的 知 識 は進 歩 す る との 見 方 を 反 証 主 義 的 方 法(fal‑

sificationistmethodology)と 呼 ぶ 。解 釈 的 知 識(interpretiveknowledge)は 特 定 の 理 論 を共 有 す る研 究 者 の概 念 を 消 費 者 行 動 の 現 実 に あ て は め,そ の概 念 や 枠 組 み か ら理 解 を は か る こ と に よ っ て 得 た 知 識 で あ り,批 判 的 相 対 主 義 の 方 法 論 に基 づ く。

pp.126‑127.

6}H.Siegel,"RelativismforConsumerResearch?(CommentsonAnder‑

son),"ノournal()fConsumerli〜esearch,June1988,PP.129‑132.

7}P.F.Anderson,"RelativetoWhatThatistheQuestion:AReplyto

Siege1,"ノournalofConsumerResearch,June1988,PP.133‑137;P.F.Ander‑

son,"RelativismRevidivus:InDefenseofCriticalRelativism,"Journalof Consumer、 配6s6α π1z,December1988,pp.403‑406.

8)Calder=Tyboutの 所 説 に つ い て の 説 明 は つ ぎ の も の に よ る 。

B.J.CalderandA.M.Tybout,"WhatConsumerResearchIs・ ・・…,"

(9)

Calder=Tyboutは,理 論 を経 験 的 事 実 を用 い た反 証 の手 続 き に よ って 改 善 す る こ とで科 学 的知 識 は生 成 され,経 験 科 学 の規 則 に準 拠 す るの で な けれ ば 日常 的知 識 と解 釈 的知 識 は科学 の範 躊 に包 摂 で きな い と考 え た

。 こ う した 説 明 に対 して は批判 的 相 対 主 義 や解 釈 主 義 の立 場 か ら問 題 点 が指 摘 され て い る・P.F.Anders・nは 前 者 の 視 点 力aらっ ぎ の ご と き問 題 点 を 明 らか に し 髪

① 批 判 的 相 対 主 義 は必 ず し も解 釈 学 的 ア プ ロ ー チ と関 連 す る もの で は な い

② 批 判 的 相 対 主 義 は な に よ り も記 述 的 企 て で あ っ て 方 法 論 で は な い

,③ 彼 ら の 知 識 の 分 類 方 法 が 適 切 と は い え な い,④ 批 判 的 相 対 主 義 は 「い か な る もの で も可 と す る」 との 学 問 的 立 場 で は な い。

ま たMBHolbrook=J・0'ShaughnessyはCalder=Tyboutの 「科 学 的 方 法 」 に 対 す る理 解 の 不 足 が 混 乱 を 発 生 さ せ た と して,消 費 者 行 動 研 究 へ の 乱 い 鰍 蟻 的 ア ブ ・ 一 チ の あ り方 を 非旨摘 し1Q)f'.H。1br。 。kら は 消 費 者 研 究 の 学 問 的 位 置 づ け を つ ぎ の よ う に 考 え た 。 米 国 の研 究 者 は学 問 を 自然 科 学 と人 文 科 学 を両 極 と し,社 会 科 学 を そ の 中 間 の ど こか に 置 い た ス ペ ク トラ ム に よ っ て 考 え る傾 向 が あ る が,消 費 者 研 究 は 自 然 科 学 に お け る厳 格 さ と実 証 性 を希 求 す る と同 時 に,人 文 科 学 に お け る理 解(Verstehen)を 志 向 す る特 質 が あ る。 こ う した 「理 解 」の 探 究 に お い て 人 文 科 学(humanities)は 「解 釈 的(inter ‑ pretive)」 と称 さ れ る ア プ ロ ー チ に依 拠 す る 。 解 釈 は単 一 も し くは複 数 の 意 味

を決 定 す る た め の テ キ ス ト(text)の 批 判 的 分 析 と定 義 で き る。 人 文 科 学 で は

意 味 は著 者 の意 図 した内容,歴 史 的状 況 の なか で 読 者 の受 け とった意 味,伝 統, 是 認 され た意 味,批 評 家 な どに よっ て抽 出 され た意 味 を包 摂 す る。また テ キ ス

9)P.F.Anderson,"RelativismRevidivus:lnDefenceofCriticalRelativism

,"

JournalofConsumerResearch,December1988,pp .403‑406.

10)M.B.HolbrookandJ .O'Shaughnessy,"OntheScientificStatusof ConsumerResearchandtheNeedforanlnterpretiveApproachtoStudying

ConsumptionBehavior,"JournalofConsumerResearch ,December1988,pp.

398‑402.

マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」 研 究 の 理 論 と 方 法49

(10)

トは文 学,芸 術 作 品,大 衆 文 化 の作 品,行 為 な ど を含 む。 一 方,社 会 科学 で は テ キ ス トは,通 常,人 間行 動 に関 した デ ー タで あ る。社 会 科 学 は人 間 に よ る社 会 現 象 を対 象 とす るが,消 費 者 研 究 は と りわ けそ う した特 質 が あ る。 人 間 の本

質 は 生 活 の な か で の 意 味 の 希 求 に あ り,こ う し た 認 識 が 消 費 者 行 動 の な か で 解 釈 とい う手 段 に よ っ て 意 味 を 明 らか に し よ う とす る試 み を 生 ん だ 。

ま たHolbrook=O,Shaughnessyは 解 釈 と反 証 がCalder=Tyboutの 主 張 す る ご と く本 来 的 に 矛 盾 す る も の で は な い こ と,さ ら に す べ て の 科 学 的 企 て が な ん らか の 程 度 で 解 釈 に基 づ く こ と を 指 摘 し た 。 例 え ば,実 験 や フ ィ ー ル ド ・サ ー ベ イ な ど の手 段 に よ っ て 経 験 的 事 実 を集 め る場 合 に お い て も,そ こ か ら正 し い意 味 を 引 き だ す た め に は解 釈 的 手 段 が 必 要 で あ る 。 む し ろ解 釈 さ れ た 事 実 こ そ が 重 要 で あ っ て,そ れ は社 会 的 に,言 語 学 的 に,あ る い は個 人 的 に構 成 さ れ た デ ー タ に ほ か な ら な い 。

こ う し た論 争 の 一 方 に お い て,本 格 的 な消 費 者 行 動 の 現 象 学 的 探 究 が 進 行 し て き た 。 こ れ はR.W.Belk=J.F.Sherry,Jr.=M・Wallendorfに よ る で あ っ て,彼 ら は 消 費 者 行 動 へ の ・・naturalisticinquiry,・ と 呼 ん だ.人

学 や社 会 学 で 用 い られ る方 法 を応 用 す る こ とに よ って,自 然 な環 境 の なか で サ ンプ リ ング や面 接 を実 施 し,調 査 結 果 の解 釈 を研 究 者 間 で 行 う手 段 で あ る。

デ ー タの収 集 や分 析 の なか で は仮 説 を あ らか じめ つ くる こ とをせ ず,研 究 者 は詳 細 な観 察 と記録 に よって 現 象 の理 解 をあ りの ままの形 で行 う よ うに努 め, 理 解 の正 し さ を も との場 所 に立 ち帰 って検 証 す る。 そ して,デ ー タ は分 析 と

い う よ りは解 釈 のべ 一 ス とな る。 解 釈 の構 築 に お い て は コ ンテ クス ト(con一

ll)RussellW.Belk,JohnF.Sherry,Jr.,andMelanieWallendorf,"A NaturalisticInquiryintoBuyerandSellerBehaviorataSwapMeet,"

JournalofConsumerResearch,March1988,pp.449‑‑470:R.W.Belk,M.

Wallendorf,andJ.F.Sherry,Jr.,"TheSacredandtheProfaneinConsumer Behavior:TheodicyontheOdyssey,"JournalofConsumerResearch,June 1989,pp.1‑38.

(11)

text)の 意 義 が 重 視 され る。rら は当該 方 法 論 に よ る研 究 の長 所 をつ ぎの よ うに指 摘 した。 ① 消 費 者 行 動 の 厚 い記 述 が 可 能 とな る,② 自然 な状 況 の な か か ら独 創 的 な理 論 的 洞 察 を行 う こ とが で きる,③ 価 値 を離 れ た探 究 の難 し さ を建 設 的 に認Rで きる,④ 消 費 者 行 動 を分 割 せ ず に 自然 な形 で捉 え る こ と が で き る,⑤ 消 費 者 自身 の洞 察 の拡 大,⑥ 消 費 者 が調 査 に関 心 を もつ場 合 に 対 象 へ の接 近 が 一 層 容 易 とな る,⑦ 発 見 内 容 が消 費 の現 実 で あ る との確 信 が

高 い,⑧ 発 見 事項 は消 費 者 の 生活 と体 験 を複 合 的 に包 摂 す る,⑨ デ ー タの収 集 と分 析 の 多 数 の 方 法 を利 用 す る,⑩ リサ ー チ の過 程 を楽 しめ る。 同時 につ ぎの よ うな欠 点 を指 摘 す る こ とが で き る。 ① デ ー タ収 集 に時 間 が か か る,② 研 究 者 が チ ー ム を組 む こ とが必 須 条 件 とな る,③ デ ー タ分 析 に時 間 が か か る,

④ 情 報 提 供 者 の同 意 や 匿 名 性 の保 護 に感 受 性 が必 要 で あ る,⑤ 消 費 者 研 究 で の歴 史 が浅 い。

3.解 釈 の 方 法

(1)定 性 法

現 象 を研 究 者 の 見 方 に よ っ て 詳 細 に 記 述 し,解 釈 に よ っ て 意 味 を 明 ら か に す る 方 法 は"イ ン サ イ ド(inside)"へ の 接 近 を は か り,人 間,集 団,生 活 様 式 な ど の 現 実 の 再 構 成(reconstruction)を 行 い な が ら,分 析 や 予 測 で は な く理 解 を 目的 とす る もの で あ る 。 解 釈 主 義 の 具 体 的 方 法 に つ い て は社 会 学 を 中 心 に これ ま で研 究 が な さ れ て き た 。 そ こで 本 章 で は 当 該 領 域 の 代 表 的 文 献 の ひ と つ で あ るH・Schwartz=J.Jacobsに よ っ て こ う し た 方 法 の 基 礎 的 視 点 な ら

び に 実 際 に つ い て 説 明 し た い 。

社 会 学 者 は 観 察 や 探 究 の 記 述 に よ っ て デ ー タ を つ く る が,表 現 方 法 の 相 違

1)本 章 の 説 明 は つ ぎ の も の に 基 づ く 。

H・SchwartzandJ・Jacobs,Q照1吻'勿6Sociology ,TheFreePress,1979, chap.1‑5.

マ ー ケ テ ィ ング に お け る 「解 釈 」研 究 の 理 論 と方 法51

(12)

に よ って定 量 的(quantitative)研 究 と定 性 的(qualitative)研 究 が あ る。 定 量 的 方 法 は質 的観 察 に数 を指 定 し,そ れ ら を 「測 定 す る」 こ とに よ って デー タ を 生 産 す る。 測 定 の対 象 は個 人,集 団,社 会 全体,言 語行 為 な どで あ る。 これ に対 して,定 性 的 方法 は観 察 を言葉 で 表 現 す る。 表 記 法 の違 い は研 究 の価 値, 目標,お よび手 続 きの相 違 と関連 が あ る。社 会学 の 目標 を人 間 の生 活 世 界(life

‑一一world)への接 近 と仮 定 す れ ば,日 常 生 活 の コ ンテ クス トにお け る行 為 者 と し て の個 人 の行 動,動 機 と意 味,行 為 と反応 を発 見 す る こ とが 重 要 で あ る。 こ れ に対 して,社 会 学 の 科学 的 展 開 を 目標 とす れ ば,個 別 の研 究 内容 は異 な る として も,科 学 とい う言葉 に よっ て示 唆 され る発 見 と立 証 の 方 法,す なわ ち 実証 科 学(positivescience)が 重 要 で あ る。 目標 とデー タ を基 準 に社 会 学 の理 論 領 域 は表1の よ う に分 類 で き る。

定性 法 は個 人 の生 活 世 界 に接 近 す る の に適 し,定 量 法 は実 証 科 学 の実 施 に 適 して い る。 個 人 の生 活 世 界 は つ ぎの事 項 を包 摂 す る。 ① 動 機,② 意 味,③ 情 動,④ そ の他 の 主観 的 側 面,⑤ 日常 の行 為,⑥ 行 為 の構 造,⑦ 行 為 に付 随

した客観 的 条 件 。 これ らの な か に は客 観 的 に観 察 可能 な もの もあ るが,日 常 の行 動 を詳 細 に記 述 す るた め に は内部 現 象 に接 近 す る こ とが 必 要 とな る。 こ

う した行 為 者 の 主観 的視 点 の探 究 は定 性 法 の 中心 的課 題 で あ る。 一 方,量 的 な現 象 の 把握 に よって,デ ー タ の厳 密 な収 集 が 可能 とな り,仮 説 を論 理 的 に 一 貫 した方 法 で検 証 す る こ とが で きる。

さて,実 証 主 義 は現 象 の正 確 な描 写 を課 題 とす るが,そ の た め に社 会 学 で

表1社 会 学 の 理 論 領 域 く社会学 の 目標 〉 実証科学 行 為者 の視 点

n

デ 数量 1

u

タ 言語

(出 典)H.SchwartzandJ.Jacobs,Qualitative Sociology,TheFreePress,1979,p.5.

(13)

あれ ば犯 罪 や 自殺 とい っ た概 念 の正 確 な定 義 と測 定 を行 う

。 明 白な概 念 は現 実社 会 の明 瞭 な姿 を反 映 す る。 また科 学 的 探 究 の な か で,隠 され て い た法 則, パ タ ー ン,規 則 }あ るい は原 理 が経 験 的構 造 の解 明 に よ っ て明 らか とな る。

この よ う に実 証 科 学 で は デ ー タ は常 に知 る こ との で きる形 で

,す な わ ち検 索 可能 な事 実 と して存 在 す べ きで あ る との同 意 が あ る。 した が っ て デー タ を収 集 し,提 示 す る手 順 に関 して はつ ぎの ご と き条件 が 求 め られ る。 第1に 事 実 は個 人 の外 にあ り,研 究 者 は現 象 学 や 精 神 分 析 の よ うに 自己 を デ ー タ の源 泉 と考 え る こ と はで きな い。 第2に 権 威 的 立場 か ら人 間 社 会 の現 象 を記 述 し

, 患 者 が治 療 に関 す る意 思 決 定 に加 わ る こ とが な い よ うに,人 々 は対 象 と して か か る記 述 が い か にあ るべ きか につ い て の決 定 に参 与 す る こ とは な い

。 これ に対 して,現 象 を行 為 者 に即 して把 握 す べ きで あ る との立 場 で デー タ を集 め る方法 論 で は主観 的視 点 が 重 要 と考 え られ ,行 為 者 の知 識 が焦 点 とな る。 科 学 的 関 心 に よっ て の み観 察 や 記 述 を行 うの で はな く

,行 為 者 が 知 り得 た もの を知 り,見 た もの を見 て,理 解 した もの を理 解 し よ う との試 み が な さ れ る。 それ ゆ えデ ー タ は人 々 の用 語 ,見 方,価 値 観 な どを反 映 す る。 こ う し

た 方 法論 の なか で は意 味 や理 解 へ の ア プ ロ ー チが 最 も重 要 とな る

。 社 会 的 知 識 の生 成 の ため に行 為 者 の視 点 を尊 重 す る学 問 的立 場 の ひ とつが 象 徴 的相 互 作 用 論 で あ る。 これ につ い て は第4章 で あ らた め て説 明 した い。

② 具 体 的 方 法

現 実 の再 構 成 を は か る た め の デ ー タ収 集 の 具 体 的 手 段 は対 象 を基 準 に い く つ か の 類 型 に分 け る こ とが で き る。

社 会 集 団 を対 象 と す る もの が 面 接(interviewing)と 参 与 的 観 察(participant observation)で あ る 。 面 接 に は 構 造 化 さ れ た も の(structured)と 非 構 造 的 な も の(unstructured)が あ る 。前 者 が 調 査 者 が 面 接 で 明 ら か に し た い 項 目 を既 知 と し,関 連 す る質 問 を行 う方 法 で あ る の に 対 し,後 者 は どの よ う な 質 問 が 適 切 で あ っ て,そ れ ら を い か に 表 現 す べ きか が 未 知 で あ る方 式 で あ る

。 質 問 の 内 マーケティングにおける 「解釈」研究の理論 と方法53

(14)

容 の 決 定 は つ ぎ の 条 件 に よ る。 ① 面 接 の 内 容,② 面 接 の 行 わ れ る社 会 的 状 況,

③ 面 接 者 と被 面 接 者 の 親 密 度(rapport)。

個 人 の 生 活 を 対 象 と す る も の に 当 事 者 の 記 述(personalaccounts)と 生 活 史(lifehistories)の 分 析 が あ る 。 人 間 生 活 に は 自 殺 や 犯 罪 な ど の よ う に 実 験 や 観 察 が で きな い 重 要 な事 項 が 多 い 。 こ う し た 現 象 に 接 近 す る た め の 方 法 が 当 事 者 の記 述 の 分 析 で あ る。 対 面 方 式 で の 調 査 以 外 に も 日記,手 紙,自 伝 な ど の 分 析 が 行 わ れ る。 生 活 史 の 分 析 は精 神 医 学 や ソー シ ャ ル ・ワ ー ク な どで も行 わ れ て い る 。 有 効 な デ ー タ を得 る た め に は つ ぎ の 条 件 が 必 要 で あ る。(1) 記 述 は記 憶 の ゆ が み を避 け る た め に 別 の 証 拠 で 確 認 で き る,(2)記 述 は 生 活 の 相 当 の 期 間 を カバ ー す る,(3)記 述 が 当 事 者 の 反 応 も含 め て 詳 細 で あ る,(4)再 構 成 で き る よ う に 出 来 事 の 時 期 が 明 確 で あ る。

以 上 の 方 法 は研 究 者 が 社 会 生 活 の あ る 局 面 に立 ち 入 り,対 象 の 反 応 を 調 査 す る こ とか ら反 応 法(reactivetechnique)と 呼 ば れ る。 これ に対 して,集 団 も

し く は個 人 を 対 象 と し た 非 反 応 法(nonreactivetechnique)と 名 づ け ら れ た 調 査 方 法 が あ る。 これ は調 査 者 の 行 為 が 対 象 世 界 の 変 化 を誘 発 す る可 能 性 を 除 去 す る こ と を 意 図 し た 方 法 で あ り,調 査 者 を観 察 世 界 か ら取 り除 く こ と に よ

っ て,外 部 か ら 考 察 を 行 う 特 色 が あ る。 当 該 方 法 に は 客 観 法(unobtrusive measures)と 視 聴 覚 法(audio‑visualstrategies)が あ る。

前 者 は対 象 が 変 化 し な い 客 観 的 指 標 を選 ん で 調 査 を行 う方 法 で あ り,例 え ば つ ぎ の よ う な 質 問 を す る 。「ラ ジ オ や テ レ ビ の 普 及 率 は ど の く ら い か 。」「時 間 当 りの 世 帯 の 平 均 電 気 消 費 量 は ど の く ら い か 。」 「時 間 や 曜 日 ご との 車 の 通 行 量 は どれ ほ ど か 。」 「ア ル コ ー ル の 地 域 や 曜 日 で の 消 費 量 は どれ ほ どか 。」こ れ ら は デ ー タ の 入 手 が 比 較 的 容 易 で,調 査 が 社 会 生 活 に 影 響 し な い 利 点 が あ

る が,反 面,人 々 の 社 会 生 活 の あ る 部 分 を 知 る だ け の 限 定 的 調 査 で あ り,社 会 的 行 為 の 意 味 を深 く探 る こ とが で き な い 欠 点 が あ る 。 客 観 法 の 具 体 的 手 法

に は,身 体 言 語 の ご と き非 言 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン(nonverbalcommunica‑

tion)の 分 析,サ イ ン の 意 味 的 特 徴 を 明 ら か に す る 内 容 分 析(content

(15)

analysis),手 紙,日 記 な どの 私 的記 録 の分 析 が あ る。

後 者 は視 聴 覚 機 器 を利 用 した調 査 方 法 で,比 較 的 新 し く開発 さ れ た もの で あ る。 自然 な状 況 を写 真 や ビ デオ に とっ た り,人 々 の会 話 を録 音 し,そ の 内容 を分 析 す る こ とで,社 会 に対 す る人 々 の認 識 や価 値 観 な どを知 る試 み で あ る。

4.象 徴 的 相 互 作 用 論

(1>理 論 的 背 景

人 間 が シ ン ボ ル を 操 作 す る こ と に よ っ て 社 会 な ら び に 自 己 と相 互 作 用 を行 う こ と を前 提 に,そ の 内 面 を 分 析 的 方 法 に よ らず に行 為 者 の 立 場 か ら理 解 し よ う とす る試 み が 社 会 心 理 学 に 近 接 し た 社 会 学 の 学 派 に お い て 行 わ れ て き た。

これ を 象 徴 的 相 互 作 用 論(symbolicinteractionism)と 呼 ぶ 。 当 該 学 派 は シ カ ゴ 大 学 教 授 で あ っ たGH .Meadに 始 ま る が,彼 の 業 績 は講 義 や 論 文 等 を 整 理,解 釈 す る こ と に よ っ て 後 年 ま とめ られ,と りわ け1950年 代 か ら1960年 代 に か け て 活 躍 し たH.Blumerが 知 られ て い る。1970年 代 か ら198⑪ 年 代 に か け て はNDenzin,A・Strauss,S.Stryker,G.Fine,E .Goffmanら の 研 究 者 が

1)2)

現 わ れ た 。本 稿 で は 当 該 理 論 の 基 礎 的 視 点 をJ.M.Charonの 研 究 に 依 拠 し つ

つ考察 し溜 釈蟻 の理論的基盤の端 を探 りたし拷 耀 。

4)

ま ず,象 徴 的 相 互 作 用 論 の 理 論 的 背 景 に つ い て 説 明 し た い 。Meadの 理 論 は つ ぎ の 三 つ の 思 想 的 影 響 の も と に 発 達 し た と い わ れ る

第1は プ ラ グ マ テ ィ ズ ム(pragmatism)の 思 想 で あ る 。Meadと の 関 連 で は つ ぎ の 四 点 が 重 要 で あ る 。(1)人 問 は す べ て の 事 物 を 主 体 的 働 き か け と 解 釈 に

1)J.M.Charon,SymbolicInteractionism ,Prentice‑Hall,Inc.,1989.

2)Ibid.

3)本 稿 で は 紙 数 の 都 合 で 当 該 理 論 の 要 点 の 一 部 の み を 説 明 す る 。 詳 細 に つ い て は 後 日 別 の 機 会 に 発 表 し た い 。

4}J.M.Charon,op.cit.,chap.3.

マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」研 究 の 理論 と方 法55

(16)

よ っ て 知 り え る,② 人 間 に とっ て の 知 識 は そ の有 用 性 で 判 定 さ れ る,(3)ヒ ト は対 象 を 用 途 に よ っ て 定 義 す る,(4>人 間 に つ い て の 理 解 は そ の 行 為 か ら推 論 し な け れ ば な らな い 。

第2はC.Darwinの 思 想 で あ る。超 自然 的 説 明 に よ らず に法 則 に基 づ い て 自然 を理 解 す べ きで あ る とのDarwinの 主 張 に 影 響 を う け,Meadは 人 間 を 神 の 言 葉 で は な く 自然 の 観 点(naturalisticterms)か ら認 識 す べ きで あ る と論 じ た 。 真 理,自 己,心,象 徴 と い っ た 概 念 に 対 す る 彼 の ア プ ロ ー チ は これ ら を 自 然 の 一 部 と し て の 人 間 に よ っ て 開 発 さ れ た 特 質 と考 え よ う とす る。Dar‑

winの 進 化 論 に依 拠 し,彼 は 人 間 を 進 化 し た 社 会 的 動 物 と認 識 し,そ の 特 色 を 論 理 力 と象 徴 要 素 を 用 い た コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン能 力 と み な した 。 と りわ け つ ぎ の 三 つ の 特 性 を 重 視 し た 。(1)高 度 な 頭 脳,② 社 会 化,(3)音 を つ く りだ す 能 力 。 ま た,自 然 の あ ら ゆ る事 物 は不 断 の 変 化 の な か に 存 在 し,人 間 に 関 す る す べ て の も の が プ ロ セ ス と認 識 で き る と考 え た 。 こ の 点 に 関 し て 象 徴 的 相 互 作 用 論 は つ ぎ の ご と き仮 定 を 設 け る。(1)ヒ トは首 尾 一 貫 し た構 造 化 さ れ た パ ー ソ ナ リテ ィ とい う よ り は変 化 す る行 為 者 で あ り,社 会 化 の過 程 に あ る相 互 作 用 的 存 在 で あ る,② 社 会 と は パ タ ー ン の 出 現 と変 化 を 伴 う相 互 作 用 を と げ

る 動 態 的 な 人 間 の 集 合 体 で あ る,(3)ヒ トに お い て 重 要 な の は プ ロ セ ス と し て の 心(mind)と 自 己(self)で あ り,心 の 作 用 過 程(mindingprocess)と は 自 己 との 会 話 能 力,な らび に環 境 か ら刺 激 を 選 択 し,意 義 を評 価 し,状 況 を解 釈 し, 行 為 を判 断 す る能 力 で あ る,(4)人 間 は複 数 の 自 己 を も ち,相 互 作 用 の な か で 不 断 に変 化 す る,⑤ 真 理,観 念,態 度,知 覚,パ ー ス ペ ク テ ィ ブ もす べ て ヒ

トに よ っ て 判 断 さ れ,動 態 的 に変 化 す る プ ロ セ ス で あ る。

第3は 心 理 学 の 行 動 主 義(behaviorism)で あ る 。行 動 主 義 は肯 定 面 と否 定 面 の 両 方 でMeadに 影 響 を 与 え た 。 彼 は 人 間 は そ の 行 動 を 通 じ て 理 解 す べ き で あ る と考 え た 。 しか し,可 視 的 行 動 の み を研 究 対 象 と し よ う とす る行 動 主 義 に対 し て,彼 は心,象 徴,自 己 な ど に つ い て 理 解 す る こ と な く人 間 行 動 の 真 の 姿 を 知 る こ と は で きな い と主 張 し た 。 す な わ ち 明 らか な行 動(overtbehav‑

(17)

ior)の み を対 象 とす る の で は な く,隠 れ た 心 の 行 動(mindedbehavior)を 理 解 す べ き で あ る と指 摘 し た 。 こ う し たMeadの 立 場 は社 会 的 行 動 主 義 者(social behaviorist)と 呼 ぶ べ き も の で あ っ て s研 究 者 の 解 釈 や 意 味 の 観 点 か ら の 洞 察

に焦 点 が あ る 。

② 基 礎 的 概 念

つ ぎに,象 徴 的 相 互 作 用 論 の基 礎 的概 念 を説 明 した い

象 徴 的 相 互 作 用論 は人 問 は象 徴(symbol)に よ って 現 実 と能 動 的 に か か わ り

ら  

世 界 を 創 造 す る と主 張 す る 。 そ れ ゆ え 象 徴 は 当 該 理 論 の 中 心 的 概 念 の ひ と っ で あ る。 社 会 科 学 の 研 究 者 は,通 常,客 観 的 現 実(objectivereality)の 存 在 を 仮 定 す る が,象 徴 的 相 互 作 用 論 者 は こ う し た現 実 を存 在 状 況 と呼 ぶ。 重 要 な 点 は ヒ トは状 況(situation)に 直 接 に反 応 す る の で は な く,そ れ を定i義 し,解 釈 す る とい う こ とで あ る 。 人 間 の 現 実 へ の ア プ ロ ー チ は真 空 の な か で 生 ず る の で は な く,他 人 との 相 互 作 用 の な か か ら ヒ トが つ く る社 会 的 現 実 に基 づ い て い る 。 そ れ ゆ え,現 実 と は社 会 的 に 定 義 さ れ た 現 実(sociallydefinedrealit

y) と言 い か え る こ とが で き る。

ま た,対 象 は物 理 的 実 体 で あ っ て も,社 会 的 相 互 作 用 を へ て 解 釈 さ れ ,人 間 に よ っ て 意 味 が 与 え られ る 。 そ れ は社 会 的 対 象(socialobjects)と 呼 ば れ る

。 ヒ ト は相 互 作 用 に よ る社 会 的 学 習 を 行 う

。 社 会 的 対 象 の 意 味 の 不 断 の 変 化 は 相 互 作 用 に よ る 定 義 と再 定 義 の 結 果 で あ っ て,客 体 が 変 化 す る の で は な く

, 人 間 が 定 義 を変 え る こ と に よ る。 す な わ ち意 味 は対 象 に 内 在 す る わ け で は な

い 。 社 会 的 対 象 は状 況 の な か で ヒ トに と っ て の 用 途(use)に よ っ て 定 義 さ れ る。 花 が 香 り を 楽 し む対 象 で あ っ て,同 時 に 愛 情 表 現 の 手 段 とな る よ う に

, 対 象 の 用 途 に応 じて 意 味 が 変 わ る 。

5)象 徴 に つ い て の 説 明 は つ ぎ の も の に よ る

J.M.Charon,op.cit.,chap.4‑5.

マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」 研 究 の 理 論 と 方 法57

(18)

人 間 の行 為 す る世 界 は物 理 的 実体 とい う よ りも,象 徴 的 コ ミュニ ケ ー シ ョ ン を通 じて定 義 され た世 界 で あ る。 ヒ トは定 義 を他 人 と共 有 し,相 互 作 用 の なか で 以 前 と は異 な る認 識 を育 て る。

また,ヒ トの社 会 化 は象徴 に よ っ て発 達 す る。 ヒ トは成 長 す る につ れ て 集 団 の文 化 を共 有 し,他 人 との関 係 の な か で 自己 の役 割 を理 解 す る。社 会 の重 要 な要 素 として の文 化 は象徴 を通 じて学 習 され,ま た文 化 自身 も象徴 的 性 格 を もつ。 ヒ トは観 念,規 則,目 標,価 値 を共 有 す る こ とで他 人 との協 力 的相 互 作 用 を継 続 で きる。 また,ヒ トは象 徴,と りわ け言 語 を身 につ け る こ とに

よっ て他 の動 物 と は異 な る独 自な存 在 とな る。

象 徴 的 相 互 作 用 論 の 中 心 概 念 の ひ とつ が 役 割 取 得 で あ る。

役 割 取 得(roletaking)は 「自 己 」の 発 達 に 欠 くべ か ら ざ る重 要 な マ イ ン ド活 動 で あ る 。 子 供 は 「ご っ こ遊 び 」 に お い て 他 人 に な る イ メ ー ジ を働 か せ る こ

とに よ っ て,自 己 な ら び に世 界 を他 人 の視 点 か ら知 覚 す る こ と を 学 習 す る。

子 供 が こ う し た 意 味 で 自 己 を 客 観 視 す る の は,自 己 の 外 側 か ら他 人 の 役 割 に よ っ て 世 界 を 想 像 的 に み る 能 力 に よ る。 こ の よ う に役 割 取 得 と は 他 人 の パ ー ス ペ ク テ ィ ブ を 用 い,世 界 を そ こ か らみ る こ と に よ っ て 自 己 を 方 向 づ け る行 為 で あ る。 「自 己 」の 発 達 の 過 程 で ヒ トは 準 拠 集 団 の パ ー ス ペ ク テ ィ ブ を身 に つ け 役 割 取 得 を 学 ぶ 。 他 人 の 役 割 を導 入 す る こ とに よ っ て ヒ トは 自 己 と は異 な る 人 問 の視 点 を 理 解 し,社 会 的 知 性(socialintelligence)を 育 て る。

3)人 間 行 為

!)

っ ぎ に 人 間 行 為(humanaction)に つ い て 説 明 し た い 。

象 徴 的 相 互 作 用 論 の 思 想 的 基 盤 で あ る プ ラ グ マ テ ィズ ム の 見 方 に よれ ば, 人 間 は パ ー ソ ン(person)と い う よ り も 実 行 者(doer)で あ り,パ ー ソ ナ リ テ ィ と

6)J.M.Charon,op.cit.,chap.8.

7}Ibid.,chap.9.

(19)

い う よ りも行 為 者(actor)と 仮 定 で きる。行 為 は継 続 的 で不 断 の 過程 で あ るた め,実 際 に は行 為 の流 れ(streamofaction)と 認 識 す べ き もの で あ る。 ヒ トは 流 れ の な か で能 動 的 で あ り,行 為 の 方 向性 は意 思 決 定(decision)に 依 存 して い

る。 また意 思 決定 は他 人 お よび 自己 との相 互 作 用 に基 づ い て 行 わ れ る。 行 為 の流 れ を分 断 して原 因 と結 果 を探 究 す る場 合,答 え は通 常 つ ぎの いず れ か で あ る。(1)ヒ トが そ う した い と思 った か らそ う した(自 由選 択),② ヒ ト が そ の よ うな 特性 を有 して い る の で そ う した(パ ー ソナ リテ ィ特 性) ,(3)他 の 人 間 や環 境 が原 因 とな って ヒ トは そ う した(環 境)。 象徴 的相 互 作 用 論 で はつ ぎの理 由 か ら こ う した方 法 で原 因 を探 る こ とを しな い。 ① 行 為 は過 去 か ら未 来 へ 通 ず る流 れ で あ っ て孤 立 的 で はな い,② 行 為 は行 為 者 の意 思 決 定 に依 存 して い る,③ 意思 決 定 はよ り大 きな文 脈 の一 部 に位 置 づ け られ る,④ 状 況 の 定 義 と意 思 決 定 は流 れ に沿 っ て進 行 して い る。

以 上 の プ ロ セ ス を図示 すれ ば図1の とお りで あ る。

心 理 学 で は過 去 が 現 在 の行 為 の原 因 とな る と仮 定 す るが,象 徴 的 相 互 作 用 論 で は状 況 の定 義 に重 きをお い て考 え る。 過 去 は現 在 の行 為 に影 響 す るが ,

図1人 間 行 為

意思決 定 ,流 れ̀こ 沿 っ た 行 為

他 人 との 相 圧作 川

自己 との 相 互 作 用

楚況霧一 意思決定一 行為

他 人 と の オ・日J」r:f布…耳毒

自 己 との ホ目亙 作 用

状況 の再定義 意思決定

(出 典)J・MChar・n,Symb・liclnteractionism,Prentice‑Hail,lnc.,1989 ,p.125.

マ ー ケ テ ィ ン グ に お け る 「解 釈 」 研 究 の 理 論 と 方 法59

(20)

それ は現 状 の定 義 に活 用 す るた め で あ って,過 去 が 現 在 を決 定 す る とい う構 図 を用 い る こ とはで きな い。 ヒ トは過 去 に縛 られ るの で はな く,過 去 を用 い て現 状 を定義 し,そ して行 為 を方 向づ け るの で あ る。 過 去 は常 に変 化 して い る。 なぜ な らば新 しい経 験,遭 遇 した状 況,新 しいパ ー スペ ク テ ィブが 過 去 を再 解 釈 させ,新 しい 角 度 か ら見 る よ うに しむ け るか らで あ る。 た とえて言 えば,子 供 を もう けて初 めて 親 の気 持 ちが 理 解 で きる ご と き もの で あ る。 こ の よ う に過 去 を意 思 決 定 の蓄 積 と考 え る こ とや,将 来 を現 状 との つ なが りの な か で認 識 す る こ とが 重 要 で あ る。

この よ う に,行 為 は動 機(motive)に よっ て説 明す るの で はな く,目 標 の変 化 と状 況 の定 義 か ら理 解 す べ きで あ る とい え る。 象 徴 的相 互 作 用 論 は人 間行 動 の刺 激 一 反応 理 論 に対 して,人 間 の状 況 管 理 能 力 を信 頼 し,自 由 な選 択 行 為 を重 視 す る特 質 が あ る。 す な わ ち ヒ トは反応 す る ので は な く行 為 す る と仮 定 され る。

5.む す び

分析 か ら解 釈 へ の焦 点 の移 行 に よ って社 会 科 学 は 自然 科 学 を模 範 と した様 式 か ら人 文 科 学 との連 携 を深 め て きた。 マ ー ケ テ ィング の消 費 者 行 動 研 究 に

お い て は批 判 的相 対 主義 と呼 ば れ る認 識 論 上 の立 場 が注 目 を集 め,実 証 主義 者 の リサ ー チ ・プ ロ グ ラ ム(認 知 的 プ ログ ラム,行 動 主義 的 プ ロ グ ラム,経 済 学 的 プ ロ グ ラ ム,構 造 主 義 的 プ ロ グ ラム)に 対 して,単 一 の 科 学 的 方 法 は 存 在 せ ず,知 識 は研 究 者 の信 念,価 値,標 準,方 法,な らび に認 識 上 の 目的 に よっ て変 わ る こ とが指 摘 され た。 そ して,社 会 科 学 的知 識 は歴 史 や 文 化 の 影 響 を う けて形 成 され る こ と,知 識 を構 成 し正 当化 す る た め の多 数 の代 替 的 方 法 が あ る こ とが 主 張 され た。 そ して,知 識 を評 価 す る た め の特権 的 な認 識 論 上 の立 場 は な く,目 的,信 念,方 法 論 を基 礎 と して相 対 的 判 断 を下 す こ と が で きるの み で あ る こ とが 指 摘 され た。

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マ ー ケ テ ィ ング に お け る解 釈 主 義 的 ア プ ロー チ で は

,解 釈 を単 一 も し くは 複 数 の意 味 を決 定 す る た め の テ キ ス トの 批判 的分 析 と定 義 し,人 間行 動 に関

した デ ー タの な か か ら意 味 を抽 出 し,解 明 を行 う こ とが必 要 で あ る と指 摘 さ れ る。 そ して,解 釈 主 義 の理 論 的究 明 と並 行 して,"naturalisticinquiry"に よ る本 格 的 な フ ィール ド ・リサ ー チ が進 行 して い る。 そ の な か で,研 究 者 は 観 察 と記 録 に基 づ く現 象 の理 解 を 目的 とし,収 集 し た デー タ に よ り解 釈 を行

う。 解 釈 の な か で は コ ンテ ク ス トの意 義 が 重 要 視 され る。 こ う した研 究 は, 消費 者 行 動 に つ い て の厚 い記 述 をつ くり,自 然 な状 況 の な か か ら独 創 的 な理 論 的 洞 察 を可 能 とす る利 点 が あ る。 反 面,デ ー タ の収 集 と分 析 に他 の 方法 よ

りも時 間 が かか る難i点が あ る。

現 象 の記 述 と解釈 に よ って意 味 を明 らか にす る方 法 は,イ ンサ イ ドへ接 近 し,現 実 を行 為者 の立 場 に即 して再 構 成 す る もの で あ る。 社 会 学 の定 量 法 と 定性 法 の 区分 に よれ ば,前 者 は科 学 とい う言 葉 に よ って示 唆 され る発 見 と立 証 の 実証 科 学 を意 味 し,後 者 は個 人 の動 機,意 味 ,情 動 な どの主 観 的世 界 の i探究 を意 味 す る。 実 証 主 義 で は概 念 の定 義 と操 作 化 に よ る測 定 可 能 性 が重 要 とみ な され る ため,デ ー タ は常 に検 索 可 能 な事 実 と して存 在 す べ きで あ る と の 合 意 が あ る。 そ の た め つ ぎの ご と き重 要 な前 提 が あ る。(1)事実 は個 人 の外 にあ り研 究 者 は 自己 を デ ー タ の源 泉 とみ な す こ とはで きな い,② 研 究 者 に と っ て対 象 は測 定 を行 う た めの もので あ り,対 象 が意 思 決 定 に関 与 す る こ とは な い。 一 方,行 為 者 の視 点 を重 視 す る立場 で は,行 為 者 自身 が 最 もよ く現 実

を知 り得 る との仮 定 か ら,行 為 者 の認 識 を忠 実 に再 現 す る こ とを試 み る。 し たが って当事者 の用語や価値 観 を包摂 したデー タを用 いて意味 や埋飾 へ接近 す る。

現 実 の再 構 成 を はか るた め の デ ー タ収 集 の具 体 的 方式 は,社 会 集 団 を対 象 とす る もの に面 接 と参 与 的 観 察 が あ り,個 人 を対 象 とす る もの に当事 者 の 記 述 と生 活 史 の分 析 が あ る。 これ ら は研 究 者 が対 象 の 社 会 生 活 の な か か ら反 応 を調 査 す る こ とか ら反 応 法 と呼 ばれ る の に対 し,調 査 者 を観 察世 界 か ら除 去

マーケティングにおける 「解釈」研究の理論と方法61

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し,外 部 か ら考 察 を はか る非 反 応 法 が あ り,客 観 法 と視 聴 覚 法 が これ に含 ま れ る。

さて,解 釈 主 義 の社 会 学 的 理 論 として の象 徴 的相 互 作 用論 は社 会 心 理 学 に 近 接 し,つ ぎの ご と き特 色 が あ る。(1)受動 的 で 決 定論 的 人 間仮 説 を拒 絶 し, 能 動 的人 間 に よ る相 互 作 用 に焦 点 が あ るi(2)人 間 は過 去 で はな く現 在 の事 象

に基 づ き行 動 す る,(3)相 互 作 用 は ヒ トの心 の 内部 で も生 ず る,(4)人 間行 動 の 予 測 は難 しい。 また,当 該 理 論 はプ ラ グマ テ ィズム,進 化論,行 動 主 義 の影 響 を う けて発 達 した。 ヒ トに とっ ての 現 実 は存 在 状 況 と呼 ぶ こ とが で き る も

の で あ り,ヒ トは相互 作 用 に よっ て社 会 的 に定 義 され た現 実 を構 成 す る。 対 象 は物 理 的 実体 とい う よ りも ヒ トが用 途 に応 じて 定義 す る と こ ろの社 会 的 対 象 と位 置 づ け られ る。 か か る社 会 的対 象 の一 群 が 象 徴 と呼 ばれ,コ ミュニ ケ ー シ ョンの な か で意 味 を伝 え る機 能 を担 う。 思 考 行 為 は象 徴 に よ る 自己 との コ ミュニ ケー シ ョ ンで あ る。 この よ う に人 間 は 自己 な らび に他 者 との コ ミュ ニ ケ ー シ ョンに お い て象 徴 を意 図 的 に操 作 す る者 で あ る。 したが っ て,ヒ ト

は象徴 を通 じて 集 団 の文 化 を共 有 し,他 人 との関 係 の な か で 自己 の役 割 を理 解 す る。

自己(セ ル フ)も 同様 に社 会 的対 象 で あ り,ヒ トは主体 と して 行 為 す る と い う よ りは 「自己 」 に対 して働 きか け る関 係 に あ り,相 互 作 用 を通 じて 自己

を認 識 す る。 したが っ て 「真 の 自己 」 とい っ た もの は存 在 せ ず,そ れ は相 互 作 用 の あ 乙時 点 に お け る過 程 的 性 格 の もの と考 え られ る。 そ れ ゆ え 自己 は

"1"と い う よ り も"me"で あ る

。 ヒ ト は心(マ イ ン ド)を もつ が,そ れ は 動 態 的 概 念 で あ り,象 徴 の 操 作 に よ る 自 己 と の 能 動 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と して の マ イ ン ド活 動 を 包 摂 す る。 「自 己 」の 発 達 に 欠 くべ か ら ざ る マ イ ン ド活 動 が 役 割 取 得 で あ る 。 こ れ は 他 者 の パ ー ス ペ ク テ ィ ブ を 通 じ て 世 界 を 認 識 し, そ れ に よ っ て 自 己 を 方 向 づ け る行 為 で あ る。 役 割 取 得 は相 手 に 対 す る理 解 の 幅 を拡 大 し,社 会 的 知 性 を 育 て る効 果 が あ る。

人 間 は行 為 者 と仮 定 で き る。 行 為 は継 続 的 で 不 断 の 過 程 で あ り,行 為 の 流

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れ を形 成 す る。 こ う した見 方 は流 れ を分 断 して独 立 変 数 と従 属 変 数 を抽 出 す る因 果 関 係 的 認 識 とは相 容 れ な い。 ヒ トは流 れ の な か で能 動 的 で あ り

,自 己 な らび に他人 との相 互 作 用 の な か で の 意 思 決 定 に よっ て 方 向性 を決定 す る

。 期 間 を設 定 し,行 為 の 始 点 と終 点 を仮 定 す る こ とは分析 に は有 用 で あ るが

, 象徴 的相 互 作 用 論 で は行 為 を社 会 的対 象 とみ な し,状 況 の な か で の ヒ トの 目 標 との 関係 に よ って 解 明 す る。 人 間 の行 為 は状 況 の なか で解 き放 た れ る もの で はな く,ま た個 人 の パ ー ソナ リテ ィ特 性 に よ っ て引 きお こ され る もの で も ない 。 それ は能 動 的 意 思 決 定 に よ って行 為 者 が 行 う もの で あ る

。 分析 的 思 考 に よれ ば行 為 の 原 因 は次 の よ う に分 類 で きる。(1)自由選 択,② パ ー ソナ リテ ィ,(3)環 境 。 個 別 の行 為 は流 れ の なか で理 解 す べ き もの で あ り

,ま た意 思 決 定 は よ り大 きな文脈 の な か で位 置 づ け られ る た めs行 為 の原 因 を探 る た め に は,意 思 決 定,ヒ トに よ る状 況 の定 義,自 己 な らび に他 人 との相 互 作 用 を知 る こ とが 必 要 で あ る。 状 況 は人 間 に よ る現 実 の社 会 的解 釈 で あ る

。 したが っ て原 因 の探 求 の た め に は,目 標,パ ー スペ ク テ ィブ,重 要 な他 人,準 拠 集 団, 過 去 と将 来 の展 望 を探 るべ きで あ る。 心 理 学 で は過 去 が 現 在 の行 為 の原 因 と な る と仮 定 す る が,ヒ トは過 去 に縛 られ る の で はな く,過 去 を用 い て現状 を 定 義 し,行 為 を方 向 づ け る とい え る。 それ ゆ え,行 動 を動 機 で はな く,目 標 の変 化 と状 況 の定 義 の なか で理 解 す べ きで あ る。 ヒ トの 過 去 に対 す る認 識 は 経 験,状 況 に基 づ き常 に変 化 して お り,再 解 釈 の プ ロセ ス に あ る。 したが っ て,象 徴 的相 互 作 用 論 で は刺 激一 反 応 理 論 に依 存 せ ず に,人 間 の状 況 管 理 能 力 を信 頼 しa能 動 的選 択 行 動 を重 視 す る。

人 間 が他 人 の存 在 を前 提 と して行 う行 為 を社 会 的 行 為 と呼 ぶ。 ヒ トの 日常 の行 為 はか か る性 格 の もの で あ る。 他 人 は 自己 に とっ て の社 会 的対 象 で あ る

。 社 会 的 相 互 作 用 は人 間相 互 の 象徴 を通 じて の働 きか け と反 応 か ら成 り立 つ。

そ の 内容 は存 在 の認 識,コ ミュニ ケー シ ョ ン(意 思伝 達) ,解 釈 の プ ロ セ スで あ る。 ヒ トは他 人 の行 為 を解 釈 し,意 思 を伝 え,一 方,他 人 はそ れ を解 釈 し, 意 思 を伝 え,自 分 の行 為 を変 更 す る。 そ の な か で意 味 の発 信 と受 信 が行 わ れ

マーケティングにおける 「解釈」研究の理論と方法63

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る。 コ ミュニ ケー シ ョ ン を通 じた理 解 の た め に は他 人 の役 割 を心 理 的 に取 得 す る こ とが 必 要 で あ る。 相 互 作 用 の な か で ヒ トは相 手 に レ ッテル を は り,原

因 を行 為 に帰 属 させ る。 ま た他人 だ けで はな く自己 に対 して もレ ッテ ル を は り,こ れ を 自己 ア イ デ ンテ ィテ ィ と呼 ぶ。 象 徴 的相 互 作 用論 は社 会 の動 態 的 側 面(変 化)に 注 目 し,つ ぎの ご と き特 色 を有 した社 会 の イ メ ー ジ を明 らか に した。(1}象徴 を通 じた行 為 に よ る相 互 作 用 の プ ロ セ ス,② 協 力 的行 為 を伴 う個 人 の集 合 体,(3)文 化 の創 造,(4)相 互 作 用 の パ ター ン と して の社 会 構 造 。 以 上 の説 明 は人 間 の行 為 者,自 己管 理 者 と して の側 面 に焦 点 が あ り,こ れ は社 会 科 学 の伝 統 的 な決 定論 的 人 間仮 説 とは質 を異 にす る。 自由 な人 間仮 説 の特 色 はつ ぎの三 点 に要 約 で きる。(1)"me"と い う社 会化 され た 自己 を 中心 とす る,② 象 徴 と して の言 葉 に よって状 況 を主体 的 に構 成 す る,(3)不 断 の変 化 の仮 定 に身 をお い た 「な る(becoming)」 存 在 で あ る。 人 間 の行 為 に は明 ら か な行 為 と隠 され た行 為 が あ り,内 面 に向 か う自己行 為 は測 定 が 困 難 で あ る た め伝 統 的 な科 学 の枠 組 み か ら除外 され て きた。 象 徴 的 相 互 作 用 論 はつ ぎの ご と き方法 論 的 特 色 を有 す る。(1)研究 者 は行 為 者 の立 場 に即 した認 識 を もつ こ とに よっ て本 質 を把 握 で きる,(2)デ ー タ収 集 は参 与 的観 察,面 接,生 活 史 の分 析 に よ って行 う,(3)因 果 関 係 に よ らず に状 況,現 在 の行 為,問 題 解 決 行 動 か ら行 為 の原 因 を推 測 す る,(4)相 互 作 用 を入 念 に記 述 す る,(5)機 械 論 的 モ

デル で はな く過 程 的 モ デ ル に よ って推 論 を進 行 させ る。

象 徴 的 相 互 作 用論 か ら派 生 したN.K.Denzinら の解 釈 的相 互 作 用論 はつ ぎの三 つ の仮 説 を もつ 。(1)体験 は解 釈 の所 産 で あ る,② 解 釈 を他 人 に示 す こ とに よっ て理 解 が つ くられ る,(3)解 釈 は常 に未 了 で あ る。 当該 理論 は解 釈 と 理 解 を中心 に社 会 生 活 の諸 現 象 に ア プ ロー チす る特 色 が あ り,体 験 の厚 い記 述 を解 釈 し,意 味 を明 らか にす る こ とに よっ て 当事 者 の立 場 に即 した理 解 を 創 造 す る。 解 釈 的 相 互 作 用 論 の特 色 はつ ぎの とお りで あ る。(1)体験 の相 互 作 用 的 テ キ ス トの収 集 と分 析 を行 う,(2)ケ ー ス ・ス タ デ ィ,伝 記 的 方 法,エ ス ノ グ ラ フ ィー の 方 法 を応 用 す る,(3)純 枠 理 論 的分 野 と応 用 的 分 野 が あ る,(4)

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主 観 意 図・ 意 味 を現 象 に参 与 す る こ とに よ っ て探 究 し

,一 般 化 に と らわ れ な い,㈲ 歴 史 や エ モ ー シ ョン を理 論 の なか に包 摂 す る

。 伝 記 的 燃 を知 る ため に は 当轄 の話 を会 話 型 の面 撚 よ

っ て丹 念 に聴 き, 記 述 す る こ とが腰 で あ る・また・当事 者 の行 動 に研 鰭 が 直 鯵 与 し

,視 野 を賄 す る こ とが 行 わ れ る・ 鰯 のeま つ ぎの手 順 に よ る.(1)問 題 の職, (2)既1YYH念 の批 判 的分 析 に よ る:.築 ,(3)課 題 の 把握,(4)象 を括 弧 に入 れ

る こ とに よ る本 質 的 要 素 へ の還 元 ・ ⑤ 現 象(体 験)の 瀦 成,(硫 会 的 文脈 で の意 味 の確 認 。

解 釈 の 素 材 は戦 る行 動 の記 録 に と ど ま らず,コ ンテ ク ス トy当 轄 の感 情 ・ 燗 関 係 ・ 歴 史 な どを含 ん だ厚 い言己述 で あ る

。 これ に よ っ て第 諸 は記 述 内容 をrlが 体 験 した よ うに読 む こ とが で きる

.適 切 な記 述 は研 究 者 の解 釈 を含 ん だ り・ 不 完 全 で終 わ る こ とは な い

.厚 い記 述 は厚 い解 釈 を つ くる。

そ して,意 味 の 把握 は表 層 と深 層 の両 方 向 にわ た る

。 適切 な解 釈 を行 う ため の課 題 はつ ぎの とお りで あ る・(1)対躾 団 の諦 の習 得 ,(2)生..の 学 習, (3>燗 関 係 の把 握 ・(4)共 有 臆 味 の了 解.鰍 の 象徴 的 特 性 は つ ぎの二 点 ウご

関係 す る・(1解 釈 は コ ンテ ク川 こ基 づ く,臆 味 の表 現 はス ト リ叫 こよ っ て な され る。

麟 は意 味 を鰯 し・ 了解 す る プ ・セ ス で あ る.理 解 の た め に は,相 手 の 体 験 鯵 入 し・ 繊 を体 感 す る こ とが腰 で あ る。 感 情 礁 点 を お け ば,エ

モ ー シ ョン(情 動)の 共 有 が ポ イ ン トとな る

。 したが っ て理 解 に は共 有 的体 験 と解 釈 を欠 くこ とが で きな い.共 有 的 体験 は共 感,感 情 移 入,イ マ ジ ネ̲

シ ョン・ 解 釈 的理 解 な どに お きか え る こ とが で きる

.こ れ ら はい ず れ も自己 を別 の燗 の体 験 に投 影 させ る行 為 を意 味 して お り池 人 の視 点 で 現 象 を感 じ る こ との必 要 性 を示 唆 す る・ 理 解 に は認 知 と'醐 の レベ ル が あ り揃 者 が 論 理 的 内容 の もの で あ るの に対 し,儲 は感情 面 を焦 点 とす る.真 の理 解 の た め に は後 者 に まで進 む こ とが 理 想 で あ る。

以 上 の ご と く・ 現 象 を行 縮 の立 場 に即 して深 く知 るた め に は

s現 象 の イ

マ ー ケ テ イ ン グ にお け る 解 釈 」 研 究 の理 論 と方法65

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ンサ イ ドへ の 接 近 を は か り,参 与 的 観 察 面 接,当 事 者 の 記 述 ・ 生 活 史 の 分 析 溶 観 法,視 聴 覚 法 な どを 応 用 す る こ と1こよ っ て 厚 い 記 述 を つ く り厚 い 解 釈 を行 う こ と に よ っ て,,..解 を 創 造 す る こ とが 必 要 で あ る・ 螺 は 当 事 者 の感 胤 ベ ル まで 掘 り下 げ,意 味 を 了 解 す る こ とが 望 ま しい ・ 研 究 者 は表 現 さ れ た 行 為 だ け で は な く,目 に 見 え な し・隠 さ れ た 行 為 を探 究 し・ そ の 内 容 を 明 らか に し な けれ ば な ら な い.実 証 力・ら解 釈 へ の 焦 点 の 移 行 はマ ー ケ テ ィ ン

グ 研 究 都 相 対 蟻 的 視 点 の 醸 性 と鯛 学 的 ア ブ ・ 一 チ の 必 要 性 を認p せ た 。 そ の 具 体 的 麟 が 消 費 者 行 動 へ の̀̀natUraliStiCinqUiry"で あ る・ 象 徴 的 相 互 作 用 論 や,,, 的 相 互 作 用 論 は研 究 者 の 現 象 に接 す る態 度 に本 質 的 変 革 を 迫 る も の で あ る。 この よ う に マ ー ケ テ ィ ン グ研 究 者 は今 日新 た な...,.と 方 法 の 整 備 に 着 手 す べ き で あ る とい え る ・ そ の 方 向 性 は つ ぎの 五 点 腰 約 で

き る.(1)職 略 」 に偏 向 す る こ と な くマ ー ケ テ ィ ン グ 理 論 を:':す る・(2)人 間 の 「生 」 の 本 質 と深 くか か わ る研 究::=̲̲aを 選 択 す る ・(3)研 究 者 は現 象 に 積 極 的 に 参 与 す る こ と に よ っ て 考 察 を 進 め る・(4)マ ー ケ テ ィ ン グ研 究 に お け る

ヒ ュ ー マ ニ ス テ ィ ッ ク ・ア プ ロ ー チ の 意 義 を評 価 す る,⑤ 消 費 行 為 を人 間 行 動 の トー タ ル な 枠 組 み の な か に 位 置 づ け る。

(1990年9月29日)

参照