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スラブ突起部の変状の実態とその原因に関する検討

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Academic year: 2022

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スラブ突起部の変状の実態とその原因に関する検討

西日本旅客鉄道株式会社 正会員 ○吉川 秀平 西日本旅客鉄道株式会社 古満 亮人 西日本旅客鉄道株式会社 湧田 明広 西日本旅客鉄道株式会社 谷川 英之

1.はじめに

山陽新幹線博多開業後35年経過したスラブ軌道において、近年、突起コンクリートのひび割れ、欠損等が みられる。突起コンクリートは、スラブ軌道の移動に対し、軌道縦荷重及び横荷重を支える重要な部材である ことから、突起コンクリートの損傷原因の究明と補修方法の確立は、極めて重要な課題である。そこで本稿で は、突起コンクリート変状の実態について調査し、原因に関して検討を行ったので、その内容を報告する。

2.突起コンクリートの現状

図-1 突起コンクリートの損傷例 突起コンクリートの損傷例を図-1に示す。突起コンクリート上面

にひび割れや欠損が確認できる。突起コンクリートは、一定のレール のふく進抵抗力を見積もり強度設計がなされているが、設計より大き なふく進抵抗力が発生した場合、突起コンクリートが破壊される可能 性があると考えられる。山陽新幹線では、レール締結装置のボルト締 結トルクの管理に加えて、締結装置の形状管理(上ばねと下ばねの接 触)を実施しているため、ふく進抵抗力が増加している可能性が懸念 される。

3.突起コンクリートに作用する荷重

設計では、突起コンクリートに作用する荷重は式(1)で算出され る1)

図-2 ふく進抵抗力試験

⋅ μ

− + +

= F F F W

F (

r p

)

2 c2 ・・・(1)

F:突起コンクリートに作用する力 W:軌道スラブの自重(49kN)

Fr:ロングレール縦荷重 (55kN) μ:軌道スラブとCAモルタルの摩擦係数(0.35)

Fp:軌道スラブ温度縦荷重(33kN)

FC:ロングレール横荷重(50kN)

式(1)より突起コンクリートの設計荷重 は84kN となる。この設 計荷重に対し、実際に突起コンクリートに作用する荷重を確認するた め、敷設後約15年経過したレールとレール締結装置

を持ち込み、ふく進抵抗試験を行った。なお、試験に 使用した部材は、60kgレール3mおよび直結 8 型締 結装置 2 締結分とした。

F

試番 軌道パッド種別 緊締トルク(N・m)

1 5

2 8

3 100

4 5

5 8

6 100

リブ付鋼板付軌道パッド

軌道パッド

0 0 0 0

表-1 試験条件 (標準)50~70N・m

4.レールふく進抵抗試験

(1)試験概要

レールふく進抵抗試験の状況を図-2に示す。試験 では、軌道スラブを模擬した供試コンクリートブロッ

キーワード 突起コンクリート,補修方法,レールふく進抵抗力,軌道スラブ,インサート

連絡先 〒732-0822 広島県広島市南区松原町 1 番 1 号 西日本旅客鉄道株式会社 広島新幹線保線区 TEL082-263-6230 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑479‑

Ⅳ‑240

(2)

クを固定し、レール軸方向に荷重を載荷して、

載荷荷重とレール軸方向変位を測定した。試 験条件を表-1に示す。レールふく進抵抗力 に影響を与える因子と考えられる軌道パッ ド種別およびレール締結装置の緊締トルク を変化させて試験を行った。

(2)試験結果

測定結果から算出した軌道スラブ 1 枚あ たりのロングレール縦荷重と、そのロングレ ール縦荷重から式(1)により推定した突起

コンクリートに作用する荷重を図-3に示す。図-3より、緊締トルクに比例してロングレール縦荷重が大き くなることがわかる。なお、試験に用いた板ばねの一部は100N・mの緊締トルクで締め付けても上ばねと下 ばねが接触する状態になっていないものもあった。また、軌道パッドの鋼板有無によるロングレール縦荷重の 差異はみられなかった。

図-3 ロングレール縦荷重及び突起に作用する力

今回の試験結果でロングレール縦荷重の最大値 76.4kN から算出した突起コンクリートの作用荷重は

110kNとなり、設計荷重の約1.3倍の荷重が作用する可能性があることが分かった。

(3)考察

今回の試験に使用した直結8形レール締 結装置の板ばねは、上ばねと下ばねが接触 する状態になるまで、標準トルクの2倍以 上のトルクが必要であった。これは経年に よる板ばねの変形(へたり)の可能性が考

えられる。そこで新品と試験で使用した発生品について、上ばねと下ばねの開口量と、上ばねと下ばねが接触 する状態になったときのレール押さえ力を測定した。レール押さえ力は、板ばねの締結ボルトの軸力を測定し、

反力を算定して求めた。その結果を表-2に示す。発生品の一部は上ばねと下ばねの間隔が新品より大きくな っており、上ばねと下ばねが接触する状態にすると、大きなレール押さえ力がかかることがわかった。

現場の保守管理では板ばねが上ばねと下ばねが接触する状態となるように形状管理をしていることから、緊 締トルクが100N・mとなっている箇所もあり、ロングレール縦荷重の増大は、板ばねの経年劣化が一因と推 定される。

5.まとめ

今回の検討により、以下のことが分かった。

・敷設後年月が経った直結8型締結装置では、ロングレール縦荷重が増加し、突起に作用する力が増大する 恐れがあり、これが突起コンクリートを損傷させる原因の一つであると推定される。

・直結8型締結装置の板ばねにおいて、新品と発生品とでは、レール押さえ力が大きく異なる結果となり、

ロングレール縦荷重の増大は、板ばねの経年劣化が一因であると推定される。

6.おわりに

突起コンクリートの劣化に対する対策としては、突起コンクリート部の鉄筋を増やすなどして突起コンクリ ート自体を補強する方法や、軌道スラブ側面にある既設インサート孔を利用してコンクリート路盤に固定しロ ングレール縦荷重に抵抗する方法のほか、レール押さえ力が変化しないよう締結装置を改良することも考えら れる。今後、適切な補修方法を確立するために、さらに検討を深めていく所存である。

参考文献

1)須田征男、長門彰、徳岡研三、三浦重:「新しい線路」19973

1 2 3 4 a b c d

3.90 3.57 3.22 3.43 6.28 5.37 3.57 6.38

3.7 3.5 3.3 2.8 7.1 6.2 5.6 7.8

上ばねと下ばねの間隔(mm) レール押さえ力(kN)

新品 発生品

表-2 直結8形締結装置バネ新品と発生品の比較結果

52.9 55.9

76.4

53.2 57.7

66.9

87.0 89.9

110.3

87.2 91.7 100.8

120 140

0 20 40 60 80 100

試番1 試番2 試番3 試番4 試番5 試番6

(kN

ロングレール縦荷重 突起に作用する力

設計荷重84kN

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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