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図 2 に解析モデルの寸法、境界条件を示す

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Academic year: 2022

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(1)

井戸理論解との比較によるFEM解析モデルのメッシュ分割影響に関する検討

清水建設(株)技術研究所 正会員 ○白石 知成、佐藤 春香 1.はじめに

FEMによる地下水流動解析を実施する際には、メッシュ分割の妥当性について解析技術者は悩むことが多い。

本検討では、被圧帯水層を対象とした定常井戸理論解とFEM解析結果の比較により、解析結果として得られる流 量、水頭値に及ぼすメッシュ分割影響について検討するとともに、得られた知見から地下水流動解析におけるFEM メッシュ分割の注意点について考察した結果について報告する。

2.解析モデル

被圧井戸理論を用いたFEMメッシュ影響を比較検討する解析モデルとして、図 1 に示すような 3 種類の解析モデ ルを作成した。半径 0.05m の井戸を考慮し、その影響圏半径 50m のモデルであり、井戸周辺の要素を細かく設定した fine モデル、粗めに設定した coarse モデル、中間的な mid モデルの 3 つである。表 1 に示すように、全モデルにお いて井戸壁面から影響圏までを 40 の要素に分割し、fine モデルの最小要素長は、井戸半径に近い値になるように設 定した。mid モデルの最小要素長は、井戸半径の約 4 倍、同じく coarse モデルの最小要素長は約 10 倍である。

3 つのモデルの自由度(節点数)は同じであり、メッシュ分割影響のみを比較することができる。

一般的には、fine モデルのように井戸周辺の動水勾配が大きくなる領域はメッシュを細かくし、影響圏に近い領域 ではメッシュを粗くする方法が適切であるとされている。図 2 に解析モデルの寸法、境界条件を示す。

(c) coarse モデル (b) mid モデル

(a) fine モデル

図 1 被圧井戸理論解との比較に用いた解析モデル 表 1 解析モデル詳細

要素 分割数

最小要素長

(m)

最大要素長

(m)

fineモデル 0.056 5.613

midモデル 0.194 3.873

coarseモデル 0.500 2.499 解析モデル

影響圏半径50m(井戸半径0.05m)

40

井戸(半径 0.05m)

49.95m

H=16m hw=11m

E.L.10m

E.L.0m 不透水境界

不透水境界

※岩盤の透水係数:1.0E-5(m/s) 図 2 解析モデル寸法、境界条件 3.解析結果

まず、定常被圧井戸理論に基づく井戸流入量と解析結果

から得られた井戸流入量とを比較した結果を表 2 に示す。 表 2 井戸流入量の理論解と解析結果の比較

理論解 解析結果

fineモデル 4.590E-04 1.008 midモデル 4.766E-04 1.047 coarseモデル 5.130E-04 1.127

4.553E-04

井戸流入量(m

3

/s)

解析結果/理論解

解析モデル 解析モデルから得られた井戸流入量は、fine モデル<

mid モデル<coarse モデルの順に多くなることがわかる。

理論解に最も近い解析結果は fine モデルの場合であり、

流量の誤差は 1%未満であったが、coarse モデルの場合で は約 13%の誤差があることがわかる。

キーワード 地下水流動解析、メッシュ分割、解析精度、井戸理論、定常評価

連絡先 〒135-8530 東京都江東区越中島 3-4-17 清水建設(株)技術研究所 TEL(03)3820-8428 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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(2)

図 3 に、井戸理論解および解析結果から得られた全水頭分布 の比較図を示す。表 3 は、理論解と解析結果の水頭値の偏差 を計算した結果である。これらより、メッシュの違いにより 流量の精度と同様の傾向が認められることがわかる。

図 3 全水頭分布の比較

10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0 17.0

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

井戸中心からの距離 (m) 全

水 頭 値 ( m

) coarseモデル

midモデル fineモデル 理論解

これら結果から、同じメッシュ数のモデル化の場合、従来 から言われるように、動水勾配の大きい領域のメッシュを細 かく、動水勾配が小さい領域のメッシュを粗くすることで、

理論解と比較しても十分な解析結果が得られると言える。

一方、このような理論解が明確な問題に対して、解析コー ドが同じであってもメッシュ分割の影響により解析結果が異 なることから、理論解を解析コードの検証等に用いる場合に はメッシュ分割に注意する必要がある。

表 3 井戸理論による地下水面との偏差

fineモデル 0.017 midモデル 0.075 coarseモデル 0.161 理論解 解析結果 の偏差ε

(m)

偏差εの算出方法 解析モデル

(40) ) -

( 2

メッシュ数 理論解 ε = ∑ 解析値

4.メッシュ分割影響に関する考察

次に、定常被圧井戸理論解の再現性の観点から、メッシュ 分割と解析精度について検討を行った。

図 4 に理論解の水頭分布による動水勾配と解析結果による 動水勾配との比率について比較した結果を示す。

0.8 0.9 1.0 1.1 1.2

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

井戸中心からの距離 (m) 動

水 勾 配 比 率( 解 析 値

/ 理 論 解) ( m

)

coarseモデル midモデル fineモデル

図 4 動水勾配比率の比較 これより、メッシュ分割の違いにより動水勾配の再現性が

異なっており、井戸中心から離れるにつれて一定となる。こ の一定値は井戸への流入流量比率とほぼ同じである。この要 因は、井戸近傍の動水勾配の再現性に依存していると考えら れ、井戸の極近傍のメッシュ分割の影響が大きいことを示し ている。また、井戸から数 m 離れた地点から遠方に関しては、

メッシュの大きさによる解析精度への影響はほとんどない、

と言うこともできる。

図 5 に解析結果の動水勾配分布の比較結果を示す。fine モ デルでは井戸近傍において動水勾配が 9.0 以上となっている が、他のモデルでは小さい動水勾配となっている。

図 5 解析結果動水勾配分布の比較

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

井戸中心からの距離 (m) 動

水 勾 配 ( -

)

coarseモデル midモデル fineモデル

また、図 4 と比較すると、井戸近傍における動水勾配が 1.0 を越える部分が井戸近傍の重要な領域であると考えられ、こ れらの領域での動水勾配をメッシュ分割で再現することがで きればより理論解を再現できるはずである。そこで、井戸周 辺について fine モデルよりも細かく、影響圏付近を粗くした メッシュを作成して解析を実施したところ、流量および水頭 値についての理論解との誤差が小さくなることを確認した。

5.まとめ

本検討内容、結果およびメッシュ分割に関する知見について以下にまとめる。

① 被圧井戸理論解とFEM解析との比較を行い、FEMメッシュ分割の違いの影響について感度解析を実施した。

② 井戸解析のように、井戸周辺の動水勾配が 1.0 よりも大きくなる領域での動水勾配の再現性が、解析結果の精 度に影響を及ぼすと考えられ、メッシュ分割を細かくすることで流量、水頭の精度向上に繋がることがわかった。

③ ②について言い換えると、地下水流動解析においては、動水勾配が 1.0 よりも小さい条件であれば、メッシュ 分割の影響は小さいと考えられ、極端なモデル化を行わない限り妥当な解析が実施できると考えられる。

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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参照

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