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を用いた.部材が健全な状態から破断が発生する場合と,部材が腐食し

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅰ‑593. 開床式鋼下路トラス橋のリダンダンシー解析 鉄道総合技術研究所 伊藤忠テクノソリューションズ. 正会員 ○斉藤 雅充,池田 学 正会員 田島 文彦,由井 幸司. 1.はじめに ミネソタ州における落橋事故や,国内における部材破断事故を契機として,部材破断時の橋梁の有するリダンダ ンシー,つまり,部材破断時の余耐力または安全余裕度が着目され,道路橋を中心に研究が行われてきている.道 路橋においては,一般に,コンクリート床板を有しており,トラスの主構(斜材や下弦材)が破断した場合におい ても,床板が断面力を負担することである程度のリダンダンシーを有することがわかっている.本研究では,床板 を持たない開床式の鉄道トラス橋におけるリダンダンシー把握するため,標準的な既設下路トラス橋を対象に三次 元有限要素解析を行った.. 2.解析条件 対象橋梁は, 標準的な橋梁として支間 62m の単線下路トラスとし, 図1に示す 3 次元有限要素モデルを作成した. リダンダンシーの評価方法については,基本的には土木学会のガイドライン. 1). に従って算定することとした.解析. は線形静的解析とし,表1に示す死荷重(部材健全) ,列車荷重(部材健全),部材破断による衝撃荷重を考慮した 解析(破断想定部材を節点で分断)をそれぞれ行い,各部材で得られた断面力を足し合わせることで,部材破断時 の断面力を算定した. 表2に部材の照査条件を示す.条件1は,列車荷重による余裕分を排除した形で部材破断の影響を確認するため のケース,条件2は,列車荷重の余裕分を考慮したもの,条件3は,さらに部材の腐食として格点部の腐食を考慮 したものとした.列車荷重は設計時の荷重として KS-18 荷重(最大軸重 180kN)と,現在の実列車の荷重レベルと なる KS-14 を考慮した.載荷位置は着目する部材にとって軸力が最大となる軸配置とし,これに列車走行による衝 撃荷重を考慮して 1.3 倍したものを用いた.さらに,実際に走る列車荷重相当として KS-14 とした場合も考慮した. 部材破断による衝撃荷重は,破断想定部材が健全時(死荷重+列車荷重時)に負担していた断面力の逆向きの力に 衝撃係数を乗じたものを破断想定部材両端の格点に加えた.衝撃係数は,引張部材には,やや安全側の設定. 2). では. あるが文献 1)より 1.852 とし,圧縮部材は座屈によって破壊するため急激な破断がないものと考え 1.0 とした.解 析結果に対し,各部材の軸力,面内曲げ,面外曲げを連成させた照査を行った.部材の耐力は,主構部材そのもの の破断または座屈耐力と,格点部の耐力. 1). を用いた.部材が健全な状態から破断が発生する場合と,部材が腐食し. ている状態として,既設橋梁における腐食の状況を考慮して,格点部のガセットプレートの板厚を半減した場合の 2 条件を考慮した.. 3.解析結果 部材健全時(破断のない状態=死荷重+列車荷重)では,破断等に対して照査値 0.5~0.6 程度となる.また,格 点部の耐力は,基本的には部材の耐力より大きいが,一部に逆転しているものがみられた.これは,部材の許容応 表1 解析ケース(各破断想定部材に対し実施) 解析分類 死荷重 列車荷重 部材破断. 部材の状態 健全 健全 破断想定部材を分断+衝撃. 表2. 摘要 各ケース共通 各破断想定部材の最大断面力となる位置 上弦材,斜材,下弦材の破断を想定. 番号 条件1 条件2 条件3. 部材の照査条件 列車荷重 KS-18 KS-14 KS-14. 格点部腐食 なし なし あり. 上弦材①②③ この載荷ケースで考慮する破断想定部材 斜材③ 斜材① ②. ③ ④. ⑤. ⑦ ⑥. 下弦材①②③④. 斜材④. ⑧ 斜材①-1…手前の主構 (破断想定部材と同じ側) 斜材①-2…奥の主構. 図1 三次元有限要素モデル. 図2 列車荷重の軸配置の例. キーワード リダンダンシー,下路トラス,開床式,部材破断,列車荷重,部材腐食 連絡先 〒185-0034 東京都国分寺市光町 2-8-38 (公財)鉄道総合技術研究所 構造物技術研究部 TEL042-573-7280. ‑1185‑.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅰ‑593. 力度やガセットの必要板厚といった異なる観点で部材断面が設定されているためと考えられる. 検討結果の例として,部材破断時の照査結果の概略を図3に示す.ある部材の破断時に,照査値が 1.0 を超えて いる部材が存在する場合,連鎖破壊が生じて落橋に至る可能性が高いと考えられる.下弦材②破断時には,周辺の 部材の照査値は 1.0 以内となった.これは,下弦材の負担していた軸力が,下横構および縦桁を介して伝達され, 破断部材と反対側のトラス面の下弦材も負担していることによると考えられる.斜材②破断時には,下弦材や上弦 材で照査値 2.0 を超える値となり,他の斜材等も照査値 1.0 を超えるものとなった. 各部材が破断したときの,周辺部材の最大照査値をまとめたものを,表3および図4に示す.表3には,最大照 査値となる部材も併せて示す.支点部に近い斜材の破断や,上弦材の破断で照査値が大きくなる傾向が見られた. 下弦材は,いずれにおいても照査値が 1.0 を下回った.条件2では列車荷重の設計と実態の差が余裕分として,わ ずかに結果が異なるものとなった.条件3では,格点部の耐力が減少し,斜材や弦材に先行して格点部が破断する 場合も生じた.検討結果の可視化の試みとして,図5に,周辺部材の最大の照査値を部材色および部材の太さで表 現したマップを示す.このような形で,落橋に対する部材の重要度を視覚的に捉えることができると考えられる.. (a) 下弦材②破断時. (b) 斜材②破断時. 図3 部材破断時の各部材の照査値 表3 主な部材破断時の照査結果 条件1 照査 破断 結果 最大とな 最大の 部材 る部材 照査値 1.333 上弦材①-1 斜材③-2 上弦材②-1 上弦材③-2 1.023 0.651 下弦材②-1 斜材②-2 下弦材③-1 上弦材③-2 0.644 下弦材④-1 上弦材③-2 0.688 1.523 斜材①-1 斜材③-2 3.942 斜材②-1 斜材③-1 1.369 斜材③-1 斜材②-1 斜材④-1 下弦材②-1 1.984. 条件2 最大とな 最大の る部材 照査値 1.222 斜材③-2 0.909 上弦材③-2 0.651 斜材②-2 0.644 上弦材③-2 0.688 上弦材③-2 1.407 斜材③-2 3.985 斜材③-1 1.291 斜材②-1 1.942 下弦材②-1. 条件3 最大とな 最大の る部材 照査値 1.222 斜材③-2 1.065 格点 L0 1.158 格点 U3 1.158 格点 U3 1.158 格点 U3 1.407 斜材③-2 3.985 斜材③-1 1.291 斜材②-1 1.942 下弦材②-1. 周辺部材の最大の照査値 (≦1.0 で終局耐力以内) 照査値. 5.0 条件1 4.0. 条件2 条件3. 3.0. 2.0 1.0 0.0. 上 弦 材 ①. 上 弦 材 ②. 下 弦 材 ②. 下 弦 材 ③. 下 弦 材 ④. 斜 材 ①. 斜 材 ②. 斜 材 ③. 斜 材 ④. 破断部材. 図4. 主な部材破断時の. 周辺部材の照査結果. 最大の 照査値 4.0 3.0 2.0 1.0. (a) 条件1(KS-18,腐食なし). 0. (b) 条件2(KS-14,腐食なし). (c) 条件3(KS-14,腐食あり). 図5 照査結果マップ(各部材破断時の周辺部材の最大の照査値). 4.おわりに 鉄道に用いる開床式下路トラス橋を対象にリダンダンシーを三次元有限要素解析により把握した.結果,開床式 の橋梁であっても,下横構や縦桁があることで,下弦材破断時の照査値は低い傾向がみられた.ただし,これは部 材破断時に横構などの部材も健全である必要があると考えられる.また,既設橋梁の評価においては腐食状態の考 慮等も結果に関わる重要事項となりうる.今後は床組部材破断時の評価等の実施を考えている.. 参考文献 1) 鋼構造物のリダンダンシーに関する検討小委員会:リダンダンシー評価ガイドライン(案) ,土木学会 鋼構造委員会,2014.6 2) 後藤芳顕ほか:リダンダンシー解析における鋼トラス橋の引張り斜材破断時の衝撃係数,構造工学論文集,56A, 2010.3. ‑1186‑.

(3)

参照

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