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地盤材料のスレーキング現象と物理・力学特性の変化に関する実験

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Academic year: 2022

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地盤材料のスレーキング現象と物理・力学特性の変化に関する実験

横浜国立大学 非会員 福田 圭吾 横浜国立大学 国際会員 ○ 菊本 統 東京大学 正会員 京川 裕之 山口大学 国際会員 中島 伸一郎

1. はじめに 泥岩や頁岩で構築した道路盛土の崩壊事例が幾つか報告されており,降雨時の地下水位の変動等に よる乾湿繰返しに伴って風化が進行するスレーキング現象の影響がしばしば指摘されている1).既往の検討では,

乾湿履歴に伴うスレーキングの発生過程に着目した検討2)が多かったが,風化過程と変形挙動の関係を実験的に検 討した例は少なかった.そこで,本研究では乾湿繰返し過程を考慮した力学試験(圧密スレーキング試験)を実施 し土構造物内の応力状態を想定した拘束応力下の土のスレーキング現象とその変形特性への影響について検討した.

2. 気中スレーキング試験の概要と結果 板橋らの実験 2)を参考に,拘束圧を受けない条件下で真砂土,赤土およ び泥岩(静岡県掛川市にて採取)に対して乾湿を繰返す気中スレーキング試験を行い,圧密スレーキング試験に用 いる試料を選定した.まず土試料を耐熱ビーカーに入れ,蒸留水に水浸して常温で24時間放置した.その後,上澄 み液をスポイトで取り除いた上で24時間,90℃で炉乾燥した.これを湿潤,乾燥の1サイクルとして所定のサイク ル数,繰り返した.なお,圧密スレーキング試験の試料高さが

20mmであることを考慮して,真砂土は0.425mmフルイ,それ

以外は0.85mmフルイで均一粒径に調整した試料を用いた.湿乾

サイクル数は1, 2, 4, 8, 12, 16 cyclesとし,所定のサイクル後,粒 度試験と最大・最小間隙比試験を行った.Fig.1に示す結果のよ うに,掛川泥岩は乾湿繰返しに伴うスレーキングの進行過程が 明瞭であったため,圧密スレーキング試験に用いることとした.

3. 圧密スレーキング試験の概要 拘束応力が作用する条件下 での地盤材料のスレーキング現象とその変形特性への影響を検 討するため圧密スレーキング試験を行った.試験にFig.2に示す ように,炭酸ガスおよび乾燥空気の通気経路と脱気水の通水お よび排水経路を設けた圧密容器で実施した.試験は乾燥試料を 用いて所定の応力まで一次元圧縮を行った後,気中スレーキン グ試験と同様に湿潤,乾燥の順で湿乾サイクルを与えた.まず,

湿潤過程では供試体の飽和を促進するため二酸化炭素を30分間 通気し,水頭差により脱気水を通水し,供試体を水浸させた状 態で6時間放置した.乾燥過程では水頭差により30分間,排水 を行い,圧密容器内の脱気水をスポイトで取り除いた上で,容 器内にシリカゲルを設置して乾燥を促した後,シリカゲルを入 れたセルを介して供試体に乾燥空気を 6 時間通気した.これら 一連の流れを湿潤・乾燥 1 サイクルとして,サイクル経過に伴 う変形特性を観察するとともに,所定のサイクル後,粒度試験 と最大・最小間隙比試験を行った.実施した試験パターンを Table.1 に示す.本実験では,2種類の圧密応力(v' = 314, 1256 kPa)に対して,湿乾サイクル数を変化させて6ケース実施した.

キーワード;スレーキング,泥岩,圧密試験

連絡先;〒240-8501横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5,横浜国立大学地盤研究室,Tel(FAX):045(339)4038

0 4 8 12 16

0 4 8 12 16

Fc

Cycles n

Kakegawa M udstone

Masa-do

Reddish soil

Fig.2 圧密スレーキング試験の概略図

Fig.1 湿乾サイクルと細粒分含有率の変化

試験条件

圧密応力 314kPa 1256kPa

試験ケース 0,1,3,6cycles 0,3cycles Table 2 試験条件

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑465‑

Ⅲ‑233

(2)

4. 圧密スレーキング試験の結果と考察 Fig.3 に湿乾繰返し回数と間隙 比の関係を示す,図より,いずれのケースにおいても初回の湿潤時に大き く沈下した.その後,サイクル数の増加に伴って少しずつ体積圧縮を生じ るが,サイクルを重ねる毎に間隙比の変化は見られなくなった.圧密応力 の違いに着目すると,間隙比の多寡に違いはあるものの,初回の浸水に伴 う間隙比の減少量やその後の変化は同様であった.Fig.3 は初期状態,圧 密載荷後(湿潤前)および所定の湿乾サイクル後の粒径加積曲線であるが,

泥岩試料は乾湿繰返し前の載荷でも粒子破砕を生じて粒度が変化してい ることがわかる.さらに湿乾繰返し履歴を与えると初回のサイクルで明瞭 に粒度変化を生じて,湿乾サイクルを重ねるとさらに粒度変化を生じて細 粒分が増加する様子を確認できる.ただし,3サイクル以上の湿乾繰返し での粒度変化は小さかった.以上のことをまとめると,土構造物内を想定 した拘束応力が作用する条件下で泥岩の粒度調整試料が乾湿繰返し履歴 を受けると,初回の湿潤時に粒度特性が変化するとともに大圧縮を生じ,

その後の湿乾繰返しでは徐々に粒度変化を生じつつ,僅かな体積圧縮を生 じるものの,湿乾サイクル数が増加すると粒度変化も堆積変化もいずれ停 滞する.このように,スレーキング現象と変形特性は密接に関わりのある ことがわかる.ただし,初回湿潤時には乾燥‐不飽和‐飽和の変遷メカニ ズムに伴う体積変化(浸水コラプス)も生じていると予想されるため,間 隙変化量とスレーキング現象を直接的に関連付けることは難しい.

Fig.5は湿乾サイクルと最大・最小間隙比emax, eminの関係である.図よ

り,最大・最小間隙比は初期サイクル時に明瞭に減少し,サイクルを増加 するとさらに減少するものの,所定のサイクル数を経ると変化が小さくな

る.Fig.6は湿乾サイクルと細粒分含有率Fcの関係であるが,初期湿潤時

に細粒分が増加し,その後,湿乾サイクル毎に徐々にFcが増加すること がわかる.圧密応力の違いでは,σv´=1256kPaが乾湿繰返すことで細粒分 が増加するが,σv´=314kPa との比較にはさらに実験ケースを増やした検 討が必要と言える.Fig.6は細粒分含有率とemax・eminの関係である.圧密 応力の違いでは,同じような変化をみせた.0cycle時の細粒分含有率が異 なり,また,同サイクル時の変化はσv´=314kPa での細粒分含有率の方が 大きな変化はみせたが,σv´=1256kPaの細粒分含有率の方が大きくなった.

このことより圧密応力の高い方が細粒分は増加するが emax・eminは減少す ることが分かる.

5. まとめ 今回,新たに提案した圧密スレーキング試験により,拘束応力を受けた地盤材料のスレーキング現象 とその変形特性への影響について検討を行った.今回湿潤・乾燥を6時間と設定したが,実際の地盤内では長時間 での乾湿繰返しが予想でき,よりスレーキングによる変化が起きると考えられる.また,現在スレーキング材を盛 土等に用いる際過去の経験から変形特性などを判断しており,拘束応力を受けた地盤材料のスレーキングに関する 解析モデルは現在確立されていない.今回の試験よりもわかるように解析モデルを考える際,スレーキング現象が 発生した地盤材料はその材料本来がもつ特性が変化しまったくの別物と考える必要がある.最後に,ここで用いた 土質試料は,高速道路総合技術研究所 道路研究部 土工研究室にご提供頂いた.ここに記して謝意を表す.

参考文献 1) 菅,土木技術資料53-3(2011). 2) 板橋ら,土木学会論文集No.505/Ⅲ-29,pp181-190(1994.12).

Fig.4 粒径加積曲線の変遷

Fig.5 スレーキングサイクルと最 大・最少間隙比emax, eminの関係

Fig.6 スレーキングサイクルと 細粒分含有率Fcの関係

Fig.3 乾湿繰返し時の間隙比の変化

0.8 1 1.2 1.5 1.8

0 1 2 3 4 5 6

void ratio e

Cycles n

0 20 40 60 80 100

0.1 1

% finer [%]

Particle size d [mm]

1.6 2

0 1 2 3 4 5 6

void ratioe

Cycles n

0 4 8 12

0 1 2 3 4 5 6

Fc

Cycles n

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

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参照

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