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土中間隙での水道水の溶存酸素量と飽和度の変化 独立行政法人

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Academic year: 2022

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(1)III‑553. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 土中間隙での水道水の溶存酸素量と飽和度の変化 独立行政法人. 防災科学技術研究所. 清水建設㈱ 1.目的. 技術研究所. 正会員. 佐藤. 正会員. ○後藤. 正義 茂. 地盤の液状化等の地震時動的特性に関する実験では試料の完全飽和が必要とされるため,間隙水. も真空脱気した水を用いる場合がほとんどである.しかし,大型液状化土槽実験などでは多量の水を使用する ため脱気水を作成することに大きな労力が必要となる.本報では,大型液状化土槽実験への水道水の適用性を 検討するため,水道水に含まれる溶存気体量の変化に着目した基本実験を行った.主な検討項目は水道水を気 中および砂試料の間隙に静置した場合の溶存酸素量の変化と間隙水に用いた場合の砂試料の B 値変化である. 2.溶存酸素量の測定方法および試料砂 試料水に溶存する酸素量は ポータブル溶存酸素計(東亜ディーケーケー製,DO-21P)を用いて測. 電流計. 定した.この酸素計の測定原理を図 1 に示すが,隔膜式カルバニ電池 方式を用いている.この方式では試料水から隔膜を透過して浸入する. 対極(Pb). 酸素によって電解液の酸素濃度が変化し,それに応じて 2 電極間に生 電解液(KOH). じる電流量を計測することにより試料水の酸素量を算定している. 土槽実験,三軸供試体の実験ではアルバニー#48 硅砂を用いて模型地. 作用電極(Ag). 盤を作成した.図 2 に粒度分布を示すが,この硅砂は豊浦砂とほぼ同 等の粒度分布を持った砂である.. 図1. ビーカ. 100 加積重量百分率. ーに水道水 400ml を取り,溶存酸素計を水没させた状 態で 1 時間毎に溶存酸素量(以降は DO と呼ぶ)を測定 した.また,比較のために約 20 時間真空脱気を行った 水も同様の計測を行った.図 3 に計測結果を示す.水 道水は採取初期は比較的高い DO の値を示すが,数時間. 80 豊浦砂. 60. アルバニー硅砂. 40 20. 後には 7mg/l 程度の値に減少し,その後 3 日間経過し. 0 0.01. ても値に大きな変化は生じなかった.一方,脱気水の. 0.1. 1 粒径 mm 図2 アルバニー硅砂の粒度分布. DO は初期が 2mg/l 程度のものが時間の経過とともに上 水と同等の値になった.以上のように脱気水の効果は. 8 溶存酸素量 mg/l. 時間とともに減少するが,水道水の DO は時間が経過し ても変化が小さいことが明らかになった. 土粒子と接. 触した状態での水道水の DO の変化を検討するために土 槽に水道水で満たした模型地盤を作成し,間隙水の DO. 10. 35. 10. 昇し,2 日間経過した時点では脱気を行っていない水道. 4.砂地盤間隙中での溶存酸素量の変化. 隔膜式カルバニ電池の原理. 30. 水道水 DO. 6. 25. 脱気水 DO. 4. 20 水温. 2. 15. の変化を計測した.土槽はφ28cm の円筒形土槽であり 0. 約 20cm の厚さで乾燥状態の硅砂を詰めた.模型地盤の 相対密度は約 40%であり,水道水を土槽底部に設けた採. 連絡先. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 10 80. 図3 気中静置状態での溶存酸素量の経時変化. 飽和,間隙水,水道水,溶存酸素量,B 値 〒135-8530 東京都江東区越中島 3-4-17. 70. 経過時間 h. 水口ら静かに注入して地表面から上へ約 10cm まで冠水 キーワード. 0. 清水建設㈱ 技術研究所. ‑1105‑. TEL03-3820-5245. 水温 ℃. 3.気中に静置した場合の溶存酸素量の変化. 隔膜(テフロン).

(2) III‑553. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 10. させた.間隙水は土槽底部および地表面下 10cm に設けた 採水口から採水して DO を測定した.採水量は 1 箇所あた. 8. 合と大きく異なり初期に 8mg/l 程度であった DO が時間の 経過とともに 2mg/l まで低下している.但し,硅砂中には 酸素を消費する砂鉄等はほとんど検出されなかった. 5.三軸供試体間隙水の溶存酸素量と B 値の変化. 飽和. 溶存酸素量. 図 4 に間隙水の DO の変化を示すが,気中に静置した場. mg/l. り 80ml であり,測定後の水は土槽に戻していない.. 6 冠水部 中部 底部 汲置き水. 4 2. した供試体の間隙水を水道水に替えることによる B 値の 変化を計測した.供試体寸法はφ50mm,高さ 110mm であり,. 0. 相対密度は 50%程度である.また,供試体は外部からの空. 0. 100 200. 気の浸入を防ぐ目的でゴムスリーブの外側からラッピン 図4. グフィルムで被覆した.まず,乾燥状態の硅砂供試体を脱 は 1.8mg/l であり,通水後の B 値は 0.98 になった.その 後に,水道水を通水することにより間隙の水を脱気水から 水道水に置き換えた.この時の水道水の DO は 7.5mg/l で あり,脱気水から水道水への通水の切り替えは気泡が混入 しないように工夫してある.図 5 は水道水通水時の供試体 から排出される水の DO の値を示したものである.水道水 通水初期には排出水の DO はほぼ脱気水相当になっていた. 模型地盤間隙水の溶存酸素量の経時変化. 8 7 水道水のDO;7.5mg/l 6 5 4 3 脱気水のDO;1.8mg/l 2 1 0 0 100 200 300 400 500 累計流量 cc 図5 水道水通水時の排出水の溶存酸素量の変化. が,約 300ml の通水で排出水の DO は水道水程度になった.. 1 脱気水飽和時のB値. 但し,供試体の間隙容積は約 80ml である.水道水を総量 0.8. で 3700ml 通水させた後に B 値は 0.74 になった.水道水通 水後の供試体は拘束圧 98kPa の下で約 6 日間静置した.図 共に B 値が低下し,6 日間静置後に 0.58 になった.静置 後に抽出した間隙水の DO は約 3mg/l になっていた. 既往の研究. 1). では水から遊離した空気が砂試料中で気. 0.6 B値. 6 に静置期間中の B 値の経時変化を示すが,時間の経過と. 700 800. 溶存酸素量 mg/l. 気した状態で脱気水を通水して飽和させた.脱気水の DO. 300 400 500 600 経過時間. 水道水置換後 0.4 B=0.74 Sr=99.7%. 0.2. 泡を形成する事が報告されている.1mg の酸素は常温常圧 下では 0.7ml の気体となるため,DO で 1mg/l の遊離は間 隙水にとって 0.07%の飽和度の低下になる.B 値と飽和度 の関係 2)によれば静置中の B 値の低下は飽和度に換算する. B=0.58 Sr=99.4%. 0 0. 50 経過時間 図6. 100. 150. 三軸供試体のB値の経時変化. と図中に示すようになり,間隙水の DO の減少と良い対応を示す.一方,通水直後の B 値の低下は脱気水と水 道水の体積圧縮性の相違の影響ないしは水道水通水時の気泡の発生などの可能性が高いと思われる. 6.まとめ. 水の溶存酸素量の変化を計測した結果,①水道水の DO は気中に静置してもあまり変化しな. いが,砂の間隙中に静置されると時間とともに著しく低下する,②脱気水で飽和した試料の間隙を水道水で置 換すると B 値が大きく低下するが,時間の経過とともに遊離する気体により更に B 値が低下することなどが明 らかになった.今後は,飽和度が低下した状態での砂試料の動的特性の変化などを検討していく予定である. 参考文献. 1)小高,浅岡(1994) :砂質地盤の浸透過程での気泡の発生・発達現象,土木学会論文集,No.487,. Ⅲ-26,pp129-138 2)社本,後藤 (2002):不飽和砂の液状化抵抗の評価法(その1)-繰返せん断履歴効果 を考慮した液状化抵抗の評価法-,第 37 回地盤工学研究発表会 ‑1106‑.

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