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(1)

上面増厚後に再劣化した鋼橋RC床版の補修工法に関する開発

鈴木 真*,神田利之**,樅山好幸***,東山浩士****,松井繁之*****

西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社,道路技術部(〒567-0032大阪府茨木市西駅前5-26)

※※株式会社ケミカル工事,事業統括本部プロジェクト推進室(〒658-0024 神戸市東灘区魚崎浜町5-5)

※※※博(工),西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社(〒567-0032大阪府茨木市西駅前5-26)

※※※※博(工),近畿大学,理工学部社会環境工学科准教授(〒577-8502 東大阪市小若江3-4-1)

※※※※※工博,大阪大学名誉教授(〒565-0824 吹田市山田西4-2-70-1006) 鋼橋の RC 床版の補修工法として,高速道路では上面増厚工法が多く採 用されている.しかし,交通車両による輪荷重の繰返し載荷により,既設 床版部と増厚床版部との境界部に水平ひび割れが生じ,そこに打継目等か ら雨水等が浸入することにより,再劣化した事例が多数報告されている.

本論文では,このように劣化した鋼橋 RC 床版の補修工法として,水平ひ び割れ部を洗浄した後,接着力を有する充填材を注入して再一体化を図る 工法を提案し,交通車両により発生する振動や疲労に対する充填材の接着 性能および耐疲労性について,実橋から撤去された鋼橋 RC 床版を用いて 検証試験を行った結果を報告する.

キーワード:上面増厚工法,水平ひび割れ,充填材,せん断接着,耐疲労性

1.はじめに

鋼橋RC床版の補修工法として,上面増厚工法が採用 されている1).しかし,補修後,交通車両による輪荷重 の繰返し載荷により,既設床版(旧床版)部と増厚床版

(新床版)部との境界部に水平ひび割れが発生し,そこ に雨水等が浸入して,鋼橋RC床版が再劣化した事例が 多数報告されている2),3).著者らは,このような再劣化 した鋼橋RC床版を対象に,新旧床版を再一体化する補 修工法の開発を行った.しかし,本補修工法適用後のRC 床版に対して,解決すべき下記の問題点が残されている.

① 本工法は交通解放を行いながら施工するため,充填 材の注入作業を,交通車両の走行による振動状況下 において実施することになる.この時,充填材を確 実に充填することができるか.

② 充填材注入後,交通車両による輪荷重の繰返し載荷 に対して接着性能を確保することができるか.

そこで,これらの問題に対して,模擬試験体を用いた 基礎データの収集を行い,さらに実橋から撤去された鋼 橋RC床版を用いた検証試験を行った.

2.提案する補修工法

これまでの補修工法は,新旧床版の水平ひび割れ内を 床版上面から圧力ポンプにより洗浄し,水硬化型充填材

を注入して再一体化を図っていた(以下,従来工法とい う).従来工法を採用する場合,床版上面からの実施の ため,水平ひび割れ部内の洗浄が確実に行われたかどう かを確認することが難しい.洗浄が確実に行われないと,

車両走行時のすり磨き現象によりコンクリート同士が 擦れ合い発生した粉体(以下,すり磨き粉という)を残 留させることになり所要の接着性能を期待することが できない.

今回提案する補修工法は,①床版下面から施工を行う ことにより交通規制を行う必要がない(床版上面からの 施工も可能),②水平ひび割れ部の洗浄機器として,ウ ォータージェットノズルを改良したスピンジェットノ ズルを採用し,洗浄効果の向上を図ることができる,と いった特徴を有する(図-1).

図-1 洗浄作業要領

①ファイバースコープにより剥離位置を確認

②剥離部とノズル孔の位置を合せる

④スピンジェットノズル:超高 圧水流によりノズルを回 転させ洗浄

水平ひび割れ部 既設床版(旧床版)

舗装

③固定治具によりノズル の位置を固定

増厚床版(新床版)

第八回道路橋床版シンポジウム論文報告集 土木学会

論文

(2)

3.模擬試験 模擬試験は 試験を行い,

ん断試験を行 3.1 洗浄方

試験体は,

(fck=24N/m 作し,その上 を使用した.

図 本試験体は り確認するこ 重ね合わせる げし,各試験 して空隙(1 時のすり磨き すり磨き粉を クリート部材

(以下,仮想 面にシール材 洗浄試験は は汚泥水の回

(圧力1.3MP は超高圧水発 min)および 体下方から試 試験体4隅に た.CASE1お の残存状況を

CASE1の場 一定のルー に流れ,その したがって,

孔(試験体中 率は46%であ けるスラッジ する(洗浄率

は試験体製作後 充填材の接着 行った.

方法の検討

RC 床版を設

mm2)を有する 上面に透明なア

図-2 コンク は洗浄および ことを目的と

る面をウォー 験体とも重ね合 1~3mm)を設

き現象により を想定して,ウ

材のはつり工 想存置材とい 材を塗布して密 は,2種類の機 回収等に使用

Pa,水量16リ 発生装置(圧力 びスピンジェッ

試験体中央に に設けた排水孔

およびCASE をそれぞれ図-

場合,洗浄水は トを作りなが の後,同じルー 仮想存置材は 中央)から半径 あった.ここで ジ部と洗浄部 率=(スラッジ

後,洗浄試験 着性能を確認

設計する際に必 るコンクリー

アクリル板を

クリート版の構 び充填材の注入 し,コンクリ ータージェッ

合わせる面に 設けた.空隙内

水平ひび割れ ウォータージ 工事の際に回収

う)を敷き詰 密閉した.

機器を用いて実 用される電動ロ

リットル/min 力240MPa,水 ットノズルであ

設けた注水孔 孔から仮想存 E2の洗浄後に

-3に示す.

は注入孔から排 がら仮想存置材 ートだけを流れ は点在するよ 径500mmの でいう洗浄率 部の面積割合か

ジ部/全面積)

ワイヤ-メッシ 連結用孔

および充填材 するために静

必要とされる ト版(図-2) 重ね合わせた

構造図 入状況を目視

ート版に対し トにより粗面 スペーサーを 内には,車両 れ部内に堆積 ェットによる 収されるスラ 詰め,試験体の 実施した.CA ロータリー注 n)である.CA 水量38リット

ある.試験は 孔から注水を行 存置材の排出を

おける仮想存 排出孔に向か 材を押し流す れる傾向を示し

うに残存し,

範囲における 率は,一定範囲 から算出した

×100).これ

単位(mm)

材注入 静的せ

る強度 を製 たもの

視によ しては,

面仕上 を設置 両走行 積する るコン ラッジ の4側 ASE1 注入機 ASE2 トル/

は試験 行い,

を行っ 存置材 かって,

すよう した.

注水 る洗浄 囲にお た値と れに対

し,

洗浄 評価 とし に洗 より

3.2 試 入れ を空 填材 した た.

CA 験体 より 排出 体全 CA 試験

CASE2の場合 浄水を噴出する 価すると100% した場合の洗浄 洗浄が可能な半 洗浄孔は,50

水平ひび割れ 試験体による充 れないで注入し 空隙全面に敷き 材を注入したケ た.充填材には

ASE3は各充填 体中央に設けた 充填材を注入 出させた.各材 全面に充填材を ASE4について 験結果を下記に

3 種類の材料 ことができた 仮想存置材が 浸透は確認で 仮想存置材が

1 エポキシ系 2 アクリル系 3 セメント系 材 料 名

(a)CA 図-3 仮想

※青色の着色

合,ノズル先端 るため,CASE

%の洗浄率とな 浄率は85%であ 半径として50

00mm間隔の千

れ部への充填 充填材注入試験 したケース(C き詰めておき,

ケース(CASE は,表-1に示

表-1 充填材

填材に対して た注入孔から 入し,試験体の 材料とも所要時 を注入すること ても,CASE3と にまとめる(表 料とも,試験体 た.

が残留している できなかった.

が残留している

付着強 系樹脂 6.5N/m 系樹脂 8.2N/m 5.1N/m

ASE1 想存置材の残存

色部は洗浄された

端が回転しなが E1と同様に半 なった.なお,

ある.この結 00mmを採用 千鳥配置とす

填材注入方法に 験は,空隙に仮 CASE3)および 一旦洗浄を行 E4)の2つのケ 示す3種類の材

材の種別

1体ずつ試験 ら電動ロータリ

の4隅に設けた 時間に差は見 とができた.

と同様な試験 表-2). 体全面に充填材 る部位に対して る部位の周辺に

強度 粘性度 mm 650mpa・s mm 300mpa・s mm 50mpa・s

(b)CASE 存状況(試験

た範囲を示す。

がら全方向に 半径500mmで 半径600mm 結果から,確実 した.これに ることにした

に関する検討 仮想存置材を び仮想存置材 行った後に充 ケースを実施 材料を使用し

験を行った.試 リー注入機に た排出孔から られず,試験 を実施した.

材を注入する て,充填材の に,空隙等が

収縮率 1.30%

2.70%

0.20%

2 験体1)

に で m 実 に た.

を 材 充 施 し

試 に 験

の が

(3)

生じるこ

④ 特にセメ て良好な

3.3 充填材 試験体は を4枚製作し した.コンク 置した.図-

体に対して1 行い,仮想存 の仮想存置材 ずつ設けた.

仮想存置材 置した.また ため,試験の 充填材の硬 ンクリートカ 試験片(12体 当該試験はア ながら載荷し 使用し,試験 おいて接合面 治具の片側に ないように配 果を表-3に

各充填材に 置率との関係

1 エポキシ樹脂 2 アクリル樹脂 3 セメント系

材料名

ことなく充填す メント系充填材 な結果を示した 表-2 充填

材のせん断接着 1000mm×100 し,2枚1組 クリート版間に

-4に示すよう 16の区画分け 存置材の残留率

材を空隙部に設

図-4 仮想 材は,各区画の た,4隅の4つ の対象から除外 硬化後,試験体 カッターを用い 体)を採取して

アムスラー試験 した.試験には 験片を固定する 面に開きが生 にローラーを設 配慮した.試験 に示す.

に対するせん 係を図-6 に示

気泡の 状態 発生:無 発生:無 発生:多数

勾配2 スラッジ80%存置

スラッ

1000mm 4@200 = 80

することがで 材の流動性が た.

填材注入試験結

着試験とその結 0mm×70mm として重ね合 にはあらかじ うに,仮想存置 け(1区画:20

率ごとに80% 設置した区画

想存置材の設置 の中央部に集 つの区画には排 外した.

体を区画した いて切断し,2 て,せん断接着試

験機を使用し は図-5に示 ることによっ じないように 設置し,摩擦 験の状況を写真 ん断接着強度と

示す.ただし

粘性 注入速度 14分25秒 35分30秒 10分15秒

2%

スラッジ50%

ッジ30%存置

m 00mm

きた.

,他の材料と

結果

結果

のコンクリー 合わせ,2組を め仮想存置材 置材は1体の 00mm×200mm

,50%,30%,

画をそれぞれ3

置要領

中して正方形 排出孔を設置 ラインに沿っ 200mm×200m 試験を実施し

,荷重を漸増 す治具を製作 て,荷重載荷 した.また,

による抵抗が 真-1 に,試 と仮想存置材

,相対的にせ

注入圧力 充填

(Mpa)

0.8 完全 0.5~0.8 完全 0.1 完全

%存置

充填材 排出孔 4@200 = 800mm 1000mm

と比べ

ート版 を製作 材を設 の試験 m)を

,0% 区画

形に配 置した ってコ mmの した.

増させ 作して 荷時に 固定 が生じ 試験結 材の存 せん断

強度 図中 を記 100% アク るこ び割 残留 待す

填性 全充填 全充填 全充填

材注入孔

度が低かったセ 中には試験結果 記載した.この

%であった場合 クリル樹脂は 0 ことがわかる.

割れ内の洗浄が 留してしまった することができ

写真-

表-

図-

材料名

3 5 8 3 5 8 3 5 8 仮想存置

エポキシ

樹脂

アクリル 樹脂

セメント系

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

100 せん断

強度

(N/㎜2 ナッ

200m

セメント系充填 果をプロット の近似直線よ 合でも,エポ 0.5N/mm程度

このことから が確実に行われ たとしても,あ きる.

-5 せん断接

-1 せん断接

-3 せん断接

-6 せん断接

せん

(N

0.0 3

30.0 3

50.0 2

80.0 1

0.0 3

30.0 1

50.0 2

80.0 0

0.0 0

30.0 0

50.0 0

80.0 0

置材の存置率

(%)

60 80

仮想存置 ローラー 荷重 ット

mm

1

填材について トした点に対す より仮想存置材 ポキシ樹脂は1

度の接着強度 ら,実施工にお れず,すり磨 ある程度のせん

接着試験要領

接着試験の状況 接着試験結果

接着試験結果

ん断強度 材令

N/㎜2 (日)

3.24

3.40 14 2.77

1.79 3.07

1.98 14 2.29

0.82 0.27

0.14 28 0.05

0.02

20 40 材の存置率(%)

エポキシ アクリル 固定ネジ

ボルト

試験片 150mm

ては除外した.

する近似直線 材の存置率が .7N/mm程度 を確保してい おいて水平ひ き粉が 100% ん断強度を期

備考

せん断強度は 3つの供試体 の平均値とし た。

0 シ樹脂

樹脂

線 が 度,

い ひ

% 期

(4)

4.撤去床版 本試験は,

その後,劣化 法が実施され 断・撤去され 5000mm×25 試験体として したフローチ

4.1 水平ひ 本試験にお 範囲および下 CTM(Concr 当該探査を試 割れ部の位置 験および充填 結果を図-8

洗浄水およ 孔作業は,床 った.削孔径 ら水平ひび割

~190mm).

500mmとし,

り磨き粉が排 明した境界ラ った.削孔位

版による充填材 試験体対象 化・損傷が顕在 れたが,再劣化 れた鋼橋RC床

500mm)を写 て使用した). チャートを図-

写真-

図-7 作業 ひび割れ範囲の

おいて,各試験 下面からの深さ rete Thickness 試験体下面か 置および範囲を 填材注入試験を 8に示す.

よび充填材の注 床版下方からコ 径はφ25mmと 割れの上方10~ 削孔間隔は

,洗浄試験時に 排出しやすいよ ラインに沿って 位置を図-8に

CTM試験による水

削孔(床 水平ひび 振動状況下にお

動的せ

材の性能確認試 として昭和44 在化したため 化が著しくな 床版を使用した 写真-2に示す

また,本試験

-7に示す.

-2 試験体

業フローチャー の検出および削

験体に対する さの測定は,衝 s Measurement

ら非破壊的に を明確にし(

を行うエリア 注入・排出孔 コアボーリン とし,削孔深

~20mmまで

,水平ひび割 に水平ひび割 ように,CTM て4箇所の削 に示す.

START

水平ひび割れ範囲 床版下面から)

び割れ部の洗浄 験体切断 おける充填材注入 せん断接着試験

END

試験

4 年に供用さ

,床版上面増 り平成 23 年 た.試験体(寸

(写真中の1 験の作業手順

ート 削孔

水平ひび割れ 衝撃弾性波に t)4)を適用し 行って,水平 写真-3),洗 を決定した.

孔を設けるため グマシンによ 深さは,床版下 とした(全長約 割れの範囲内

れ内に滞留す 探査の結果か 孔(赤丸印)

の検出

入試験

され,

増厚工 年に切 寸法:

体を 順を記

れ部の による した.

平ひび 洗浄試 探査 めの削 より行 下面か 約180 内では するす から判 を行

4.2 水 用し 装置 圧送 さら した 浄面 ての 4.3

水 繰返 にあ 旧床 に振 おい なさ うな 可能 充填 洗 切断 した す.

れぞ 切 に,

数と

写真-3

図-8 水平ひび割れ 水平ひび割れ部 して試験体下面 置により注水孔 送し,注水孔に らに洗浄水の濁 た時間は,ひと 面積8m2あたり の排出孔に対し 振動状況下 水平ひび割れ部 返し走行してい あることが想定 床版が剥離して 振動(変位)す いて注入された されないまま硬 なると,新旧床 能性がある.よ 填材の接着性能 洗浄試験後の試 断し,2500mm× た.それぞれの 注入する充填 ぞれアクリル系 切断した試験体 P=70kN の荷 と同等レベル)

水平ひび割れ

試験体の水平

8 探査結果お れ部の洗浄 部の洗浄は,ス 面から行った.

孔を介して洗 に隣接する排出 濁度がなくなる とつの孔当たり り約45分であ し,洗浄水の排 における充填 部に充填材を注 いるため,床版 定される.振動 ているために すると想定され た充填材は,新 硬化してしまう 床版間に十分な よって,本試験

能を確認した.

試験体をコン

×1250mmの大 の試験体を試験 填材には,試験 系樹脂,エポキ 体は,図-9 お 荷重を試験体中 の周波数で24

れ部

平ひび割れ部の

および削孔位置

スピンジェッ 注水作業は,

洗浄水を水平ひ 出孔から洗浄水 るまで実施した り約2分,試験 あった.当試験 排出を確認した 填材注入試験

注入する際に,

版は常に振動 動のメカニズ に新床版部のみ

れた.このよ 新床版(上面)

う危険性が考 な接着効果が期 験において再現 ンクリートカッ

大きさのもの 験体①および試 験体①および試 キシ系樹脂を適 および写真-4 中央部に 3Hz

4時間継続して

舗装

既設床 増厚床

の状況

トノズルを使

,超高圧発生 ひび割れ部に 水が排出され た.洗浄に要 験体1体の洗 験の結果,全 た.

,交通車両が している状態 ムとして,新 みが上下方向 うな状況下に

)との接着が えらえる.そ 期待できない 現試験を行い,

ッターにより を2体取り出 試験体②と称 試験体②にそ 適用した.

4 に示すよう

(鋼橋の振動 て載荷した.

床版 床版

使 生 に れ,

要 洗 全

が 態 新 向 に が そ い

出 称 そ

(5)

充填材注入作 重(P=70kN) つ試験体に最 した.また,

が十分に発現 充填材の注 作業は,洗浄 電動ロータリ る孔から排出 力管理は,0

本試験を開 とを確認し,

エポキシ系樹 脂(試験体② 入状況を確認 部を目視確認 されなかった

洗浄試験前 充填材注入後 では水平ひび し,充填材注 割れの存在を

560 310

充填

作業時において

)は,実際に載 最大で1mm程 荷重載荷時間 現する時間と 注入作業も,試 浄水を注入お リー注入機によ 出が確認される 0.3MPaを上限

図-9 試

写真-

開始し,全ての 注入作業を終 樹脂(試験体①

②)は約 20 分 認するために試 認したところ,

た.写真-5に

写真-5 前に探査を実 後に再度CTM

び割れが存在 注入後に再度探 を示さない結果

側面図

填材

ても荷重を繰 載荷される輪 程度のたわみ 間は,注入さ して24時間を 試験体下面か

よび排出した より孔ごとに るまで行った 限とした.

試験体設置要領

4 試験状況 の孔から充填材 終了した.注入

①)は約18 分を要した.

試験体を切断 充填不良に に切断面の状況

充填材注入状 実施したのと同 M探査を実施 在すると判定さ

探査を行った 果となった.

試験体 試験機

繰返し載荷した 輪荷重相当とし を発生させる れた充填材の を設定した.

ら実施した.

た全ての孔に対 順次行い,隣

.注入作業時

材が排出され 入時間について

分,アクリル また,充填材 断し,水平ひび よる空隙等は 況を示す.

状況

同じ箇所におい した.洗浄試 されていたの ところ,水平 これらより,

断面図

た.荷 し,か る値と の強度 注入 対し,

隣接す 時の圧

れたこ ては,

ル系樹 材の注 び割れ は確認

いて,

試験前 のに対 平ひび 車両

走行 填性 4.4 本 振動 た新 前節 から 重載 試験 た2

過 接着 から 試験 エポ 脂を

③-1 試験 れた ころ この 状態 試験 載荷 でず

「 路調

「設 込ん 継界 いる

番号

③-

③- 舗装

増厚 床版

既設 床版

行による振動状 性に影響がない 動的せん断接 本試験は,動的 動状況下におい 新旧床版の耐疲 節において記載 ら切断した試験 載荷試験機によ 験片は12 体あ 体を選定した

過年度に同様な 着試験の結果,

ら,設定荷重を 験片③-1および ポキシ樹脂を注 を注入したもの および試験片 験を終了した.

た試験片③-2の ろ,固化したす のことに関して 態が,本試験結 験片③-2に剥離 荷した段階であ ずれて破壊する 表-4

「上面増厚工法 調査会)」5)によ 設計で考慮すべ んだ振幅で200 界面の接着切れ ることが判明し

充填材 -1 エポキシ樹脂 -2 アクリル樹脂

状況下において いことを確認し

接着試験 的せん断接着試

いて注入した 疲労性に関す 載したように,

験片(200mm×

よりせん断試験 ある中から,良 た.

写真-6 試 な試験片に対

せん断耐力が をその約30%の

び③-2に対して 注入したもの,

のである.表-

片③-2とも500 試験終了後に の(新旧床版間 すり磨き粉が接 ては,洗浄後に 結果に影響を与 離が発生した時 あり,さらに試 るような現象は 動的せん断接

法設計施工マニ よると,上面増

べき活荷重に 0万回の繰り返 れは発生せず,

した」と記載さ

設定荷重 (kN) 30.75

て,充填材を注 した.

試験を行うこ た充填材および

る検証を行う 試験体①お

×200mm)に対 験を実施した 良好な状態に

試験状況 対して実施した

が100kN程度で の荷重(P=30.7

て実施した.試 試験片③-2は

-4 に示すよ 0万回以上荷重 に新旧床版の剥 間の)界面部 接着している箇 におけるすり磨 与えたと考え 時期は200万回 試験片が新旧床 は確認されなか 接着試験の結

ニュアル(財団 増厚後のRC床

よる発生応力 返し載荷を実施

接着・一体化 されている.実

回数

(回)

5951196 5658161 剥離 有無

注入しても充

ことによって,

び再一体化し うものである.

よび試験体② 対し,動的荷 た(写真-6).

あると思われ

た静的せん断 であったこと 75kN)とし,

試験片③-1は はアクリル樹 うに,試験片 重を載荷して 剥離が確認さ を観察したと 箇所があった 磨き粉の残存 える.しかし,

回近く荷重を 床版の界面部 かった.

結果

団法人高速道 床版に対して,

力の 30%を見 施しても,打 化は保持して 実橋の床版諸

離の

破壊の 有無

② 荷 れ

は 樹 片 て

た.

存 を 部

道 見 打 て 諸

(6)

元にもよるが,このときの新旧床版界面に発生する水平 せん断応力に対して,試験片の界面に作用させたせん断 応力(τ=0.77N/mm)は3~5倍程度大きかったと考える.

よって,洗浄が良好でなかった試験片③-2 においても,

同マニュアルに記載されているRC床版より厳しい応力 状態下で200万回の繰り返し載荷荷重を受けても破壊す るに至らなかったことになる.このことから,本補修シ ステムにより再一体化された新旧床版は,新設した上面 増厚床版と同等以上のせん断耐力を有すると考える.

5. せん断抵抗のメカニズムに関する考察

動的せん断接着試験において試験片③-2に見られたよ うに,実施工においてすり磨き粉の洗浄が適切に行われ なかった場合においても,充填材のせん断強度をある程 度期待することができる.その要因を以下に記す.

① 模擬試験結果より,すり磨き粉が水平ひび割れ内に 残留していても,ある程度のせん断強度を有するこ とがわかった(3.3参照).

② 鋼橋RC床版に上面増厚工法を施工する際に,旧床 版上面をブラスト処理するため,新旧床版の界面が 粗面状態となっている.これにより,交通車両の輪 荷重が載荷された際に発生する水平せん断に対し,

新旧床版界面部の凹凸がかみ合い,せん断耐力を期 待することができる.

ここで,この凹凸のかみ合わせによる効果を確認する ために実施した検証試験結果をまとめる.試験片には,

動的せん断接着試験に使用した試験片を再利用し,一旦,

界面部から試験片を分離してすり磨き粉を除去した後 に2~3mm程度の隙間を設け,その隙間部にすり磨き粉 を想定してウォータージェットによるコンクリート部 材のはつり工事の際に回収されたスラッジ(仮想存置材)

を注入したものを3体製作した.なお,仮想存置材は湿 潤状態で注入および塗布し,乾燥させてから静的せん断 接着試験を行った.試験結果を表-4に示す.

表-4 静的せん断接着試験の結果

表-4 より,充填材が注入されていなくても 1.3~

1.7N/mmのせん断強度を確保できることがわかった.こ

れは,試験片境界部に見られる凹凸がせん断キーのよう な役割を果たし,200 万回の繰り返し載荷荷重に対して 抵抗したものと推測することができる.よって,水平ひ び割れ部を洗浄し,充填材を注入した場合,充填材の接 着性能だけでなく,凹凸のかみ合わせ効果が付加され,

繰返し荷重により発生する水平せん断力に抵抗するこ

とができるようになると考える.

6. まとめ

本試験結果より,本補修システムを実施工に適用し,

所要の耐久性を確保することは十分に可能であると考 える.本試験により得られた知見と今後の課題を下記に 示す.

① 本補修システムにおいて,水平ひび割れ内に堆積す るすり磨き粉を確実に洗浄することが,耐久性の向 上に大きく影響する.よって,スピンジェットノズ ルによる水平ひび割れ内部の洗浄効果をさらに向上 させる必要がある.

② 交通解放されている状況下において,床版が通行車 両の輪荷重により振動している状態で充填材を注入 しても,良好な充填性を有することを確認すること ができた.

③ 本試験の結果,本補修システムを採用するに当たり,

充填材の接着性能および凹凸のかみ合わせ効果によ り所要の疲労耐久性を確保することができることを 確認した.

④ 本試験において得られたデータから本補修システム は実施工に適用可能な段階にまで達していると考え る.しかし,実施工では広範囲に及ぶ作業が必至と なるため,想定外のアクシデントに遭遇する可能性 も考えられる.そのため,実橋での試験施工を実施 し施工性・経済性を踏まえた検証が必要であると考 える.

謝辞

本論文を取りまとめるにあたり,ご協力いただいた電 気化学工業㈱,コニシ㈱,住友大阪セメント㈱の方々に 心より謝意を表します。

参考文献

1) 国土交通省国土技術政策総合研究所:道路橋床版の 疲労耐久性に関する試験,2002.3

2) 樅山好幸,大友弘志,半田 実,五味秀明:床版上

面増厚工法に関する超速硬 SF コンクリートの接着 強度発現機構に関する研究,土木学会論文集,No540

Ⅳ-31, pp.241-250 , 1996.6

3) 長谷俊彦,和田圭仙,後藤明彦:上面増厚床版にお

ける劣化要因の検証と耐久性向上対策の検討,コン クリート工学,Vol.50,No.3,2012.3

4) 樅山好幸,熊野賢二,宮川豊章,野村勝義,今田和

夫:反射波法を用いた非破壊試験のコンクリート構 造物空隙調査への適用性に関する研究,土木学会論 文集,No665Ⅵ-49, pp.31-44 , 2000.12

5) 財団法人高速道路調査会,上面増厚工法設計施工マ ニュアル,1995.11

番号 せん断耐力 せん断強度 平均せん断強度

(kN) (N/㎜2 (N/㎜2

④-1 51.8 1.33

④-2 60.4 1.54

④-3 66.8 1.70

1.52

参照

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