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博士(医学)多米 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(医学)多米 学位論文題名

 Differences in titres of IgE, IgG4 and other IgG subclass anti‑Der pII antibodies in allergic and non allergic patients measured with recombinant    allergen.

(ヤ ケヒ ョウ ヒダ ニ・ グル ープlI抗 原に 対する ,ダ ニア レル ギ一患者及び 非ダ ニア レル ギ一 患者 血清 中lgEおよ びlgGサブ クラ ス抗 体の 測定と解析)

学位論文内容の要旨

Z

  ヤケ ヒョ ウヒ ダニ (Dermatophagoides pteronyssisus以 下Derpと 略) はコ ナヒ ョウヒ ダ ニと 共に 気管 支喘 息、 アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎発症の主要抗原である。こ れらのヒョウヒダニ抗原には現在少なくともI,II,IIIの3つの主要抗原が同定されており、

ヤ ケ ヒ ョ ウ ヒ ダ ニ ・ グ ル ー プII抗 原 ( 以 下DerpIIと 略) は129ア ミ ノ 酸 よ り 構 成 され る 分 子 量14 kDaの 蛋 白 で あ る 。 こ のDerpIIに 対 す る 特異 的IgE抗 体 は ダ ニ ア レ ル ギー の患者の約80%に検出される。

  ア レ ル ギ ー 患 者 の 抗 原 特異 的IgGサブ クラ ス抗 体の 作用 及び 意義 に関 して は、IgG4抗 体 の遮 断抗 体と して の作 用が一部に報告されている以外は明らかではなぃ。今回、リコン ビ ナ ン トDerpII( 以 下r‑DerpIIと 略) 抗原 を作 製、 精製し 、こ れを 用い てELI・SA法に て ダ ニ ア レ ル ギ ー 患 者 の 特 異 的IgEお よ び IgGサ ブ ク ラ ス 抗 体 を 解 析 し た 。   (対 象) 気管 支喘 息・ アト ピー 性皮 膚炎 ・ア レルギ ー性 鼻炎 の診 断を 受け た、1歳5カ 月 か ら17歳 の240名 の 市 販 ダ ニ 特 異IgE抗 体 陽 性 の 患 者 よ り 血 清 を 採取 し た 。 コ ン ト ロ ー ル は ア レ ル ギ ー 疾 患 の 既 往 、 症 状 を 認 め な ぃ 小 児 25名 と し た 。     (r‑DerpII抗原 の作 製と 精製 )PCR法に て増 幅し たDerpII cDNAを. 蛋白 融合 ベクタ ー で あ るpMALc2に 挿 入 し 、 大 腸 菌TB1に形 質 導 入 し た 。 融 合 蛋 白 は42kDaのmaltose‑

binding proteinと14kDaのr‑DerpIIが 融 合 し た 、56kDaの 融 合 蛋 白と し て 産 生 さ れ た 。LB培 地 で 培 養 後 、 超 音 波 破 砕 し 融 解 さ れ たr‑DerpII融合 蛋白 をア フイ ニテ ィー・

ク ロマ トグ ラフ イー 、ゲ ル濾 過、 イオ ン交 換ク ロマト グラフイーの順で精製した。SDSー PAGEで56kDaのr‑DerpII融 合 蛋 白 を 単 一 の バ ン ド と し て 得 る こ と が で き た 。     (ELISA)プラスチック・マ‐イクロプレートにr‑DerpII融合蛋白をコーティングし、

ブ ロッ キン グ後 使用 時ま で保 存し た。 希釈 したO.lmlの血 清を プレ ート に添 加し、2時間 室 温 で 反 応 さ せ た 。 血 清 の 希 釈 は 、IgE 400倍 、IgGtota 500倍 、IgGl.IgG2.IgG4 200倍 、IgG3 25倍 と し た 。IgE抗体 測定 の場 合の み、 洗浄 後ピ オチ ン標 識の ヤギ 抗ヒト IgE抗 体を2000倍希 釈で反 応さ せ、 ペル オキ シタ ーゼ 標識ストレプトアビジンを用い発色 さ せた 。IgGtotai抗 体測 定に はべ ルオ キシ ター ゼ標識 ヤギ抗ヒトIgG抗体を反応させ発色

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さ せ た 。IgGl,IgG2,IgG3,IgG4の各 抗体 測定 には1000倍希 釈の マウ ス抗 ヒトIgGサ ブ ク ラス 抗体 をそ れぞ れ反 応さ せ、 ペル オキ シタ ーゼ 標識ヤギ抗マウスIgG抗体を用い発色 さ せ た 。 吸 光 度 は492nmで 測 定 し た 後 、 標 準 血 清 (16歳 、 ア ト ピ 一 性 皮 膚 炎 、 血 清 IgE160001U、Derp粗 抗 原 に 対 す るCAP RAST 100く ) を 基 準 と しU( ユ ニ ッ ト ) と し て 表 し た 。 各 々 のELISA系 に関 して 日差 試験 、同 時試 験を行 った が、 何れ の系 も満 足 で きる 結果 を得 るこ とが できた。又、アレルギー患者グループピ非アレルギー患者グルー プとの各々の抗体価に関してはt検定にて統計処理した。‐

    (結果)r‑DerpII融合蛋白に対する特異IgE,IgGt。tal,IgGサブクラス抗体の各々の測 定 系で 、標 準血 清を 用い た回帰曲線も直線として得る事ができた。アレルギー患者グルー プ と非 アレ ルギ ー患 者グ ルー プと の各 々の 抗体 価に ついて比較検討したところ、特異IgE 抗 体と 特異IgG4抗体 で明 らか な相 違が 認め られ た。 特異IgE抗体はアレルギー患者グルー プ で366.4U、 非 ア レ ル ギ ー 患 者 グ ル ー プ で103.7Uと 前 者 で 有 意 な 高 値 を 示 し た

(p 0.0008) 。. 又、 特異Ig G4抗体でもアレルギー患者グループ879.1U、非アレルギー 患 者グ ルー プ420.1Uと前 者が有意な、高値を示した(p=0.0033)。次にアレルギー患者グ ル ープ にお けるr‑DerpII融合 蛋白 に対 する 特異IgE,IgGt。tal,IgGサブクラス抗体の、

各 々の 抗体 価の 相関 につ いて 検討 した 。血 清IgE値と 特異IgE抗 体価 の両 者の 間に は高い 正 の相 関が 認め られ た(r2〓0.445)。しかし特異IgGtotalと特異IgGサブクラス抗体価の 相 関で は、IgGtotalとIgGl(r2〓0.466)、IgGt。talとIgG2(r2=0.217)、IgGtotaiと Ig G3(r2〓0.356) の間 で正の相関が認められたが、IgGtotaiとIgG4の間には相関が認め ら れな かっ た(r2〓0.057)。さらにアレルギー患者グループで高値を示した特異IgE抗体 価 と 特 異IgG4抗 体 価 の 相 関 を 検 討 し た が 、 両 者 に は 相 関 関 係 は 認 め ら れ な か っ た   くr2=0.035)。

  (考 按) アレ ルギ ー疾 患の 代表 的抗 原で ある 、DerpII抗 原を 融合 蛋白 の形 で作 製、精 製 する 事が でき た。 代表 的抗原を簡便に、レかも安定した形憩で供給できる事は意義深い と 考え る。 これ まで のと ころ 精製 され たダ ニ主 要抗 原を用いたIgGサブクラス抗体価の解 析は報告されていなぃ。今回。のりコンビナントダニ主要抗原DerpIIを用いた解析の結果、

抗 原特 異的IgE抗体 とIgG4抗体 が、 アレ ルギ ー疾 患患 者で高値であることを見いだした。

こ れ はFlorineら が 報 告 した ネコ の主 要抗 原で あるFeldIに対 するIgGサ ブク ラス 抗体 の 解 析、 及びHenrikkiらが 報告 した モス キー トの 唾液 に対する特異IgGサブクラス抗体の変 化 と同 様の もの であ った 。ま た特 異IgE抗体 と特 異IgG4抗体の相関関係は認められなかっ た 。小 林ら のDerpII抗原 に対 するIgE抗 体 とIgG4抗 体のエピトープに相違が認められる と の 報 告 を 考 え 合 わ せ る と 、ダニ 主要 抗原DerpIIに 対す る特 異IgE,IgG4抗 体の 産生 は 同 一の クラ スス イッ チメ カニズムでは説明できなぃことを示唆するものと考えられた。今 後 特異IgG4抗体 のア レル ギー 患者 にお ける 臨床 的意 義を解 明す るに は、 経時 的に 抗体価 の 推移 を測 定し 、臨 床症 状・治療法・重症度などとの関係を明らかにする必要があると考 える。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

Differences in titres of IgE, IgG4 and other IgG subclass anti‑Der pII antibodies in allergic and non allergic patients measured with recombinant    allergen.

(ヤケヒョウヒダニ・グル―プII抗原に対する,ダニアレルギ一患者及び 非ダニアレルギ一患者血清中lgEおよびlgGサブクラス抗体の測定と解析)

  ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssisus以下Derpと略)はコナヒョウヒダニ と共に気 管支喘息 、アトピ ー性皮膚炎 、アレル ギー性鼻 炎発症の 主要抗原 である。これ らのヒョウヒダニ抗原には現在少なくともI,II,IIIの3つの主要わ!源が同定されており、

ヤケ ヒ ョ ウヒ ダ ニ・ グル ープII抗原 (以下DerpIIと 略)は129アミ ノ酸より 構成され る 分子 量14kDaの 蛋白 で あ る。 こ のDerpIIに 対す る 特異的IgE抗体はダニ アレルギ ーの患 者の 約80% に 検出 さ れる。 アレルギ ー患者の 抗原特異的IgGサブクラ ス抗体の 作用及び 意義に関 しては、IgG4抗体の遮 断抗体とし ての作用 が一部に 報告され ている以外は明ら かではな い。今回 、リコン ビナントDerpII( 以下r.DerpIIと略)抗原を作製、精製し、

これ を 用 いてELISA法 にてダニ アレルギ 一患者の 特異的IgEおよ びIgGサブク ラス抗体 を 解析した 。[対象 ]気管支喘息・アトピー性皮膚炎..アレルギー性鼻炎の診断を受けた 1歳5カ 月か ら17歳 の240名 の 市 販ダ ニ 特異IgE抗 体陽性 の患者より 血清を採 取した。 コ ント 口 一 ルは ア レル ギ ー 疾患 の 既往 、 症 状を 認 めない 小児25名と した。[r‑ DerplI抗 原 の 作 製 と 精 製 ]PCR法 に て増 幅 したDerpII cDNAを 蛋白 融 合ベ ク 夕 一で あ るpMALc9 に挿 入 し 、大 腸 菌TB1に形質 導入した 。融合蛋 白は49kDaのmaltose‑binding proteinと 14kDaのr‑DerpIIが 融 合 した 、56kDaの 融合 蛋 白 として 産生され た。LB培地で 培養後、

超音波破 砕し融解 されたr‑DerpII融 合蛋白をア フイニテ イー・ク ロマトグ ラフイ一、ゲ ル濾過、 イオン交 換クロ. マトグラフ イーの順 で精製し た。SDS‑ PAGEで06kDaのr‑Derp II融合蛋白 を単一の バンドと して得るこ とができ た。[ELISA法] マイクロ フ.レートに r‑DerpII融合 蛋 白を 被覆 し、ブロ ッキング 後使用時 まで保存し た。希釈 したO.lmlの血 清をブレ ートに添 加し、2時 間室温で反 応させた 。血清の 希釈は、IgE 400倍、IgGtotal

夫三 彦 隆信 邦 池   林 小西 小 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

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500倍 、IgGl.IgG9.IgG4 200倍 、IgG3 95倍と した 。IgE抗体 測定 の場 合の み、ビオチ ン標 識の ヤギ 抗ヒ トIgE抗体を2.000倍希釈で反応させ、ベルオキシターゼ標識ストレブ トア ビジ ンを 用い た。IgGtotal抗体測定にはべルオキシターゼ標識ヤギ抗ヒトIgG抗体を 反応 させ 発色 させ た。IgGl,IgG9,IgG3.IgG4の各抗体測定には1.000倍希釈のマウス抗 ヒトIgGサブクラス抗体をそれぞれ反応させ、ベ冫レオキシターゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗 体を 用い た。 吸光 度は492nmで測 定し た後 、標 準血清 (16歳、 アト ピー 性皮 膚炎、血清 IgE16,000 IU、Derp粗 抗 原 に 対 す るCAP RAST 100<)を 基 準 と しU(ユ ニ ッ ト ) と し て 表 し た 。統 計 処 理 はt検定を 用い た。 [結 果]r‑DerpII融合 蛋白 に対 する 特異IgE. IgGtotal.IgGサブ クラス抗体の各々の測定系で、標準血清を用いた回帰曲線は直線を示 した 。ア レル ギー 患者グ ルー プと 非ア レル ギー 患者グループとの各々の抗体価について 検討 した とこ ろ、 特異IgE抗 体は アレ ルギ ー患 者グル ープ で366.4U、非 アレ ルギー患者 グ ル ー プ で10 3.7Uと 前 者 で 有 意 な 高 値を 示 し た(p=0.0008)。 特異IgG4抗体 はア レル ギ ー 患 者 グル ー プ で879.1U、 非ア レル ギー 患者 グル ープで420.1Uと 前者 が有 意な 高値 を示 した (p 0.0033) 。ア レル ギー 患者 グル ープに おけ るr‑DerpII融 合蛋 白に対する 特異IgE,IgGtotal,IgGサブクラス抗体における各々の抗体価の相関をみると、IgGtotalと IgGl (r2 0.466)、IgGtotalとIgG9 (r2 0.217)、IgGtotalとIgG3 (r9=0.356)の間で 正の 相関 を認 めた が、IgGtotalとIgG4の間 には 相関 はな かっ た(r2=0.057) 。さらに特 異IgE抗 体 価 と 特 異IgG4抗体価 の間 にも 相関 を認 めな かっ た(r9=0.035) 。[ 考按 ]ア レ ル ギ ー 疾患 の 代 表 的 抗 原で あるDerpII抗 原を 融合 蛋白の 形で 発現 させ 、精 製し た。

これ まで 精製 され たダニ 主要 抗原 を用 いたIgGサブク ラス 抗体 価の 解析 は報 告されてい ない 。今 回の りコ ンビナ ント ダニ 主要 抗原DerpIIを 用い た解 析の 結果 、抗 原特異的IgE 抗 体 とIgG4抗 体 が 、 ア レ ルギ ー疾 患患 者で 共に 高値 である こと を見 いだ した 。こ れは Florineら が報 告し たネ コの 主要 抗原 であ るFeldIに 対す るIgGサブ クラ ス抗 体の解析、

及びHenrikkiらが 報告したモスキートの唾液に対する特異IgGサブクラス抗体の変化とほ ぼ一 致す る結 果で あった 。一 方、 特異IgE抗体 価と特 異IgG4抗 体価 間の 相関 関係は認め られ なか った 。小 林らのDerpII抗 原に 対す るIgE抗体 とIgG4抗 体の エピ トー プに相違が 認め られ ると の報 告を考 え合 わせ ると 、ダ ニ主 要抗 原DerpIIに対 する 特異IgE.IgG4抗 体 の 産 生 は単 な る ク ラ ス スイ ッチ メカ ニズ ムで は説 明でき ない こと を示 唆す る。 特異 IgG4抗体 のア レル ギー患 者に おけ る臨 床的 意義 は未だ不明である。今後、経時的にIgG4 抗体 価の 推移 を測 定し、 臨床 症状 ・治 療法 ・重 症度などとの関係を明らかにする必要が あると考える。

  本研究はダニアレルギーの主要抗原であるDerpIIを融合蛋白として大腸菌に発現させ、

分離 精製 し、 それ を用 いてIgE.IgGサブクラス特異抗体測定系を確立した.この測定系 でア レル ギー 患者 と健 康小児 血清 を検 索し 、特 異IgE抗体 と特 異IgG4抗体は共にアレル ギ一 患者 で高 値を 示し たが、 両特 異抗 体間 では 相関 がな いこ とを見出し、IgEとIgG4抗 体の 調節 は異 なる 機序 である こと を明らかにした.審査員一同はこれを高く評価し、博 士(医学)の学位に値するものと判定した.

参照

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