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博士(医学)朴 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(医学)朴 学位論文題名

SPECT に よ る 脳 血 流 半 定 量 画 像 評 価 法 の 試 み

一脳血管性痴呆への臨床適応―

学 位 論 文 内 容 の要 旨

11ま じめ に

    現 在 脳 SPECTを 用 い た 脳 血 流 の 測 定 に 1281IMP(以 下I MP) 、 ・ 。 。 Tc HMPAO( 以 下 HMPAO).そ し て 最 近 で は

。 ・ TcECDか 用い ら れて い る。 こ の中 で 脳血 流 量の 定 量 に用 い ら れ た の1ま 当 初IMPの み で あ っ た 。 し か しIMPに よ る 定 量 に は 少な か らぬ 煩 雑な 操 作 を要 し 、そ の ため 様 々な 簡便法 が考案され て いる 。 だか い ずれ も 患 者へ の 侵襲 を 伴う と いう 事を免 れない。そ こ で患 者 への 侵 襲を 伴 わ ず簡 便 な脳 血 流評 価 法と して半 定量画像評 価 法を 考 案し た ので 報 告 する 。

  本 法 の有 用 性の 評 価の た め、 脳 血管 性 痴呆 に おける脳 血流の測定 を行 っ た。 脳 血管 性 痴 呆は ア ルツ ハ イマ 一 型痴 呆と並 んで老年期 の 痴 呆 の 二 大 原 因疾 患 であ る が、 日 本に お い ては 脳 血管 性 痴呆(Va scularDementia以 下 VD)の 占 め る 割 合 が 大 き い 。 VDは 高 血 圧、 高 脂血 症 等の 危 険 因子 を 背景 と し、 発 症の 予防と 発症初期に お ける 治 療の 効 果が 期 待 でき る 。し か し痴 呆 の初 期にお ける診断は 困 難 で あ る が 、 VDは 痴呆 症 状の 発 現に 先 行し て 脳血 流 が低 下 する と いわ れ 、脳 血 流測 定 に よる 早 期診 断 が可 能 とな れぱ治 療上有用と 思 われ る 。

2 .対象および方法

   対象は年齢65 〜85 歳の脳血管性痴呆患者およびcontrol で、

I MP. HMPAO 各 々 27 名 で あ る 。 臨床 症状 、 MMS テス 卜、

DSM − m ―R 、CT 等により総合的に脳血管性痴呆の診断を行っ た。CT 上、中および大梗塞巣は除外しlacunae のみとした。MM S テストによりdementia 、predementia とに分類した。SPECT 装 置 は 東 芝 GCA − 9300A を 用 い た 。 IMP は 222MBq 、

‑ 185

(2)

HMPAOは 740MBqを 安 静 開 眼 仰 臥 位 に て 静 注 し 、 20分 後

、30分間のデ ー夕収集を行 った。デー夕処 理に使用した 画像は、

脳底 部 〜頭 頂 部をOMラ イ ′ン に平行に10等 分し、1)脳底部 、2) 脳底部から3.5/10.3)脳底部か ら8/10の3スライスを 用いた。

10ケ所の関心 領域を設定し 、対小脳局所脳 血流比(以下rCBF比)

を 算 出 し た 。 IMPー SPECTお よ び HMPAO― SPECTに つ い て 、 各 々control10例 を 用 い てrCBF比 の 正 常 下 限 値(NF L:N ormal Flovr Limit)を統 計学的に求 めた。さらにrCBF比に 対 応 し た カ ラ ー を 指 標 と し たSPECT像を 作 製し 、痴 呆 か否 か の 判定に応用 した,。

3.結果

1)IMP. HMPAOと も 前 頭 葉 お よ び 側 頭 葉 に お い て 、 demen‑

tiaとpredenentialまcontrolに 比べ 有 意なrCBF比の 低 下を 示し た。後頭葉、頭頂葉ではdementia丶predementia丶controlの間には 有 意 差 は 認 め ら な か っ た 。 2)rCBF比 とMMSテ ス ト の 得 点 の 相 関について相関係数を用い検討した。前頭藁で1ま高い相関がみられ たが 、後頭葉、頭 頂藁では相関 はみられなか った03)dementia、 predementiaの脳 血流 分 布の 検討を行った。IMPで1よ両者とも前 頭 葉 と 側 頭 藁 に 低 下 を 示 し た も の が最 も 多か ったo HMPAOでは dementiaにおいて前頭葉のみの低下を示したものが多くみられた。

4)NFLを 用 いた 診 断と 画像 診断に おけるsensitivityヽ  speci− ficity丶accuracyを 比 較 し た と こ ろIMP、HMPAOと も 両 者 は ほぼ同様の結果を示した。

4.考察

    IMPlまいわゆる化学的小塞栓子と呼ぱれ、Kuhlらにより局所脳 血 流量 の定 量 法か 開 発さ れ た。HMPAOは脳 内 分布 が 静注 後 数分 以内に決定し、以後数十時間も固定されるという特長を有している 反 面 、 脳 血 流 量 の 定 量 化 に は 困 難 が 伴 う 。HMPAOに よ るSPE CT像 はIMPに 比べ て 健常 部 と虚 血 部の コン ト ラス ト か悪 く 、虚 血の検出能が低いと報告されている。その理由は脳からの逆拡散が 静注後2−3分 以内に起こり、それは血流量の多いところほど大き いからと考えられている。Kuhlらにより、microsphere modelを用 いて局所脳血流量が定量されて以来、その測定法は高い信頼性から 広く採用されている。しかしこの測定法は持続動脈採血を必要とし

、かなり煩雑な操作を要し、患者に対しても侵襲的である。そのた め多くのより簡便な定量法が開発されてきた。Table look up法、

    ―・186―

(3)

Iaterbath法 、一 回 静脈 採 血法 など が ある 。 しか し これ らはい ず れ もmicrosphere法に 比 べ精 度 が劣 る 。本 法は 半 定量 簡 便法とは いえ 上記の方法に おけるような理論上の推定値、仮定値は存在せず 脳血 流を直接反映 している。局所脳血流量の定量法の場合、被検者 の個 体差が局所脳 血流量の評価における不確定要素となる。特に痴 呆の 初期において は局所脳血流量の低下は小さく、モの低下量は個 体差 の中に埋没し てしまうおそれがある。これに対して本法の場合

、小 脳に対する比 をとるという操作をすることで個体差が現れにく くな る可能性があ る。本法は評価対象の画像に基準を定めた。これ によ り個々の症例 間の比較に際し、常に共通の部位を対象とするこ とが 出来た。また 同一症例の経時的観察にも資すると思われる。本 研 究 にお ける 対 象画 像 スライス2は前 頭前野prefrontal cortexを 描出 しており、こ の部分には高次の精神活助を支配する中枢がある と考 えられ、精神 活動が脳血流に鋭敏に反映されると予想される。

本 法 i書 NFLを 定 め 、 こ れ に よ りIMP、HMPAOに お け る 画 一 的かつ客観的な痴呆の判断基準の確立を試み,た。本法はさらにカラ ー を 指 標 と し たSPECT像 に よ る 画 像 診 断 を 用 い た 。 こ れ はIM P、HMPAO.と も にNFLを 用 い た 診 断 の 場 合 と ほ ぼ 同 様 の 診 断 成 績 を示 し、 本 法に よ り脳血流を視 覚的に判定可 能と思われた 。 本法 の有用性評価 のため脳血管性痴呆にこれを臨床応用した。脳血 管性 痴呆では前頭 葉と側頭葉における脳血流が低下し、特に前頭葉 に有 意な低下傾向 がみられた。そして脳血流は痴呆の程度が進むに っ れ 低 下 し 、MMSテ ス ト の 得 点 とrCBF比 は 比 例 関 係 を 示 し た 。   こ れ は HMPAOに 比 べIMPに よ り 明 ら か で あ っ た 。 IMPとH   MPAOの NFLを 比 較 す る と 、 IMPの 方 が PETに 近 い 値 を 示   し た 。HMPAOで は1MPに 比 較 し て 側 頭 葉 に お け る コ ン ト ラ ス   トが 低 くな っ てい るも のと考えられ る。この結果 は前述のHMPA   OがIMPに 比し コ ント ラストが 悪い理由と矛 盾しない成績 であっ   た。HMPAOで は側 頭 葉で の逆 拡 散が 最 も大 き いか らで あ る。し   か し IMPとHMPAOと も 前 頭 葉 に お い てMMSテ ス ト とrCBF比   に高い比例関係がみられ、痴呆の有無および程度を予想する事がで   きると思われる。本法は動静脈採血による侵襲も無く、簡便に脳血   流の判定ができ有用と思われる。

5.結語

@ 簡 便 な 半 定 量 法 を 考 案 し 、IMP、HMPAOに つ い て 対 小 脳 局 所脳血流比 の正常下限の 基準値(NFL)を定 め、さらにカラ一表 示を試みた 。

‑ 187

(4)

@本法を脳血管性痴呆例に使用し、脳血流低下の検出に対する有用 性が示唆された。

188

(5)

学位論文審査の要旨 主 査    教 授    古 舘 正 従 副査   教授   近藤喜代太郎 副 査    教 授    宮 坂 和 男

学 位 論 文 題 名

SPECT に よ る 脳 血 流 半 定 量 画 像 評 価 法 の 試 み

―脳 血 管性 痴 呆 への 臨床 適応一

1.はじめ に

  現 在 脳SP E.CTを 用 い た 脳 血 流 の 潤定 に1231Il4P( 以 下IMP) 、99nTcHM PAO( 以 下HMPAO) 、 そ し て 最 近 で 絃90mTcECDも 用 い ら れ てい る 。こ の 中 で 脳 血 流 笛 の 定 量 に 用 ` 、 ち れ た の は 当 初IMPの み で あ っ た .し か しIMPに よ る 定量に| ま少なか らぬ頬雑 な操作を 要し、そのため様ぎまな簡便法が考案されてい る. だ が いず れ も愚者 への侵聾 を伴うと いう事を 免れない .そこで 患者への侵 聾 を 伴 わ ず 簡 便 な 脳 血 流 評 価 法 と し て 半 定 量 酉 像 評 価 法 を 考 案 し た 。 2.対象お よび方法  

  対 象 は 脳 血 管 性 痴 呆 患 者 お よ び controlで 、 IMP HMPAO各 々27名 で あ る .CT等 に よ り 総 合 的 に 脳 血 管 性 痴 呆 の 診 断 を 行 っ た 。CT上、 中 お よび 大 梗塞巣; ま除外しlac unaeのみとし た.MMSテストによりdeie ntiaprede■entia と に 分 類 し た . SPECT装 置 は 東 芝 GCA 9300Aを 用 い た . IMP 2 22MBq HMPAO{j74 0MBqを 安 静 開 眼 仰 臥 位 に て 静 注 し , 20分 後

30分 闇 の デ ー 夕 収 集 を 行 っ た .10ケ 所 の 関 心 領 域 を 設 定 し 、対 小 脳 局所 脳 血 涜 比 ( 以 下 rCBF比 ) を 算 出 し た . IMP SPECTお よ び HMPAO SPECTに つ い て 、 各 々 control10例 を 用 い てrCBF比 の 正 常 下 限 笛 (NF LN oral  Flovr Liit) を兢計学 的に求め た。さら にrCBF比に対応したカラ

― . を 指 篠 と し た SPECT像 を 作 襲 し 、 痴 呆 か 否 か の 判 定 に 応 用 し た 。 3.轄果

1 IMP HMPAOと も 前 頭 葉 お よ び 礎 頭 葉 に お い て 、deientiaprede ie ntia controlに 比 ペ 有 意 なrCBF比 の 低 下 を 示 し た .2rCBF比 とMMS テストの 得点につ いては前 頭葉では 高い相関 がみちれた .3deie ntia,prede

e ntiaの 脳血 濱 分布 の 検 討で は 、IMPで は 両者 とも前頭 葉と傍頭 葉に低下 を示 した も の が最 も 多く 、HMPAOで | まdeentiaにお い て 前頭 葉 のみ の 低 下を 示し た も の が 多 く み ら れ た .4NFLを 用 い た 診 断 と 酉 像 診 断 に お けるsensitiv ityspecificityaccuracyを 比 較 し た と こ ろIMPHMPA○ と も 両 者 は ほぽ同様 の姑累を 示した.

4.考察

(6)

  Kuhlらにより、,icrosphere iodelを用いて局所脳血流量が定量されて以来、

その潤定法は高い信頼性から広く採用されている.しかしこの潤定法は持競動脈 採血を必要とし、かなり煩雑な操作を要し、患者に対しても侵聾的である.その ため多くのより笛便な定量法が開発されてきた.局所脳血流量の定量法の場合、

被校者の佃体差が局所麟血流量の評価における不確定要素となる.特に痴呆の初 期において1ま局所脳血流量の低下は小さく、その低下量は個体差の中に埋没して しまうおそれがある.これに対して本法の場合、小脳に対する比をとるという操 作を することで個体差が現れにくくなる可能性がある。本法はNFLを定め、こ れ に よ りIMPHMPAOにお け る酉 一 的か つ 客観 的 な 痴呆 の 判断 基 準の 確 立 を 試 みた . 本法 は さら に カラ ― を指 顧 とし たSPECT像 に よる 酉 像診断を用 い た . こ れ はIMPHMPA○ と も にNFLを 用 い た 診 断 の 場 合 と ほ ぼ 同 様 の 診 断 成 績 を 示 し 、 本 法 に よ り 脳 血 流 を 視 覚 的 に 判 定 可 能 と 思 わ れ た ・   本法の有用性評価のため脳血管性痴呆にこれを臨床応用した.脳血管性痴呆で は前頭葉と便頭葉における脳血流が低下し、特に前頭葉に有意な傾向がみられ,た

. そ して 脳 血流 は 痴呆 の 程度 が進む にっれ低下 し、MMSテ ストの得点 とrCB F比は比例関係を示し、前頭葉もしく絃傍頭葉の血流により痴呆の有無および程 度を予想する事ができると思われる.本法は動静脈採血による侵聾も無く、簡便 に脳血流の判定ができ有用と思われる。

5.結語

  の 簡 便 な 半 定 量 法 を 考 案し 、IMPHMPAOに つ いて 対 小脳 局 所脳 血 流比 の正 常下限の基準僖(NFL)を定め、さらにカラ―表示を試みた.@本法を脳 血 管 性痴 呆 例に 使 用し 、 脳血 濱低下 の検出に対 する有用性 が示唆され た・

  本 研究の価笛 判定:本研 究は麟血流SPECTに対す る簡便な半定量法を考案 し、脳血管性痴呆例に応用してその有用性を実証したものである.よって本研究 は博士(医学)の学位授与に値すると考えられる。

参照

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