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プレストレス補強工法のため固定定着した PC 鋼棒の引抜き実験

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Academic year: 2022

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(1)Ⅴ-15. 土木学会中国支部第67回研究発表会(平成27年度). プレストレス補強工法のため固定定着した PC 鋼棒の引抜き実験. 1.. 山口大学大学院. 学生会員 ○榊 卓也. 極東興和株式会社. 正会員. 三本 竜彦. 山口大学大学院. 正会員. 吉武 勇. め, 側面部に XZ 面で固定させる境界条件を設けた.. はじめに. 本研究では,拡径削孔部に固定定着した PC 鋼材を. また,支圧板の役割を担わせるため,コンクリート. 用いてプレストレスを導入し既設コンクリート部材. 上部の支圧板位置に Z 方向を固定させる境界条件を. の内部補強あるいは新旧部材の一体化を図る補強工. 設けた.さらに,PC 鋼棒の中心部に X 方向に対し. 法を対象とする.既往の研究では拡径削孔した固定. て不動点となるよう境界条件を設けた.緊張初期の. 定着部について,定着部の耐荷力が確認された.し. PC 鋼棒と充填材が付着しているモデルと,相対ずれ. かしながら,実施工の条件を考慮した緊張力導入に. が生じ付着が切れたことを考慮したモデルの 2 体を. よる補強実験は行われていない.本研究では,PC 鋼. 作成し,解析を行った.. 棒の引抜き実験を行った.さらに耐荷性能について. (4) 実験結果. 有限要素解析と比較しながら,PC 鋼棒の定着特性お. a) 最大荷重. よび補強効果について検討した. 2.. PC 鋼棒の降伏により PC 鋼棒が緊張力を保持でき. PC 鋼棒の引抜き実験. なくなる時点まで載荷を行ったところ,最大荷重は. (1) 実験方法. それぞれ 489.6kN,490.9kN,490.5kN となった.こ. 400×400×1300mm のコン. れらの最大荷重は 3 体とも土木学会の規格値である. クリート供試体の中心に配. SBPR930/1080(B 種 1 号)φ23mm の規格引張強度. 置した PC 鋼棒にジャッキで. 448.7kN を超え,その後も荷重を保持できた.3 体と. 緊張力を与えて固定定着部. もひび割れはみられず,終局限界状態における固定. に引抜力載荷を行った.実験. 定着部の耐荷性能は充分であることがわかった.. は鉛直方向へのプレストレ. b) PC 鋼棒の抜け出し量. ス導入を想定し,実施工と同 様の手順で削孔・プレストレ. 荷重に対する PC 鋼棒の固定定着部からの抜け出 写真-1. 実験供試体. し量を図-2 に示す.PC 鋼棒の固定定着部からの抜け. ス導入を行った.. 出しは,緊張力が 300kN を超えたあたりから生じ始. (2) 実験供試体. め,緊張材に与える通常時の引張応力度の最大値に. 実験供試体はコンクリート,. 相 当 す る 347.8kN の 時の 抜 け 出 し 量 は ,最 大で. 充填材,支圧板,鉄筋,PC 鋼. 0.24mm であった.プレストレッシング時に管理・計. 棒,リングナットから構成さ. 測される 1mm 単位の伸び量に対して,計測値は充分. れる.また,同条件の実験供. に小さいことから,その影響は無視できるものと考. 試体(写真-1)を 3 体作製した.. えられる.. (3) 有限要素解析モデル. c) PC 鋼棒の伸び. 3 次元 FEM ソフトウェア (midasFEA) を 用 い て モデ ル. 荷重に対する PC 鋼棒の伸びを図-3 に示す.PC 鋼 図-1 解析モデル. 棒の伸びは,上端部の伸び量から抜け出し量を差し. を作成し(図-1),有限要素解析(以下,FEM と略記). 引いたものである.いずれも 400kN 程度まで荷重の. を行った.モデルを 2 分の 1 スケールで作成したた. 増加に比例して PC 鋼棒の伸びは増加し,線形域で. キーワード プレストレス補強,プレストレス,アンカー,拡径削孔,定着,補強 連絡先. 〒755-8611 山口県宇部市常盤台 2-16-1. TEL:0836-85-9306. ― 369 ―.

(2) は PC 鋼棒の静弾性係数(202kN/mm2)に対する計算 600. 値(弾性)に概ね一致した.また,供試体ごとの変形 d) コンクリートの軸方向ひずみ 図-4 に示すように荷重 400kN を与えた場合のコン. 500. 荷重(kN). にほぼ違いはみられず 3 体とも同等の挙動を示した.. クリート表面の軸方向ひずみ分布を FEM で求めた.. 400. 供試体No.1. 300. 供試体No.2 200. 供試体No.3. 100. 解析結果より,内部くさびの上端部から 45o の位置と. 0 0. なる天端からの位置 850mm より上部の区域では,プ. 5. 10. 15. 20. 抜け出し量(mm). レストレスが充分に伝達されることがわかった.な. 図-2 PC 鋼棒の抜け出し量. お,付着切れあり・なしで値が異なるのは,固定定 着部の応力伝達の始点が異なるためである.次に,. 600. 一例として供試体 No.1 の実験から得られたコンクリ を図-5 に示す.解析値は天端から 865mm 位置にお けるコンクリートの軸方向ひずみの結果を示してお. 500. 荷重(kN). ートの軸方向ひずみと FEM による解析結果の比較. 400 300. 供試体No.1. 200. 供試体No.2 供試体No.3. り,両者は概ね一致することがわかる.また,天端. 100. から 915mm における軸方向ひずみは埋込ひずみの. 0. 計算値(弾性) 0. 計測値を超える値を示し,865mm の位置のひずみと. 5. 10. 15. 20. 伸び量(mm). 概ね同じ傾向を示した.これらのことから,プレス. 図-3 PC 鋼棒の伸び. トレスの伝達は内部くさび上端部より概ね 45o 方向 に分布すると判断できる. まとめ. 200. (1) PC 鋼棒の引抜き実験では,引張強度の規格値 448.7kN を超えた後も荷重を保持でき,ひび割れ もみられなかったことから,終局限界状態にお ける固定定着部の充分な定着性・耐荷性能が確. 天端からの位置(mm). 3.. 0. 認された.. 付着切れあり 400. 付着切れなし. 600. 800 1000 1200 60. 40. 20. (2) 荷重 400kN までは荷重の増加に比例して PC 鋼. 0. -20. -40. -60. -80. -100. ひずみ(x10-6). 棒 の 伸 び は 増 加 し , PC 鋼 棒 の 静 弾 性 係 数. 図-4. 202kN/mm2 に対する伸び量と概ね一致した.. FEM によるコンクリートの表面の 軸方向ひずみ(荷重 400kN). に小さいことから,その影響は無視できるもの. 600. と考えられる.. 500. の先端から 45o 前後方向に分布することが推定 される. 参考文献 1). 400. 荷重(kN). (4) FEM 解析結果より,プレストレスは内部くさび. 300 200 100. 三本竜彦ほか:中間定着部を用いたプレストレ ス導入工法に関する実験的検討,コンクリート 工学年次論文集,Vol.35,No.2,pp.1357-1362, 2013. ― 370 ―. 天端から865mm. (3) PC 鋼棒の固定定着部からの抜け出し量は,充分. 0 -100. 埋込ひずみ 天端から865mm 天端から915mm 天端から965mm 解析値(付着切れあり) 解析値(付着切れなし) -80. -60. -40. -20. ひずみ(x10-6). 図-5 コンクリートの軸方向ひずみ. 0.

(3)

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