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X 線造影撮影法と透気法とによる表層コンクリートの評価

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Academic year: 2022

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X 線造影撮影法と透気法とによる表層コンクリートの評価

東北学院大学 学生会員 阿部 貴弘 東北学院大学 正会員 武田 三弘 東北学院大学 フェロー 大塚 浩司 1. はじめに

近年,既設コンクリート構造物の簡易的な表層検査方法の一つに,透気試験が挙げられる.この方法は,コンクリート表面にチ ャンバーセルを吸着させ,真空状態からの圧力上昇値(時間)を測定することで,コンクリート表面の品質を診断する方法である.

透気試験から求められる透気係数は,コンクリート構造物の耐久性を決定する要素の一つとして考えられているが,透気係数とコ ンクリートの品質や耐久性との関係には不明な点が多い.そこで、本研究ではコンクリートの空隙量を定量化することができる X 線造影撮影法と一般に使用されている透気試験装置を用いて,同一箇所のコンクリートの性状評価を行い,両者の比較から,透気 係数と空隙量との関係について求めた.また,それぞれの測定値と,凍結融解抵抗性との関係についても比較を行った.

2. 実験概要 2.1 実験供試体

供試体に使用したセメントは,早強ポルトランドセメント

(W/C=45~65%)と高炉セメント(B種 W/C=56%)であり,

詳細を表-1 に示す. 供試体の形状寸法は、200 200 1800mm であり,打設後 1 年間,雨風が当たる屋外に曝露しておいた ものを今回の実験に使用した.

2.2 空隙量の測定方法

打設や経年劣化によって発生した初期欠陥や微細ひび割 れなどの空隙量の測定には、X線造影撮影法を用いた。これ は、厚さ10mm(φ100 10mm)にスライスされたコンクリ ート供試体に対して、60分間造影剤を浸透させ、その後、X 線撮影を行うことによって、コンクリート中の空隙を検出し、

その検出された空隙量を定量化する手法である。本実験では、

この定量化された値を透過線変化量として用いている。図-2 は、X線造影撮影法の撮影条件を示したものである。

2.3 実験方法

各測定箇所は、打ち込み底面より 300mm、800mm、1400mm の位置の中央部で行った.始めに透気試験装置を用いて透気 係数を測定し、その後,同一箇所からφ100 200mm のコアを 抜き、厚さ 10mm に深さ方向にカッティングし,X 線造影撮影 を用いて,表層から深さ方向の 10mm 毎の空隙量を透過線変 化量として測定した.なお,透過線変化量は,測定対象とす る深さまでの平均値および合計値の両方で比較を行った.

さらに,スライスされた供試体は Nacl3%水溶液中に浸漬し,

4.4~-17.8℃の温度履歴で凍結融解試験を行い,供試体の質

量が 10%に達するまでのサイクル数(高炉セメント供試体) と透気係数および透過線変化量との関係を求めた.

キーワード:X線造影撮影法,透気係数,透過線変化量,凍結融解抵抗性

連絡先:東北学院大学工学部 宮城県多賀城市中央1-13-1 TEL ・FAX 022-368-747 9

表-1 AEコンクリートの配合表 単位量(kg/m3) W/C

(%) Air (%)

s/a

(%) W C S G5~10 G10~20 AE 剤

45 4 42.3 422 656 592 394 0.008 55 4 44.3 345 713 593 395 0.010 65 4 46.3

190

292 764 587 391 0.009 56 4.5 47.4 154 275 873 1010 2.75

図−1 実験供試体概要

図-2 X線造影撮影の概要

V-7

土木学会東北支部技術研究発表会(平成21年度)

(2)

3. 実験結果

3.1 透気係数と透過線変化量との関係

図-3 は,表層部(0~10mm)の透過線変化量と透気係数と の関係を求めたものである.図より,透気係数が小さい位置 において,バラツキが大きく相関性が低い結果となった.同 様に,2層目(0~25mm)までの透過線変化量と透気係数と の関係も同程度の相関しかみられなかった.

図-4は,透気試験から得られたL値(測定深さ)までの透 過線変化量の合計値と透気係数との関係を表したものであ る.両者には良好な関係がみられた.ちなみに,透気試験か ら得られたL値(測定深さ)までの透過線変化量の平均値と 透気係数との関係も求めてみたが,相関性は全く見られなか った.このことから,透気係数が意味することは,L値まで の,空隙量の合計値と等しいことが分かった.

3.2 透気係数および透過線変化量と凍結融解抵抗性との関係 図-5 は,透気係数と質量減少率 10%に達するまでのサイ クル数との関係を示したものである.この図より,両者には,

相関関係はみられなかったが,透気係数の大小にかかわらず,

表層付近のコンクリートのみが早期に劣化する傾向がみら れた.図-6 は,透過線変化量と質量減少率 10%に達するま でのサイクル数との関係を示したものであるが,両者には良 好な相関関係がみられた.

4.まとめ

本実験の結果,透気係数はL値までの空隙量の合計値に等 しいことが分かった.その為,表層から劣化が進行する凍結 融解抵作用のような劣化に対しては,透気係数から凍結融解 抵抗性があるかどうかを判別することは,難しいものと思わ れる.

図-3 透過線変化量(表層)と透気係数の関係

図-4 透過線変化量(L値)と透気係数の関係

図-5 透気係数と質量減少率10%までのサイクル数との関係

図-6 透過線変化量と質量減少率10%までのサイクル数との関係 土木学会東北支部技術研究発表会(平成21年度)

参照

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