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空 港舗 装 の 表・ 基 層 を対 象 と した 大 粒 径 アス コ ンの耐 久性 評 価 試験

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(1)【土 木 学会 舗 装 工学 論 文 集 第10巻2005年12月. 【報 文 】. 】. 空 港舗 装 の 表・ 基 層 を対 象 と した 大 粒 径 アス コ ンの耐 久性 評 価 試験 早 野 公 敏1 1正 会員 博(工)(独)港. 湾空港技術研究所. 地盤 ・構 造 部(〒239‑0826横. 須 賀 市 長瀬3‑1‑1). 空 港 ア ス フ ァル ト舗 装 の 補 修 材 料 と して 導 入 が進 ん で い る大 粒 径 ア ス フ ァル ト混 合 物 の適 用 部 分 は 基 層 以深 に な っ てお り,耐 流 動 性 の 良 さ を十 分 に活 用 して い る とは い えな い.こ れ は空 港舗 装 の 表 層部 分 に適 用 した場 合 に ひ び われ 抵 抗 性 や 耐 摩 耗 性な どの 耐 久 性 が 懸 念 され るた め で,適 切 なア ス フ ァル ト量や 種 類 が 十 分 に 吟 味 され て こ な か った こ とが 課 題 の 根 底 に あ る と考 え られ る.そ こで 本 研 究 で は 性 能 評 価 試 験 を 実施 し て,空 隙 率 が 大粒 径 ア ス フ ァル ト混 合 物 の 曲 げ抵 抗 性,耐 磨 耗 性 や 暴 露 耐 久 性 な どに どの よ うに影 響 を及 ぼ す か に つ い て基 礎 的 なデ ー タの 収 得 を図 った.そ して従 来 使 用 され て い る ア ス フ ァル ト混 合 物 の性 能 と比較 を 行 い,特 に 留意 す べ き性 能 につ い て 検 討 を行 った.. Key Words: large stone asphalt mixture, surface-base layer, durability, mix design, air void ratio. 1.は. れ だ けでな く,層 間剥離 に対 す る抵抗 性の 向上 を期待す. じめ に. る動 きも広 が りつつ ある3). 供用 中 に空港 ア スフ ァル ト舗装 表面 には静止荷 重,衝 撃荷 重,走 行 荷重 の形 態の航 空機 荷重 が作用 しっっ,わ だちぼれ,ひ び 割れ,摩 耗,剥 離な どの損 傷が進行 して, 航 空機 運行 の安全 性 ・快 適性 を低下 させ る ことが ある. 図‑1,図‑2は わが国の航空機数 と着陸回数 の経 年推 移1)を 示 した もので,航 空機 荷重 の重交通化,す なわ ち,航 空 機 の大型化,航 空機 運行 回数 の増加 が着実 に進 行 してい るこ とが分 か る.今 後エ アバ ス社のA‑380に 代表 され る よ うな次 世代大型 航空機 の就 航が予想 され,航 空機 交通 荷重の ますます の重交通化 現 象に伴 い,空 港 舗装 に生 じ る損傷 が進展 しやす くなる ことが懸 念 され る. い ろいろな損傷 の形態 の中でわ だち ぼれ に着 目す る と,. 図‑1航. 空機 数の推移. 図‑2着. 陸回数の推移. 特 に航 空機 の運行 速度 が遅い誘導 路で,損 傷の早期 の進 展が顕在 化 してい る.既 設 空港 において アス ファル ト舗 装 のわだ ちぼれ が著 しい場合 には,ア ス ファル ト混合物 のオー バー レイ による修 繕が行 われ る ことが一般 的で あ り,ま た誘導 路 ・滑 走路の早期 開放 とい う観点 か ら合理 的 な補修 工法 で ある.一 方 で近年 で は空港全体 の維持管 理費 が増加傾 向 にあ り,限 られ た予算 のなか でメ ンテ ナ ンス費 用 を縮減 す る ことが重要 に なって きて い る.こ の こ とか らわだ ちぼれ に対す る修 繕の頻 度 を少 な くす るた めに,耐 流動性 に優れ た大粒径 ア スフ ァル ト混 合物 の導 入 を検討す る機会 が生 じてい る2).またシ ック リフ ト工法 で通 常 よ り層 厚 を厚 く施工 でき るこ とに よ り,わ だ ちぼ. 107.

(2) しか しなが ら,現 状 の新設や補 修工事 では大粒径 ア ス ファル ト混合物 の適 用部分 が基層以 深 になってお り,大 粒径 ア スフ ァル ト混 合物 の長 所 を十 分に活用 して いる と はいえな い.す なわち直接 に荷重 を受 け る表層 部分 の適 用 につ いては研究的 な段 階に とどまってお り4),耐流動 性 や層 間剥離抵抗 性の 良 さが最大 限に発揮 され ない.こ れ は施 工性 や仕 上が りの平坦 性につ いて は適 用性 が確 認 さ れてい る4)ものの,ひ びわれ抵 抗性 や耐摩 耗性な どの耐久 性 が懸 念され るためで,そ れ らの性 能 を確保 す る適切 な アス ファル ト量や 種類が十 分 に吟味 され てこなか った こ とが課題 の根 底 にあ る と考 え られ る.言 い換 えれ ば,表 層 と して要 求 され る性 能 に関す るデー タが十分 では な く, またそれ らの特性 を考慮 した配合検討 がな され てい ない のが大 きな原因 と考 え られ る. そ こで本研 究で は基礎 的 な性 能評価 試 験 を実施 して, アスフ ァル ト量 と対応 す る空隙 率が大粒径 ア スフ ァル ト 混合物 の 曲げ抵 抗性,耐 摩 耗性や 暴露耐 久性 な どに どの よ うな影 響 を及 ぼす かについ てデ ー タの収 得 を図った. そ して従 来 のアス ファル ト混合物 の特 性 との比較 を行 っ て,特 に留意 すべ き性能 について検討 を行 った.. 2.骨. 材 配 合 の 検 討 と供 試 体 作 製 図‑4各. (1)骨 材配合 の検討 最初 に性 能評価試 験の対象 とす る大粒 径 アス ファル ト. アス ファル ト混合 物の粒度分布. (American Society for Testingand Materials:以 下,ASTM). 混合物 の骨材 の粒度 分布 について検討 を行 った.現 在,. に 規 定 され て い る粒 度範 囲力に着 目 した.こ の粒 度 範 囲 は. 空港アス ファル ト舗 装では,空 港 土木 工事共通仕様 書5)の. 道 路 舗 装 の 重 荷 重 交 通 量 で 実 績 が あ り,先 に 述 べ た よ う. 規 定 に基 づ き,表 層 材 料 に は最 大骨材 粒 径 が13mmと. に 現 在 用 い られ て い る連 続 粒 度 の ア ス フ ァル ト混 合 物 で. 20mmの 連続 粒度の混合 物(以 下それぞれ,密 粒13,密. 空 港 舗 装 と道 路 舗 装 の 粒 度 範 囲 に相 違 が な い こ と も考 慮. 粒20)が 標準 的に用 い られ ている.密 粒20の 粒 度範 囲は. して,こ. の粒 度 範 囲 をそ の ま ま用 い る こ と と した.. 道 路舗装 で規 定)され て い る連続 粒度 の アス フ ァル ト混 合物 の粒 度範囲 と同 じであ り,密粒13に つ いて も同様 の. (2)供 試 体 の 作 製. こ とが言 える.こ れ らの粒 度範 囲は比較的経 験的 な要素. 最 大 骨 材 粒 径 が30mmで. に基づ くもの ではあ るが,そ の有効 性は豊 富な実績 に基. (図‑3参 照)を 満 た し,か つ 施 工性 や 仕 上 が りの 平 坦性. づいて いる.. 連 続 粒 度 のASTMの. が 良好 な もの と して,図‑3お. 大粒径 アス フ ァル ト混合 物 の骨材粒 度分布 に極端 に不. 粒度範囲. よび 図‑4に 示 す 骨 材 粒 度 分. 布 の ア ス フ ァル ト混 合 物(以 下,大 粒 径30)を. 作 製 した.. ま た 経 済 性 を 重 視 し瀝 青材 料 に は ス トレー トア ス フ ァル. 連続 な粒度 分布や 大 きな粒径 の骨材 を採用す る と従来 の. ト60/80を 使 用 した.ま. 骨材 粒度分布 との相 違が顕 著 にな り,耐 流動性 が 向上 し て もそれ以外 に表層 に要求 され る性能,例 えば耐摩耗 性. 粒20,そ. して最 大 骨 材 粒 径 が20mmの. ト混 合 物(以. や ひびわれ抵 抗 性な どの低 下が懸 念 され た.そ こで本研. た比 較 対象 と して,密 粒13,密. 下,粗 粒20)の. 粗 粒 度 ア ス ノァル. 供 試 体 も同 時 に作 製 した.. 究 では対象 とす る大粒径 ア スフ ァル ト混合物 の骨材 粒度. 図‑4に は これ らの 混 合 物 の粒 度 分 布 も あ わせ て 示 して あ. として,従 来のア スフ ァル ト混合 物 の骨材 粒度 をな るべ. る.こ こ で密 粒13,密. 粒20,粗. 粒20の. 粒度分布 は空港. く重視 す る こと とした.具 体 的には,連 続 的 な粒度 分布. 土 木 工 事 共 通 仕 様 書 に規 定 され て い る粒 度 範 囲 の 中 央 粒. で かっ最 大骨材粒径 を30mmと. 度 を 目標 と して配 合 され た も の で あ る.ま た,4種. した.ま た用い る骨材 の. 類の混. 物理特 性はす べて空港 土木工事共 通仕様 書の規格 を満足. 合 物 の 性 能 が な る べ く最 大 粒 径 や 粒度 分 布 の 影 響 だ け で. す るもの とした.. 検 討 で き る よ うに,粗 骨 材,細. 骨 材 や ス トレー トア ス フ. 上 に述 べた骨材粒 度 と最大骨材粒 径 の両者 を実 際 に満. ァル ト60/80は 同 じ品 質 の もの を用 い,い ず れ も空 港 土 木. たす もの として,図‑3に 示す アメ リカ材料試 験 協会規格. 工 事 共 通 仕 様 書 に示 され る 品質 規 格 を満 足 す る優 良 な材. 108.

(3) h95.3mm)を. 料 に な る よ うに 選 定 した. 供 試 体 作 製 の 際 に ロ ー ラー コ ンパ ク タ の 締 固 め 管 理 基 準 値 と して,マ. 単位 体 積 あ た りの 締 固 めエ ネ ル ギー が 通 常 の供 試 体 の も の と同 じに な る よ うに,ラ. ー シ ャル 安 定 度 試 験 供 試 体 の 空 隙 率 の 値. を用 い た.密 粒13,密. 粒20,粗. 粒20の. 用 い た.マ ー シ ャル 供 試 体 の作 製 の際 に は,. 場 合 に は,空 港. ン マ ー の 落 下 高 さ と打 撃 数 を. 調 整 した8).. 土 木 工 事 共 通 仕 様 書5)に基 づ い て 最 適 ア ス フ ァル ト量 を. 各 混 合 物 の性 状 試 験 用 供 試 体 の 寸 法 は,表 面 の 平 坦 性. 求 め,そ の 最 適 ア ス フ ァル ト量 を 配 合 した マ ー シ ャル 安. と密 度 の均 質性 が な るべ く確 保 で き る よ うに,高 橋 らの. 定 度 試 験 供 試 体 の 空 隙 率 をそ れ ぞ れ 締 固 め 管 理 に 用 い,. 研 究4)を参 考 に厚 さ に注 意 し,密 粒13,密. 供 試 体 を作 製 した. 一方 ,大 粒 径30の. の 場 合 は300×300×50mm,大 ×100mmと. 場 合 に は,ア ス フ ァル ト量 の 異 な る. 粒20,粗. 粒20. 粒 径30の 場 合 は300×300. した.. 供 試 体 を複 数 種 類 作 製 した.供 試 体 の締 固 め の管 理 に は, 密 粒13,密. 粒20,粗. 粒20と. 同 様 にマ ー シ ャル 供試 体 の. 3.耐. 流 動 性 と曲 げ抵 抗 性 の評 価. 空 隙率 を用 い た が,通 常 の供 試 体 寸 法(φ100×h63.5mm). (1)ホ イー ル トラ ッキ ング試験 と曲 げ試験 結果. に対 し,1.5倍 の 大 き さの マ ー シ ャル 供 試 体(φ150mm×. 作製 した各ア ス ファル ト混合物 の供試体 に対 し,ホ イ ール トラ ッキング試 験 を実施 した.試 験方 法は舗装試 験 方法便覧9)に基づ き,各 混合物 に対 してそれ ぞれ3供 試体 を実施 した. ホイール トラ ッキ ング試 験結果 か ら得 られ た動的 安定 度DSと. 供試体 の空 隙率の関係 を図‑5に 示す.こ の とき. ランマ ー ・マー シ ャル配合試 験供試 体 のアス ファル ト量 と空隙 率の関係 に よ り供試 体の密度 管理 を行 って いるの で,同 じ空隙率 で も混合物 の種類 が異 なれ ばア スフ ァル ト量 が異な る ことに留意す る必要 が ある.上 記の配合試 図‑5動. 験方法 を用 いた場合,同 図 よ り同 じ空隙率 で も密粒13,. 的安 定度 と空隙率 の関係. 密 粒20よ り大粒径30のDSが. 大 きく耐流動性 が向上 して. い る ことが確認 され た.ま た空 隙率が大 き くな るほ ど大 (a). 粒径30の 耐流 動性が高 くなった.こ れ は,空 隙率が大 き い とアス フ ァル ト量 が少 な くな り高温時 にお けるアス フ ァル トの流動性 が低 下 した こ とが理 由 として考 え られ る. 続 いて大粒 径30の 曲 げ性状 の把 握 を 目的 に,作 製 した 供試 体 をダイ ヤモ ン ドカ ッター に よ り50×50×300mm に整形 し,静的 な曲げ試 験9)を実施 した.試 験機 の恒温槽 を試験 温度 に保 ち,供 試 体 を載 荷装 置 に,締 固め面 を上 面 としてセ ッ トして,載荷速 度50mm/minで 中央部 に集 中 載荷 した.最 大荷重 を示 して供試 体 が破 断す るまで載荷 を行 い,荷 重 と変形量 を記録 した.試 験 は温度‑10,0,5, 10,15,20℃. (b). の6温 度 の条件で試 験を実施 した.. 図‑6(a)に 大粒 径30の 曲げ破 断強 さと試 験温度 の関係 を,図‑6(b)に 曲げ破 断 ひず み と試 験温度 の関係 を示 す. 曲げ破 断強 さと曲げ破断 ひずみ はそれぞれ3供 試体 の試 験 結果 の平均値 であ る.大 粒径30が 表 ・基層 として適用 され る場 合,基 層 と して の役 割 も生 じ,輪 荷 重が作用す る場 合 にアス ファル ト混合物 層下 面での 引張抵 抗 も重 要 で あ る.そ こで両図 には粗粒20の 試 験結果 も合 わせ て示 した.こ こで粗粒20は 空港 舗装 の基 層材料 として使 用 さ れ る もの であ り,従 来使用 され てい る材料 の場 合にア ス. 図‑6大. フ ァル ト混合 物層 の下面 の引張抵抗性 が どれ く らいか を. 粒径30の 曲げ試 験結果. 示す ために あわせ てプ ロ ッ トした. 109.

(4) 図‑6(a),(b)で は,同 じス トレー トアス ファル トを用 いてい るた めに どの混合物 も脆化 点(脆 性領 域 と流動 領 域 の変 曲点)が 約10℃ 付近 に存在 してい る.そ して この 脆 化 点よ り高温側の流 動領域 では,各 混合物 の曲げ破 断 強 さにあま り違 いが見 られ ない.一 方,脆 化点 よ り低 温 側 の脆 性領 域 ではデー タにば らつ きが ある ものの,空 隙 図‑7作. 率が大 き くな るにつれて大粒径30の 曲げ破 断強 さは小 さ くなってい る.特 に空隙率4.3%の 大粒 径30は 粗粒20と. 製 した グルー ピングの形状(単 位:mm). 表‑1ラ. 比較 して曲げ 破断 強 さが同程度 か あ るい は下回 る傾 向 に. ベ リングの試 験 条件. あ る.曲 げ破 断 ひずみ も同様 に空隙 率が大 き くな るにつ れ 小 さ くな り,空 隙率43%の. 大粒径30の. 曲げ破断 ひず. みは粗 粒20の もの よ りか な り小 さい こ とが確認 され た. (2)耐 流動性 と曲げ抵抗性 に対する考察 空隙率 が異 な る大粒 径30の 耐流動 性 と曲げ抵 抗性 を, それぞれ ホイール トラ ッキ ング試験 と静的 曲げ試験 を実 施 して調 べた.そ の結果,空 隙率 の増加 とともに耐流 動 性 は 向上す る一方 で,曲 げ抵 抗性 は低 下す る ことが分 か つた.た だ し,従 来 の表層材 料の密粒13,密 粒20と 同 じ 程度 の空 隙率 の場 合で もよ り優れ た耐流動 性が確保 で き る.ま た空隙率 が基層材料 の粗粒20の もの よ りある程度 大 き くなる と,曲 げ抵 抗性 が粗粒20と 比較 して劣 る こと が分か った. 図‑8容. 4.耐. 積 の測 定方法. 摩 耗 性 ・暴 露 耐 久 性 の評 価. (1)ラ ベ リング試験結果 耐摩 耗性の評価 と して,作 製 した大粒径30の 供試 体 に グルー ピングを施工 し,ラ ベ リン グ試 験 を実施 してグル ー ピング形 状の変化 を調べ た.図‑7に 施工 したグルー ピ ングの形状 を示す.ま たラベ リングの試験 条件 を表‑1に 示す.ラ ベ リング試験 にはサイ ドチ ェー ンを用い,約1 時間実施 した.ま た,試 験開始後0,2,5,10,30,60 分 にはその都度,供 試体 を試験装 置か ら取 り出 し,溝 の 容積 を砂 置換 法に よ り測 定す る こと とした,容 積 の測 定 にあた って は,グ ル ー ピング側面 お よび底 部 を着色 し摩. 図‑9ラ. ベ リン グ試 験結果. 耗後 は残 留 した着色部分 に砂 を充填 す る ことで残 留 した 容積 を確 認す る こと とした(図‑8参 照).ラ ベ リン グ試験. 用等 の工夫 に よ り,初 期 の摩耗 抵抗性 の改善 が必要 と考. は各混合物 に対 し,そ れ ぞれ3供 試体 を実施 した.. え られ る.. 図‑9に 大粒 径30の 残留容積 率 と試験時 間の関係 を示 (2)暴 露試験結果. す.密 粒13と 密粒20の 試 験結果 も比較 のために合 わせ て示 して ある.ど の供試 体 も試験 時間 の増加 とともに容. 作製 した各 混合物 の供試体 を用 いて交通荷 重の ない状. 積残留 率が小 さ くなってい るが,特 に大粒 径30の 供試体. 態 で約1年 間の屋 外暴露 を行 っ た.写 真‑1に 屋外暴 露の. に他 の供 試体 と比較 して,磨 耗 の著 しい進 行が認 め られ. 状 況 を示す.暴 露養 生後,暴 露 面か ら10mmの. る,空隙率43%の 大粒 径30の 磨耗 の進行 が一番 早い が,. 削 してア スファル トの回収 を行 い,針 入 度試 験9)と 軟化 点. 空隙率 が小 さくな って も耐摩 耗性の顕著 な向上 は認 め ら. 試験9)を行 った.. 部分 を切. 輪荷 重 に対 す るアス ファル ト混合物 層下 面の 曲げ抵 抗. れ ない.従 来 のアス フ ァル ト混合 物 と同程度 のグル ー ピ. 性 が粗粒20と 同程度 に期待 でき る空隙率2.8%と3.8%に. ング安 定 性を確保 す るため には,改 質 アス ファル トの使 110.

(5) 111. た.同 図か ら大粒径30の 軟化 点,針 入 度 と ともに供試体 の作製 の時点で熱 劣化 の影響で低 下 し,さ らに1年 間の 屋外 暴露 に よ り低 下 してい るこ とが分か る.し か し,熱 劣化 お よび暴露養 生に よる低 下傾 向に空隙率 の影 響 は有 意 には認 め られ ない.比 較 のため に密粒13,20の 供 試体 に も暴露 試験 を行 い,同 様 にアスフ ァル トを回収 して針 入度 試験 と軟化 点試 験 を行 って,得 られ た針 入度 と軟化 点の 関係 を図‑10に 合 わせ てプ ロ ッ トした.密 粒20の 低 写 真‑1屋. 外暴露の状況. 下程度 が小 さいが,大 粒径30は 密粒13と ほぼ同様 に熱 劣化 と暴露 養生に よ り針 入度 と軟化点 の低 下 が生 じてい る.1年. 以上の暴露 養生 による長期 的な劣化が大粒径30. に どの よ うに生 じてい くか は今 後 の課題 で あるが,骨 材 を皮 膜す るアス フ ァル トの厚 さを骨材 の粒度分布 とアス プ ァル ト量の 関係 か ら排水性舗 装技術 指針(案)10)に 基 づ いて簡易的 に調 べ る と,大粒 径30の ほ うが密 粒13,密 粒20に 比較 して厚 かった.ア スフ ァル トの皮膜 が厚 けれ ば,紫 外線や 空気 がア スフ ァル トの内部 に届 きに くく, 劣 化 しに くい部分 が生 じるのではない か と推測 され る. 続 い てアス フ ァル トの劣化 によ り生 じる供試 体表 面の 図‑10劣. 化 に よる大粒径30の 軟化 点 と針入 度の関係. つ いて作製 した大粒 径30の. 軟 化点 と針 入度 の関係 を図. 10に 示す.同 図には,供 試体 を作製す る前の工場 出荷 時 ‑ のア スフ ァル トと供 試体作製 直後 の混合物 か ら回収 した アス フ ァル トか ら得 られ た軟 化点 と針 入度 の関係 も示 し. 曲げ抵抗性 の低 下 を調べ る目的で,1年 間暴露養 生 した大 粒 径30の 供試体 をダイヤモ ン ドカ ッター によ り50×50 ×300mmに 整形 し,静 的 な 曲げ試験 を実施 した.試 験温 度 は‑10,0,10℃とした.曲 げ試験 方法 は3.(1)ホ. ル トラッキン グ試 験 と曲げ試験 結果 で述 べた方法 と同 じ で あ るが,暴 露面 に引張力 が生 じる ように暴露 面 を下面. (a). (a). (b). (b). 図‑11暴. 露後 の大粒 径30の 曲げ試験結果. イー. 図‑12各. 混合物の暴露 後の曲げ試験結果.

(6) に して供試体 をセ ッ トした.. 露 に よるア スフ ァル トの劣化 程度や それ に ともな う. 図‑11(a)に得 られた大粒径30の 曲げ破 断 強 さと試 験温. 暴露面 の引張強 度の低 下程度 に空隙 率の影響 は認 め. 度 の関係 を,図‑11(b)に 曲げ破断ひず み と試 験温度 の関. られ なかった.ま た,暴 露面 の曲 げ抵抗 性 の低 下 は. 係 を示す.厳 密 には供 試体 の載荷面 が異な るが参考 とし. 密粒13や 密粒20と 同程度 であ った. ・ 以 上の結果 に よ り,誘 導 路 な どグルー ピングの施工. て,暴 露前 の曲げ試験結 果(図‑6参 照)も あわせ て示す. 図‑11(b)よ り試験 温度‑10〜10℃ にお いて暴 露養 生 に よ. を伴 わ ない箇所 では,輪 荷重 に対す る曲げ抵抗性 に. るアス ファル トの劣化 の影響 で曲げ破断 ひずみ が小 さ く. 留意 し,空隙率 を従来 の表層 ・ 基 層材料の範囲3〜4%. なってい るこ とがわ かる.. 程度 にす る ことが望 ま しい と思 われ る.ま た滑 走路. 図‑12(a)(b)は暴露 養生後 の密粒13と 密粒20の 曲げ破. な どグノ レービングの施工 を伴 う箇 所で は,改 質 アス. 断 強 さ及び 曲げ破 断 ひず み と比較 した ものであ る.大 粒. フ ァル ト等 の使 用 に よ りグルー ピングの安 定 性を向. 径30の 曲げ破 断強 さお よび 曲げ破断 ひずみ は密粒13や. 上 させ る必 要が ある と考 え られ る.. 密粒20の もの と顕著 な違 い は見 られず,約1年. 間の暴露. 養 生後 の暴 露面の曲げ抵抗性 は,密 粒13や 密粒20と あ. 参 考文献. ま り変わ らない傾向が得 られ た.. 1). 国 土 交 通 省 航 空 局: 数 字 で 見 る航 空,. (財) 航 空 振 興 財 団,. 1972‑2004.. (3)耐 磨耗性 と暴露 耐久性に対す る考 察. 2). ラベ リン グ試験 に よるグル ーピングの安定 性お よび屋. 安 倍 隆 二, 岳 本 秀 人, 衛藤 謙 介: 新 千 歳 空 港 舗 装 体 の 劣 化 原 因調 査 お よび 対 策 工 法 の 検 討, 土 木 学 会 舗 装 工学 論 文集,. 外暴露試験 に よる劣化性 状 について検討 を行 った.そ の. 第8巻,. 結 果,空 隙率に関 わ らず グル ー ピング磨耗 の早期 の進行. 3). pp.261‑272, 2003.. 久 保 宏, 八 谷 好 高, 長 田 雅 人, 平尾 利 文, 浜 昌志: 最 近. が密粒13や 密粒20に 比較 して認 め られ た.ま た暴露後. の 空 港 ア ス フ ァル ト舗 装 の 損 傷 と改 良 工 法 に つ い て, 土 木. のアス ファル トの劣化 性状 には空隙率 の顕著 な影響 は見. 学 会 舗 装 工 学 論 文 集, 第9巻,. られず,暴 露面 の曲げ抵 抗性 の低下 は密粒13や. 密粒20. 4). と同程度 で あった.. 高 橋 修, 八 谷 好 高, 阿 部 寛: 空 港 舗 装 にお け る大 粒 径 ア ス フ ァル ト混 合物 の表 ・基 層 へ の適 用性, 第4回 論 文 集, pp.187‑997,. 5.ま. pp.35‑40, 2004.. 5). とめ. 舗装 工学. 1999.. 国 土 交 通 省航 空 局: 空 港 土木 工 事 共 通 仕 様 書,. (財) 港 湾 空. 港 建 設 技 術 ナー ビ スセ ン タ ー, 2004.. 空隙率が大粒径30の 耐流 動性や 曲げ抵抗性,耐 磨耗. 6). 性,暴 露 耐久性 に及 ぼす影響 につ いて検 討 を行 った.さ. 7). らには密粒13,密 粒20や 粗粒20と の比較 を行 って,従. (社) 日本 道 路 協 会: ア ス フ ァル ト舗 装 要 綱, pp.92, 2001. ASTM:. D3515,. Standard. Specification for Hot‑Mixed,. Hot‑Laid Bituminous Paving Mixtures, 1989.. 来 のアス ファル ト混合物 との性 能 の違 い につ いて も考 察. 8). (社) 日本 道 路 協 会: 舗 装 試 験 法 便 覧 別 冊, pp.20‑29, 1996.. を行 った.得 られた知見 をま とめ ると以下 のよ うにな る. ・ 従 来用い られて いる密粒13や 密粒20と 同程度 の空. 9). (社). 10). (社) 日本 道 路 協 会, 排 水 性 舗装 技 術 指 針 (案), pp.30‑31,. 隙率で も大粒径30のDSは. 大 き く耐 流動 性の 向上 が. 日本 道 路 協 会:. 舗 装 試 験 法 便 覧, 1069p., 2000.. 2003.. 望 め る.一 方,空 隙率 が粗粒20の 空隙率 よ り大 き く な る と,輪 荷重に対す る曲げ変 形抵抗性 が密粒13や 密粒20の もの よ り損 なわれ る恐れが ある. ・ 空隙率 に関わ らず グル ービン グ磨耗 の早期 の進行 が 密粒13や 密粒20に 比較 して認 め られ た.1年 間 の暴. EXPERIMENTAL DURABILITY. STUDY. ON THE LARGE-STONE. FOR AIRPORT. ASPHALT. Kimitoshi A series of laboratory. tests were conducted. ASPHALT. SURFACE-BASE. MIXTURE. LAYER. HAYANO. on the large stone asphalt mixture. The tests were also carried out on the. conventional type asphalt mixture. Based on the test results, this paper focuses the effects of air void ratio of the large asphalt mixture on the bending strength/deformation,. the raveling and the asphalt deterioration. characteristics.. Then the characteristics. are compared with those of conventional type asphalt mixture to be applicable for airport asphalt surface-base. 112. layer..

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