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エンタープライズ系ソフトウェア開発のための見積技法及びプロジェクト管理支援に関する研究

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エンタープライズ系ソフトウェア開発のための

見積技法及びプロジェクト管理支援に関する研究

2007 年 7 月

原 田 晃

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エンタープライズ系ソフトウェア開発のための

見積技法及びプロジェクト管理支援に関する研究

提出先 大阪大学大学院情報科学研究科

提出年月 2007 年 7 月

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内容梗概

工業製品の開発においては,品質,コスト,納期若しくは開発期間の所謂 QCD を計画 どおり成し遂げることが重要であるが,ソフトウェアの場合,ハードウェアと違い,外か ら形が見えないために,QCD の達成が非常に難しいものとなっている. 本論文は,ソフトウェアの中でエンタープライズ系ソフトウェアと呼ばれている分野の 開発に関する課題のうち,特に,見積精度,プロジェクト管理,開発要件の曖昧性に関連 する課題の解決に取組んだものである. エンタープライズ系ソフトウェアとは,医療,福祉,交通,電力,通信,製造,流通, 金融,政府,自治体,教育等の分野での企業や行政機関の経営や活動を支援する経営情報 システムのことである.エンタープライズ系ソフトウェアは大規模,複雑であるが,開発 は企業や行政機関自身で行わず,専門の受託開発企業に委託されることが殆どである.し たがって,業務知識は開発をする受託開発企業側にはなく,開発を委託する顧客側にある. このために,1)開発着手時に開発すべき要件が明確になっていない,2)開発着手後に仕様 追加・変更が多発し,開発すべき要件が確定しない,3)開発規模,開発工数,開発期間の 見積の精度が低い,4)プロジェクト管理が難しいという課題がある. 課題 1)については,開発すべき要件を確定するプロジェクトと,その要件に基づきソフ トウェアを開発するプロジェクトに分割し,要件を確定するプロジェクトが完了した後に, ソフトウェア開発のプロジェクトを開始するという方法を採用することで,解決を図るこ とが主流になりつつある. 本論文では,課題 2), 3), 4)の解決に取組んだ.

2)に対しては,仕様発散防止 QFD という,QFD(Quality Function Deployment)を応用した 技法を開発した.QFD は品質機能展開と言い,顧客ニーズをプライオリティの高いものか ら実現するには,どのような機能を組込むべきかを,定量的,客観的に決定する技法であ る.QFD の定量的,客観的,重点化という特徴を,仕様の追加,変更が多く対策の急ぐ必 要のある機能を抽出し,仕様の早期確定に応用したものが仕様発散防止 QFD である.仕様 発散防止 QFD を実際のプロジェクトに適用して評価したが,仕様の発散を防止でき,仕様 の早期確定に効果の大きいことが確認できた. 3)に対しては,要素見積法と呼ぶ,開発の前段階や着手時に精度の高い見積が可能とな

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る,ファンクションポイント法を応用した見積技法を提案した.ファンクションポイント 法の標準である IFPUG 法は,トランザクションファンクションと呼ぶ処理系要素の種類が 3 種類と少なく,具体的な処理を想起するのが難しいために,見積に習熟した人が適用し て初めて精度の高い見積が可能になる.要素見積法では,具体的な処理を想起するのが容 易な,要素機能と呼ぶ 16 種類のトランザクションファンクションを導入することで IFPUG 法の課題の解決を図った.要素見積法を実際の事例に適用し評価したところ,開発の前段 階や着手時に,見積に習熟していない人が見積を行っても精度の高い見積ができ,IFPUG 法の課題を解決していることを確認できた. 4)に対しては,WBS に基づくプロジェクト管理支援システム「プロナビ」を開発するこ とで解決を図った. エンタープライズ系ソフトウェアの開発プロジェクトは,作業や成果物が膨大な数にな る,多数のプロジェクトメンバが複数の開発拠点に分散しておりプロジェクトの計画や状 況,成果物等の情報共有が難しい,作業や成果物作成にあたって設計標準等の利用する資 料も膨大であり適したものを捜す負荷が大きいという課題があり,プロジェクト管理を人 手で実施するのでは非常に難しい.この解決のために,プロナビでは,工程,作業の階層 化,そして成果物,参考資料等の情報の関連付けが重要であると考え,WBS モデルを用い たプロジェクト管理支援システム「プロナビ」を開発した.プロナビでは,WBS により, それらの情報及び情報の実体である電子ファイルを相互に関連付けし,一元管理すること で情報の参照や利用を容易にし,1)プロジェクト計画時の工程,作業,成果物の明確化, 2)プロジェクト進捗状況の把握,3)プロジェクトメンバ間での成果物の共有,4)規則,標 準,ワークシート等の組織に蓄積された知識の活用,5)開発プロセス及び作業の標準化を 実現した. 本論文では,第 1 章で研究の目的と概要を,第 2 章でエンタープライズ系ソフトウェア の特徴,課題及び関連技術・研究を,第 3 章で要素見積法を,第 4 章でプロナビを,第 5 章ではプロナビに追加した進捗情報の自動収集機能を,第 6 章で仕様発散防止 QFD を,第 7 章でまとめと今後の研究方針を説明している.

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研究業績一覧

(1)学術論文誌

[1-1] 原田晃,幕田行雄,石川貞裕,大野治,楠本真二,井上克郎, ファンクションポ イント法を応用した早期見積技法の提案とそのシステム化, 電子情報通信学会論文 誌,vol.J89-D, no.4, pp.755-766, April, 2006.

[1-2] 原田晃,粟根達志,伊野谷祐二,大里立夫,大野治,松下誠,楠本真二, 井上克郎, WBS に基づくプロジェクト管理システムの実現, SEC journal, no.9, pp.10-17, Feb. 2007.

(2)国際学会(査読あり)

[2-1] Akira Harada, Osamu Ohno, kouji Uehara, Kouichi Fujii, Hikozo Komuro, Yuji Inoya, Chiaki Hirai, Katsumichi Yasuda, "Project management with "PRO-NAVI"," Proceedings of the International Conference on Project Management ProMAC2002, pp.73-79, July 2002.

[2-2] Akira Harada, Osamu Ohno, kouji Uehara, Hikozo Komuro, Makoto Kurashige,

Katsumichi Yasuda, " Specific instability prevention QFD: A Practical application of QFD for business custom software project," Proceedings of the International Conference on Project Management ProMAC2002, pp.319-327, July 2002.

[2-3] Hikozo Komuro, Osamu Ohno, Yukari Furuhata, Yukio Makuta, Akira Harada, Yutaka Kudo, Katsumichi Yasuda, "A project management tool utilizing review reports for software development," Proceedings of the International Conference on Project Management ProMAC2002, pp.171-176, July 2002.

[2-4] Hikozo Komuro, Osamu Ohno, Yukari Furuhata, Katsumichi Yasuda, Akira Harada, Yukio Makuta, " Improving an accuracy of estimation in a software development with a specific program development automation," Proceedings of the International Conference on Project Management ProMAC2002, pp.461-469, July 2002.

[2-5] Hiroshi Isizaki, Satoshi Awane, Sadahiro Ishikawa, Akira Harada, "Measures for improving project time management with enhancement of project management tool PRO-NAVI," Proceedings of the International Conference on Project Management ProMAC2004, pp.203-208, Oct. 2004.

(6)

[2-6] Akira Harada, Satoshi Awane, Yuji Inoya, Osamu Ohno, Makoto Matsushita, Shinji Kusumoto, Katsuro Inoue, "Project management system based on Work-Breakdown- Structure process model," Proceedings of the International Software Process Workshop, SPW2005, pp.249-261, May 2005.

[2-7] Makoto Kurashige, Akira Harada, "A practical use of an estimate method at early stage of business application software development," Proceedings of the International Conference on Project Management ProMAC2006, pp.184-186, Mar. 2006.

(3)その他

[3-1] 今城哲二,吉野松樹,大坪稔房,原田晃,大野治,植村俊亮, オンライン業務プ ログラムの環境独立処理方式, 情報処理学会第135ソフトウェア工学研究会, vol.2001, no.114, pp.33-40, (2001-11)

[3-2] 初田賢司,原田晃,大野治, ソフトウェア開発プロジェクトにおける見積技術, プロジェクトマネジメント学会誌,vol.4, no.4, pp.14-18, Aug. 2002.

[3-3] Michio Tsuda, Sadahiro Ishikawa, Osamu Ohno, Akira Harada, Mayumi Takahashi, Shinji Kusumoto, Katsuro Inoue, "Effectiveness of an integrated CASE tool for productivity and quality of software development," IEICE TRANS. INF & SYST., vol.E89-D, no.4, pp.1470-1479, April 2006.

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謝辞

本研究の全般に関し,常日頃より適切なご指導を賜りました,大阪大学大学院情報科学 研究科コンピュータサイエンス専攻 井上 克郎 教授に,心から深く感謝申し上げます. 本論文を執筆するにあたり,適切なご助言とご指導を頂きました,大阪大学大学院情報 科学研究科情報システム工学専攻 菊野 亨 教授,大阪大学大学院情報科学研究科コンピュ ータサイエンス専攻 楠本 真二 教授に心より感謝致します. 本研究を行うにあたり,適切なご助言やご指導を頂きました,大阪大学大学院情報科学 研究科コンピュータサイエンス専攻 松下 誠 准教授に心から感謝致します. 本研究を行うにあたり,ご助言やご指導を頂きました,株式会社 日立製作所 大野 治氏, 石川 貞裕氏,幕田 行雄氏,粟根 達志氏,伊野谷 祐二氏,大里 立夫氏,小林 り恵氏, 倉重 誠氏に感謝致します. 本研究を行うにあたり,ご助言やご指導を頂きました,株式会社 日立システムアンドサ ービス 加藤 允基氏に感謝致します. 本研究を行うにあたり,ご助言やご協力を頂きました,日本電子計算株式会社 内池 正 名氏,澤 則夫氏,末延 龍雄氏,鈴木 一弘氏に感謝致します. 最後に,井上研究室の皆様のご助言,ご協力に御礼申し上げます.

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目次

第 1 章 まえがき ... 1 1.1 本研究の目的 ... 1 1.2 本研究の概要 ... 2 1.3 本論文の構成 ... 5 第 2 章 エンタープライズ系ソフトウェア開発を取囲む環境と課題 ... 6 2.1 緒言 ... 6 2.2 エンタープライズ系ソフトウェアとは ... 6 2.3 エンタープライズ系ソフトウェアの特徴 ... 8 2.4 エンタープライズ系ソフトウェア開発に関する課題 ... 10 2.5 エンタープライズ系ソフトウェアを取囲む技術動向,研究動向 ... 13 2.5.1 見積技法 ... 13 2.5.2 プロジェクト管理 ... 18 2.5.3 ソフトウェアエンジニアリング ... 20 第 3 章 ファンクションポイント法を応用した早期見積技法の提案と そのシステム化 ... 25 3.1 緒言 ... 25 3.2 エンタープライズ系ソフトウェアの見積技法 ... 26 3.2.1 エンタープライズ系ソフトウェアのライフサイクルと見積の時点... 26 3.2.2 FP 法の概要と課題 ... 28 3.3 要素見積法 ... 33 3.4 要素見積法のシステム化(AP-Estimate) ... 37 3.4,1 AP-Estimate の構成 ... 37 3.4.2 AP-Estimate の機能 ... 38 3.5 適用事例 ... 40 3.5.1 在庫管理ソフトウェアの機能要件 ... 40 3.5.2 FP の計測 ... 40 3.6 評価 ... 42 3.7 結論 ... 45

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第 4 章 WBS に基づくプロジェクト管理システムの実現 ... 47 4.1 緒言 ... 47 4.2 WBS によるプロジェクトのモデル化 ... 48 4.2.1 WBS モデル ... 48 4.2.2 WBS に基づくプロジェクト計画 ... 49 4.3 WBS に基づくプロジェクト管理システム「プロナビ」 ... 53 4.3.1 プロナビの構成 ... 53 4.3.2 プロナビの機能 ... 55 4.4 評価 ... 58 4.4.1 適用実績 ... 58 4.4.2 プロナビを利用したプロジェクト管理の方法 ... 58 4.4.3 適用評価 ... 60 4.4.4 分析・考察 ... 62 4.5 関連研究 ... 62 4.6 結論 ... 63 第 5 章 プロジェクト管理システム「プロナビ」の進捗管理機能強化... 64 5.1 緒言 ... 64 5.2 プロナビ WBS モデルの変更 ... 64 5.2.1 基本方針 ... 64 5.2.2 プロナビ WBS の基本構造 ... 65 5.2.3 進捗管理に適した WBS モデル ... 66 5.2.4 成果物の粒度 ... 67 5.2.5 成果物の進捗管理 ... 68 5.3 実現方式 ... 68 5.3.1 概要 ... 68 5.3.2 機能単位のプロナビ WBS のモデル化 ... 68 5.3.3 成果物,WBS 階層の状態管理 ... 69 5.3.4 進捗情報レポート機能 ... 70 5.4 評価 ... 71 5.5 結論 ... 71

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第 6 章 QFD を応用した機能仕様の早期確定技法 ... 72 6.1 緒言 ... 72 6.2 QFD の概要 ... 72 6.3 仕様発散防止 QFD ... 74 6.3.1 QFD の有効性 ... 74 6.3.2 仕様発散防止 QFD の概要 ... 74 6.3.3 機能重要度,機能複雑度,機能危険度の算出 ... 75 6.3.4 仕様発散防止 QFD の活用方法 ... 78 6.3.5 仕様発散防止 QFD の効果 ... 79 6.4 適用評価 ... 79 6.5 結論 ... 80 第 7 章 むすび ... 82 7.1 まとめ ... 82 7.2 今後の研究方針 ... 84 参考文献 ... 85

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第 1 章 ま え が き

1.1 本 研 究 の 目 的

コ ン ピ ュ ー タ や ネ ッ ト ワ ー ク 等 の ハ ー ド ウ ェ ア の 高 性 能 化 や 低 価 格 化 , Windows, UNIX や LINUX 等 の 高 機 能 で 操 作 性 の よ い 基 本 ソ フ ト ウ ェ ア の 進 化 , Java や .NET 等 の 高 効 率 の 開 発 環 境 の 出 現 に よ り ,情 報 化 社 会 の 進 展 は 益 々 ,著 し く な っ て い る . こ れ ら の 基 盤 の 上 に , 医 療 , 福 祉 , 交 通 , 電 力 , 通 信 , 製 造 , 流 通 , 金 融 , 政 府 , 自 治 体 , 教 育 , そ の 他 殆 ど の 分 野 に 属 す る 組 織 が 高 度 な 情 報 シ ス テ ム を 構 築 し , 日 々 の 組 織 の 活 動 に 利 用 し て お り , 今 や 情 報 シ ス テ ム な し で は , い か な る 活 動 も 考 え ら れ な い . 情 報 シ ス テ ム は , コ ン ピ ュ ー タ や ネ ッ ト ワ ー ク 等 の ハ ー ド ウ ェ ア と , オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム や デ ー タ ベ ー ス 管 理 ソ フ ト ウ ェ ア 等 の 基 本 ソ フ ト ウ ェ ア と , そ れ ら の 上 で 動 作 す る エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア と 呼 ぶ ソ フ ト ウ ェ ア か ら 成 り 立 つ と 考 え て よ い . エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア は , そ れ を 利 用 す る 組 織 の 事 業 や 運 営 と 密 接 に 関 係 し た ソ フ ト ウ ェ ア で あ り , 例 え ば , 交 通 分 野 に は , 座 席 予 約 や 車 両 の 運 行 管 理 を 行 う も の が あ る . 各 分 野 と も 顧 客 へ の サ ー ビ ス が 高 度 化 し , ま た , 組 織 間 の 競 争 が 激 し く な っ て お り , 高 度 な 情 報 シ ス テ ム を 構 築 し , 活 用 す る こ と に よ っ て 対 応 し て い る . 情 報 シ ス テ ム の 高 度 化 に 伴 い , エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア は 高 機 能 , 大 規 模 か つ 複 雑 な も の に な っ て い る . 更 に , 開 発 に あ た っ て は , 短 い 納 期 と 低 い コ ス ト で 高 い 品 質 を 確 保 す る こ と が 要 求 さ れ ,開 発 の 難 易 度 が 高 く な っ て い る . エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 を 成 功 さ せ る た め に は , 設 計 や 開 発 に 関 す る 高 い 技 術 力 だ け で な く , 開 発 規 模 や コ ス ト を 正 確 に 見 積 り , そ れ に 基 づ い て 適 切 な プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 を 作 成 し , 品 質 や 進 捗 を 管 理 し , 不 具 合 点 が 見 つ か れ ば 修 正 を し , プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ 間 で の 効 果 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 り , 計 画 ど お り に 開 発 が 進 む よ う に プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 を 行 う こ と も 必 要 で あ る . エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 に お い て は , 約 40%が 失 敗 す る と 言 わ れ て い る[31]. こ の 原 因 は , 開 発 規 模 や コ ス ト の 見 積 の 誤 り , 人 手 に の み 頼 っ た 設 計 書 の 作 成 , 不 適 切 な 進 捗 管 理 , ス テ ー ク ホ ル ダ ー や プ ロ ジ ェ ク ト 内 の

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コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 不 足 , 機 能 仕 様 の 追 加 や 変 更 の 頻 発 , 変 更 管 理 の 不 履 行 等 , 多 岐 に わ た る . 筆 者 は , 日 立 製 作 所 及 び 日 本 電 子 計 算 株 式 会 社 に お い て エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 の た め の ソ フ ト ウ ェ ア エ ン ジ ニ ア リ ン グ や プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 に 携 わ っ て き た . 実 際 に 成 功 し た プ ロ ジ ェ ク ト , 失 敗 し た プ ロ ジ ェ ク ト を 目 の 当 た り に し , こ れ ら を 分 析 す る と , 次 の 目 標 1, 2, 3 の 技 術 を 実 現 す る こ と が , 特 に 重 要 で あ る と 考 え る に 至 っ た . 本 研 究 の 目 的 は , こ の 3 つ の 目 標 の 実 現 に あ る . 目 標 1: 早 い 段 階 で の 明 確 な 根 拠 に 基 づ い た 精 度 の 高 い 見 積 技 法 目 標 2: 大 規 模 な プ ロ ジ ェ ク ト の プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 を 幅 広 く 支 援 す る シ ス テ ム 目 標 3: 機 能 仕 様 の 追 加 , 変 更 の 多 発 を 防 止 し , 仕 様 を 早 期 に 確 定 す る 技 法 1.2 本 研 究 の 概 要 本 研 究 で は ,1.1 節 で 説 明 し た 3 つ の 目 標 を 達 成 す る た め に , 以 下 の 4 点 に つ い て 研 究 を 行 っ た . (1)フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 を 応 用 し た 早 期 見 積 技 法 (2)WBS に 基 づ く プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム (3)プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム 「 プ ロ ナ ビ 」 の 進 捗 管 理 機 能 強 化 (4)QFD を 応 用 し た 機 能 仕 様 の 早 期 確 定 技 法 (1)は 目 標 1, (2), (3)は 目 標 2, (4)は 目 標 3 の 実 現 の た め の 研 究 で あ る . (1)フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 を 応 用 し た 早 期 見 積 技 法 プ ロ ジ ェ ク ト の 開 始 前 や 初 期 段 階 で の , ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 費 , 開 発 工 数 , 開 発 期 間 の 見 積 は 非 常 に 重 要 で あ る が , そ の た め に は , ま ず 対 象 と な る ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 規 模 を 見 積 り , そ れ に 品 質 や 性 能 等 の 要 素 を 加 味 し て 予 測 す る こ と が 多 い[10],[12],[33],[45],[51],[54]. 一 方 ,ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 規 模 を フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト( 以 後 ,FP と い う ) と い う 尺 度 に よ っ て 計 測 す る ,フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法( 以 後 ,FP 法 と い う ) が 標 準 に な り つ つ あ る[2],[32],[44]. FP 法 は , ユ ー ザ の 視 点 か ら 機 能 量 を 定 量 化 す る た め , 開 発 言 語 や 実 装 方 法 に 影 響 さ れ な い 値 を 得 る こ と が で き , 優 れ た 見 積 技 法 で あ る と 考 え ら れ て い る . と こ ろ が , プ ロ ジ ェ ク ト の 開 始 前 や 初 期 段

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階 で は , 発 注 者 か ら 提 案 依 頼 書 (RFP: Request For Proposal) が 提 示 さ れ る の み で ,実 装 す べ き 機 能 仕 様 が 詳 細 に は 定 ま っ て お ら ず ,FP 法 に よ る 規 模 見 積 を 実 施 す る に は , い く つ か の 困 難 を 伴 う . こ の 課 題 を 改 善 し た も の と し て NESMA 法[24],ユ ー ス ケ ー ス ポ イ ン ト 法 [38],[56],電 中 研 法 [53]等 い く つ か 考 案 さ れ て い る . 本 研 究 で は , プ ロ ジ ェ ク ト の 開 始 前 や 初 期 段 階 で の 適 用 を 目 的 と す る , 要 素 見 積 法 と 呼 ぶ 新 し い 見 積 技 法 を 提 案 す る .要 素 見 積 法 で は ,画 面 上 の 1 個 の GUI ボ タ ン や 1 回 の フ ァ ン ク シ ョ ン キ ー 押 下 で 実 行 さ れ る , ユ ー ザ 視 点 で の 入 出 力 の 最 小 単 位 を 要 素 機 能 と 呼 び ,16 種 類 の 要 素 機 能 を 予 め 定 義 し て お く .対 象 と な る ソ フ ト ウ ェ ア に , こ れ ら の 要 素 機 能 が , そ れ ぞ れ い く つ 含 ま れ て い る か を 計 測 し て ソ フ ト ウ ェ ア の 規 模 を 算 出 す る . (2)WBS に 基 づ く プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 と は , プ ロ ジ ェ ク ト の 適 切 な 計 画 を 作 成 し , プ ロ ジ ェ ク ト を 計 画 通 り に 進 め る こ と で あ る . プ ロ ジ ェ ク ト は 複 数 の 作 業 と , そ の 結 果 で あ る 複 数 の 成 果 物 か ら 成 り 立 っ て い る と 考 え ら れ る の で ,プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 と は , そ れ ら の 作 業 を 効 率 よ く 遂 行 で き る よ う に す る こ と と , 作 業 や 成 果 物 を 管 理 す る こ と と 考 え る こ と が で き る . 大 規 模 な ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 の プ ロ ジ ェ ク ト で は , 作 業 や 成 果 物 が 膨 大 な 数 に 渡 る ほ か , 多 数 の プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ が 複 数 の 開 発 拠 点 に 分 散 し て お り , プ ロ ジ ェ ク ト の 進 捗 状 況 の 把 握 , プ ロ ジ ェ ク ト の 計 画 や 状 況 及 び 成 果 物 等 の 情 報 共 有 が 難 し い .ま た ,作 業 に あ た っ て 参 考 に す る 設 計 標 準 等 の 資 料 も 膨 大 で あ り , 適 し た も の を 捜 す 負 荷 も 大 き い . こ の た め , プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 を 人 手 で 実 施 す る の で は 非 常 に 難 し く , 支 援 す る シ ス テ が 必 要 と さ れ て い る .

プ ロ ジ ェ ク ト の 作 業 や 成 果 物 は ,WBS(Work Breakdown Structure)[3],[16],[22], [47]モ デ ル に よ り 階 層 化 さ れ , 管 理 さ れ る . 即 ち , WBS の 要 素 毎 に , ス ケ ジ ュ ー ル や 作 業 者 を 設 定 し ,進 捗 を 管 理 す る .ま た,プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 を 支 援 す る シ ス テ ム に は Microsoft Project[55], ProcessDirector[46], PMOffice Enterprise[25]等 が 存 在 す る が , 上 記 の モ デ ル に 基 づ い た も の が 殆 ど で あ る .

作 業 者 が あ る 作 業 を 行 お う と す る 場 合 , 別 の 作 業 者 が 作 成 し た 成 果 物 や 設 計 標 準 等 の 資 料 を 参 考 に す る こ と が 多 い . ま た , 管 理 者 は , 報 告 を 受 け て 進 捗 状

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況 を 把 握 す る だ け で な く , 成 果 物 の 内 容 を 直 接 , 自 ら の 目 で 確 認 す る こ と で 把 握 し た い 場 合 が あ る .こ れ を 実 現 す る に は ,WBS の 要 素 毎 に ,ス ケ ジ ュ ー ル を 設 定 し , 進 捗 を 管 理 す る だ け で な く , 成 果 物 の 実 体 や 参 考 資 料 を 対 応 づ け , 更 に WBS の 要 素 間 の 関 係 を つ け , WBS の 要 素 を キ ー に し て , ス ケ ジ ュ ー ル , 進 捗 状 況 , 関 連 す る 成 果 物 や 参 考 資 料 を 容 易 に 参 照 す る こ と の で き る 仕 掛 が 必 要 で あ る . 本 研 究 で は , 上 記 に 述 べ た よ う な WBS モ デ ル に 基 づ い た 作 業 , 成 果 物 , 参 考 資 料 を 管 理 す る プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 支 援 の 方 法 の 提 案 と , そ の 方 法 に 基 づ く プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム 「 プ ロ ナ ビ 」 を 開 発 す る . (3)プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム 「 プ ロ ナ ビ 」 の 進 捗 管 理 機 能 強 化 プ ロ ナ ビ を 実 際 に 利 用 し た プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 者 に 対 し , プ ロ ナ ビ の 適 用 評 価 の た め の ア ン ケ ー ト や ヒ ア リ ン グ を 実 施 し た と こ ろ , プ ロ ナ ビ は プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 を 支 援 す る 有 効 な シ ス テ ム で あ る こ と が 確 認 で き た . 一 方 , 成 果 物 作 成 の 進 捗 管 理 で は , 個 々 の 成 果 物 の 状 況 か ら 人 手 で 進 捗 を 集 計 し な く て は な ら ず 負 荷 が 大 き い の で ,進 捗 情 報 を 自 動 的 に 収 集 す る 機 能 が 欲 し い と い う 要 望 が で た . そ こ で , プ ロ ナ ビ 標 準 WBS の モ デ ル に 機 能 の 階 層 を 新 設 し , 機 能 毎 に 進 捗 情 報 を 自 動 収 集 す る こ と が で き る よ う に 機 能 強 化 を 行 う . こ れ に よ り , 成 果 物 作 成 の 進 捗 の 実 態 に 基 づ く , 恣 意 性 を 排 除 し た 進 捗 情 報 を タ イ ム リ ー か つ 容 易 に 把 握 で き る こ と に な り , プ ロ ナ ビ を 更 に 有 効 な プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム と す る こ と が で き る . (4)QFD を 応 用 し た 機 能 仕 様 の 早 期 確 定 技 法 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 で は , 当 初 設 定 し た 予 算 や 納 期 を 守 る こ と が で き な い , テ ス ト 段 階 や 顧 客 へ の 納 品 後 に 品 質 上 の 重 要 な 欠 陥 が 発 見 さ れ る 等 の , い わ ゆ る 失 敗 プ ロ ジ ェ ク ト が 多 い . こ れ ら の 主 な 原 因 は , 見 積 誤 り に よ る コ ス ト 超 過 と 不 適 切 な プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 の 2 つ で あ る が , そ れ は , 次 の よ う な ソ フ ト ウ ェ ア の 性 質 に 起 因 す る と こ ろ が 多 い . 即 ち , ソ フ ト ウ ェ ア は 無 形 物 で あ る た め , プ ロ ジ ェ ク ト 初 期 の 段 階 で は 仕 様 を 明 確 に し に く く , プ ロ ジ ェ ク ト の 進 行 と と も に 少 し ず つ 明 確 に し て い か な け れ ば な ら な い と い う 性 質 で あ る .そ の こ と が , 見 積 誤 り の 発 生 や , プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 を 難 し く し て い る の で あ る .

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上 記 課 題 を 解 決 す る に は 下 記 の よ う な 方 策 を と る こ と が 必 要 と 考 え ら れ る . (a)ソ フ ト ウ ェ ア の 仕 様 や 制 約 , プ ロ ジ ェ ク ト の 作 業 内 容 , 顧 客 と の 作 業 分 担 等 , コ ス ト を 左 右 す る 部 分 の 要 件 や 前 提 条 件 を 見 積 段 階 で 明 確 に す る こ と . (b)そ の 上 で , こ れ ら の 変 化 を 常 に 追 跡 し , コ ス ト や ス ケ ジ ュ ー ル へ の 影 響 を 把 握 し , そ の 影 響 度 に 応 じ た 適 切 な 措 置 を と る こ と . 追 跡 す べ き 項 目 と し て 特 に 重 要 な の が , ソ フ ト ウ ェ ア の 仕 様 の 確 定 の 状 況 で あ る . 仕 様 追 加 , 変 更 が 多 発 し 仕 様 が 確 定 し な い と , 開 発 作 業 量 も 増 加 し , コ ス ト 増 や 納 期 遅 れ を 引 き 起 こ す こ と が 多 い . 開 発 規 模 の 実 績 が 見 積 時 の 2 倍 以 上 に 達 す る こ と も あ り , ソ フ ト ウ ェ ア の 仕 様 の 確 定 状 況 を 管 理 す る こ と が ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 に お い て は 極 め て 重 要 で あ る .

品 質 機 能 展 開 (QFD( Quality Function Deployment) 以 降 , QFD と 呼 ぶ ) は , 顧 客 の ニ ー ズ ( 品 質 ) を 設 計 ・ 製 造 等 の 技 術 的 手 段 ( 機 能 ) へ 変 換 す る た め の プ ロ セ ス を 提 供 す る 技 法 で あ る[4],[5]. QFD は , 定 量 的 な 評 価 手 段 に よ り 決 定 過 程 を 明 確 化 ・ 可 視 化 す る こ と で , 定 型 化 に よ る 意 思 伝 達 手 段 や 重 点 指 向 , 網 羅 性 を 実 現 す る . 本 研 究 で は ,ソ フ ト ウ ェ ア の 仕 様 の 確 定 状 況 の 管 理 に ,QFD の 定 量 化 ,可 視 化 , 重 点 指 向 と い う 考 え 方 を 応 用 す る こ と を 提 案 す る . 先 ず , 開 発 す べ き 機 能 毎 に , 影 響 範 囲 の 大 き さ や 難 易 度 を 数 値 化 す る . 次 に , 定 期 的 に そ の 機 能 の 仕 様 の 確 定 状 況 を 数 値 化 し , 数 値 の 遷 移 の 状 況 を 評 価 す る こ と で 仕 様 の 確 定 を 急 が ね ば な ら な い 機 能 を 特 定 す る . こ れ に よ り , 重 要 な 機 能 の 仕 様 を 早 期 に 確 定 で き , プ ロ ジ ェ ク ト の 円 滑 な 推 進 を 期 待 で き る . 1.3 本 論 文 の 構 成 本 論 文 で は ,第 2 章 で エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 に 関 す る 課 題 , 技 術 ・ 研 究 動 向 を , 第 3 章 で フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 を 応 用 し た 早 期 見 積 技 法 を ,第 4 章 で WBS に 基 づ く プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム「 プ ロ ナ ビ 」を ,第 5 章 で プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム 「 プ ロ ナ ビ 」 の 進 捗 管 理 機 能 強 化 を , 第 6 章 で QFD を 応 用 し た 機 能 仕 様 の 早 期 確 定 技 法 を ,第 7 章 で ,こ れ ら の ま と め と 今 後 の 研 究 方 針 を 説 明 す る .

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第 2 章 エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 を 取 囲 む 環 境 と 課 題

2.1 緒 言 本 章 で は 研 究 対 象 で あ る エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 を 取 囲 む 課 題 , 技 術 動 向 , 研 究 動 向 に つ い て 説 明 す る . 2.2 エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア と は ソ フ ト ウ ェ ア の 分 類 方 法 は , い く つ か 知 ら れ て い る .Capers Jones は [32]で , 次 の よ う な 6 種 類 に 分 類 し て い る . (1)エ ン ド ユ ー ザ ソ フ ト ウ ェ ア 職 業 と し て プ ロ グ ラ マ ま た は ソ フ ト ウ ェ ア 技 術 者 で な い 人 々 が , 個 人 的 に 作 成 し , 利 用 す る ソ フ ト ウ ェ ア を 指 す . 物 理 学 の 研 究 者 , 建 築 家 , 会 計 士 等 の 専 門 知 識 を 持 ち , か つ , プ ロ グ ラ ミ ン グ の た め の 技 術 的 な 能 力 を 持 ち 合 わ せ て い る 人 々 が 作 成 す る こ と が 多 い が , そ の 規 模 は 大 き く な い . (2)経 営 情 報 シ ス テ ム 給 与 シ ス テ ム , 会 計 シ ス テ ム , 窓 口 及 び 後 方 支 援 の 銀 行 業 務 シ ス テ ム , 保 険 の 苦 情 管 理 シ ス テ ム , 航 空 座 席 予 約 シ ス テ ム 等 の ビ ジ ネ ス や 経 営 を 支 援 す る た め に 企 業 が 開 発 し て い る ソ フ ト ウ ェ ア を 指 す .ま た ,多 く の 行 政 機 関 も 市 町 村 , 都 道 府 県 , 国 レ ベ ル で の 課 税 関 連 ソ フ ト ウ ェ ア , 社 会 保 障 福 祉 シ ス テ ム , 運 転 免 許 及 び 自 動 車 登 録 シ ス テ ム を 開 発 し て い る が , こ れ ら も 経 営 情 報 シ ス テ ム に 含 ま れ る . 経 営 情 報 シ ス テ ム は ,メ イ ン フ レ ー ム で 稼 動 す る 大 規 模 な ソ フ ト ウ ェ ア か ら , パ ソ コ ン で 動 作 す る 小 規 模 な ソ フ ト ウ ェ ア ま で 存 在 し , 規 模 , 型 と も 広 範 囲 に 及 ん で い る . (3)受 託 開 発 ソ フ ト ウ ェ ア 依 頼 主 で あ る 企 業 や 行 政 機 関 か ら の 依 頼 に 対 し て , 受 託 開 発 企 業 が 契 約 に 基 づ い て 開 発 す る 特 定 の ソ フ ト ウ ェ ア を 指 す . 通 常 , 規 模 の 大 き な 経 営 情 報 シ ス テ ム の 開 発 は , 受 託 開 発 企 業 に 委 託 さ れ る こ と が 多 く , こ の 傾 向 は 益 々 広 が っ て い る . (4)市 販 ソ フ ト ウ ェ ア 数 百 か ら 数 百 万 の 顧 客 を 対 象 と す る 大 規 模 な 市 場 向 け に 開 発 さ れ た ソ フ ト ウ ェ ア を 指 す .市 販 ソ フ ト ウ ェ ア に は ,Microsoft Word の よ う な ワ ー プ ロ ,Lotus,

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Excel の よ う な 表 計 算 , Microsoft Project 等 , 多 種 多 様 の ソ フ ト ウ ェ ア が あ る . 市 販 ソ フ ト ウ ェ ア の 分 野 が 多 種 多 様 な こ と は ,UNIX, LINUX, DOS, Windows, MVS, VMS 等 の 多 様 な オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム と 複 数 の ハ ー ド ウ ェ ア プ ラ ッ ト フ ォ ー ム を サ ポ ー ト す る 必 要 が あ る こ と に 拠 る . ま た , パ ソ コ ン の 能 力 が 高 く な る に し た が っ て , 市 販 ソ フ ト ウ ェ ア の 規 模 は 大 き く な っ て い る .

(5)シ ス テ ム ソ フ ト ウ ェ ア

物 理 的 な 装 置 を 制 御 す る ソ フ ト ウ ェ ア を 指 す . 典 型 的 な シ ス テ ム ソ フ ト ウ ェ ア は ,UNIX, LINUX, DOS, Windows, MVS, VMS 等 の コ ン ピ ュ ー タ の ハ ー ド ウ ェ ア を 制 御 す る オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム で あ る . ま た ,PBX 交 換 機 ,医 療 装 置 の ソ フ ト ウ ェ ア , 携 帯 電 話 , 電 子 レ ン ジ や 乾 燥 機 等 の 家 庭 用 電 化 製 品 用 の 組 込 み ソ フ ト ウ ェ ア も , こ れ に 含 ま れ る . (6)軍 需 ソ フ ト ウ ェ ア 米 国 等 , 軍 隊 の 存 在 す る 国 に 特 有 の 分 類 で あ り , 空 軍 , 陸 軍 , 海 軍 等 の 軍 や 国 防 総 省 ( ま た は , こ れ に 相 当 す る 組 織 ) の た め に 開 発 さ れ る ソ フ ト ウ ェ ア を 指 す . こ れ ら の ソ フ ト ウ ェ ア の 例 と し て は , 指 揮 ・ 管 制 ・ 通 信 シ ス テ ム や 後 方 支 援 シ ス テ ム が あ る . こ の 6 種 類 の ソ フ ト ウ ェ ア の 中 で , 受 託 開 発 ソ フ ト ウ ェ ア を 除 く も の は , 用 途 に 基 づ い た 分 類 に よ る も の で あ る が , 受 託 ソ フ ト ウ ェ ア は , そ の 開 発 の 形 態 に よ っ た も の で あ る . 即 ち , 依 頼 者 か ら の 委 託 に よ っ て 開 発 さ れ る ソ フ ト ウ ェ ア を 指 し て お り , 開 発 さ れ る ソ フ ト ウ ェ ア は 主 に 経 営 情 報 シ ス テ ム で あ る と 考 え て よ い . し た が っ て ,[32]の 分 類 は , 本 質 的 に は , エ ン ド ユ ー ザ ソ フ ト ウ ェ ア , 経 営 情 報 シ ス テ ム , 市 販 ソ フ ト ウ ェ ア , シ ス テ ム ソ フ ト ウ ェ ア , 軍 需 ソ フ ト ウ ェ ア の 5 種 類 と 言 っ て よ い . 一 方 ,SLCP-JCF98[40]で は , ソ フ ト ウ ェ ア を 次 の よ う に 分 類 し て い る . (1)業 務 シ ス テ ム (a)事 務 系 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ソ フ ト ウ ェ ア (b)制 御 系 ソ フ ト ウ ェ ア (c)エ ン ジ ニ ア リ ン グ 系 ソ フ ト ウ ェ ア (2)ソ フ ト ウ ェ ア 製 品 (a)フ ァ ー ム ウ ェ ア

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(b)基 本 ソ フ ト ウ ェ ア

(c)パ ッ ケ ー ジ ソ フ ト ウ ェ ア (d)ソ フ ト ウ ェ ア 部 品

Capers Jones と SLCP-JCF98 の 分 類 の 対 応 を 表 2.1 に 示 す .

エ ン ジ ニ ア リ ン グ 系 ソ フ ト ウ ェ ア に は CAD(Computer Aided Design), 即 ち , コ ン ピ ュ ー タ を 用 い て 設 計 す る た め の 支 援 ソ フ ト ウ ェ ア と , 製 造 業 で の 設 計 図 や 部 品 を 管 理 す る シ ス テ ム 等 が あ る が ,こ こ で は 後 者 を 指 し て お り ,CAD は パ ッ ケ ー ジ ソ フ ト ウ ェ ア に 含 ま れ て い る . ま た , ソ フ ト ウ ェ ア 部 品 は , 再 利 用 部 品 , フ レ ー ム ワ ー ク , テ ン プ レ ー ト 等 を 指 す . こ れ ら を , 業 務 シ ス テ ム を 開 発 す る 時 に 利 用 す る こ と で , 高 い 品 質 と 生 産 性 を 確 保 す る こ と が で き る . 本 研 究 で 扱 う エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア と は ,[32]の 分 類 で の 経 営 情 報 シ ス テ ム を 指 す . 2.3 エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 特 徴 既 に 説 明 し た よ う に , エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア は , 企 業 や 行 政 機 関 の ビ ジ ネ ス や 経 営 を 支 援 す る 経 営 情 報 シ ス テ ム の こ と で あ る . 企 業 や 行 政 機 関 に は , 医 療 , 福 祉 , 交 通 , 電 力 , 通 信 , 製 造 , 流 通 , 金 融 , 政 府 , 自 治 体 , 教 育 等 の 非 常 に 多 く の 分 野 が 存 在 す る . 表 2.1 ソ フ ト ウ ェ ア の 分 類 Capers Jones に よ る 分 類 SLCP-JCF98 に よ る 分 類 エ ン ド ユ ー ザ ソ フ ト ウ ェ ア - 経 営 情 報 シ ス テ ム 事 務 系 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ソ フ ト ウ ェ ア エ ン ジ ニ ア リ ン グ 系 ソ フ ト ウ ェ ア 市 販 ソ フ ト ウ ェ ア パ ッ ケ ー ジ ソ フ ト ウ ェ ア ソ フ ト ウ ェ ア 部 品 シ ス テ ム ソ フ ト ウ ェ ア 制 御 系 ソ フ ト ウ ェ ア フ ァ ー ム ウ ェ ア 基 本 ソ フ ト ウ ェ ア 軍 需 ソ フ ト ウ ェ ア -

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こ れ ら の 分 野 に よ っ て , 必 要 と す る 経 営 情 報 シ ス テ ム は 異 な る . 例 え ば , 金 融 分 野 で は 勘 定 系 オ ン ラ イ ン シ ス テ ム が 必 要 で あ り , 交 通 分 野 で は 座 席 予 約 シ ス テ ム が 必 要 と な る . ま た , 同 じ 分 野 の 企 業 や 行 政 機 関 の 経 営 情 報 シ ス テ ム で あ っ て も , 組 織 に よ っ て , 微 細 な 部 分 は 異 な る こ と が 多 い し , そ れ が 組 織 の 特 徴 と な る . 例 え ば , A 銀 行 と B 銀 行 で は ,同 じ 勘 定 系 オ ン ラ イ ン シ ス テ ム で も ,バ ッ ク ア ッ プ シ ス テ ム の 方 式 等 , 微 細 な と こ ろ は 異 な る で あ ろ う .C 鉄 道 と D 鉄 道 で は , 同 じ 座 席 予 約 シ ス テ ム で も , 座 席 番 号 の 付 け 方 や 予 約 開 始 日 等 , 微 細 な と こ ろ は 異 な る で あ ろ う . 更 に , 一 つ の 組 織 内 で も , 生 産 管 理 シ ス テ ム , 社 員 の 給 与 計 算 シ ス テ ム や 旅 費 生 産 シ ス テ ム 等 , 複 数 の 経 営 情 報 シ ス テ ム が 必 要 と な る . こ の よ う に , エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア は , 多 く の 用 途 の も の が 存 在 す る が , そ の 特 徴 を 次 の よ う に 纏 め る こ と が で き る . (1)多 種 多 様 で あ る . 上 に 説 明 し た よ う に , 分 野 , 組 織 毎 に 異 な り , ま た , 一 つ の 組 織 内 で も 複 数 の 経 営 情 報 シ ス テ ム が 存 在 す る . (2)大 規 模 で あ る . 組 織 の 事 業 , 経 営 , 活 動 を 支 援 す る シ ス テ ム で あ る た め に , 組 織 の プ ロ セ ス そ の も の が シ ス テ ム 化 さ れ て い る と 言 え る . ま た , 画 面 , 帳 票 等 , 人 間 と の イ ン タ フ ェ ー ス が 多 い . こ れ ら を ソ フ ト ウ ェ ア で 実 現 す る た め に , 規 模 が 非 常 に 大 き く な る こ と が 多 い . し た が っ て ,ソ フ ト ウ ェ ア 技 術 者 等 ,プ ロ ジ ェ ク ト に 参 加 す る メ ン バ も 膨 大 に な る . (3)個 別 開 発 で あ る . 例 え ば , 同 じ 座 席 予 約 シ ス テ ム で も , 鉄 道 会 社 に よ っ て , 微 細 な と こ ろ に 差 異 が あ る の で , 汎 用 的 な 座 席 予 約 シ ス テ ム を 開 発 し , こ れ を 異 な る 鉄 道 会 社 に 適 用 す る こ と が 難 し く , 個 別 開 発 と な る こ と が 多 い . (4)受 託 開 発 が 多 い . い っ た ん 開 発 さ れ る と , 途 中 で 規 模 の 小 さ な 改 善 の よ う な 開 発 は あ る が , 長 期 間 に わ た っ て 利 用 さ れ る こ と が 多 く ,新 規 に 開 発 す る こ と は 5 年 と か 10 年 に 1 回 と い う よ う な 頻 度 で あ る . そ の た め に , 自 社 内 に ソ フ ト ウ ェ ア 技 術 者 を 抱 え て お く こ と が 難 し い . ま た , 新 規 開 発 で は 規 模 が 大 き く , 開 発 期 間 が 長 く な

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り , 開 発 の 難 易 度 が 高 い こ と が 多 い . こ れ ら の 理 由 に よ り , 自 社 で エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア を 開 発 し な い で , 受 託 開 発 企 業 に 開 発 を 委 託 す る こ と が 多 い . (5)プ ロ ジ ェ ク ト 型 の 開 発 で あ る . エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 で は , 開 発 の 開 始 と 終 了 が 明 確 で あ る .オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム の よ う な シ ス テ ム ソ フ ト ウ ェ ア で は ,い っ た ん , リ リ ー ス を し て も , 引 き 続 き バ ー ジ ョ ン ア ッ プ が 行 わ れ , 同 じ 技 術 者 が 引 き 続 き ,開 発 を 担 当 す る こ と が 多 い .一 方 ,エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア で は , 開 発 の 開 始 時 に プ ロ ジ ェ ク ト が 組 織 さ れ , 開 発 が 完 了 し て 本 稼 動 が で き る と , プ ロ ジ ェ ク ト は 解 散 さ れ る . し た が っ て , 同 じ メ ン バ に よ る プ ロ ジ ェ ク ト は 殆 ど な く , プ ロ ジ ェ ク ト 内 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 重 要 と な る . (6)業 務 知 識 は 顧 客 側 に あ る . エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア は 企 業 , 行 政 機 関 の 各 組 織 の プ ロ セ ス そ の も の を シ ス テ ム 化 し た も の で あ る の で , 業 務 知 識 に 関 し て は 顧 客 が 深 く 持 っ て お り , ソ フ ト ウ ェ ア 技 術 者 は 必 ず し も 詳 し く は な い . し た が っ て , 依 頼 主 で あ る 顧 客 と 一 緒 に な っ て , 業 務 仕 様 を 確 定 す る 必 要 が あ る . と こ ろ が , 顧 客 組 織 内 に は , 経 営 者 , シ ス テ ム 部 門 , シ ス テ ム を 利 用 す る エ ン ド ユ ー ザ 等 , ス テ ー ク ホ ル ダ ー が 沢 山 お り , 業 務 仕 様 の 確 定 が 難 し く , 時 間 が か か る . 2.4 エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 に 関 す る 課 題 エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 に お い て は , 約 40%が 失 敗 す る と 言 わ れ て い る[30],[31]. こ の 原 因 は , エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア 自 身 の 特 徴 に 内 在 し て い る と 言 え る が , 次 の よ う な 課 題 が あ る と 考 え ら れ る . 課 題 1: 開 発 委 託 時 に 開 発 す べ き ソ フ ト ウ ェ ア の 機 能 仕 様 が 曖 昧 で あ る . エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア は , そ れ を 必 要 と す る 組 織 自 身 で 開 発 し な い で , 受 託 開 発 企 業 に 開 発 を 委 託 す る こ と が 多 い . 今 後 , 便 宜 上 , 開 発 を 委 託 す る 組 織 を 購 入 者 , 開 発 を 受 託 す る 受 託 開 発 企 業 を 供 給 者 と 呼 ぶ . こ の よ う な 場 合 , 購 入 者 は 新 し く 開 発 す る エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 企 画 を 行 っ た 後 , 開 発 す る ソ フ ト ウ ェ ア の 要 件 を 記 載 し た 提 案 依 頼 書 (RFP: Request For Proposal) を 作 成 し , 複 数 の 供 給 者 に 提 案 書 の 提 出 を 依 頼 す る . 供 給 者 は , そ の 要 件 を 満 た す ソ フ ト ウ ェ ア の ア ー キ テ ク チ ャ , 開 発 す る た め の コ ス ト , 期 間

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等 を 記 載 す る 提 案 書 を 作 成 し , 購 入 者 に 提 出 す る . 購 入 者 は , 複 数 の 供 給 者 か ら 提 出 さ れ た 提 案 書 の 内 容 , 供 給 者 の 能 力 を 評 価 し て , 供 給 者 を 決 定 し , 開 発 を 委 託 す る . 委 託 を 受 け た 供 給 者 は プ ロ ジ ェ ク ト を 組 織 し ,プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 を 作 成 し て , 開 発 を 進 め て い く こ と に な る .と こ ろ が ,開 発 の 拠 り 所 と す る RFP に は ,開 発 す る ソ フ ト ウ ェ ア が 備 え る べ き 機 能 仕 様 が 正 確 に 記 載 さ れ て い な い こ と が 多 い . こ れ は , 次 の 理 由 に あ る と 考 え ら れ る . (a)購 入 者 は , ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 に 習 熟 し て い な い た め に , ど の レ ベ ル ま で 詳 細 に 書 く べ き か が わ か ら な い . (b)購 入 者 の 組 織 内 に は , 経 営 者 , シ ス テ ム 部 門 , ソ フ ト ウ ェ ア を 実 際 に 利 用 す る エ ン ド ユ ー ザ 部 門 等 , ス テ ー ク ホ ル ダ ー が 沢 山 い る . ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 要 望 や 意 見 を RFP に 反 映 す る 必 要 が あ る が , 纏 め る の が 難 し く , 未 完 成 と も い え る RFP を 提 出 す る こ と が 多 い . 課 題 2: 開 発 規 模 , 開 発 コ ス ト , 開 発 期 間 の 見 積 精 度 が 低 い . 購 入 者 ,供 給 者 の 双 方 に と っ て ,開 発 コ ス ト ,開 発 期 間 の 見 積 は 重 要 で あ る . こ の 見 積 の 誤 差 が 大 き い 場 合 , 購 入 者 に と っ て は , 予 算 の 超 過 や , 新 シ ス テ ム の 予 定 し た 稼 働 日 を 守 れ な い こ と に な り , 経 営 的 な 影 響 が 大 き い . 供 給 者 に と っ て も , 開 発 コ ス ト , 開 発 期 間 の 見 積 の 誤 差 が 大 き い と , い わ ゆ る 赤 字 プ ロ ジ ェ ク ト に な り , や は り 経 営 的 な 影 響 が 大 き い . し た が っ て , 開 発 コ ス ト , 開 発 期 間 を 算 出 す る 基 と な る 開 発 規 模 の 見 積 が 重 要 と な る . 開 発 規 模 の 見 積 は ,RFP を 基 に 行 う . し か し , 課 題 1 で 説 明 し た よ う に RFP 自 身 の 記 述 が 曖 昧 で あ り , 正 確 に 見 積 る こ と が 難 し い . ま た ,RFP に 実 現 し て 欲 し い 要 件 が 正 確 に 記 載 さ れ て い た と し て も ,そ れ は , ユ ー ザ の 観 点 か ら 直 接 , 必 要 と な る 機 能 が 記 載 さ れ て い る の み で , そ の 機 能 を 実 現 す る た め に 必 要 と な る 2 次 的 な 機 能 に つ い て は 記 載 さ れ て い ず , 精 度 の 高 い 見 積 を 行 う こ と は 難 し い 場 合 が 多 い . 更 に , 見 積 技 法 に も 課 題 が あ る . 従 来 は , プ ロ グ ラ ム の コ ー ド 行 数 (SLOC: Software Lines Of Codes)に よ り 開 発 規 模 を 見 積 っ て い た .し か し ,コ ー ド 行 数 を 尺 度 と す る 場 合 , 開 発 言 語 に 依 存 , 開 発 者 の 技 術 レ ベ ル に 依 存 , 再 利 用 可 能 プ ロ グ ラ ム の 行 数 の 扱 い 方 の 不 統 一 等 の 課 題 が 多 い . 最 近 で は , ソ フ ト ウ ェ ア

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の 機 能 量 を フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト と い う 尺 度 に よ っ て 定 量 的 に 計 測 す る , フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 が 標 準 に な り つ つ あ る[32]. FP 法 は , ユ ー ザ の 視 点 か ら 機 能 量 を 定 量 化 す る た め , 開 発 言 語 や 実 装 方 法 に 影 響 さ れ な い 値 を 得 る こ と が で き , 優 れ た 見 積 技 法 で あ る が , 習 熟 者 で な い と 適 用 が 難 し い . 課 題 3: 機 能 仕 様 の 確 定 に 時 間 が か か る . 課 題 1 で 説 明 し た よ う に , い っ た ん プ ロ ジ ェ ク ト が 開 始 さ れ て も , RFP に 記 載 さ れ て い る 要 件 が 曖 昧 な た め に , プ ロ ジ ェ ク ト を 進 め る 中 で , 機 能 仕 様 を 確 定 し て い く 必 要 が あ る . ま た ,RFP に 正 確 に 書 い て あ る 場 合 で も , プ ロ ジ ェ ク ト を 進 め る な か で , 機 能 仕 様 の 変 更 や 追 加 が 発 生 す る こ と が 多 い . こ の よ う な 場 合 , 購 入 者 側 に は ス テ ー ク ホ ル ダ ー が 多 い た め に , 要 望 や 意 見 を 纏 め る こ と が 難 し く , ま た , せ っ か く 開 発 す る シ ス テ ム を 少 し で も 良 く し た い と い う 気 持 が 強 い た め に , 機 能 仕 様 の 確 定 に 時 間 が か か る . こ の 結 果 ,仕 様 追 加 や 変 更 の 多 発 ,開 発 規 模 の 増 大 ,開 発 コ ス ト の 予 算 超 過 , 進 捗 の 遅 延 が 発 生 し , プ ロ ジ ェ ク ト の 失 敗 の 原 因 と な る こ と が 多 い . 課 題 4: プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 が 難 し い . エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 で は , 開 発 規 模 が 大 き く , 作 業 や 成 果 物 が 膨 大 な 数 に 渡 る ほ か , 多 数 の プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ が 複 数 の 開 発 拠 点 に 分 散 し て お り , 大 規 模 プ ロ ジ ェ ク ト に な る こ と が 多 い . そ の 結 果 , 次 の よ う な こ と が 発 生 し , プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 が 難 し く な る . (a)作 業 , 成 果 物 , プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ が 膨 大 に な り , こ れ ら の 整 合 性 の と れ た プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 を 作 成 す る こ と が 難 し い . (b)プ ロ ジ ェ ク ト の 計 画 , 状 況 , 成 果 物 等 情 報 を , プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ 間 で 共 有 す る の が 難 し い . (c)作 業 や 成 果 物 が 膨 大 な 量 に な り , か つ プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ が 多 い た め に , 進 捗 状 況 の 把 握 や , 成 果 物 の 管 理 が 難 し い . (d)作 業 の 遂 行 , 成 果 物 の 作 成 に あ た っ て , 関 連 す る 成 果 物 や 設 計 標 準 等 の 利 用 す る 資 料 が 膨 大 で あ り , 適 し た も の を 捜 す 負 荷 が 大 き い . 本 研 究 の 目 的 は,上 記 の 4 つ の 課 題 の う ち , 課 題 2, 3, 4 の 解 決 に あ る . 1.1 節

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で 3 つ の 目 標 を 説 明 し た が , 目 標 1 は 課 題 2 の 解 決 を , 目 標 2 は 課 題 4 の 解 決 を , 目 標 3 は 課 題 3 の 解 決 を 図 る も の で あ る . 課 題 1 に つ い て は , 開 発 す べ き 要 件 を 確 定 す る プ ロ ジ ェ ク ト と , そ の 要 件 に 基 づ き ソ フ ト ウ ェ ア を 開 発 す る プ ロ ジ ェ ク ト に 分 割 し , 要 件 を 確 定 す る プ ロ ジ ェ ク ト が 完 了 し た 後 に , ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 の プ ロ ジ ェ ク ト を 開 始 す る と い う 方 法 を 採 用 す る こ と で , 解 決 を 図 る こ と が 主 流 に な り つ つ あ る . ま た ,2.5.3(3)で 説 明 す る SEC の 活 動 が 抜 本 的 な 解 決 に な る で あ ろ う . 2.5 エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア を 取 囲 む 技 術 動 向 , 研 究 動 向 エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア に 関 し て は , こ れ ま で 説 明 し て き た よ う な 特 徴 や 課 題 が あ り , そ れ ら の 解 決 や 改 善 を 目 的 と し て , 技 術 開 発 や 研 究 が 幅 広 く 行 わ れ て い る . 2.5.1 見 積 技 法 見 積 に は , 開 発 規 模 を 見 積 る こ と の 他 , 開 発 工 数 , 開 発 期 間 や 開 発 コ ス ト の 見 積 が あ る . (1)フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 開 発 規 模 は ,ソ フ ト ウ ェ ア の 業 界 が 誕 生 し て 以 来 50 年 間 ,プ ロ グ ラ ム の コ ー ド 行 数(SLOC: Software Lines Of Codes)で 測 定 さ れ て き た .し か し ,コ ー ド 行 数 を 尺 度 と す る 場 合 の 問 題 を ,Capers Jones が 1978 年 の IBM Systems journal に 掲 載 し た 論 文[28]で , 初 め て 明 確 に し た . コ ー ド 行 数 の 問 題 点 は , 同 じ Capers Jones の 著 書 [32]で 次 の よ う に 整 理 さ れ て い る . (a)コ ー ド 行 数 に つ い て の 標 準 的 定 義 が 存 在 し な い . 行 の 数 え 方 に ,物 理 行 と 論 理 行 が あ る .物 理 行 の 終 わ り は ENTER キ ー で あ る .一 方 ,論 理 行 の 終 わ り は セ ミ コ ロ ン ,コ ロ ン ,ピ リ オ ド 等 の 区 切 り 記 号 で あ る .物 理 行 で 数 え る か ,論 理 行 で 数 え る か で ,算 出 結 果 に 大 き な 差 異 が 出 る . COBOL の よ う な 言 語 で は , 1 つ の 条 件 節 が 複 数 の 物 理 行 に わ た る 場 合 が あ り ,物 理 行 で 測 定 し た 場 合 ,論 理 行 に 比 べ 約 2 倍 ,規 模 が 大 き く な る こ と が あ る . 一 方 , Basic の よ う な 言 語 で は , 物 理 的 な 1 行 に 複 数 の 論 理 行 が 許 さ れ , 論 理 行 で 測 定 し た 場 合 , 物 理 行 に 比 べ 約 5 倍 , 規 模 が 大 き く な る こ と が あ る . (b)様 々 な 種 類 の 行 が 存 在 す る [29].

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殆 ど の プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 は ,実 行 文 ,デ ー タ 定 義 ,コ メ ン ト ,空 白 行 の 4 種 類 の 行 か ら 成 っ て い る .こ の 4 種 類 の 行 の う ち ,ど れ を 測 定 の 対 象 に す べ き か の 標 準 が 存 在 し な い . (c)再 利 用 コ ー ド の 測 定 が 不 正 確 で あ る . プ ロ グ ラ マ は , 開 発 す べ き プ ロ グ ラ ム の 約 20%か ら 30%を , 開 発 済 み の プ ロ グ ラ ム か ら コ ピ ー し 再 利 用 し て い る .再 利 用 さ れ た コ ー ド に つ い て ,1)再 利 用 さ れ た コ ー ド を 出 現 ご と に 測 定 す る ,2)再 利 用 さ れ た コ ー ド を 一 度 だ け 測 定 す る ,3)再 利 用 コ ー ド は 測 定 し な い ,の 3 種 類 の 考 え 方 が 存 在 す る が ,い ず れ に す る か の 標 準 が 存 在 し な い . (d)プ ロ グ ラ マ の 技 術 レ ベ ル , プ ロ グ ラ ミ ン グ ス タ イ ル に よ る 規 模 の 差 異 が 大 き い . 同 一 の 仕 様 を 実 現 す る た め に 開 発 し た プ ロ グ ラ ム の コ ー ド 行 数 に ,大 き な 差 が 生 じ る こ と が あ る .こ れ は プ ロ グ ラ マ の 技 術 レ ベ ル や プ ロ グ ラ ミ ン グ ス タ イ ル , 仕 様 の 解 釈 の 仕 方 に 拠 る も の で あ る . (e)高 水 準 言 語 に よ る 見 か け 上 の 生 産 性 低 下 が 発 生 す る .

ア セ ン ブ ラ の よ う な 低 水 準 言 語 か ら COBOL, Ada, VisualBasic の よ う に 高 水 準 言 語 に な る に し た が っ て ,同 じ 仕 様 を 実 現 す る た め の プ ロ グ ラ ム の コ ー ド 行 数 は 少 な く な る 傾 向 に あ る .一 方 ,プ ロ グ ラ ム を 完 成 さ せ る た め に は ,要 件 定 義 , ア ー キ テ ク チ ャ 設 計 等 の た め の コ ス ト の 比 率 が 大 き く , 全 体 の 費 用 は コ ー ド 行 数 が 少 な く な る ほ ど は 小 さ く な ら な い .こ の 結 果 ,コ ー ド 1 行 当 り の 費 用 は 高 水 準 言 語 の 方 が 高 く な り , 見 か け 上 の 生 産 性 は 低 下 す る . こ れ ら の コ ー ド 行 数 を 尺 度 と す る 場 合 の 課 題 を 解 決 す る も の と し て , ソ フ ト ウ ェ ア の 機 能 量 を フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト と い う 尺 度 に よ っ て 定 量 的 に 計 測 す る フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 が 普 及 し て き て お り , 特 に エ ン タ ー プ ラ イ ズ 系 ソ フ ト ウ ェ ア で は FP 法 が 標 準 に な り つ つ あ る [1],[15],[32],[33], [37],[39],[42],[50]. FP 法 は 1979 年 に Albrecht に よ っ て 提 案 さ れ た [2].こ れ は ユ ー ザ の 視 点 か ら 機 能 量 を 定 量 化 す る た め , 開 発 言 語 や 実 装 方 法 に 影 響 さ れ な い 値 を 得 る こ と が で き , 優 れ た 見 積 技 法 で あ る と 考 え ら れ て い る . 企 画 段 階 や 開 発 の 前 段 階 で の 規 模 見 積 が 必 要 で あ る . と こ ろ が , こ の 段 階 で は ,実 装 す べ き 機 能 仕 様 が 詳 細 に は 定 ま っ て お ら ず ,FP 法 に よ る 規 模 見 積 を 実

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施 す る に は , い く つ か の 困 難 を 伴 う . こ の 課 題 を 改 善 す る も の と し て NESMA 法[24],ユ ー ス ケ ー ス ポ イ ン ト 法 [38],[56],電 中 研 法 [53]等 い く つ か 考 案 さ れ て い る . (2)COCOMO, COCOMOⅡ 開 発 規 模 か ら 開 発 工 数 ,開 発 期 間 を 算 出 す る 技 法 と し て ,COCOMO,COCOMO Ⅱ が あ る .

(a)COCOMO(COnstructed COst MOdel)

COCOMO は 1981 年 に B. W. Boehm に よ り 提 案 さ れ た 工 数 見 積 技 法 で あ る [8]. ソ フ ト ウ ェ ア の コ ー ド 行 数(SLOC)で 計 測 し た 開 発 規 模 に ,コ ス ト 誘 因 と 呼 ぶ シ ス テ ム の 開 発 特 性 を 反 映 し た 15 個 の 工 数 変 動 要 因 や ,開 発 モ ー ド と 呼 ぶ プ ロ ジ ェ ク ト の 開 発 形 態 を 加 味 し て , 開 発 工 数 と 開 発 期 間 を 算 出 す る も の で あ る . コ ス ト 誘 因 は , プ ロ ジ ェ ク ト の 開 発 環 境 の 違 い が 開 発 工 数 に 与 え る 影 響 を 考 慮 し た も の で あ る . 表 2.2 に 示 す 15 個 の 項 目 に つ い て レ ベ ル を 評 価 し , 0.75~ 1.66 の 値 を 設 定 す る . 平 均 的 な レ ベ ル の 場 合 , 1.00 と な る . ま た , プ ロ ジ ェ ク ト の 開 発 形 態 の 違 い が 生 産 性 の 違 い に 表 れ る と 考 え て 開 発 モ ー ド を 設 定 し て い る . 生 産 性 の 高 い 順 に , 組 織 モ ー ド , 半 組 込 モ ー ド , 組 込 属 性 コ ス ト 誘 因 ソ フ ト ウ ェ ア 信 頼 性 要 求 デ ー タ ベ ー ス の 規 模 ソ フ ト ウ ェ ア 製 品 製 品 の 複 雑 性 実 行 時 間 の 制 約 主 記 憶 の 制 約 OS や ハ ー ド ウ ェ ア の 変 更 頻 度 計 算 機 コ ン ピ ュ ー タ の タ ー ン ア ラ ウ ン ド 時 間 分 析 者 の 能 力 ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 経 験 プ ロ グ ラ マ の 能 力 OS や ハ ー ド ウ ェ ア の 経 験 開 発 要 員 プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 の 経 験 近 代 的 プ ロ グ ラ ミ ン グ 手 法 の 使 用 ソ フ ト ウ ェ ア ツ ー ル の 使 用 プ ロ ジ ェ ク ト 開 発 ス ケ ジ ュ ー ル 要 求 表 2.2 コ ス ト 誘 因

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モ ー ド の 3 種 が あ る . ① 組 織 モ ー ド : 少 人 数 で の 熟 練 度 の 高 い 開 発 形 態 . ② 組 込 モ ー ド : 大 規 模 な プ ロ ジ ェ ク ト で 厳 し い 制 約 条 件 の 下 で の 開 発 形 態 . ③ 半 組 込 モ ー ド : 組 織 モ ー ド と 組 込 モ ー ド の 中 間 の 開 発 形 態 . こ れ ら の 準 備 の 下 ,COCOMO で は ,開 発 規 模 か ら 開 発 工 数 と 開 発 期 間 を ,表 2.3 に 示 す よ う に 算 出 す る . (b)COCOMOⅡ COCOMOⅡ は 1997 年 に 公 開 さ れ た COCOMO の 改 訂 版 で あ る [10],[12]. COCOMO は ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル モ デ ル や イ ン ク リ メ ン タ ル モ デ ル 等 の , し っ か り し た 開 発 プ ロ セ ス に よ る 大 規 模 シ ス テ ム の 開 発 が 仮 定 さ れ て い た .一 方 , ク ラ イ ア ン ト ・ サ ー バ ・シ ス テ ム (CSS)の 開 発 の 場 合 , 開 発 方 法 が 多 様 化 し て い る ,マ ル チ ベ ン ダ ー に よ る 製 品 の 組 合 せ が 多 様 で あ る ,開 発 期 間 の 短 縮 等 の ユ ー ザ の CSS に 対 す る 過 信 が あ る , ユ ー ザ の 品 質 要 求 が 多 様 化 し て い る の 問 題 が あ り , こ れ ら が 生 産 性 に 影 響 を 与 え る . そ れ ら に 対 応 で き る よ う に COCOMO を 改 定 し た も の が COCOMOⅡ で あ る . COCOMO と 同 様 に 開 発 規 模 か ら 次 の よ う に 開 発 工 数 や 開 発 期 間 を 算 出 す る . ・ 開 発 工 数 MM=2.45×( KSLOC)B×ПEMi (i=1~ 15) ・ 開 発 期 間 TDEV=2.66( MM)(0 .3 3 + 0 .2(B-1 . 0 1)) こ こ で B は ス ケ ー ル フ ァ ク タ ー と 呼 び , プ ロ ジ ェ ク ト の 特 性 の 違 い に よ っ て プ ロ ジ ェ ク ト の 生 産 性 が , ど う 変 化 す る か を 説 明 す る 指 標 で あ り , B=1.01+0.01(Σ Wi) で 計 算 さ れ る . Wiは 表2.4 に 示 す 5 個 の ス ケ ー ル 誘 因 の 重 み で あ り ,COCOMOⅡ の 特 徴 で あ る . 表 2.3 COCOMO で の 開 発 工 数 , 開 発 期 間 の 算 出 式 開 発 モ ー ド 開 発 工 数 ( 人 月 ) 開 発 期 間 ( 月 ) 組 織 モ ー ド MM=3.2(KSLOC)1 . 0 5・П CD TDEV=2.5(MM)0 . 3 8 半 組 込 モ ー ド MM=3.0(KSLOC)1 . 1 2・П CD TDEV=2.5(MM)0 . 3 5 組 込 モ ー ド MM=2.8(KSLOC)1 . 2 0・П CD TDEV=2.5(MM)0 . 3 2 MM : 開 発 工 数 ( 人 月 ) KSLOC: ソ ー ス コ ー ド 行 数 ( 1000 SLOC) TDEV : 開 発 期 間 ( 月 ) П CD : 15 個 の コ ス ト 誘 因 (CD)の 積 .

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プ ロ ジ ェ ク ト の レ ベ ル に し た が っ て 評 価 さ れ ,0.00~ 6.07 の 値 を と る . EMi は COCOMO の コ ス ト 誘 因 を 拡 張 し た も の で あ り , 表 2.5 に 示 す 17 個 の 項 目 に つ い て レ ベ ル を 評 価 し ,0.75~ 1.67 の 値 を 設 定 す る . 平 均 的 な レ ベ ル の 場 合 ,1.00 と な る . 表 2.4 ス ケ ー ル 誘 因 開 発 の 先 例 性 関 連 す る シ ス テ ム の 開 発 経 験 が あ る か , 革 新 的 な 技 術 を 必 要 と し な い か 等 の 先 例 性 の 度 合 を 表 す . 開 発 の 柔 軟 性 要 求 仕 様 や 外 部 イ ン タ フ ェ ー ス に 対 す る 準 拠 の 必 要 性 の 度 合 を 表 す . ア ー キ テ ク チ ャ / リ ス ク の 解 決 度 重 要 な モ ジ ュ ー ル ・ イ ン タ フ ェ ー ス や 重 要 な リ ス ク が 解 決 さ れ て い る 度 合 を 表 す . チ ー ム の 凝 集 度 利 害 関 係 者 間 の 文 化 の 一 貫 性 等 , プ ロ ジ ェ ク ト と し て の 纏 り の 程 度 を 表 す . プ ロ セ ス の 成 熟 度 プ ロ ジ ェ ク ト で 使 用 さ れ る プ ロ セ ス の 成 熟 度 の レ ベ ル を 表 す . 属 性 コ ス ト 誘 因 ソ フ ト ウ ェ ア 信 頼 性 要 求 デ ー タ ベ ー ス の 規 模 製 品 の 複 雑 性 製 品 ド キ ュ メ ン テ ー シ ョ ン の 適 用 性 実 行 時 間 の 制 約 主 記 憶 の 制 約 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 変 更 頻 度 分 析 者 の 能 力 ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 経 験 プ ロ グ ラ マ の 能 力 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 経 験 言 語 と ツ ー ル の 経 験 要 員 開 発 要 員 の 継 続 性 ソ フ ト ウ ェ ア ツ ー ル の 使 用 マ ル チ サ イ ト 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト 開 発 ス ケ ジ ュ ー ル 要 求 表 2.5 COCOMOⅡ で の コ ス ト 誘 因

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2.5.2 プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 (1)PMBOK ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発 を 成 功 さ せ る た め に は , 適 切 な プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 を 行 う こ と が 必 要 で あ る . 従 来 の プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 は ,QCD, 即 ち , 品 質 , コ ス ト , 納 期 の 3 つ に 着 目 し た 管 理 手 法 で あ っ た と 言 え る . 一 方 , 最 近 で は , 顧 客 の 満 足 す る 価 値 を 届 け る た め の 開 発 計 画 を 作 成 し , そ の 計 画 を 遂 行 す る こ と を 目 的 と し て お り , 従 来 の 手 法 と 区 別 し て , モ ダ ン プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ジ メ ン ト , 若 し く は プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ジ メ ン ト と 呼 ば れ る . こ れ は ,1950 年 代 後 半 に 米 国 国 防 総 省 が 大 規 模 プ ロ ジ ェ ク ト を 管 理 す る た め に ,マ ネ ジ メ ン ト 手 法 を 体 系 化 し た の が 始 ま り と さ れ る . 現 在 で は ,PMI(Project Management Institute)が PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)と 呼 ぶ プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ジ メ ン ト の 遂 行 に 必 要 な 基 本 的 な 知 識 を 汎 用 的 な 形 で 体 系 立 て て 整 理 し て い る[3],[36].PMBOK は 1984 年 に プ ロ ト タ イ プ 版 ,1987 年 に 第 1 版 が 発 行 さ れ ,2004 年 に 発 行 さ れ た 第 3 版 が 最 新 の も の で あ る . PMBOK は ,QCD の み で な く ,ト ー タ ル プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ジ メ ン ト の 観 点 に た ち , ス コ ー プ , タ イ ム , コ ス ト , 品 質 , 組 織 , コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン , リ ス ク , 調 達 の 8 つ の 知 識 エ リ ア と , 8 つ の 知 識 エ リ ア の 統 合 の 合 計 9 つ の 知 識 エ リ ア か ら 構 成 さ れ て い る . 次 に 9 つ の 知 識 エ リ ア の 概 要 を 説 明 す る . (a)ス コ ー プ マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト の ス コ ー プ を 明 確 に し , ス コ ー プ の 変 更 を 管 理 す る プ ロ セ ス で あ る . プ ロ ジ ェ ク ト の 目 標 を 明 確 に し , そ れ を 実 現 す る た め に 必 要 な 作 業 , 成 果 物 を 全 て 洗 い 出 し , WBS で 記 述 す る . (b)タ イ ム マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト を 所 定 の 時 期 に 完 了 さ せ る た め に 管 理 す る プ ロ セ ス で あ る . ス コ ー プ マ ネ ジ メ ン ト で 明 確 に な っ た 作 業 の ス ケ ジ ュ ー ル を 作 成 し , ス ケ ジ ュ ー ル 通 り に 進 捗 す る よ う に コ ン ト ロ ー ル す る . こ の プ ロ セ ス で ガ ン ト チ ャ ー ト や PERT 図 を 作 成 す る . (c)コ ス ト マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト を 予 算 内 で 完 了 さ せ る た め の プ ロ セ ス で あ る . コ ス ト の 計 画 , 見 積 , 予 算 化 , コ ン ト ロ ー ル の プ ロ セ ス か ら な る .

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(d)品 質 マ ネ ジ メ ン ト 高 品 質 な ソ フ ト ウ ェ ア を 実 現 す る た め の プ ロ セ ス で あ る . 品 質 目 標 の 設 定 , 設 定 し た 品 質 目 標 を 達 成 す る た め に 必 要 な 具 体 的 な 活 動 の 計 画 と 遂 行 ,結 果 の 監 視 の プ ロ セ ス か ら な る . (e)人 的 資 源 マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト 内 の 役 割・責 任・報 告 ル ー ト の 明 確 化 ,プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム の 編 成 ,プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ の 育 成 ,プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ が 最 大 の パ フ ォ ー マ ン ス が あ げ ら れ る よ う な マ ネ ジ メ ン ト の プ ロ セ ス か ら な る . (f)コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト 情 報 の 生 成 ,収 集 ,配 布 ,保 管 ,検 索 ,廃 棄 を 実 行 す る た め の プ ロ セ ス か ら な る . (g)リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト の リ ス ク を 管 理 し ,最 小 化 す る た め の プ ロ セ ス で あ る .リ ス ク の 定 量 的・定 性 的 な 分 析 ,リ ス ク を 減 少 さ せ る た め の 施 策 の 策 定 ,リ ス ク の 監 視 の プ ロ セ ス か ら な る . (h)調 達 マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト を 遂 行 す る 上 で 必 要 な プ ロ ダ ク ト ,サ ー ビ ス を プ ロ ジ ェ ク ト の 外 部 か ら 調 達 す る プ ロ セ ス で あ る .納 入 者 選 定 ,契 約 の 管 理 の プ ロ セ ス か ら な る . (i)統 合 マ ネ ジ メ ン ト プ ロ ジ ェ ク ト 全 体 を 計 画 通 り 進 め て い く た め の プ ロ セ ス で あ る .プ ロ ジ ェ ク ト 憲 章 の 作 成 ,プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ジ メ ン ト 計 画 書 作 成 と 遂 行 ,プ ロ ジ ェ ク ト 状 況 の 監 視 と コ ン ト ロ ー ル の プ ロ セ ス か ら な る . (2)ア ー ン ド バ リ ュ ー ス コ ー プ , ス ケ ジ ュ ー ル , コ ス ト を 統 合 し , プ ロ ジ ェ ク ト の 進 捗 を 客 観 的 に 測 定 す る プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 手 法 で あ る[18]. ス ケ ジ ュ ー ル 上 の 特 定 の 期 間 で 達 成 さ れ る 予 定 の 価 値 を 計 画 価 値(PV: Planned Value), 実 際 に 達 成 さ れ た 価 値 を 達 成 価 値 EV: Earned Value), 実 際 に か か っ た コ ス ト を 実 コ ス ト(AC: Actual Cost)と 呼 ぶ .

表 3.10 IFPUG 法 ま た は NESMA 法 に よ る 習 熟 者 の 見 積 結 果 習 熟 者 の 考 え 方 見 積 結 果 1) 精 算 し た い 案 件 を 選 択 す る に は , ま ず , 条 件 入 力 → 候 補 一 覧 と い う ス テ ッ プ が あ り , 続 い て 1 件 選 択 → 精 算 案 件 内 容 表 示 と な る . 即 ち こ こ に は 2 つ の 照 会 が 存 在 し ,更 に 前 者 は 計 算 を 伴 う 可 能 性 が 高 い の
表 3.11  要 素 見 積 法 に よ る 見 積 結 果 要 素 見 積 法 で の 考 え 方 見 積 結 果 1)「 案 件 の 選 択 」と あ る の で 案 件 を 表 示 す る“ 明 細 照 会 ”が 洗 い 出 せ る が“ 明 細 照 会 ”が あ る な ら“ 一 覧 照 会 ”も 存 在 す る の で は な い か , と い う こ と が 想 起 さ れ る .     一 覧 照 会明 細 照 会 2) 旅 費 精 算 の 登 録 は“ 新 規 登 録 ”で あ る が
表 示 さ せ る こ と が で き る .     プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 者 は ,「 4.2.2(4)プ ロ ナ ビ WBS に 基 づ く プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 」 で 説 明 し た よ う に , ク ラ イ ア ン ト PC か ら , プ ロ ナ ビ が 用 意 し た 複 数 個 の 標 準 プ ロ ナ ビ WBS の 中 か ら 自 プ ロ ジ ェ ク ト に 適 し た も の を 選 び ,カ ス タ マ イ ズ し , 更 に 各 ワ ー ク の 開 始 日 等

参照

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