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現代 経 営 の 管 理 と組 織 に 関 す る研 究

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Academic year: 2022

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(1)現代 経 営 の 管 理 と組 織 に 関 す る研 究. 木暮.至. 提出. 博士学位 申請論文審査要 旨. 現代 経 営 の管 理 と組 織 に 関す る研 究. 1.本. 1.本. 論 文 の 主 旨 と構 成. 論文の主 旨. 「管 理 論 」 と 「 組 織 論」 の研 究 は 、常 に表 裏一 体 的 な 関係 に立 た な けれ ば な らな い と考 え ら れ る。 そ れ は 「管 理 」 とr組 織 」 の 関 係 か ら も容 易 に 理 解 され る 。古 くは 「 管理 」の道具 だ っ た仕 事 の ピ ラ ミ ッ ドと して の 「組 織 」 が 、.やが て人 間行 動 か ら構 成 され る 「組織 」 と な り 、 しか も、 協 働 体(系. 〉 の本 質 的 、 中 核 的 な もの と と ら え られ る よ.うに な る と、 そ の 協 働 体 に. 本 質 的 な 「組 織 」 の 形 成 、維 持 、 存 続 、 発 展 こ そ 「管 理 」 その もの と な る 。 つ ま り、 「 組 織」 を どの よ うに と らえ よ うと 、 「 管 理 」 は古 く.から 「 組 織 」 の形 成 、維 持 、発 展 に 関 わ る もの と .して 、 また 「管理 」 は 「組 織 」 を通 して行 な わ れ 、 「 組 織 」 の あ る と こ ろい ず こに も存 在 す る と考 え られ た か らで あ る 。経 営 学 は 、 そ の成 立以 来 、 「管 理 」 と 「組織 」 の 問題 を 中心 に展 開 され て き た学 問 で は あ る が 、経 営 者 の 役 割 が組 織 を形 成.し、維 持 す る こ とだ と考 え られ る よ うに な る と、 一 層 、管 理 論 と組織 論 は一 体 的 に研 究 され るべ き必 要 が生 じた の で あ る。 しか し、最 近 に お け る組 織 研 究 の 隆 盛 は 、 あ た か も 「管 理 論 」 と1.組 織 論 」 が別 々 の独 立 科 目の よ うな 観 を 呈 して き たの も事 実 で あ る。 そ れ は 分 業 に よ る学 問 の 発 展 の た め で あ る.。 企 業 や 社 会 も分 業 と協 業 の繰 り返 しに よ っ て 進 歩 ・発 展 して きた よ うに 、 ま た 、科 学 が 分析 と総 合 に よ っ て進 歩 ・発展 して き た よ うに 、 そ して 、通 常 、科 学 の 進 歩 が マ ク ロー ミク ロー マ ク ロ の順 で 現 れ る よ うに 、 「管 理 論 」 と 「組 織 論 」 の.関係 も 同様 だ か らで あ る。 「組 織 論 」 は 「経 営 学 」 や 「 管 理 論Jか. ら独 立 した新 興 の 学 問 で あ っ た が 、.独.立した が故 に 著 し く精緻. 化 し、画 期 的 な 発展 を 遂 げ る こ と が で きた 。 これ まで 社 会 や 企 業 の 発 展 に お い て も、.諸科 学 の 研 究 に お い て も、 国 際 的 分 業 や 研 究 対 象 的 に よ る分 業 、 あ るい は方 法 論 的 分 業 が科 学 の 大 きな 発 展 と精緻 化 とを もた ら して き た の は.茜う まで もな い 。 だ が 、他 方 に お い て 、 今 口ほ ど総 合 の学 が 求 め られ て い る時 代 は な い。 と く に今 日の よ う に 解 決 す べ き問題 が 巨 大 化 し、 問 題 自体 もグ ロ ーバ ル化 す る と ます ます 学 際 的 協 力 が求 め ら れ る。 「 組 織 論 」 は 「経 営 学 」 や 「管 理 論 」 か ら独 立 した 学 問 で あ り、別 々 に論 じ る こ と も必 要 で あ るが 、 「 組 織 論 」 と 「管 理 論 」 と を....体 的 に研 究 して も よい の で は な い か 。 常 に 分析 と. 一101一.

(2) 現 代 経 営 の 管 理 と組 織 に関 す る研 究. 総 合 が 必 要 だ か ら で あ る 。 こ こ に 本 研 究 の 目 的 が あ る 。 そ し て 、 提 出 者 は 、 「管 理 論 」 も 「 組 織 論 」 も 、結 局 は 、 「 組 織 変 革 論 ・開 発 論Jに. 収 敏 すべ き もの と考 えて い る。 しか し、組 織 開. 発 論 に お い て 、 ひ と 頃 の よ うtd隆 盛 が 影.を ひ そ めTし. ま っ た の は 、 そ れ が 本 来 の 主 旨 か ら離. れ 、 人 々 の 行 動 を 変 え る だ け の 教 育 ・訓 練 が 偏 重 さ れ た た め で あ る 。 組 織 問 題 は 個 々 の 教 育 ・訓 練 に 終 わ る も の で は な く 、 常 に 組 織.全体 を 問 題 に し な け れ ば な ら な い 。 人 々 が 生 き 生 き と して 、 活 力 に 満 ち た 組 織 つ ぐ り は 組 織 全 体 の 問 題 で あ り 、 組 織 の 変 革 や 開 発 は 人 間 の 永 遠 の テ ー マで あ り、 また 学 際 的 協 力 を要 す る一 大 分 野 で も あ る。 本 研 究 は そ れ に 向 か って の 挑 戦 で あ る。 「組 織 」 は 常 に 経 営 学 の 最 重 要 テ ー マ で あ る 。 だ が 、 あ れ ほ ど 隆 盛 を極 め て い た 「組 織 論 」 も 、 最 近 で は 若 干 そ の 勢 い が 止 ま っ た よ う な 印 象 さ え.J'え て い る 。 そ の 原 因 の ひ とつ は 、 「戦 略 論 」 の 台 頭 で あ る 。 し か し 、 「戦 略 論 」 は. 「 組 織 論 」 と も密 接 な 関係 を持 って お り、 「 組織. は 戦 略 に 従 う」 こ と は も ち ろ ん 、 「 戦略」 も 「 環 境 適 応 」 も人 間 の 行 な う意 思 決 定 で あ り、 組 織 の 行 為 で あ る こ と を 銘 記 す べ き で あ る 。 ま た 、 そ れ 以 上 に 問 題 と な る こ と は 、 「組 織 」 概 念 の あ ま り に 不 用 意 な使 用 に あ る 。例 え ば 、 「企 業 組 織 」 と い..う日 常 的 な 使 わ れ 方 が 「 経営学書」 で も散 見 す る 。 こ こ で の. 「組 織 」 は 、 「企 業 そ の も の 」 を 指 す の か 、 「企 業 に お け る 組 織 」 を. 指 す の か 、 あ る い は 産 業 の 組 織 と し て 、 政 治 組 織 、 宗 教 組 織 な ど と 同 じ意 味 の 組 織 で あ る の か 、 全 く不 明 で あ る 。 「企 業 」 概 念 そ の も の が 極 め て 広 い 概 念 で あ る の に 、 「組 織 」 を そ れ と 同 等 か 、 あ る い は 、 そ れ 以 上 に 広 い 意 味 を もつ 概 念 と し て 使 う の で は 、r組 織 」 の 本 質 を 究 明 で き な い の は 言 う ま で も な い 。 そ れ で は 、 バ ー ナ ー ドの 言 に まつ ま で も な く 、r組 織 」 の 外 見 的 特 徴 を叙 述 す る に 止 ま り 、 本 質 に 迫 る こ と な く 引 き返 して し ま う こ と に な る の で あ る 。 も ち ろん 、 「 企 業=組. 織 」 と い う観 点 も 全 体 的 な フ レ ー ム を 理 解 す る た め に は 必 要 で あ り 、. そ の 意 義 を 否 定 す る も.ので は な い 。 し か し 、 そ れ は 全 体 的 外 形 を と ら え る に は 、 極 め て 有 効 で あ るが 、 「 組織」 の本質や. 「企 業 」 の 本 質.は究 明 で き な い 。 と こ ろ が 、 「組 織;調. 整 され た. 人 閲 行 動 」 と 考 え れ ば そ の 本 質 の 究 明 は 可 能 で あ る 。 「調 整 さ れ た.人間 行 動 」 は 、 誘 因 に よ っ て 獲 得 され る 貢 献 行 動 で あ り、 こ の 貢 献 行 動 が あ る 隈 り、 「 組 織 」 は 無 限 の広 が りを持 つ 。 こ の よ う に 、 「組 織 」 は 調 整 さ れ た 人 閻 行 動 で あ り、 貢 献 行 動 で あ る が 、 そ の よ う な 行 動 の 獲 得 こ そ マ ネ ジ メ ン トの 本 質 に 他 な ら な い 。 こ こ で の 組 織 の 境 界 は 、 「.な い 」 の で は な く、常 に不 確 定 で あ り 、 変 動 的 な も の と な り 、 そ れ は グ ロ ー バ ル な.ネ ッ トワ ー ク に も 、 バ ー チ ャ ル な ネ ッ トワ ー ク に も適 応 可 能 と な る 。 こ の よ う に 、 本 論 文 は 常 に 「組 織 」 概 念 に 最 大 の 注 意 を 払 い な が ら 、 ま た 、 多 様 な 考 え 方 を組 み 込 み な が ら、究 極 的 な組 織 の変 革 と開 発 に挑 戦 しよ う とす る意 欲 的 な 狙 い を持 って い る 。 す な わ ち 、 本 論.文 は こ れ ま で 蓄 積 さ れ て き た 先 人 の 諸 理 論 を 慎 重 に 吟 味 し 、 経 営 学 説 の 全 体 の 流 れ を 重 視 し て 、 こ れ か ら の 変 革 論 へ 資 した い と い う 願 い を 持 っ て い る 。 学 説 史 的 お よ び 学 際 的 な 視 点 を重 視 す るの は 、本 論 文 が提 出 者 の 長 年 の 研 究 生 活 の取 り ま とめ の成 果 で. 一102一.

(3) 現 代 経 営 の 管 理 と組 織 に 関 す る研 究. あ る とい う理 由 も あ る が 、 多 くの 管 理 論 や組 織 論 の 諸理 論 が組 織 変 革 論 お よ び 開 発 論 に 収 敏 す べ きだ と考 えて い る か らで あ る。 した が って 、 本 論 文 は、 これ ま で の さ ま ざ ま な研 究 を検 討 した.とで 、新 た な組 織 の 変 革 と開 発 の た めの モ デ ル を提 起 す る もの で あ る 。. 2.本. 論文の構成. 本 論 文 の構 成 は以 一..ド の と お りで あ る。 本 論 文 の 全 体 的 な 構 成 は3部 か らな って い る。 第1部 は 、管 理 の 課 題 一 問 題 の解 明一 で あ り、 第2部 は 、 管理 と組 織 の 展 開(管 理 の4領 域 と その 展 開)で. あ る が 、.その 中心 的 な テ ー マ. は マ ネ ジ メ ン トの 本 質 と して の 調 整 と創 造 に あ る。 また 、 第3部 は 、 組 織 変 革 の理 論 一 持 続 的 発展......一 で あ る。. 第1部. 管 理 の 課題. 一 間 題 の 解 明一. 第1章. 組 織 理 論 の 発 展 と管 理 の 課 題. 一 合 理 性 の 追 求 を め ぐ って 一. 1.は. じめ に. 一 組 織 理 論 の 類 型 と経 営 学 の 発展 一. 2.古. 典 的 組 織 論=.古 典 的 ア プ ロ ー チi埋. 性 の追 求 一. 1)古. 典 的 組 織 論 の 貢 献 者 た ち と.合理 性 の 追 求. 2)古. 典 的 アプ ロ ーチ と その 課 題. 3>古. 典的組織論の具体的展開. 4>古. 典 的 組 織 論 の 特 質 と動 向. 一..一.管 理論的組織論. 1,新.占 典 的 組 織 論 二 新 古 典 的 ア プ ロ ー チ 1)新. 古 典 的 ア プ ロ ーチ と その 課 題. 2)占. 典 理 論 の 修.正 と 合 理 性 の 追 求. (D職. 能 原 則(func60na]principle)に. 対 して. ②. 階 層 原 則(scalarprinciple)に. ③. ラ イ ン ・ス タ ッ フ の 原 則(line‑staffprinciple,)に. 対 して. ④. 統 制 の 限 界 の 原 則(spanofcontrolprinciple)に. 対 して. 3)イ. 対 して. ンフ ォ ー マル 組 織 の 偏 重 と非 合 理 性 の 追 求. 4)新fl典 4,現. ー 非 合 理 性 の 追 求 と合 理 性 の 追 求 一. 的 組 織 論 の 動 向 と 組 織.人間 主 義 運 動 に よ る 合 理 性 の 追 求. 代 組 織 論=現. 代 的アプローチ. ー 限 られ た 合 理 性 の 追 求 一..一. 1)現. 代 的 ア プ ロ ー チ と そ の課 題. 2)一. 般 シ ス テ ム論 か らの類 椎. 3)現. 代 組 織 論 の シ ス テ ム ・フ レ ー ム ワ ー ク. 4)シ. ス テ ム理 論 の具 体 的展 開. ①. サ イ バ ネ テ.イ ッ ク ス.. 一103一.

(4) 現代経 営の管理 と組織 に関す る研究. ②. プ ロ ジ ェ ク ト構 造 と マ ト リ ッ ク ス 構 造. ③. 戦 略 的計 画 化 シ ステ ム. 5)コ ①. コ ンテ ィ ンジ ェ ンシ ー理 論 とシ ス テ ム理 論 の 関係. ②. コ ン テ ィ ン ジ ェ ン シ ー 理 論 の 本 質 と合 理 性 の 追 求. 5.む. 第2章. ンテ ィン ジ ェ ン シー理 論. すび. 一 組 織 論 の潮 流 と合 理 性 の 追 求 一. 組 織 構 造論 と管 理 の 課 題. 一 集 権 論 と分 権 論 、.マク ロ論 と ミク ロ論 、 な らび に 構 造. 論 と機 能 論 一 1,は. じめ に. 一 組 織 問 題 の 発 生一. 2.古 典 理 論 と構 造 的 ア プ ロー チ. ー 集 権 論 と分 権 論 一. 1)組 織 構 造 の 形 成 2)職 能 別 組 織(集 権 組 織) 3)事 業 部 制組 織(分 権 組 織) 4)集 権 論 と分権 論(集 権 構 造 と分 権 構 造> 3.新 古 典 理 論 と動 機 づ け ア プ ロ ーチ. ー マ ク ロ論 と ミク ロ論 一. 1.)構 造 的 ア プ ロ ー チ か ら動 機 づ け ア プ ロ ーチ へ 2)組 織 構 造 の動 態 化 ①. フ ラ ッ ト化 に よ る動 態 化. ②. 横 断 的組 織 に よ る動 態 化. ③. 分権 に よ る動 態 化. 3)マ ク ロ論 と ミク ロ論(構 造 的 ア プ ロー チ と動 機 づ け ア プ ロー チ) 4.現 代 理 論 と構 造 的 ア プ ロー チ. ー 構 造 論 と機 能 論 一. 1)再 び 、構 造 的 ア プ ロ ー チへ 2)構 造 論 と機 能 論 3)コ. ンテ ィ ンジ ェ ン シ ー ・ア プ ロ ーチ の 必 然 化 と その 問 題 点. 4)ネ オ ・コ ン テ ィン ジ ェ ン シ ー理 論 の 貢 献 と限.界 5,む す び. 第3章 1.は. 一組 織 構 造 の 理 念 型 と現 実 との 照 応 一. 権 限 ・責 任 論 と管 理 の 課題 じめ に. 一 権 限 ・責 任 均 等 説 か ら責 任 優 先 説 ヘー. 一 経 営 学 の 基 本 問題 一. 2.権 限 概 念 と管 理 の 課題. 一 オ ー ソ リテ ィ と して の権 限一. 1)権 限概 念 の検 討 2)権 限 の 源 泉 と管 理 の課 題. 一104一.

(5) 現 代 経 営 の 管理 と組 繊 に関 す る研 究. ①. 権 限 上 位 説 と その 虚 構 性. ②. 職 能 説 と その 有 効 性. ③. 権 限 受 容 説 と その 重 要 性. 3.責 任 概 念 と管 理 の 課題 1)責 イ 壬概 念 の検 言寸 2)責 任 と道 徳 的 リー ダ ー シ ップ 4.権 限 ・責 任 関 係 と管理 の 課題 1)権 限 ・責 任 の 均 等 説 2)責 任 優 先 説 と管理 の 課題 5.責 任 発 達 の 論 理 と社 会 的 責任 1)責 任 発 達 の 論理 2)企 業 の 社 会 的 責 任 の 内容 とそ の戦 略 6.む す び. 第4章. 一 権 限 ・責 任 論 と管 理 の課 題一. 組 織 ダ イナ ミズ ム と管理 の課 題. 3.は じめ に. 一 持 続 的 成 長 と発 展 の 理 論一. 一..組 織 の生 命 力(Viability)を 求 め て一. 2,組 織 概 念 の 検 討. 一 マ ク ロ組 織 の観 点 か ら. 1)組 織 の 多 義 性 2)マ. ク ロ組 織 概 念. 3)組 織 の 存 在 理 由 と存 続 4)組 織 の 構 成 要 素 と境 界 3.綱 人 目標 と組 織 目標. 一 管理 問題 の本 質(1)一. 1)個 人 行 動 と個 人 目標 2)組 織 行 動 と組 織 目標 3)組 織 目標 の 特 徴 4)個 人 目標 と組織 目標 の統 合 4,組 織 環 境 と組織 の 適応. 一 一 管 理 問題 の 本 質(2)一. 1)組 織 環 境 とそ の 変 化 2)組 織 環 境 と組織 の境 界 3)組 織 の 環 境 適応 5,組 織 の 生 命 カ. ー 成 長 と発展 一. 1)短 命 組織 と永 続組 織 2>成 長 と発 展 3)変 革 の 必 要 牲. 一705一.

(6) 現 代 経 営 の 管 理 と組織 に 関 す る研 究. 第2部. 管 理 と組 織 の展 開. 一 管 理 の4領 域 とそ の展 開一. 一 調整 と創 造 一.一 第5章. 意 思決 定 と経 営 戦 略 の 展 開. 1.は. じめ に. 2.意 思決 定 と管 理 D意. 一 管 理 の 統 一概 念 一. 思 決 定 の 重視. ….組織 的(経 営)意 思 決 定 一. 2>意 思 決 定 の 原理 と特 質 ①. 意思決定過程. 一 戦 略 的 要 因 の 理 論一. ②. 意思決定前提. 一 価値 前 提 と事 実 筋提.一 一 ・. ③. 意 思 決 定 の 合理 性. ④. 意 思 決 定 パ ター ン と技 術. 3)戦 略 的意 思 決 定. 一 最 適 化 意 思 決定 と満 足 化 意 思 決 定一 一 定型 的意 思 決 定 と非 定 型 的 意 思 決 定一. 一 内 部 適 応 か ら外 部 適 応 へ一. 3.経 営ski略と経 営 目的 1>経 営 戦 略 の 展 開. 一 そ の 概 念 と構 造一. 2)経 営 戦 略 と経 営 目的 4,企 業 環 境 と企 業 能 力 の 分析 と評価 1)企 業 環 境 の 分析 と評 価 2)企 業 能 力の 分析 と評 価 5.経 営 戦 略 案 の 作成 ・選 択 ・実 施 1)経 営 戦 略 案 の作 成 2)経 営 戦 略案 の選 択 と実 施. 第6章. コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン と 組 織 設 計. 1.は. じめ に. ・....組 織 構 造 と調 整 問 題 一. 2.コ. ミュ ニ ケ ー シ ョンの 意 義 と役 割. 1)コ. ミュニ ケ ー シ ョンの 意 義. 2)企. 業 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン あ る い は 組 織 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン と そ の 役 割. 3.複. 合 公 式 組 織 の 構 造 と コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン. 1)単. 位 紺織 お よ び複 合 組 織 とコ ミュニ ケ ー シ ョ ン. 2)役. 割 構 造 と コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン. 4.権. 限 受 容 説 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・シ ス テ ム. 1>R&受 2)コ 5,組. 容 説 と コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・シ ス テ ム. 織 設 計 原 理 と組織 構 造 デ ザ イ ン. 一 王06一.

(7) 現 代経 営の 管 理 と組 織 に関 す る研 究. 1)組 織 の 設 計要 素 と組 織 設 計 原 理 2)組 織 形 態 と組 織 構 造 デ ザ イ ン. 第7章. モ チ ベ ー シ ョ ン と組 織 均 衡. 1,は. じめ に. 2,モ. チ ベ ー シ ョン論 の 発展. 1)モ. チ ベ ー シ ョン論 の導 入 と進 展 の 背 景. 2)モ. チ ベ ー シ ョンの諸 理 論. ①. 内 容 理 論:個. 人的欲求. ②. 内 容 理 論:欲. 求 分 類 シ ステ ム. ③. 過 程 理 論:期. 待理論. ④. 過 程 理 論:目. 標 設 定(goalsetting)理. ⑤. 過 程 理 論:公. 平(衡. 3.モ. 平)理. 論. 論. チ ベ ー シ ョ ンの 諸 施 策. 1)職. 務 拡 大 ・職 務 充 実. 2)能. 力 開 発 ・キ ャ リ ア 育 成. 3>目. 標 に よ る管 理. 4)組. 織 開 発 ・組 織 活 性 化. 4.蘇. る組 織 均 衡 論. 1)モ. チ ベ ー シ ョ ン論 の 本 質. 2)誘. 因 の経 済. 5,創. 造 的経 営 に 向 けて. 第8章. リー ダ ー シ ップ の本 質. 一 変革 と調整 一. 1.は. じめ に. 2.リ. ー ダ ー シ ッ プ の 定 義 と機 能. 1>リ. ー ダ ー シ ッ プ の 捉 え方. 2)リ. ー ダ ー シ ップ の諸 機 能. 3.リ. ー ダ ー シ ッ プ の 中 核 的.機能. 1)リ. ー ダ ー の 資 質 と条 件. 2)変. 革の推進. 3)リ. ニ ュ ー ア ル 化 と場 づ く り. 4,リ 1)調. ー ダ ー シ.ップ の 中核 的 機 能. そ の(1)一. そ の(2)一. 整 の 重 要 性 と組 織 行 動 ル ー ル の 形 成. /W一. 変 革..一. 一 調 整一.

(8) 現 代 経 営 の 管 理 と組織 に 関す る研 究. 2)組. 織 と リー ダ ー の 調整 機 能. 3)分. 化 と 統 合(調. 整)の. 5,コ. ン フ リ ク トの 問 題. 6.む. すび. 第3部. 一 信 頼 性 と カ リス マ性 一. 組織変革の理論. 第9章. 問題. 一 一 ・..持 続 的 発 展一. 組 織 変 革 論序 説. 一 その 基 本 課題 と理 念 的 考察一一. ユ は じめ に 2組. 織 変革 論 と組 織 開 発 論. 1)組 織 変 革 論 の対 象 と方 法 2)組 織 開発 論 の盛 衰 3組. 織 変 革 の 基 本 的課 題. 1)環 境 変 化 と変 革 の 課 題 2)組 織 変 革 論 の 基 本 的 枠 組 み 4,組 織 変 革 ・開 発 の 理 念 1)経 営 目的 、経 営理 念 、経 営 目標 2)経 営理 念 と変 革の理 念 ①. 経営理念. ②. 変革の理念. 5,む す び に代 え て...新. 第10章. しい組 織 像 へ の 模 索一. 組織 変 革 論 の展 開. 1,は. じめ に. 2.組. 織 変 革へ の ア ブ ロ ーチ. 7)組. 一 研 究 視 点 と 課 題 一一. 織 概 念 と シ ス テ ム ・ア プ ロ ー チ. ー 全 体 的 ・統 合 的 ア プ ロ ー チ ー. ①. 組 織 を 「協 働 シ ス テ ム 」 と 捉 え た 場 合. 一 一包 括 的 概 念 一. ②. 組 織 を 「調 整 さ れ た 入 間 行 動 」 と 捉 え た 場 合. 2)組. 織 の成 長 と発 展 の モ デ ル. 3)組. 織 の 発 展 モ デ ル と サ ブ シ ス テ ム の 統 合 ・開 花. 3.ク. ①. パ イ オ ニ ア の 局 面(Thepioneerphase). ②. 分 化 の 局 面('lhedif[erenfiationphase). ③. 統anの 局 面(Theintegrationphase). ④. 開 花 ・成 熟 の 局 面('fheblossomingandmaWrityphase>. ロ ーバ ー組 織 と その 機 能. 一108一. 一. 一 動 態 的 概 念 一.一.

(9) 現 代 経 営 の 管 理 と組 織 に関 す る研 究. 1)ク. ローバ ー組織 の形 成. 2)ク. ローバ ー組織 の働 き. ①. 関係 管理. ②. プ ロ セ ス管 理. ③. 資 源 管理. ④. 情報 管理. ⑤TheBoard(ト 4.組. 織 変.革の 展 開. ッ プ ・マ ネ ジ メ ン ト ・チ ー ム) 一 課 題 の 実践 一. 1)理. 想 の 内 部化. 2)自. 立 的 人 間 の形 成 と環 境 づ く り. 5.む. す び に代 え て. 一 組 織 変 革 の 基 本 原 則一. 《参 考 文 献 一 覧 》. II.本. 論文の概要. 本 論 文 の概 要 は以 下 の とお りで あ る。 第1部 は、 これ まで の 「管理 論 」 や 「 組 織 論 」 の 分 野 で 扱 わ れ 、 中心 的 に論 じ られ て きた諸 問題 を取 り..Eげる こ と に よ っ て 、 い わ ゆ る マ ネ ジ メ ン トの 諸 課 題 の 解 明 とその 経 過 な らび に 展 望 を 試 み た もの で あ る。 第1章 は 、 「管 理 論 」 や 「組 織 論 」 の 潮 流 の な か で 「合 理 性 の 追 求 」 の 問 題 を取 り上 げ 、 そ れ が マ ネ ジ メ ン トの.永遠 の課 題 と して 、 ど う追 求 され て き た か を明 らか に す る と と も に 、 今 後 の あ り方 を究 明 した もの で あ る。 す な わ ち 、組 織 論 の類 型 に した がい なが ら、.「.合 理性 の追 求 」 と 「非 合 理 性 の 追 求 」 が ど の よ う に展 開 され て きた か を検 証 し、経 営 管 理 ひ い て は現 代 経 営 学 の課 題 を究 明 した もの で あ る。 組 織 論 は 、 古 典 的 組 織 論=古. 典 的 ア プ ロ ー チ と 、新 古 典 的 組 織 論=新 古 典 的 ア プ ロ ーチ 、. 現 代 組 織 論=現 代 的 ア ブ ロ ー チ の3つ に類 型 化 され る 。(1).古 典 的 組 織 論 は 、 「組 織 を 管 理 者 に よ って 設 定 され た 目標 に対 して 最 も有 効 に調 整 、 統 合 され た 部 門 、職 務 、職 位 の体 系 」 と して 、 「その 調 整 、統 合 の 活 動 を分 業 体 系 、 地 糠 体 系 、権 限 、指 令 体.系の 設 定 お よび 経 営 者 に よ る計 画 、指 揮 、統 制 活 動 に よ って 遂 行 す る もの 」 と考 え られ る。組 織 は職 務 の 体 系 、 仕 事 の ピ ラ ミ ッ ド、 目的 達 成 の た め の メ カニ.ズム あ る い は 用 具 で あ る。(2)新. 古 典 的組 織 論 は 、. 古 典 的 組 織 論 の ア ンチ ・テ ー ゼ とい う意 味 を も ち 、非 公 式 組 織 を重 視 し、 こ れ が 両 者 を峻 別 させ る契 機 と な る 。(3)現 代 組 織 論 で は 、組 織 は 「多 くの 人 問 の 協 力 の 体 系 と して の 社 会 シ. 一109一.

(10) 現 代 経 営 の 管理 と組 織 に関 す る研 究. ステ ム」 に移 行 し、 「変 容 と均 衡 を含 む動 態 」 と して 、.「 職 務 、職 位 、 指 令 系 統 の 体 系 で は な く、 それ をに な う人 間 の 行 動 とモ チ ベ ー シ ョンの 体 系 」 とい う こ とに な る。 本 論 文 は、 経 営 管 理 の 思 想 と実 践 に 大 きな影 響 を与 えて き た組 織 へ の3つ の ア プ ロ ーチ 、.占 典 的 、新 古 典 的 、 お よび 現 代 的 ア プ ロー チ を取 り上 げ るが 、 占 い ア プ ロー チ が 新 しい アプ ロ ーチ に取 って 代 わ られ 、 ま っ た く意 味 を消 失 した とい う こ とで は な く、古 典 理 論 も新 古 典 理 論 も現 実 の 企 業 経 営 を理 解 す る うえ で必 要 で あ る 。.占い理 論 は新 しい理 論 の⊥ 台 とな り、 ま た 新 た な影 響 を吸 収 して 自 ら を修 正 し、存 続 を主 張 して い る。 それ ゆ え に 、本 論 文 で は 、 現 代 理 論 と は シ ス テ ム論 に立 脚 した さ ま ざま な ア プ ロ ー チ の総 合 的 思 想 体 系 で あ る と い う 、k場 を とる 。 合 理 性 は組 織 を考 え 、設 計 し、管 理 す る人 々の 指 針 で あ っ た 。.合理 性 の 概 念 な く して組 織 は理 解 し得 ず 、組 織 に関 す るす べ て の 論 述 は そ こ か ら出発 した の で あ る。 そ して依 然 と して 、 「経 営 者 の合 理 的動 機 づ け は 、 マ ネ ジ メ ン ト実 践 の 基 本 的 態 度 と して 不 変 で あ る」 と され る よ う に 、合 理 性 は経 営 者 行 動 の 共 通 分 母 と して 、制 度 と国 家 の 境 界 を超 えて 理 解 され る万 国 共 通 語 と して 、経 営 者 の 組 織 化 活 動 の 至 上 命 令 とな っ て い る。 激 動 時代 に あ って も、 組 織 は秩 序 と安 定 の 根 源 で あ り、 経 営 者 の 独 特 の 世 界 観(す. な わ ち、 合 理 性)に. 基づいて諸問題が解. 決 され るか らで あ る 。 まこ と に 「合 理 性 の 追 求 」 は普 遍 的 と 言 うべ きで あ ろ う。 この よ うに 、産 業 社.会は 、生 産 性 向上 をひ とつ の 主 要 目標 と して 、 「 実践」科学の諸価値に 依 存 しな が ら合 理 性 を 求 め て きた の で あ る。 合 理 性 は能 率 と事 実 上 同意 語 で あ り、 マ.ネジ メ ン トの 目的 、 組 織 の 存 在 理 由 と して 、 す べ て の 管 理 段 階 と管 理 行 動 に適 用 され て きた の で あ る 。 した が って 、 経 営 の 合 理 性 は そ の 狙 い が 明 らか な技 術 的合 理 性 の一 形 態 で あ り、 能 率 を 志 向 し業 績 を 高 め る に は 、常 に技 術 改 良 が 必 要 とな る。 しか し 、 それ は 目的 に対 す る 手段 に す ぎな い こ とか ら、 技 術 的 合 理 性 だ け で 十 分 で は な い こ とはnう. まで も な い 。 そ こに マ ネ ジ. メ ン ト価 値 と して の 合 理 性 を十 分 に吟 味 す る必要 性 が あ り、 そ の た め に組 織 の理 論 と 実践 が よ って 立 つ 歴 史 的 基 盤 を検 討 す る と と もに.、An理性 を 「非 合 理 性 、 人 間 性 、民 主 性 」 と.の関 .わ りか ら も論 及.した もの で あ る 。 第2章 は、管理 論 で も組 織 論 で も、常 に古 くて新 しい 「組 織 構 造 」の 問題 を取 り上 げて い る。 これ は伝 統 的 に は 、集 権 ・分 権 の 問 題 と して と らえ られ て き た 問題 で あ る が 、組 織 論 の 進 展 と と もに 「組 織 構 造 」 が ど うと らえ られ て き たか を明 らか に し、 ま た現 代 理 論 と して 、1.構造 論」 だけでなく 「 機 能 論 」 も同 時 に追及 す べ き こ とを論 証 した もの で あ る。 こ こで は 、 まず 人 体 の 骨 格 に相 当 す る 「組 織 構 造 」 と い う側 面 に焦 点 を 当て て組 織 の 核 心 に迫 る 。組 織 は さ ま ざ ま な属 性 を持 つ た め に 、 組 織 は観 察 者 の 立 場 、論 者 の 見 方 、考 え方 に よ っ て さ ま ざ まに 定 義 され 、必 ず し も..様 で は な い.し. か し、 組 織 が どの よ う に と ら え られ. よ うと も 、組 織 の 「構 造 」 と 「目 的」 とい う特 性 は 共 通 に認 め られ る。 この構 造 とい う特性 は、組 織 が 多様 に定 義 され る よ うに 、 多様 に理 解 され る こ とに な る。 つ ま り、 「組 織 構 造 」 が. ‑‑0一.

(11) 現 代 経 営の 管 理 と組 織 に関 す る研 究. 何 か らで き て い る か と い う こ と に な る と、組 織 の 定 義 に見 る よ う に 、 そ れ は 職 務 や 職 位 、 人 間 行 動 や 意 思 決 定 、 さ らに は 情 報 処 理 の シ.ステ ム等 々 、 多様 に把 握 され る 。 この よ う な組 織 構 造 観 の 変 遷 をた ど りな が ら、 これ ま で の 典 型 的 な組 織 構 造 を検 討.し、 組 織 の 形 成 、維 持 、 存続 を課 題 とす る現 代 経 営 管 理 の 、.ひいて は現 代 経 営 学 の課 題 を展 望 した の で あ る。 .占典 的組 織 論 は 、職 務 を分 化 し、 い か に グ ル ー ピン グ し、 い か に デ ィ フ ァ イニ ング す るか 、. を概 念 内 容 とす る もの で あ る。 それ は マ シ ン ・zデ ル で理 解 され 、人 間 は職 務 担 当 者 と して 適 切 な 資 格 、 能 力 を具 備 した機 能.人(経 済 人 ・機 械 人 モ デ ル)と. して認 識 され 、 現 実 の 人 間. と して の 社 会 関 係 、人 間 関係 は 捨 象 され る。全 的 人 間 の 地位 は経 営 者 の み に 認 め られ 、最 高 経 営者 の意 思 で組 織 機 構 全 体 が思 い通 りに動 き出 す とい う組 織 観 が想 定 され て い る。 しか し、 こ う した構 造 的 ア プ ロ ーチ に対 す る別 の ア プ ロ ーチ が起 こ る の は 当 然 で あ る。 新 古 典 的 組 織 論 や 人 間 関 係 論 に お け る組 織 観 は 、組 織 を人 間集 団 と して と ら え、 古 典 学 派 の フ ォー マ ル 組 織 の 支 柱 を所 与 と して 受 け入 れ て 、 そ の確 立 され た 組 織 の枠 内 で 自然 発 生 的 に形 成 され る イ ン フ ォ ー マル 組 織 を扱 い 、 それ が フ ォ ーマ ル組 織 に及 ぼ す 影 響 な ど を主 要 問 題 と した の で あ る。 この 学 派 の 人 々 は 、人 間 行 動 の論 理 的 、.合理 的 側 面 を過 少 評 価 し、 む しろ感 情 的 、 非 合 理 的 側 面 を重 視 して.インフ ォー マル 組 織 を研 究 の 中心 に据 え た の で あ る。 それ は 人 々 に直 接 働 きか け る動 機 づ け ア プ ロ ー チ に焦 点 が あ った と言 う こ とが で き る。 しか し、 この よ う な心 理 面 な 、 ミク ロ的 な動 機 づ け ア プ ロ ー チ か ら、 再 び 構 造 的 ア プ ロ ー チ が 優 位 を 占 めて く る の で あ る。 それ は 、人 々 の欲 求 の 高 度 化 、 多様 化 と と も に 、個 人 を取 り ま く環 境 や 、組 織 と環 境 の 適 合 関 係 を考 慮 せ ざ る を得 な く な る と 、 微 視 的 ・心 理 分 析 的 ア プ ロ ー チ か ら、分 析 単 位 を組 織 に お き組 織 の 構 造 分 析 や 組 織 一 環 境 関 係 に焦 点 を お く巨 視 的 ・構 造 分 析 的 ア プ ロ ー チ が 主 流 を 占 め ざ る を得 な く.なるか ら で あ る。 しか し、新 しい構 造 的 ア プ ロー チ は古 典 理 論 や 官 僚 制 論 へ の 単 純 な復 帰 で あ って は な らな い の で あ る。 動 機 づ け ア プ ロ ー チ も そ れ だ けで は十 分 で な か った よ う に 、新 しい 構 造 的 ア プ ロ ー チ も心 理 的 、 微 視 的 ア プ ロ ー チ を 無 視 す る誤 りを再 び繰 り返 して は な らな い 。 それ は 、構 造 論 が 静 態 的.分析 に終 わ るの で は な く、 同 時 に機 能 論 を併 せ 考 慮 す べ き こ と を意 昧 して い る 。 これ か らは 組 織 の 形 態 とか 機 構 に重 き を お くこ とよ り も、 組 織 の 生 態 論 に まで 掘 り.下げ て 、組 織 の 運 用 や 機 能 に も配 慮 しな け れ ば な ら.ない。 組 織 構 造 は組 織機 能 と関 連 づ けて は じめ て.意味 を もつ 。b典 理 論 が 構 造 ・機 構 論 に 焦 点 を あ て て運 用 論 を忘 れ 、新.占典 理 論 が動 機 づ け とい う 運 用 論 を 「h心に構 造 論 を忘 れ 、 現 代 理 論 に至 って 再 び 構 造 面 に 焦 点 が あ た る が 、 新 しい 構 造 論 は そ れ と あ わせ て 機 能 面 も重 視 して 行 か な けれ ば な ら ない の で あ る。. 第3章 も、 伝統 理 論 以 来 、 最 重 要 問 題 と して 扱 わ れ て きた 権 限 と責 任 」 の 問 題 を取 り..L.げ る。 そ れ は 、 伝 統 的 に は職 務 遂 行..ヒ か ら展 開 され て き た が 、 今 日の よ う に 「 企 業 倫理 」 が 欠 如 した企 業 行 動 が多 くみ られ る な かで 、む し ろ、積 極 的 に現 代 の 問題 と して 、「責 任 の あ り方 」. 一ui一. .らー. す な わ ち組 織 化 の 理 論 を追 求 した もの で あ り、組 織 は組 織 化 の 結 果 で あ る静 態 的 な組 織 構 造.

(12) 現代経営の管理 と組織 に関す る研究. と そ の重 要 哲三を説 き、 現 代企 業 の よ っ て立 つ 行動 基 準 の確 立 を 目指 す もの で あ る。 権 隈 と責任 の 問題 は 、 これ まで 経 営 学 、 と りわ け経 営 管 理 論 や 組 織 論 に おい て 多 く の 論 者 に取 り上 げ られ 、 常 に 重 要 か つ 中心 的 な問 題 と して扱 わ れ て きた 。 つ ま り、 職 務 と権 限 の 考 え方 や 明確 化 は経 営 学 の 中 心 的 課 題 で あ り、 組 織 論 で は 、 ラ イ ン権 限 や ス タ ッ フ権 限 、 決 定 権 限 や執 行権 限 等 々 、権 限 の種 々 の 形 態 の 問 題 と して 、 また 集 権 と分 権 、 さ らに は 権 限 委 譲 な ど 、権 限 の配 分 の 問題 と して 論 じ られ 、.管理 論 で は 、権 限 の 本 質 や 源 泉 に つ い て 明 示 的 に せ よ暗 示 的 にせ よ%u及 せ ざ るを得 な か った の で あ る 。 この 問題 は 決 して 陳 腐 化 した の で は な く 、今Rに お い て も問 われ 続 けな けれ ば な らな い基 本 的 、 中心 的 経 営 問題 な の で あ る。 この よ う に 、権 限 ・責 任 の 問題 の現 代 的 意 義 は 、 経 営 管 理 者 が そ の 地位 を現 実 的 な ら しめ るた め に は一 定 の 権 限 の掌 握 が 不 可 欠 で あ り、 この 権 限 の 源泉 な い し本 質 こそ経 営 管 理 の性 格 を基 本 的 に規 定 す る もの だ か らで あ る。個 人 の 尊 重 と人 間 の 自 由 ・平 等 を貫 く管理 の 可 能 性 へ と発 想 の 転 換 を行 わせ る根 本 問題 で あ る。 新 しい 価 値 観 を 身 に つ け 、個 人 の 尊厳 と 人 間 の平 等 に 最 重 点 をお く現 代 人 に と っ て.は、常 に そ の オ ー ソ リテ ィ関係 に お い て 新 しい 転 換 や あ り方 を模 索 して 行 か な けれ ば な ら な い 。 そ して 、 経 営 者 に は今 日ほ ど ア カ ウ ン タ ビ リテ ィ が要 求 され て い る時 代 は な い。 経 済 界 は も ち ろ ん 、 政 界 、教 育 界 な どす べ て の 分野 で リー ダ ー の指 導 性 が 論 議 され るの は 、権 限 あ る者 は責 任 を、 責 任 あ る者 は権 限 を持 つ と い う確 固 た る指 導 理 念 の確 立 が急 務 とな って い るか らで あ る。 こ こ で は概 念 の 整序 か ら出 発 した の は 、 多 くの 社 会 科 学 的 概 念 に お い て 用語 は 同 じで あ っ て も そ こに盛 り込 まれ る内 容 は 時 と場 の 異 な る の に 応 じて 、 ま た論 者 の立 場 や 視 角 に よ って 著 し く異 な る こ とが しば しば あ るか らで あ る 。特 に 、 この 問 題 は古 くか ら論 じ られ て 来 た だ け に一 一層 そ の感 が 強 く、 問 題 を複 雑 に して い る か らで あ る。 概 念 の 内容 変 化 を歴 史 的 に 辿 る こ と に よ っ て そ の現 代 的 意 義 を明 らか に し、伝 統 的 .見解 と対 比 す る こ と に よ っ て現 代 理 論 を 明確 化 した の で あ る 。つ ま り、 混乱 せ る諸 概 念 の整 序 とい う基 礎 的 作 業 と 同時 に 、伝 統 理 論 との 対 比 に お い で 現 代 理 論 を効 果 的 に浮 か び あ が らせ 、 そ の 現 代 的 意 義 を さ ぐ る と と も に 、 そ の こ と を通 じて 現 代 の 経 営 管理 の基 本 的性 格 と課 題 を究 明 す る 手 が か りと した の で あ る。 組 織 は全 体 的 調 整 の 必 要 性 か ら、種 々 の 限 定 を加 え る こ と に な り、限 定 しす ぎ る と個 人 の 自立 性 と責 任 感 を抑 圧 して しま う。個 人 と組 織 の 同 時 的 発 展 を期 待 す る に は、 倫 理 性 と道 徳 性 に根 ざ した組 織 構 造 の 動 態 化 と リー ダ ー シ ッ プ が不 可 欠 で あ る。 権 限 と責 任 を正 し く理 解 す る こ と に よ って 、 真 の 意 味 の リー ダ ー シ ッ プや 社 会 的 責 任 論 の 構 築 が可 能 と な る。 本 論 文 は 、伝 統 的 な権 限 ・責 任 の均 等 原 則 に よ っ て は変 化 す る環 境 へ の 適 応 は 全 く不Pf能 と な り、 責 任 優 先 的 な 思考 か ら企 業 に お け る諸 問題 を解 決 して行 く こ と を提 起 したの で あ る。 権 限 ・ 責 任 は組 織 内 的 関連 で の 思 考 か ら 、組 織 本 来 の 目的 に即 して 考 え るべ き こ と と な る。 全 体 主 義 と個 人 主 義 、決 定 論 と 自由 意 志 論 の バ ラ ン ス を求 め 、 また パ ラ ド ック ス を受 け入 れ て 行 く た め に も、 また 、 自由 を求 め る管理 のnj能 性 を徹 底 的 に追 求 す るた め に も 、 その 検 証 は 現 代. 一uz一.

(13) 現 代 経 営 の 管理 と組 織 に関 す る研 究. 的意 義 を持 っ て い るの で あ る。 第4章 は 、組 織(こ こで は企 業 も含 む)の 持 続 的成 長 と発展 の 問題 を 「 組 織 の ダ イナ ミズム 」 の 問題 と して扱 い 、存 続 に と って の2大 要 因 で あ る 「目標 」 と 「環 境Jの 観 点 か ら論 じた もの で あ る。 経 営 組 織 の 問 題 は 企 業 経 営 の根 幹 を な す重 要 問題 で あ るが 、組 織 研 究 は企 業経 営 に限 らず あ らゆ る組 織 体(協 働 体 ・協 働 体 系)を 対 象 に研 究 され て き た 。 そ れ は組 織 問題 が人 間 生 活 の基 本 的 問 題 で あ るか らで あ る 。 こ れ ま で組 織 一 般 の 問 題 が 多 く人 々 の 高 い 関 心 を集 め 、 多 様 な 立 場 と方 法 で 研 究 され て き た の は 、 生 きが い あ る組 織 と は何 か 、成 員 が個 性 を発 揮 し、 同 時.に効 率 的 な 組 織 を形 成 す る に は ど う した らよ い か 、 こ う した基 本 的 問題 が人 間生 活 に常 に存 在 して い るか ら に他 な らな い 。 しか も、 そ う した 組 織 研 究 に は 人 間 行動 を研 究 す る行 動 科 学 の方 法 論 が 援 用 され 、学 際 的 ア プ ロー チ が と られ 、 組 織 研 究 は 行動 科 学 や シ ス テ ム論 の 展 開 に よ って 大 き な変 貌 を遂 げ るに至 り、隆 盛 を見 るに 至 った の で あ る。 概 して言 えば 、 組 織 論 の 研 究 テ ー マ は常 に組 織 の生 存 をめ ぐっ て展 開 され て き た と言 って よ い 。組 織 研 究 で は その 存 続 条 件 につ い て の検 討 が 不 可 欠 の 課 題 で あ るか らで あ る。 経 営 管 理 活 動 は 、 い か に して 組 織 を成 立 させ 、維 持 して い くか とい う観 点 か ら展 開 され 、 ま た 、組 織 が成.立し、 存 続 す る こ と は協 働 体 が有 効 かつ 能 率 的 に機 能 す る こ とで あ り、 経 験 しう る さ ま ざ まな事 象 が この 成 立 と存 続 を め ぐっ て現 れ る か らで あ る。 経 営 管理 者 の 役 割 は 、 ま さに 協 働 体 が適 切 に機 能 す る よ う絶.えず 組 織 を維 持 す る こ と に あ る。生 きが い あ る成 長 す る組織 の観 点 か ら も組 織 は 絶 えず そ の立 て直 しや 検 討 が要 請 され るの で あ る。 まず 「組 織 」 の 本 質 、 「 組 織jの 真 の 理 解 が 不 可 欠 とな る。 組 織 が 成 立 し、 存続 して い くた め の条 件 を 明 らか に した理 論 が 「組 織 均 衡 論 」 で あ り、 それ が本 論 文 で展 開 され る。 組 織 均 衡 論 は組 織 の成 立 の た め の 要 素 と存 続 の た め の 条件 を示 した もの で あ る が 、組 織 行 動 や その メ.カニ ズ ム の 解 明 だ けで は な く、組 織 の境 界 や組 織 構 造 な ど 、組 織 論 の 主 要 問 題 や テ ー マ と そ の全 体 像 、 基 本 的 な枠 組 み を理 解 す る の に も役.立って い る。現 段 階 で は 、 こ の組 織 均 衡 論 の み が 内外 環 境 を区 別 す る組 織 の 境 界 、組 織 の ミク ロ とマ .クロの 問 題 、組 織 の短 期 適 応 と長 期 適 応 の 問 題 な ど を統 一 的 に 把握 で きる唯 一 の 理 論 と言 う こ と がで き る。 この よ うな組 織 均衡 論 を踏 ま えて 、改 め て 「 組 織 」 の 本 質 を探 り 、組 織 の 存 続 の活 力,力 強 さとい う ダ イナ ミズ ム を解 明 す るた め に 、諸 学 説 に依 拠 しな が ら、 「組 織 と は何 か 」、 「なぜ つ く られ る の か」、 「その 働 き は何 か」、 「そ の構 成 要 素 は何 か」、 「組 織 の 境 界 は」 な ど の 一一 ・ 連. い い か と い う本 質 的 問 題 に挑 戦 す る。 特 に 、個 人 の 目標,組 繊 の 目標,お. ..{.... の 問題 に対 して 、 組 織 概 念 を徹 底 的 に検 討 した う えで 、 組 織 が 生 存 し続 け る に は ど う した ら よ び組 織 の環 境 と. の 関 係 な ど、 目標 と環 境 と言 う視 点 か ら組 織 の 生 命 力 や 成 育 力(Viability)を 求 め 、そ こに お け る経 営 管 理 者 の 果 す べ き役 割 を究 明 した もの で あ る。 短 命 継 織 と永 続 組 織 の そ れ ぞ れ の特 徴 か ら、存 続 に 対 す る見 解 、経 営 理 念 、組 織 構 造 を.対比 させ 、 存 続 の条 件 を探 って い る。 そ ﹂ト ... 113一.

(14) 現代経営の管理 と組織 に関す る研 究. して 、組 織 が成 長 ・発 展 す る た め に は 、理 念 の 確 立 、 日標 の 更 新 性 と革 新 な ど が 必 要 と な る こ と を論 述 して い る。 第2部 は 、 「管 理 論Jと. 「 組 織 論 」 の 具 体 的展 開 で あ り、 そ の共 通 の テ ー マ は 「調 整 と創 造 」. で あ る。伝 統 理 論 で は管 理 を 、つ ま り、 管 理 職 能 を計 画 、組 織 、 指揮 ・命 令 、 調 整 、 統 制 と して 、 い わ ゆ るP,D,Sサ. イ クル と して分 断 的 に 、静 態 的 に と ら えた が 、 こ こで は そ の よ う な. 把 握 の 仕 方 で は な く、管 理 は組 織(体)を .体 の 問 題 と して 、 その 組 織(体)に. 形 成.・維 持 、発 展 させ る もの と して 、 ま た 常 に全. お け る意 思 決 定 、 コ ミュニ ケ ー シ ョン、 モ チ ベ ー シ ョン、. リー ダ ー シ ップ の問 題 と して 把 握 し、展 開 したの で あ る。 これ ら4領 域 は 、 それ ぞれ が 関 連 し 合 い 、 幾 つ もの 役 割 を担 う こ とは言 うま で もな い が 、 こ こで は その 最 も中核 的 な 役 割 を取 り .上げ て.展開す る。 第5章 は 、 「意 思 決 定 と経 営 戦 略 の展 開 」 を主 題 とす る。 現 実 の 社 会 で は実 に さ ま ざ ま な 企 業 が さま ざ まの 活 動 を して い る。 努 力 が 実 っ て成 功 す る企 業 もあ れ ば 失 敗 す る もの も あ る。 慎 重 な 行動 が う ま く苦 境 を乗 り切 る場 合 も あれ ば 、競 争 上 遅 れ を取 る場 合 も あ る 。 無 鉄 砲 な 行 動 が有 利 に展 開 し、 大 きな 成 果 を得 る こ と も あ る。 現 実 の企 業 は情 報 の 収 集 能 力 や 判 断 能 力 の 違 い か ら、 そ れ ぞ れ 異 な っ た行 動 を と るの が常 で あ り、情 報 の 量 と正 確 性 に限 界 が あ る か らこ そ 、 か え っ て企 業 は 自主 的 に行 動 で き る。 企 業 行 動 は常 に正 解 の 得 られ な い 問 題 をか か え て い るが 、 運 、不 運 や タ.イミン グ な ど偶 然 的 要 素 だ けで 決 定 づ け られ る もの で は な い 。 情 報 に対 す る感 受 性 を高 め 、 チ ャ ン ス を認 識 す る洞 察 力 と それ を生 か す 能 力 の 酒 養 が 必 要 で あ る。 企 業 は[主 的 に行 動 で き るか ら こ そ よ.り論 理 的 な 行 動 が 求 め られ て い る の で あ る 。 しか し、 全 くの 論 理 的 行 動 は不 可 能 で あ り、 で き るだ け論 理 性 に支 え られ た 行 動 が 求 め ら れ る。 今 日の よ う な激 動 期 の 環 境 は 致 命 的 な打 撃 を.与え る場 合 も あ る が 、 新 しい 市 場 や機 会 も与 え るだ け に 、 企 業 経 営 は よ り周 到 な 準 備 と.対応 が 必要 と な る。 人 間行 動 も企 業 行 動 もそ の本 質 的側 面 は 変 わ る もの で は な い 。 意 思 決 定 は一 定 の 目的 を達 成 す る た め に 、 い くつ か の 代 替 案 の な か か らひ とつ の 代 替 案 を選 択 す る プ ロ セ ス で あ るが 、 いか な る行 動 で も必 ず そ れ に先 立 つ 意 思 決 定 の プ ロセ スが あ る 。経 営 戦 略 は変 化 す る環 境 に適 応 す る た め に 、 その よ う な使 命 を お びz工 夫 され た 現 代 企 業 の行 動 モ デ ル を あ らわ す 方 法 と して登 場 した 意 思 決 定 に 他 な ら ない 。 .企業 環 境 の 安 定 時 代 に は 、 も っぱ ら内 部 管 理 の 能 率 化 を指 向 す る こ とで 事 足 りた の で あ る が 、今 日の よ う な激 動 期 に な る と、 環 境 に積 極 的 に 適 応 し働 きか け る ため に は 自社 の 位 置 を 確 認 し、具 体 的 な行 動 案 を迅 速 に 策 定 す る こ とが 求 め られ る、,外部 環 境 の 変 化 の 中 に 積 極 的 な成 長 機 会 を見 出 し、 時 宜 を得 た 合 理 的 な戦 略 的 意 思 決 定 が必 要 とな る。 経 営 戦 略 は 、 企 業 の 重 要 な成 長 要 因 とな.るこ と か ら、 企 業 の 将 来 の 命 運 を決 定 づ け る鍵 で あ り 、生.命線 で も あ る 。将 来 の 予 測 が 困 難 で あ る ほ ど 、 弾 力 的 な企 業 成 長 の 方 向 と範 囲 を機 能 的 に規 定 して お く 必 要 が生 まれ るの で あ る。. 一, ̲ia..

(15) 現代経 営の管理 と組織に関す る研究. しか し、 経 営 戦 略 論 の急 速 な 発展 は 多 様 な見 解 を現 出 させ て い る。 そ こで 、 まず 管 理 の 統 一概 念 と して の 慮 思 決 定 、特 に組 織 的 意 思 決 定 に焦 点 を あ て 、 その 意 思 決 定 の 原 理 と特 質 を 十 分 に検 討 す る と と もに 、戦 略 的 意 思 決 定 を経 営 戦 略 へ の 橋 渡 しと した 。 多 様 に展 開 され る 経 営 戦 略 を整 理 し、 そ の 意義 や 内容 を明 らか にす る と と もに 、 戦 略 の 各 策 定 プ ロ セ ス に お い て そ の 重 要 点 、 問題 点 、留 意 点等 を 明 らか に した。 す な わ ち 、 経 営 戦 略 の 策 定 と実 施 問 題 を 分 離 して 考 え る の で は な く、戦 略 実施 の た め の 組 織 づ く りや 企 業 の 存 続 、 成 長 の 条 件 を さ ぐ り、経 営 戦 略 の機 能 と フ レ ー ム ・ワー ク を展 望 した もの で あ る。 意 思 決 定 の 機 能 は 、達 成 しよ う とす る 目的 と それ を取 り巻 く内 外 の 環 境 との 間 に存 在 す る ギ ャ ップ を埋 め 、 あ る い は 目的 に 合 致 す る よ う な環 境 づ く りに あ る。 そ こ に は 目的 と環 境 と い う2つ の客 観 的 要 素 が 存 在 して い る。 目的 な しに 変 化 す る複 雑 多岐 な環 境 は 無意 昧 で あ り、 環 境 は 目的 が あ っ て は じめ て意 味 を もち 、 目的 も環 境 を 除 外 して は意 味 を もた な い,漠 然 と した環 境 の なか で 、 目 的 が設 定 され る と環 境 は よ り具 体 化 ・精 緻 化 され 、 よ り具 体 的 な環 境 が識 別 され る と 、 目的 は さ らに具 体 化 され て い く。.そして 、 目的 達 成 とい う観 点 か ら関 係 あ る環 境 や 状 況 の 情 報 収 集 や情 報 分 析 が行 な わ れ 、環 境 や状 況 の 識 別 化 の 過 程 が 展 開 さ れ る。 この よ うな 目的 と環 境 との 継 続 的 な意 思決 定 を通 して 、次 第 に 具 体 化 され て い くの は 、組 織 変 革 論 も 同様 な ので あ る。 第6章 は 「コ ミュニ ケ ー シ ョ ンと組 織 設 計 」 を検 討 す る。 コ ミュニ ケ ー シ ョンは 人 々 を動 機 づ け 、意 思 の 疎 通 や 調 整 を行 う もの で あ るが 、 単 位 組 織 の規 模 を決 定 づ け る最 も重 要 な役 割. を担 うこ と か ら組 織 設 計 と関 わ らせ て 論 述 した もの で あ る。 こ こ で の 中 心 課 題 は コ ミュニ ケ ー シ ョ ン と組 織 構 造 を い か に 設 定 す るか とい う組 織 デ ザ イ ンの 問題 で あ る.最 も単 純 な最 小 規 模 の組 織 の 基 本 形 態 は 「単 位 組 織 」 と呼 ば れ 、 その 規 模 は コ ミュ ニ ケ ー シ ョン に よ っ て決 定 づ け られ る こ と で あ る。 も ち ろん 、現 実 の 組 織 は こ の よ う な単 純 な もの で は な く、複 数 の 「単位 組 織Jが 複 雑 に絡 みAっ て 、大 半 の場 合 、「複 合 維 織 」 が形 成 され て い る。 つ ま り、 「 単 位 組 織 」 の規 模 が コ ミュニ ケ ー シ ョ ンの 必 要 性 の た め に厳 し く制 約 され て い るか らで あ り、 この 制 約 以 上 に 組 織 が成 長 す る.ため に は、 新 しい単 位 組 織 が 作 られ る か 、 既 存 の 単 位 組 織 が結 合 され ね ば な ら な い 。 そ の 場 合 、 組 織 は必 然 的 に 「複 合 組 織 」 と して 形 成 され るの で あ る。 複 合 組 織 で は 、 伝 達 の 必 要 性 か ら単 位 組 織 に リー ダ ー 、 す なわ ち管 理 者 が必 要 と され 、 こ う した幾 つ か の単 位 組 織 の 管 理 者 た ち は少 な く と も1人 の 上位 者 を持 ち 、一 団 と な って1つ の 管 理 単 位組 織 を形 成 す る。 この管 理 単 位 組 織 の規 模 も同様 な 制 約 を受 け 、 よ り上 位 の 管 理 者 が必 要 と な っ て く る。 か くて 大 き な 「複 合 組 織 」 で は管 理 単 位 の ピ ラ ミ ッ ドが展 開 され る こ とに な る。 企 業 を維 持 ・存 続 させ る た め に は 、企 業 目的 を達 成 し、 そ の 成 果 を原 資 と して 、異 な る環 境 主 体 の利 害 を調 整 しつ つ 公 正 な分 配 を行 い 、 貢 献 者 の 貢 献 を確 保 して行 か な け れ ば な らな い 。 そ れ は 有 効 性(目 的 の 達 成)と 能 率(満 足 ・貢 献)の. 確 保 で あ る。 貢 献 意 欲 を喚 起 す る .手. 一…us一.

(16) 現 代経 営 の管 理 と組 織 に関 す る研 究. 心 的 状 況 の 創 出 の た め に は 、公 正 な分 配 を実 現 す るた め の 利 害 の 調 整 は も ち ろん 、何 よ り経 営 シ ス テ ム全 体 の 調 整 職 能 が 重 要 と な る 。調 整 職 能 は 、 古 来 、 経 営 管 理 の重 要 な要 素 と して 扱 わ れ 、.経営 管 理 の 総 合 的 、 全 体 的 職 能 と し て 特 別 な 重 要 性 を 持 っ て き た 。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョンは この 目的 達 成 に も、全 体 の調 整 に極 め て 大 きな 関 わ りを持 つ の で あ る。 組 織 に は 構 造 的 な 面 と.行動 的 な 面 と い う2つ の 側 面 が 認 め ら れ る 。 前 者 は 、 例 え ば 、 目 的 を 分 割 した 職 務 や 役 割 、 ま た 権 限 や 責 任 等 を 明 確 化 し て 、 そ れ ら の 分 担 関 係 や 相 互 関 係 を 公 式 に 設 定 す る側 面 で あ り 、 ハ ー ドな 側 面 と して 、 い わ ば ク ー ル な ア プ ロ ー チ が 要 求 さ れ る 。 後 者 は 、 構成 員 が 職 務 や役 割 を 積極 的 に遂 行 す る よ う に意 欲 を 喚起 す る側 面 で あ り 、人 間 関係 論 的 ア プ ロ ー チ や 動 機 づ け ア プ ロ ー チ な ど 、 彼 ら の 欲 求 や 動 機 を 高 め る た め に 、 い わ ば機 能 的 な 側 面 と し て 、 ソ フ トな ア ブ ロ ー チ が 要 求 さ れ る 。 も ち ろ ん 、 こ れ ら両 側 面 の 関 係 は 密 接 不 可 分 で あ り、 表 裏 一 体 的 関係 に あ り、 コ ミュニ ケ ー シ ョ ン も この 両 側 面 に関 係 す る こ と は 言 うま で もな い 。 しか し、 こ こ で は コ ミュ ニ ケ ー シ ョンの機 能 の う ち、 単 位 組 繊 の規 模 を決 定 づ け る組 織 構 造 の 設 計 と運 用 と い う 本 質 的 な 側 面 に 焦 点 を あ て る こ と に よ り 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の フ ォ ー マ ル な 側 面 を 主 と して 扱 い. 、 全 体 的 、 構 造 的 調 整 を 検 討 す る こ と に な る 。 コ ミュ ニ ケ ー シ. ョ ン の イ ン フ ォ ー マ ル な 側 面 で あ る機 能 的 調 整 、 行 動 的 側 面 は 、 第7章(モ 第8章(リ. ー ダ ー シ ッ プ)に. チ ベ ー シ ョ ン)と. 委 ね た の で あ る 。 こ こ で の11.1心課 題 と し て の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン. は 、 組 織 構 造 を い か に 設 定 す る か と い う組 織 デ ザ イ ン の 問 題 で あ る 。 組 織 構 造 は 論 者 に よ っ て 、 ま た 研 究 目 的 に よ っ て 多 岐 に わ た っ て い る 。 しか し 、 組 繊 の 構 造 的 側 面 は 、 具 体 的 に は 組 織 に お け る 分 業 と調 整(協. 業)の. 基 本 的 枠 組 み と して現 れ る。 分. 業 と 協 業 の 仕 組 み を ど の よ う な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・シ ス テ ム と して 構 築 して 行 く か が 課 題 で あ る。 構 造 化 が進 む ほ ど非 人 間 化 が進 行 し、 人 間 性 疎 外 現 象 が生 じる恐 れ が あ り、組 織 の 究 極 の テ ーマ で あ る. 「 構 造 化 と 人 間 化 の 両1%」 を ど う 調 整 す る か で あ る 。 本 章 で は こ う し た. 問 題 に コ ミュニ ケ ー シ ョンの 観 点 か ら、結 果 と して 調 整 が 現 れ る よ うな 行 動 的 、機 能 的側 面 を 考 慮 に 入 れ た 構 造 づ く り を 目指 す ひ と つ の 組 織 戦 略 が 展 開 さ れ て い る 。 第7章 は 、 「モ チ ベ.一シ ョ ン と 組 織 均 衡 」 と い う テ ー マ の も と で 、 貢 献 行 動 の 獲 得 を 目指 す モ チ ベ ー シ ョ ン の 本 質 的 な 役 割 を 論 じて い る 。 モ チ ベ ー シ ョン論 は経 営 学 や 経 営 管 理 の 発 展 史 を み て も常 に最 重 要 課 題 で あ る。 企 業 の生 産 活 動 も そ の 成 果 は 人 々 の 意 欲 に 依 存 す る か ら で あ る 。 伝 統 理nimで は 、 マ ネ ジ メ ン ト を 「行 動 さ せ る こ と 」、 「.指 令 す る こ とJと. 同 義 と し 、 仕 事 へ の 意 欲 を 高 め る 戦 略 要 因 と して 賃 金 が. 認 識 さ れ 、 高 賃 金 を 求 め る 労 働 者 と 低 コ ス トを 求 め る経 営 者 と の 合 理 的 な 解 決 こ そ 科 学 的 管 理 の 契 機 で あ っ た 。 や が て 労 働 生 理 学 や 人 間行 動 の メ カ ニ ズ ムへ の 関 心 が 高 ま っ て く る と 、 経 済 的 な欲 求 の 充 足 の み な らず 、 社 会 的 欲 求 の 充 足 に も多 大 な努 力 が 払 わ れ 、 さ らに 、民 主 主 義 思 想 の 浸 透 と そ の 定 着 は 、 従 属 的 な 人 間 観 か ら能 動 的 な 人 間 観 へ と 一 変 させ 、 主 体 的 な. 一116一.

(17) 現 代 経 営 の 管 理 と組 織 に関 す る研 究. 自 由 裁 量 を もつ 意 思 決 定 者 と して の 人 間 を前 提 と した モ チ ベ ー シ ョ ン論 が展 開 され な けれ ば. な らな くな った の で あ る。 この よ う に 、本 論 文 は モ チ ベ ー シ ョン論 を 発展 史 的 に概 観 し、 その 代 表 的 な理 論 を素 描 し た 上 で 、 現 代 に お い て 如何 な る理 論 が 有 効 な の か 、 また 、 モ チ ベ ー シ ョ ン論 の真 の 課 題 は何 処 に あ るの か 、 そ して.、動 機 づ け シ ス テ ムづ く り と、 人.々の動 機 を ど う教 導 す れ ば よ いの か 、 な どの 問題 の 解 明 を 目指 した もの で あ る。 モ ラ ール と モ チ ベ ー シ ョ ンは 、 現 代 の 経 営 管 理 や 人 事 労 務 管 理 の 領 域 で も主 要 テ ー マ な と して 、 特 に 労働 者 の 人格 的側 面 に大 き な ウ エ.イトが お か れ る時 代 と な って い る。 モ ラ ール は 、 職 場 の 凝 集 性 、人 間 関係 の安 定 や 帰 属 意 識 、忠 誠 心 の 度 合 、 また集 団 的 な労 働 意 欲 の 向...tな ど を意 味 す る 、 チ ー ム ・ス ピ リ ッ トの こ と で あ り、 モ チ ベ ー シ ョ ンは 、1人 に 内 在 す る職 務 遂 行 上 の 自発 性 の促 進 に 力点 をお く概 念 で あ る。 そ れ は勤 労 意 欲 の 向 上 とい う心 理 的 ア プ ロ ー チ に よ っ て 、人 間 関係 研 究 や 行 動 科 学 研 究 な ど、.社会 心 理 学 や 組 織 心 理 学 の研 究 成 果 を取 り入 れ な が ら、実 践 的 な諸 制 度 の な か に取 り入 れ られ て 行 っ た。 した が って 、 勤 労 意 欲 の維 持 、 向 上 、職 場 の 人 間 関係 あ るい は 労 使 関係 の 安 定 と維 持 、.従業 員 満 足 の促 進 な ど に お い て も こ の モ ラ ー ル 管 理 や モ チ ベ ー シ ョ ン管 理 が 中 心 的役 割 を担 っ て お り、 多 くの マ ネ ジ.メン ト ・ツー ル が 蓄 積 され て行 っ たの で あ る。 しか し、 モ チ ベ ー シ ョ ンは 単 に 構 成 員 の 働 く意 欲 を取 り上 げ るだ け で な く、 組 織 の 共 通 目 的 に 結 び つ い た主 体 的人iaiの働 く意 欲 を重 視 しな けれ ば な らな い 。つ ま り、 構 成 員 は職 務 損 当 者 の ユ人 で あ る と同 時 に 、 人 間 と して 全 人 格 的 な存 在 で あ るか ら、 職 務 の 達 成 過 程 を通 じて 自己 の 欲 求 充 足 を は か る こ とに な る。 こ こ に 現 代 モ チ ベ ー シ ョン論 の課 題 が あ る 。 モ チ ベ ー シ ョン は 、.人間 的要 因 を 重 視 し、組 織 人 と して の働 く意 欲 を喚 起 し、 モ ラ ール を 高 揚 させ 、 職 務 に対 して積 極 的 な 行動 を起 こ させ る プ ロセ ス と して 意 義 を もつ 。 それ は構 成 員 の 欲 求 を 充 足 し うる誘 因 を提 供 す る こ とに よ.って 、 積極 的 に参 加 し よ う とす る協 働 意 欲 を 引 き出 す こ とに 他 な らな い 。 人 間 の欲 求 は 生 理 的 、物 質 的 な もの か ら社 会性 、 文 化 性 な ど 精 神 的 、 非 物 質 的 な欲 求 に移 り、 さ らに よ り高 度 の 欲 求 の 態 様 に応 じた さ ま ざ ま な志 向 性 を み せ る よ う に な って い るか らで あ る 。 そ して 、各 個 人 は さま ざ まに 異 な っ た知 覚 歴 と態 度 選 好 を持 って お り、 そ れ が 報 酬 評 価 の 方 法 や 、 公平EugR、 目標 設 定 の.方法 な ど に 大 き な影 響 を及 ぼ す 。 こ う した プ ロセ スは 個 人 の 独 自性 の基 礎 を形 成 す る もの で あ る か ら、理 想 的 に言 えば 、 各 人 が それ ぞ れ 自己 の ベ ス トを 尽 くす よ うに動 機 づ け られ る こ と が必 要 で あ る。 そ れ に は 各 人 に適 っ た柔 軟 な 動 機 づ け シ ス テ ム が必 要 とな る。 そ して 、 そ の 方 向 は知 識 創 造 ・価 値 創 造 へ と向 か わ な け れ ば な ら な い と 考 え られ る 。 この よ うな動 機 づ け シ ス テ ム と その 方 向づ け は管 理 の 重 大 な課 題 と な っ て い る の で あ る。 この 分 野 の研 究 は極 め て 多 くの 理 論 や技 術 の 蓄 積 が 進 ん だ に も か か わ .らず 、 な お詳 細 に検. 一117一.

(18) 現 代 経 営 の 管 理 と組 織 に関 す る研 究. 討 して み る と、 な おひ とつ す っ き り しな い もの 感 じ ざる を得 な い 。 それ は主 体 的 、 自主 的 な 意 欲 の 喚 起 の た め に は な お 人 間 性 へ の 配 慮 が 不 足 して お り 、 や は り組 織 均 衡 論 に 立 っ た 真 の モ チ ベ ー シ ョ ン 論 の 展 開 が 不 可 欠 と 考 え ら れ る 。 そ う し た 上 に 立 っ た 高 度 の 欲 求 の 充 足 と .メ ン バ ー 全 員 の 創 造 活 動 が 開 始 さ れ る べ き だ と す る の が 、 本 論 文 の...一 貫 した 主 旨 で あ り 、 そ れ は 、蘇 る組 織 均 衡 論 と もい える の で あ る。 第8章. 「リ ー ダ ー シ ッ プ の 本 質 」 に お い て は 、r,変革 と 調 整 」 と い う2大 機 能 を 果 た す た め に 、. リ ー ダ ー シ ッ プ は い か に あ る べ き か と い う問 題 を 取 り 上 げ た 。 現 代 社 会 に あ っ て も 、 ま た 歴 史 を 遡 っ て み て も優 れ た リ ー ダ ー シ ッ プ が 不 足 し て い な い 時 代 は な く 、 リー ダ ー シ ッ プ.はい つ の 時 代 に お い て も 渇 望 さ れ て い る 。 経 営 体 を 方 向 づ け 、 ゴ ー イ ン グ ・コ ン サ ー ン と して 維 持 ・存 続 さ せ る 責 務 を も つ リ ー ダ ー に と っ て は 、 現 状 の 枠 組 み の 中 に あ っ て も 、 内 部 状 況 を 一変 して 展 開 す る こ とが 必 要 で あ り. 、 また その よ うな枠 に と らわ れ ず 、慣 性 に打 ち克 っ て 全. く新 し い 方 向 へ 引 っ 張 っ て 行 く こ と が 必 要 で あ る 。 リ ー ダ ー シ ッ プ に 恵 ま れ な い 組 織 は 羅 針 盤 を失 い 、 や が て 活 力 を失 い 、 哀 れ な 宋 路 を連 え るで あ ろ う。 しか し、 リー ダ ー シ ップ が 欠 如 して い る 今 日 の 状 況 は極 め て 深 刻 で あ る と 言 わ れ て い る の で あ る 。 変 革 は 組 織 を 全 体 と し て 率 い て ゆ く ト ッ プ ・マ ネ.ジメ ン トに よ り 多 く 要 求 さ れ る リ ー ダ ー シ ッ プ で あ る こ と は 言 う ま で も な い が 、 し か し 、 そ れ ば か り で は な く 、 ミ ドル や ロ ワ ー の リ ー ダ ー・シ ッ プ に も1司様 に 要 求 され る 。 変 革 の 範 囲 や レ ベ ル は さ ま ざ ま で あ り 、 数 人 の 構 成 員 に 関 わ る も の も あ れ ば 、 部 門 に ま た が る も の 、 経 営 体 全 体 に お よ ぶ 変 革 な ど も あ る.リ. ーダ. ー シ ッ プ は 、 常 に そ の 状 況 に 応 じ た も の な け れ ば な ら な い か ら 、.それ ぞ れ の 変 革 の 担 い 手 に よ っ て 、 そ の 時 の 状 況 や 場 に よ っ て 要 求 され る リ ー ダ ー シ ッ プ は 異 な っ て く る 、 、 リー ダ ー シ ッ プ 研 究 が 経 営 内 の ト ッ プ 、 ミ ドル 、 ロ ア ー な ど 、 そ れ ぞ れ の 階 層 レ ベ ル に 焦 点 を 当 て た 研 究 が な さ れ て き た の も こ の た め で あ る 。 しか し 、 変 革 の リ ー ダ ー シ ッ プ は 全 て に 要 求 さ れ る 共 通 の リ ー ダ ー シ ップ で あ り、 そ れ ぞ れ の 階 層 に お け る リー ダ ー の 協働 に よっ て 積極 的 に 推 進 して 行 か な け れ ば な らな い 。 こ の よ う な 変 革 に 重 点 を 置 い た リ ー ダ ー シ ッ プ に 対 し 、 明 ら か に 別 の 見 方 が あ る 。.....般 的 に リ ー ダ ー シ ッ プ は 、 集 団 の な か の あ る個 人(リ 共 有 して い る 目 的 を 達 成 す べ く 、 他 の 成 員(部. ー ダ ー)あ 下)や. る い は リ ー ダ ー ・チ ー ム が そ の. 集 団 に 働 き か け誘 導 して行 くプ ロセ ス. で あ る と され る 。 そ れ は 上 述 の 変 革 の リ ー ダ ー シ ッ プ に 対 し て 、 リ ー ダ ー シ ッ プ 現 象 を 上 司 一 部.下 と い う 、 い わ ば 対 人 的 関 係 に 重 点 を お い て 論 じ ら れ る 対 面 的 な り 一 ダ μ シ ッ プ で あ る 。 これ をパ ー ソ ナル ・り一 ダ ー シ ップ と呼 ぶ こ とが で き る 。 リー ダ ー シ ップ論 は人 間操 縦 論 で あ っ て は な らず 、 現 代 社 会 に お い て 人 間 尊 重 が 叫 ば れ る ほ ど 、 人 が 人 に 影 響 を 与 え る プ ロ セ ス が 問 い 直 され 、 新 た な パ ー ソ ナ ル ・リ ー ダ ー シ ッ プ の 確 立 が 要 請 され る の で あ る 。 従 来 の リー ダ ー シ ッ プ 研 究 は 、 特 性 論 、 形 態 論 、 状 況 論 と し て 展 開 さ れ た 。 そ れ ら は パ ー ソ ナ ル ・ リー ダ ー シ ッ プ を主 と し て 扱 っ て い る と 言 っ て よ い 。 特 性 論 は 、 リ ー ダ ー の い か な. 一us.

(19) 現 代 経 営 の管 理 と組 織 に関 す る研 究. る特 性 が 有 効 で あ るか を論 じ、英 雄 や偉 人 の 特 性 の 研 究 に焦 点 を あ て た 。 形 態 論 は その 有 効 性 が リー ダ ーの 行 動 類 型 に規 定 され る と して 、 行 動 科 学 的 ア プ ロ ー チ に よ る民 主 的 、参 加 的 り一 ダ ー シ ッ プ を 理 想 型 と し た 。 状 況 論 は 有 効 性 が リ ー ダ ー と リ ー ダ ら を と り ま く状 況 要 因 に よ っ て 規 定 され る と して 、 リ ー ダ ー は 状 況 を 正 し く 判 断 し 、 そ れ に 適 合 し た リ ー ダ ー シ ッ プ ・ス タ イ ル を 選 択 す べ き こ と と な っ た 。 あ ら ゆ る 状 況 に 適 用 し う る 唯 一 最 善 の 方 法 は な く 、 リー ダ ー の 行 動 や 特 性 と状 況 と の 適 合 関 係 を 明 ら か に す る コ ン テ ィ ン ジ ェ ン シ ー ・ア プ ロ ー チ へ と 繋 が っ て 行 く。 ト ッ プ に 要 求 さ れ る リ ー ダ ー シ ッ プ は よ り変 革 へ の 要 請 が 強 い の は 言 う ま で も な い が 、 変 革 は ミ ドル や ロ ワ ー に も 同 様 に 要 求 さ れ る 。 そ し て 、.階層 を 下 が る に つ れ パ ー ソ ナ ル ・ リ ー ダ ー シ ッ プ に よ る.人々 の 動 機 づ け が 重 要 性 を 増 し 、 そ の た め の 調 整 に.大 きな比 重 が か か って くる こ と に な る。 本 論 文 は 、 さ ま ざ ま な リ ー ダ ー シ ッ プ の 諸 機 能 を 変 革 と 調 整 と い う2大 機 能 に 集 約 す る こ と に よ っ て 、 リ ー ダ ー シ ッ プ を整 序 し 、 そ の 本 質 に 迫 っ た も の で あ る 。 も ち ろ ん 、 新 し い 時 代 に あ っ て は 、 「新 しい リー ダ ー シ ップ ・ス タ イ ル 」 が 必 要 だ と い う論 調 も あ る よ う に 、 グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 と 教 育 水 準 の 向 上 し た 環 境 に 適 合 し た 新 し い ス タ イ ル の 登 場 が 待 望 され る こ と も あ る 。 しか し、 リ ー ダ ー シ ッ プ 問 題 解 決 の.真の カ ギ は 要 なのは. 「ス タ イ ル 」 に あ る の で は な く 、 重. 「質 」 で あ っ て 、 時 代 や.文化 を 超 え 、 さ ま ざ ま な 業.界で 通 用 す る 普 遍 性 を 持 っ た リ. ー ダ ー シ ップ の. 「.本 質 」 が 問 わ れ な けれ ば な らな い. 。 組 織 パ フ ォー マ ンス は さ ま ざま な要 因. に よ っ て 決 ま るが 、 それ らの要 因 の 殆 ど が リー ダ ー シ ップ の 質 に左 右 され て い る 。本 章 は リ ー ダ ー シ ップの. 「ハ ウ ツ ウ 」 で は な く. 、 その 本 質 に 迫 ろ う と した考 察 で あ る。. 第3部 は 、 「組 織 変 革 の 理 論 」 と して 、 組 織 の 持 続 的 発 展 を 論 じ た も の で 、 「変 革 論 の 序 説 」 と 「 変 革 論 の 展 開 」 の2章 か ら構 成 さ れ て い る が 、 組 織 変 革 論 や 開 発 論 は 大 き な 永 遠 の テ ー マ で あ り 、 多 くの. 「管 理 論 」 と 「組 織 論 」 の 諸 理 論 が こ こ に 収 敏 さ れ る べ き だ と 考 え て い る 。. 第9.章 は 、 「変 革 論 の 序 説 」 と し て 組 織 変 革 へ の 基 本 的 課 題 を 明 ら か に す る と 共 に 理 念 的 考 察 を 行 な っ た も の で あ る 。 特 に 、 変 革 論 は ど の よ う な 方 向 に 変 革 す る の か 、 そ の 理.念 的 考 察 が 正 し く、 ま た 先 行 し な け れ ば な ら な い 。 そ の た め に こ れ ま で の 開 発 論 や 変 革 論 を 反 省.し、 そ の 失 敗 を避 け る と 共 に 、 こ れ か ら の 動 向 を 正 し く.見定 め る た め に 、 ど う し て も確 固 た る 理 念 の確 立 が急 務 とな る。 こ の た め に 、 ま ず は あ る べ き 理 想 像 を 求 め る 理 念 研 究 が 先 行 せ ざ る を 得 な い こ と に な る 。. 本 章 は組 織 変革 の バ ック ボ ー ン と して の 理 念 を 考 察 し、 そ の 方 向性 とそ の 基 本 的 な フ レー ム を さ ぐ る こ とに あ る。 組 織 革 新 や組 織 変 革 に は現 代 の 優 れ た理 念 に導 か れ た経 営 の貫 徹 が要 請 さ れ る 。 そ こ で 、 組 織 を 常 に 蘇 生 し 、 活 力 に 満 ち た 絹 織 づ く りへ の 変 革 の 努 力 の 歴 史 を 素 描 す る と と も に 、 企 業 経 営 の 目標 の 検 討 と 現 代 の 環 境 変 化 か ら 絹 織 変 革 へ の 基 本 的 な 課 題 を 明 ら か に す る こ と に よ っ て 変 革 の 理 念 を 浮 き 彫 り に し 、 変 革 の 基 本 的 視 点 を 明 ら か に した の で あ る。. ‑‑9一.

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