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第2章 第2章 研究の目的と方法 研究の目的と方法

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Academic year: 2022

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(1)大規模エネルギー施設における景観計画プロセスに関する研究. 第2章 研究の目的と方法. 2.1. 研究の目的 2.2. 研究の方法 2.3. 論文の構成. 20.

(2) 第2章. 2.1.. 研究の目的と方法. 研究の目的. 序論では、 研究の背景として、 文献や既往の研究をとおして、 景観計画の定義とその意義について述べ、 一般的な景観計画プロセスの枠組みを概観した。 そこでは、 一般的な景観計画プロセスは作業プロセスに とどまっており、 複数の関係者が関与するプロセスを提示するには至っていないことを指摘した。 本論文は以下の2つを目的としている。 1) 従来の景観計画プロセスにおける関係者間の合意形成上の問題点を明らかにし、 合意形成を支援す るための景観計画プロセスモデルを提案すること。 2) 提案された景観計画プロセスモデルを基に、 景観情報共有システムを開発し、 実際の景観計画業務 に適用することでシステムの有効性を検証すること。 研究方法として、 前者については、 事例分析と景観計画プロセスモデルの提案を行い、 このモデルを支 援する具体的な技術を検証している。 後者については 、 システムのコンセプト、 機能、 仕様について解説 し、 ケーススタディによりシステム評価を行っている。 このような目的を達成するために、 本研究は具体的に以下の3つの内容により構成されている。 まず、 第一に、 従来の大規模エネルギー施設の景観計画プロセスをレビューし、 計画関係者間の合意形 成に着目し、 問題点と課題を明らかにする。 2つの火力発電所の景観設計を分析事例として、 景観設計業 務における、 設計者側、 開発者側、 行政側、 工事関係者側等 の複数の関係主体間の協議記録を分析し、 設 計案に至る合意形成の過程について整理する。 分析事例1では景観計画における関係者間のコミュニケー ションを分析し、 分析事例2では設計案の選定場面を抽出し、 その選定過程を分析する。 第二に従来の景観計画プロセスモデルを合意形成の観点から拡張した景観計画プロセスモデルを提案す る。 このプロセスモデルは4段階のステップで構成し、 それぞれの段階における合意形成支援のための技 術要素を考察する。 以下の4つの要素技術を提案し、 事例に適用することにより各要素技術の効果を明ら かにする。 ①景観検討のための 「視点選定モデル 」 ②可視領域分析による 「景観影響評価モデル」 ③複数の計画案から関係者間の意思を反映した案を選定するための 「代替案選定モデル」 ④CGシミュレーションによる色彩計画とその効果測定を組み合わせた 「色彩計画モデル」 第三に、 景観計画プロセスモデルを基に、 関係者間の協調活動支援及び合意形成支援のための景観情報 共有システムを開発する。 このシステムは、 計画プロセスを作業単位に分解し、 その単位ごとに作業方法 指示や成果を記述するシートの組合せで構成されている。 このシートをネットワーク共有することで、 景 観計画業務を効率化するとともに合意形成の迅速性と透明性を確保する。 開発したシステムを実際の景観 計画業務に適用することで、 本システムの有効性と課題を明らかにし、 本論文で提案する 「景観計画プロ セスモデル」 を検証する。. 21.

(3) 大規模エネルギー施設における景観計画プロセスに関する研究. 2.2.. 研究の方法. 本研究は、 以下の手順で進める。 (1) 従来の景観計画プロセスの問題点の抽出 2つの石炭火力発電所の景観設計事例を分析し、 合意形成支援の観点から見た、 従来の景観計画プロセ スの問題点を抽出する。 まず、 景観計画に関連した会議を1つの意思決定プロセスとして扱い、 会議の機 能と意思決定の推移及び会議の関連性を、 プロセスの組合せで表現し、 合意形成ダイアグラムとして記述 する。 そのダイアグラムをもとに、 分析事例1では、 景観設計業務における関係者間のコミュニケーショ ンに着目してプロセスを分析し、 景観計画プロセスの情報共有における問題点を抽出する。 分析事例2で は、 案の変遷に着目し、 設計案の決定プロセスを分析し、 代替案の決定方法における問題点を抽出する。 (2) 合意形成支援のための景観計画プロセスモデルの提案 まず、 (1) で抽出した問題点を考慮して、 全体の景観計画プロセスモデルの提示をおこなう。 このモデ ルは、 従来の景観計画プロセスを合意形成の観点から4つのステップで捉え直したものである。 それぞれ のステップにおいて、 計画関係者間の合意形成を支援する要素技術を含んでいる。. (3) 景観計画プロセスを支援する要素技術の提案 次に、 要素技術として、 各ステップで行われる作業を支援する要素技術を提案する。 ①景観検討のための 「視点選定モデル 」 ②可視領域分析による 「景観影響評価モデル」 ③複数の計画案から関係者間の意思を反映した案を選定するための 「代替案選定モデル」 ④CGシミュレーションによる色彩計画とその効果測定を組み合わせた 「色彩計画モデル」 それぞれのモデルを以下の4つの事例に適用し、 モデルの効果を明らかにする。 事例II:都市近郊のゴミ処理施設 において、 事例 景観評価視点 の選定した事例 事例II: 事例 II:風力発電施設の配置計画による可視領域分析の事例 風力発電施設の配置計画による可視領域分析の事例 事例III 事例 III:火力発電所の景観計画 において、 複数代替案から選定した事例 事例IV 事例 IV:住宅地に立地する変電所建設 において、 CGシミュレーションによる 色彩計画の事例 これらの適用事例を通して、 景観計画の各局面における要素技術の検証を行い、 それらを含む景観計画 全体のプロセスモデルの有効性を明らかにする。 (4) 合意形成支援のための景観情報共有システムの開発 提案した景観計画プロセスモデルをもとに、 景観計画業務を効率化するとともに合意形成の迅速性と透 明性を確保することを目的として、 作業プロセスを整理・体系化するシートシステムで構成される景観計 画支援システムを開発する。 開発の手順を以下に示す。 ①景観計画プロセスの4つのステップに従って、 計画作業において共有すべき情報を分類する。 ③シートシステム のコンセプト 、 構成、 シートの定義、 各シートの内容の検討を行い、 シートシス テムの仕様を決める。 ④実際の景観計画実務において、 シートシステムを適用し、 システムを評価する。 ケーススタディとし て、 高原に建設される風力発電施設の景観計画業務に適用した。. 22.

(4) 第2章. 2.3.. 研究の目的と方法. 論文の構成. 本論文の構成は、 第1章の序論と第 章の序論と第66章の総括を含む6章から成っている 。 序論では、 研究背景と既往研究を概説し、 研究領域を位置づける。 まず、 本論文で扱う大規模エネルギー 施設の景観計画の定義とその範囲及び環境アセスメントとの関連について述べる。 次に、 文献や既往の研 究を通して従来の景観計画プロセスの枠組みを概観した。 これまでの景観計画プロセスモデルは、 検討項 目と作業の手続きを提示しているが、 関係者間の合意形成の観点が欠如しており、 関係者間の情報共有や 計画手法の体系化には及んでいないことを指摘する。 第2章 「研究の目的と方法」 では、 研究のアプローチ及び論文の構成を明らかにする 。 本論文は以下の 2つを目的としている。 ①従来の景観計画プロセスにおける関係者間の合意形成上の問題点を明らかにし、 合意形成を支援するための景観計画プロセスモデルを提案すること。 ②提案された景観計画プロセスモデ ルを基に、 景観情報共有システムを開発し、 実際の景観計画業務に適用することでシステムの有効性を検 証すること。 第3章 「大規模エネルギー施設の景観計画プロセスモデル」 では、 事例分析に基づいて合意形成支援の ための景観計画プロセスをモデル化する。 具体的には、 火力発電所建設の際の景観計画業務における会議の記録から検討内容及び景観情報の流れ を整理し、 関係者のコミュニケーションを分析する。 さらに別の火力発電所の色彩計画段階において計画 案の決定過程を分析する。 これら2つの事例分析より、 情報共有のプラットホームの欠如と計画案の決定 過程が曖昧であるという、 合意形成上の問題点を明らかにする。 この事例分析を踏まえ、 情報共有の観点 からみた44段階の作業ステージで構成される 景観計画プロセスモデルを提案する。 からみた この44段階の作業ス この テージは、 「関係者間の認識の共有化 」 「関係者間の認識の共有化 「 「周辺地域情報の調査 、周辺地域情報の調査・分析」 「 「景観設計案 、景観設計案 の策定」 「 「景観設計案 、景観設計案 の評価・修正」 、 に計画作業を整理し、 意思決定が必要な作業を明確化する。. 第4章 「景観計画プロセスの要素技術」 では、 第3章で提案した景観計画プロセスモデルを実現するた め、 地理情報システム及びコンピュータ・グラフィックスを活用した予測技術と合意形成手法を組み合わ せた要素技術モデルを提案する。 これらの要素技術は評価プロセスにAHP手法を応用しており、 形式的 な定量評価ではなく、 関係者の意思を反映する定性的評価を定量的に明示することを可能とする。 具体的 には、 次の4つの要素技術を提案する。 ① 「視点選定モデル」 は、 施設の景観予測・評価の際の観測位置を効率よく選定するための 要素技術で ある。 地域特性を示す各種の地図情報及び対象施設の可視領域を地理情報システムのオーバーレイ手法に より合成することで調査を必要とするエリアを抽出し、 AHP法により選定条件に評価者の意思を反映す る重み付けを行い、 視点を選定するものである。 ② 「景観影響評価 モデル」 は、 地理情報システムの三次元解析機能を用いて可視領域分析 をおこない、 施設の規模と配置計画による周辺地域への視覚的影響を広域的に予測・評価する要素技術である。 このモ デルでは、 可視領域、 複数施設の可視数、 対象の見え方、 視距離、 近傍の景観資源との重なり合い、 の5 つの指標による領域を解析し、 三次元地形モデル上で、 それぞれの領域を重ね合わせることにより、 対象 の影響を評価する。. 23.

(5) 大規模エネルギー施設における景観計画プロセスに関する研究. ③ 「代替案選定モデル 」 は、 施設設計段階において、 AHP法を用いて代替案を効率的 に選定し、 決定 過程を客観的に明示する要素技術である。 このモデルでは、 AHP法により選定条件の重み付けを行い、 評価者の選定傾向をお互いに把握しながら、 組織としての計画案が選定される。 評価者の意思を反映した 組織としての合意形成支援を可能とする。 ④ 「色彩計画 モデル 」 は、 コンピュータ・グラフィックス・シミュレーション による 色彩計画の竣工後 の効果を測定するための要素技術である。 このモデルは、 色彩計画時及び建物竣工時にSD法による印象 評価を実施し、 比較することで、 色彩計画の効果を明確にすることを 可能とする。 以上の4つの要素技術は、 ケーススタディを通してその有効性を検証し、 実用性の高い具体的なモデル を示す。 第5章 「合意形成支援のための景観情報共有システム」 では、 第4章で提案した景観計画プロセスモデ ルに従って、 関係者間において景観情報を共有するシステムの開発について述べる。 このシステムは、 検 討項目単位で作業プロセスを書式化したもので、 作業マニュアル作成、 チェックシート作成、 プロジェク ト記録、 プレゼンテーション作成の各機能に対応する情報ネットワーク型作業シートシステムである。 情 報ネットワークを介して複数の関係者がお互いの持つ情報を整理・共有することにより、 効率的な景観計 画の実施を可能とするものである。 ケーススタディを通して、 景観計画の全過程をこのシートシステムを 用いて実施することにより、 このシステムの有効性を検証する。 第6章は、 各章の成果をまとめ、 景観計画プロセスモデルと景観情報共有システムの今後の展望を示し、 結論とする。. 24.

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