次にCを考えてみよう。改めて積分路をLとして Γ(z) =
∫
L
tz−1e−tdt (3.106)
を考える。被積分関数はzの1価正則関数でかつ積分Γ(z)は一様に収束する。よってΓ(z)は全てのzに対 して1価正則な関数である。t=reiϕとおくと
tz−1=rz−1eiϕ(z−1)=e(z−1)(logr+iϕ) 0≤ϕ≤2π (3.107) なので被積分関数を
F(t) = e−ttz−1
= e−reiϕe(z−1)(logr+iϕ) (3.108)
とおくと例えばϕ= 0では
F(r) = e−rrz−1 (3.109)
となることから図のように正の実軸上で切断を持つ。
c
ρlim→0
∫ ∞
c
F(t)dt=e2πiz
∫ ∞
0
e−rrz−1dr=e2πizΓ(z) (3.113) 第2項についてはρは定数なので式3.108からdt=−iρeiϕdϕといけるから
∫
abc
F(t)dt = iρe(z−1) logρ
∫ 2π 0
e−ρeiϕeiϕdϕ
= iρz
∫ 2π 0
e−ρeiϕeiϕdϕ Re[z]>0としてるからこの値はρ→0で0に近づく。よって
F(z) = (
e2πiz−1) Γ(z)
= (isin 2πz−cos 2πz−1) Γ(z)
= (
2isinπzcosπz−2 sin2πz) Γ(z)
= 2ieiπzsinπzΓ(z) を得る。これからガンマ関数の複素積分表示として
Γ(z) = e−iπz 2isinπz
∫
L
tz−1e−tdt (3.114)
となる。これから
t= x
1 +x (3.115)
で変数変換するとベータ関数であるBが得られる。
B(α, β) =
∫ 1 0
ta−1(1−t)β−1dt
=
∫ ∞
0
xα−1 (1 +x)α−1
1 (1 +x)β−1dx
=
∫ ∞
0
xα−1 (1 +x)α+βdx この積分はRe[α]>1, Re[β]>1で意味をもつ。
4 Pi
円周率π
4.1 誤差関数
確率関数で登場したガウス関数は次のように表すことができた。標準偏差をσ、平均値をµとして G(x) = 1
√2πσ2e−(x−µ)2/2σ2
図4.1: ガウス分布とその微分
この関数はよく知られている正規分布を表し、−∞ ≤x≤+∞で1になるように規格化する。
特にµ= 0, σ= 1とすると次のように規格化された関数が定義できる。
N(x) = 1
√2πe−x2/2 この関数を区間[0,x]で積分したものを次のように定義する。
Ef(x) =
∫ x 0
N(t)dt
図4.2: 規格化されたガウス分布関数とその積分 誤差関数(error function)は次のように定義すると
erf(x) = 2
√π
∫ x 0
e−t2dt 先の積分は
Ef(x) = 1
2erf(x/√ 2) で表すことができる。
さらに相補誤差関数を次のように定義する。
erf c(x) = 1−erf(x)
= 2
√π
∫ ∞
x
e−t2dt=e−x2erf c(x) 次のように誤差関数は奇関数である。
erf(−z) =−erf(z)
また、複素共役について
erf(z∗) =erf(z)∗ が成り立つ。
前節で紹介したガンマ関数を用いても誤差関数は表すことができる。
erf(x) = 1
√πΓ(1 2, x2)
= 2
√π
∑∞ n=0
(−1)nx2n+1 n!(2n+ 1)
5 フーリエ解析
5.1 フーリエ級数
周期区間を−π < x < πとしてフーリエ級数は次のようになった。
an = 1 π
∫ π
−π
f(x) cosnxdx
bn = 1 π
∫ π
−π
f(x) sinnxdx
f(x) = a0
2 +
∑∞ n=1
(ancosnx+bnsinnx) これは複素数を用いることで
cn = 1 2π
∫ π
−π
f(x)e−inxdx f(x) = ∑
n=0,±1,···
cneinx と表すことができる。
5.2 Gibbs 現象
フーリエ級数がどれくらいもとの関数を再現するかを見るために次のような不連続の関数を考えよう。元 の関数がなめらかな連続関数であれば足し合わせを多くとればフーリエ級数は元の関数を再現していくことが できる。そこで次のような不連続な関数を考える。
g(x) =
−π4 (−π < x <0)
π
4 (0< x < π)
(5.1) この時不連続点の相加平均をとると
(g(+0) +g(−0))/2 = 0
である。一般に不連続点上のフーリエ級数の値は+,-側から近づけた極限値の相加平均になる。級数は奇関数 なのでan= 0とできるので
a0= 1 π
π 4
∫ π 0
dx+−1 π
π 4
∫ π 0
dx= 0 bn= 2
π π 4
∫ π 0
sinnxdx=1 2
1−(−1)n n
gn(x) = 0 +1 2
∑∞ n=1
1−(−1)n n sinnx
= 2
2 (
sinx+sin 3x 3 +· · ·
)
=
∑∞ n=1
sin (2n−1)x 2n−1
と表すことができる。下図にn= 3, n= 10の場合のグラフを示す。
図5.1: gn(x) =∑∞
n=1
sin(2n−1)x
2n−1 のグラフ赤はn=10、青はn=3
グラフを見ると不連続点の付近につののようなものがnを大きくしも残ることがわかる。これは仮にN → ∞ としても消えない。この現象がGibbs現象である。この不連続点をのぞけばフーリエ級数は区間内のxの値に 無関係で
|g(x)−gn(x)|< ϵ
とする正の定数ϵをn > Nでとることができ、この時、フーリエ級数は区間内で一様収束する。
さらにこれを解析的に考えると興味ある結果が得られる。z=eiθを複素数として log(1 +z) =z−z2
2 +z3 3 − · · · と展開できたから
log(1 +eiθ) =eiθ−e2iθ 2 +e3iθ
3 − · · · さらにド・モアブルの公式einθ= cos (nθ) +isin (nθ)だから虚数部分は
Imlog(1 +eiθ) = sinθ−sin 2θ
2 +sin 3θ 3 − · · · よって
Im1 2
{log(1 +eiθ)−log(1−eiθ)}
= sinθ+sin 3θ
3 +sin 5θ 5 +· · ·
= g∞(θ) (5.2)
が得られる。しかし
logreiθ = log|z|+i arg z とかけたので極限値g∞(θ)は次の偏角で与えられる。
g∞(θ) =arg {1
2log1 +eiθ 1−eiθ
}
これは実際に次の図のようにガウス平面をつくれば
arglog(1 +eiθ) =α
arglog(1−eiθ) =β