F(z) =−1/(z−1)
よってF(z)が1位の極1を除いて全平面で正則なのでP(z; 0)は全平面に解析接続できる。
そこで|z|<1では単位円の内側で収束し、正則になるので次の公式
∫ ∞
0
tne−tdt=n!
を使うと、
P(z; 0) =
∑∞ n=0
zn n!
∫ ∞
0
tne−tdt=G(z) とすると、指数関数の定義から
G(z) =
∫ ∞
0
eze−tdt=
∫ ∞
0
e(z−1)tdt
となり、これはRe[z]<1に対して収束するから、単位円内から拡大領域DへのP(z; 0)の解析接続が積分 表示のG(z)で与えだれたことになる。これから次節のΓ関数が導ける。
次に2価の場合のリーマン葉の例として
z=w1/2=√ w を考えてみよう。wの1つの値ρeiϕ (−π < ϕ≤π)に対しては
z0=√
ρeiϕ/2, z1=√
ρei(ϕ/2+π)=−z0
の2つがある。これを次のような分岐で考えると、1価のようにみなすことができる。
w平面を主値(−π < ϕ≤π)を偏角とするΠ0と、同じ偏角を主値とするΠ1 を図のように用意する。
㻌 㻙䃟
㻗䃟 㻌䃀㻜
㻌 㻙 䃟
㻌 㻗䃟 䃀㻝
㻌 㻌 䌲
㼣
㼣㻝 㻜
㻌 㼣㻜
㻌 㼣㻝
図 3.22: z=√
wのリーマン葉
この2枚を実軸の負領域に切れ込みを入れ、図の赤い部分で張り合わせる。
そして規則として偏角が+πまで進むと異なる葉に写るとすればいい。
これにより、2価であったw1, w2は4πの回転で重なることはない。ただし、wの偏角についてmod4πで 同値になる。これによりw=z2のz平面について1対1の対応がつけられた。
ただし、切れ込みをいれる場所は偏角をとる原点から任意の角度αでかまわない。n位の分岐であれば α≤ϕ < α+ 2nπ; (mod2nπ)
である。
次に
w=f(z) =1 2
( z+1
z )
(3.96)
のリーマン葉を考えてみよう。変形し、
2wz−z2−1 = 0 (z−w)2=w2−1 これからまず、逆関数を求めると複素数であるから±はとれて、
z=f−1(w) =w+√ w2−1
よってwのリーマン面は±1を2位の分岐とする2葉構造になる。区間[−1,+1]に切断が入る。
この関数は
w=f(z) =f(1/z)
を満たすから前節2.17でみたように単位円の反転になっているから、ここでは単位円の外部のみをみれば十 分である。
z=reiθ, w=u+iv とすると3.96から
u= 1 2
( r+1
r )
cosθ
v=1 2
( r−1
r )
sinθ となるのでz平面でr=r0の円がw平面では
u2
(r0+ 1/r0)2 + v2
(r0+ 1/r0)2 =1 4 に写像され、z平面でθ=θ0の直線がw平面では
u2 cos2θ0
+ v2 sin2θ0
= 1
に写される。特に興味ある点はz平面でr= 1の単位円はw平面では実軸上の点 (u, v) = (cosθ,0) |u| ≤1
に写されることである。この写された直線と円は位相同型ではない。
複素平面上の回転が実軸に移されるこの変換は物理上重要な役割をする可能性がある。
3 2 1 1 2 3
3 2 1 1 2 3
2 1 0 1 2
2 1 0 1 2
\
[
Y
X
図 3.23: 円周を実軸に写す
3.9 ガンマ関数
次を解析接続して得られる関数Γ(z)をガンマ関数という。
Γ(z) =
∫ ∞
0
tz−1e−tdt (Re[z]>0) (3.97) 定義は
Γ(z) = lim
n→∞
nzn!
Πnk=0(z+k) (3.98)
である。Re[z] =a >0の時、
∫ ∞
0
tz−1e−tdt ≤
∫ ∞
0
tz−1e−tdt <∞ (3.99) だから領域D0:Re[z]>0で収束し、
Γ(z)′ =
∫ ∞
0
tz−1e−tlogtdt (3.100)
も領域D0:Re[z]>0で収束するからΓ(z)はD0で正則である。よって部分積分をすると
Γ(z) = [1
ztze−t ]∞
0
+1 z
∫ ∞
0
tze−tdt (3.101)
= 1
z
∫ ∞
0
tze−tdt (3.102)
となることから次のガンマ関数の公式が得られる。
Γ(z+ 1) =zΓ(z) (3.103)
となるからこれを繰り返し作用させて
Γ(z) = 1
z(z+ 1)(z+ 2)· · ·(z+n−1)Γ(z+n) (3.104) を得る。よってΓ(z)は次の図のようにz= 0,−1,−2· · · に1位の極を持ち、それ以外で正則な関数である。
図 3.24: ガンマ関数z=-5から5を描いている。
特にz= 1とすると次のように階乗の定義式が得られる。
Γ(n+ 1) =n! (3.105)
次にCを考えてみよう。改めて積分路をLとして Γ(z) =
∫
L
tz−1e−tdt (3.106)
を考える。被積分関数はzの1価正則関数でかつ積分Γ(z)は一様に収束する。よってΓ(z)は全てのzに対 して1価正則な関数である。t=reiϕとおくと
tz−1=rz−1eiϕ(z−1)=e(z−1)(logr+iϕ) 0≤ϕ≤2π (3.107) なので被積分関数を
F(t) = e−ttz−1
= e−reiϕe(z−1)(logr+iϕ) (3.108)
とおくと例えばϕ= 0では
F(r) = e−rrz−1 (3.109)
となることから図のように正の実軸上で切断を持つ。