点pで既知の曲率κを持つ曲線Kに解析関数fが作用した時、これらの像を˜κ、K˜ とする。曲率の像がど う変換されるかを求めよう。
今図のように点pで既知の曲率κを持つ曲線Kを描く。p中心の無限小変化を表す半径ξの微小円も描いて ある。これがf により図右のように変換される。
このξを1つの複素数として次の時間後にはζに変化したとしてこの変化の角をϵとする。
B B’
A’
q A
K C
C’
図 2.32: 解析関数による曲率の変換
点p,˜pについて曲率は
κ=ϵ/|ξ|
˜
κ= ˜ϵ/ξ˜ (2.59)
となる。ところが式2.40により
ξ˜=|f′(p)| |ξ|
となる。回転角の像は点pとpからϵだけ回転した位置では同じではないとし、σのずれが生じるとしよう。
すると
˜
ϵ=ϵ+σ
となる。このσを求めればよい。点pの中心の無限小円板をf(p)を中心とする円板に写す操作がf′(p)で あった。そこでpをf′(p)を中心とする円板に写す操作はf′(p)をもう一度zで微分することと考える。次の 図のようにξがf′′(p)によってχに写されたとする。
χ=f′′(p)ξ (2.60)
ȡ K
䃔 䃕 䃝 p f ’
Ȯ
䃢 f ’(p)
䃢
g
図2.33: 微分の幾何
さらに長さを1に調整するためにf′(p)で割る。すると図右のようにσは虚成分方向への弧の長さに等しい から
σ=Im[χ/f′(p)]
式2.60より
σ=Im[f′′(p)ξ/f′(p)] (2.61)
である。よって式2.59から式2.55においてvがθのみの関数、uがrのみの関数である場合について考え よう。
∂θv(θ) =r∂ru(r) (2.62)
この時、両辺ともに定数と考えることができるのでこれをAとおく。すると
∂θv(θ) =A (2.63)
r∂ru(r) =A (2.64)
となるので両辺を積分するとcは定数として
v=Aθ+c
u=Alog r+c 従って
u+iv=A(log r+iθ) +c′ ところがz=reiθの対数をとれば括弧内の式が得られので
u+iv=Alog z+c′ は次の図のように円を直線に写す複素写像である。
図 2.34: 左からlog z, , zのグラフ
˜
κ= Im[f′′(p)ξ/f′(p)] +ϵ
|f′(p)| |ξ| 曲線Kの点pにおける単位接線を
ξˆ= ξ
|ξ| (2.65)
で定義すれば曲率κのf による像は次で与えられることになる。
˜ κ= 1
|f′(p)| (
Im [
f′′(p) ˆξ/f′(p) ]
+κ )
=Im [
f′′(p) ˆξ f′(p)|f′(p)|
]
+ κ
|f′(p)|
2行目の式の第2項は平面がR倍の引き延ばしがあったとき、半径r= 1/kの円が半径r′=R/κに写るこ とを表している。第一項の存在は元には曲率がなくても写像には曲率が現れてくることを示している。そこで
k( ˆξ) =Im [
f′′(p) ˆξ f′(p)|f′(p)|
]
K= if¯′′
f¯′|f′| とおき、Kを複素曲率とする。これによって
κ( ˆξ) =K·ξˆ+ κ
|f′(p)|
この複素曲率Kのイメージを与えていこう。次のように複素平面で直交する成分にわける。
K=K1 +i K2 (2.66)
これは図のように複素平面でのベクトルを表し、成分K1, K2の単位ベクトルをe1, e2とするとこれらのf による像は図右のように円周上に写され、直交関係を保つ
.
K2
e1 K1
f(e1) f(e2)
図2.35: 単位ベクトルの直交関係は保たれる
さらに複素空間でこのKの方向にはf による変換において回転の最大となる向きであり、この回転角が式 2.61の最大値に等しいことが次からわかる。
これをみるために複素平面上のベクトルを任意の方向に平行移動し、f による像がどうなるかを次の図に 示す。
f
. K 㹼
図2.36: ベクトルの平行移動 Kの方向についてはξがこの方向にあれば次が成り立つとして
ξ∝K (2.67)
式2.60によるχ, Kの定義から
χ∝f′′K∝ i
f¯′ ∝if′ (2.68)
となる。つまり虚軸方向にf′だけ移動しているのでその像は最大の回転をなす。
さらにこれとπ/2だけ回転した方向については|f′|の増加、すなわち伸縮度の増加が最大になるので図のよ うに各位置のベクトルは写されるわけである。
以上からQが無限小のベクトルである時、解析写像f の像をQ˜とするとQが複素曲率Kの方向に動くと Q˜はもっとも速く回転するがその長さは変わらない。逆にQが−iKの方向に動く時は回転はしないがその長 さがの引き延ばしは最大になる。
これらは式で表すことができる。回転についてはQが任意の方向ξˆに動くとQ˜の回転の割合をRとすると
R=K·ξˆ (2.69)
この最大値がQがKの方向を向いた時に最大になる。
同様に伸縮については大きさの割合をSとするとKとξˆのなす角をθとすると
S=K·ξsinθˆ (2.70)
S = ˆξ×K (2.71)
とかける。
この過程において点pからξが微小変化したζが変換先で2次の微分係数であるσを引き出していることに なる。