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x dxr

3.4 コーシーの積分定理

となるから円弧の部分は ∫

C1

z¯zdz=ia3

π 0

e=2a3 また、実軸の部分はz= ¯z=xとおけるから

C2

z¯zdz=

a

a

x2dx=2 3a3

よって I

C1+C2

z¯zdz =4 3a3 を得る。また、半円の面積Sも

S = 1

2i I

C

¯ zdz

= 1

2i {

i

π 0

a2+ 0 }

= 1

2i

{iπa2}

=πa2 2 となるので重心

zG = 1 2iS

∫ ∫

D

z¯zdxdy

= 4ai 3π

となる。これはi軸を実y軸とみなせば半円剛体の重心である。

となる。このコーシーの積分定理から閉曲線を図左のようにC1, C2に分割したときに領域D内で正則であ れば

D

A B

C1 C2

D

A B

C1 C2

D

C3 C2 C1 Ț ̓

Ț

Ț

Ț

Ț ̓ Ț ̓

図 3.3: 中央は単連結にならない、しかし右図のように切り込みを入れて単連結領域をつくれる。

I

C1

f(z)dz= I

C2

f(z)dz (3.20)

が成り立つ。このような領域は単連結である、。しかし、図中央のように領域内で正則ではない部分がある と積分値は異なる。

I

C1

f(z)dz̸= I

C2

f(z)dz (3.21)

このような領域は単連結ではない。しかし、図右のようにγnの切れ込みを入れるとDの内部は穴が取り除 かれ単連結になる。

このような領域はn+ 1重の多重連結領域という。

つまりn個の切れ込みでと外の領域(これをC0としよう)が結ばれるのでn+ 1となるわけだ。

ここで次のような疑問が出る「外部領域C0がなかったらどうか」ということである。球面のように完全に 閉じてしまって外のない世界でればどうなるかということである。

この時

C0→ ∞

として立体射影の極のように考えることに対応する。次節の留数の図3.6.3で見るように無限遠とは向きが 反対のループがあることに対応する。つまり無限遠点があればこの点からはDのループは反対向きになる2重 連結として考えればよい。無限遠点がDの内部にあれば単連結なので式3.16が成り立ち、多重連結であれば かわりに式3.20が成り立つ。

㻯㻝

㻯㻞 㻯㻞

㻯㻜

図3.4: C2に対してC1は同じ向きだがC0は反対向きになる。

従って多重連結をC0を含めて

D∪

n j=0

Cj (3.22)

で表現し、この領域で正則であれば次が成り立つ。逆回転をC1として I

C0

f(z)dz=

n j=1

I

Cj1

f(z)dz

が成り立つ。よってコーシーの積分定理は領域の連結性に注意しないといけない。式3.16 I

C

f(z)dz= 0 は有界な単連結領域でないと成立しない。しかし式3.20

I

C1

f(z)dz= I

C2

f(z)dz

は式3.22を考慮した多重連結領域でも成立する。連結性こそカギである。

これから有界な単連結領域Dにおいてz0からzに至る経路Cにおいて積分の結果は経路の取り方に無関 係で

F(z) =

C

f(ξ)dξ=

z z0

f(ξ)dξ が成り立つ。これから不定積分 ∫

f(z)dz=F(z) は領域D内で正則である。

3.4.2 積分経路

 このように複素空間での積分は連結性に依存し、興味ある結果を引き起こす。

まず、経路が閉じている場合を考える。複素数zについて関数f(z) = (z−a)nを中心がa、半径rの円周 Cに沿って積分する。

z −a= re f(z) = rneinθ とおくと

dz=ire (3.23)

だから=1の時

C

(z−a)ndz =

0

irn+1ei(n+1)θ

= irn+1

0

[cos ((n+ 1)θ) +isin ((n+ 1)θ)]

= irn+1

[sin ((n+ 1)θ)

n+ 1 +isin ((n+ 1)θ) n+ 1

]

0

= 0 となるからn=1の時のみ値を持ち、

C

(z−a)ndz =

C

1 z−adz

= i

0

= 2πi となる。

では次に経路がとじてない場合を考える。Cはαからβまでの任意の曲線とし、

γを定数としてこれを積分する。区分求積に書き換えて

C

γdz = lim

n→∞

n k=1

γ(zk−zk1)

= lim

n→∞γ(zk−zk1+zk1−zk+· · · −z0)

= lim

△→0γ(zn−z0)

= γ(β−α)

とnを無限大に広げても端点だけで決まることになる。

次にzreに置き換えて

z=re (3.24)

α=r1e1 (3.25)

β=r2e2 (3.26)

とすると

dz=∂z

∂rdr+∂z

∂θdθ=ire+edr (3.27)

を用いて

C

γdz =

θ2 θ1

re+γ

r2 r1

edr

= γr[

e2−e1]

+γe(r2−r1) この時、次のようにr, θを固定すると

C1

γdz = γr[

e2−e1]

+γe(r2−r1)

= γr|r=r1

[e2−e1]

+γe|θ=θ2(r2−r1)

= γ(β−α) または

C2

γdz = γr[

e2−e1]

+γe(r2−r1)

= γr|r=r2

[e2−e1]

+γe|θ=θ1(r2−r1)

= γ(β−α)

としても変わりはない。これは図のようなr, θ空間において複素積分の結果は経路に依存していいないこと を示す。

図3.5: 2つの積分路

次に閉じていない経路でもγが定数ではない場合を考えると各中点をξkとして

C

zdz = lim

n→∞

n k=1

ξk(zk−zk1)

= lim

△→0

n k=1

zk+zk1

2 (zk−zk1)

= 1

2

{zk2−z2k1+z2k1−zk22+· · · −z02}

= 1

2

(β2−α2)

となりやはり端点のみで決定され、積分の結果も実数の場合と同様になる。

また、先と同様に

C

zdz = i

θ2

θ1

r2e2iθ+γ

r2

r1

re2iθdr

= r2 2 |r=r1

[e2iθ2−e2iθ1]

+e2iθ|θ=θ1

(r22 2 −r1

2

2)

= 1 2

(β2−α2) となる。

3.4.3 連結領域

有界な領域D内で正則であれば積分は経路に依存することなく端点[z0, z]で決定できる。これはハミルトン の原理につながる重要な内容である。そこで次で不定積分F(z)を定義する。

F(z) =

C

f(ξ)dξ=

z z0

f(ξ)dξ

これは領域Dで定義された1価関数であり実関数の時のように dF(z)

dz =f(z) (3.28)

を満たす原始関数の1つと考えることができるか見ていこう。

これはD内の任意の2点z, z+ ∆zとして次が無限小にもっていければよい F(z+ ∆z)−F(z)

∆z −f(z) = 1

∆z

(∫ z+∆z z0

z z0

)

f(ξ)dξ−f(z) 2点がD内にあれば

f(z) = 1

∆z

z+∆z z0

f(z)dξ とすることができるので右辺は大きさで考えれば

F(z+ ∆z)−F(z)

∆z −f(z) = 1

∆z

(∫ z+∆z z0

z z0

)

f(ξ)dξ−f(z)

= 1

∆z

z+∆z z0

{f(ξ)−f(z)}dξ

= ϵ

とすることができる。よって3.28が成り立つのでF(z)は原始関数の1つである。

重要な例を1つ示そう。f(z) = 1/zは原点で正則ではない。従ってここを除く方法をとると、先の議論から 有界な正則領域は2重連結になる。

次の図のように複素平面の負の実軸に沿って原点から無限遠まで切れ目をいれる。すると単連結領域−π <

argz <+πにおいて正則になる。

㼕 䃗

㼕 䃗

図3.6: 原点から負方向に切れ目を入れると単連結領域−π <argz <+πにおいて正則になる この積分路に従い次の不定積分を求める。この積分は閉じていない。

F(z) =

C

1 ξdξ=

C1+C2

1 ξdξ =

z 1

1 ξdξ ここで次のように角度と半径を別々に固定できるように、z=reとおく。

C1に沿ってはr= 1を固定しξ=eとおき、C2に沿ってはθを固定するのでz=ρeとして = iξdϕ

dz = e

とすると

F(z) =

θ 0

idϕ+

r 1

ρ

= + logr

= iargz+ log|z|

= logz

となり、対数が複素平面で自然に定義できる。F(z)は原点z= 0と負の実軸上を除いた領域で正則になる。

3.4.4 コーシーの積分公式

連結という性質から複素関数は面白いことに積分や級数で表したほうが本質を見やすい。

f(z)が単連結領域Dで正則であればD内に点zを囲む任意の閉曲線をCzとすると f(z) = 1

2πi I

cz

f(ζ)

ζ−zdζ (3.29)

が成り立つ。これをコーシーの積分公式という。これは次のように示すことができる。

図のようにCzの内部に点zを中心とする小さな円周γz:|ζ−z|=rをとる。

図3.7: 2重連結領域

ζの関数f(ζ)/(ζ−z)はDからζ=zを除いた2重連結領域で正則になる。従って次のように各和をとるこ とができる。

I

Cz

f(ζ) ζ−zdζ =

I

γz

f(ζ)

ζ−zdζ=f(z) I

γz

1 ζ−zdζ+

I

γz

f(ζ)−f(z) ζ−z 円周γz上の点を

ζ=z+re とすると

=ire= (ζ−z)idθ

とおけるので第1項について I

γz

1

ζ−zdζ = I

γz

1

ζ−z−z)idθ

= I

γz

idθ

= 2πi

またf(z)の連続性から半径rを小さくしていくと|ζ−z|=r→ |f(ζ)−f(z)|< zだから 1

2πi I

Cz

f(ζ)

ζ−zdζ−f(z) =

1 2πi

I

γz

f(ζ)−f(z) ζ−z

1 2πi

I

γz

f(ζ)−f(z) ζ−z

|dζ|= 1 2πi

I

γz

f(ζ)−f(z) r

rdθ

< ε

0

=ε とすることができる従って式3.5から

ε→0

とみなせて式3.29が成り立つ。さらに高次導関数もまた、次のように積分表示できる。

f(n)(x) = dnf(z) dzn = n!

2πi I

Cz

f(ζ)

−z)n+1 (3.30)

コーシーの積分定理の逆を考えると

f(z)は有界な領域Dにおいて連続とする。D内の単純閉曲線Cについて常に I

C

f(z)dz= 0 (3.31)

が成り立てばf(z)は領域Dで正則になる。これをモレラの定理(Morera’s law)という。

また、次の関係をコーシーの評価式という。

f(z)が|z−z0|で正則でかつ正の定数M に対し、|f(z)| ≤M である時、

f(n)(z0)≤n!M

Rn (3.32)

が成り立つ。これは式3.30から次のように示すことができる。大きさをとり、円周Cz :|z−z0|=Rとす ると

f(n)(z0) n!

2π I

Cz

|f(ζ)|

|−z)|n+1|dζ|

n!

M

|R|n+1 I

Cz

|dζ|= n!

M

|R|n+1

0

Rdθ=n!M Rn またこれから有界な関数は定数になる。これをリュウビルの定理(Liouville’s law)という。

先の式においてn= 1とおくと

f(z0)≤M/R ここでR→ ∞とすると

f(z) = 0 (3.33)

すなわりf(z)は定数になる。

f(z)がD内で正則であるとする。D内の1点z0に収束する無限点列を{zn}とする。

f(zn) = 0 であるならばDにおいて

f(z)0 (3.34)

となる。これを一致の定理という。

また恒等的に定数ではない正則関数f(z)に対して|f(z)|はDの内部で最大値に達することはない。特にD が有界でf(z)がDの境界Bを含む有界閉領域D¯ =D∪Bで連続ならば|f(z)|の最大値は境界B上でとる。

M ax[|f(z)|]on ∂D (3.35)

これを最大値の原理という。

この内容は次のように背理法で示すことができる。Dの1点a|f(z)|は最大値Mをとったとする。aとD の境界Bとの距離をdとするとコーシーの積分公式から次の平均値の定理が示される。z−a=reとおけば

f(a) = 1 2πi

I

|za|=r

f(z) z−adz

= 1

0

f(a+re)dθ (0< r < d) (3.36) 両辺の絶対値をとれば

M =|f(a)| ≤ 1 2π

0

|f(a+re)|dθ≤M (3.37) この式が成り立つためには|z−a|=rの円周上で常に|f(a+re)|=M|でなければならないがr: 0< r < d は任意であるので|z−a|< dにおいて|f(z)|=M となる。これはリュウビルの定理によればf(z)は定数で なければならない。しかし、これは仮定に反する。

次にf(z)は有界閉領域D¯ で連続だからどこかで最大値をとらなくてはならないが上記の結果から境界B上 でしかとれないことになる。