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前節の結果である式2.83は4元数を用いることにより、簡潔に表現できる。

複素数を拡張し、4つの基底ベクトルを1, I, J, K とおく。

I2=J2=K2=1 (2.84)

IJ =K=−J I, J K=I=−KJ, KI=J =−IK (2.85) を満たす時これをハミルトンの4元数という。。またこれらの基底からベクトルV

V =v1I+v2J+v3K とおくと1を単位ベクトルとして4元ベクトルは

V =v1+V

と表す。もしv= 0であればこのVは純虚数に対し、純4元数と呼ぶこともある。もう一つの4元数Wを 持ってくると式2.85から歴史的初めてにドット積とクロス積を共に表した次の関係式が得られる。

V =v1+V

W=w1+W

VW=vw−V ·W+vW +wV +V ×W (2.86)

さらにV,Wは共に純4元数であればこれは次のように単純になる。

VW =V ×W−V ·W

ここで、3つの基底ベクトルをI, J, K について半回転を考える。式2.83からθ=πを代入すると

[Rπv] = (

in −m+il m+il −in

)

(2.87)

1 = [

1 0 0 1

] , I=

[ 0 i i 0

] , J=

[ 0 −i i 0

] , K=

[ i 0 0 −i

]

(2.88) これは2.85の条件を満たす。これを用いると式2.83は次のように簡潔に表現できる。

RθV =1cos(θ

2) +V sin(θ 2) V =lI+mJ+nK

これによって例えばiの周りにπ/2jの周りにπ/2、の回転は次のようになる。

Rπ/2j ◦ Rπ/2i = 1

2(1 +J) 1

2(1 +I)

=1

2(1 +J+I−K)

つまりこの解釈は次の単位ベクトルを軸としてθ= 2π/3の回転である。

v= 1

3(i+j−k)

以上により3次元空間での位置ベクトルP の回転RθV の結果Pに移されたとすると P=RθVPRVθ

を考えればよい。

また図のような3つの回転は

ȟ ȭ

図 2.41: 回転

w→w→w′′→w′′′

合成の結果pˆまわりの回転

w→w′′′

Rθpˆ =Rϕaˆ◦Rθpˆ◦Rˆaϕ であり4元数では

RθP =RϕVRθPRVϕ と表すことができる。θ=πの時が半回転は単純に4元数を表す。

2.12 擬球

曲率が負である場合をここでは考察する。曲率が1/Rになるような曲線は図のようなトラクトリクスと いう。

これはY軸への接線の長さが常にRになるような曲線である。

X =Reσ/R (2.89)

図 2.42: tratrix この時、図の三角形の相似から次の式が成り立つ

dx =−R

x (2.90)

この曲線トラクトリクスをY軸の周りに回転させてできる立体を半径Rの擬球という。

そこでこの半径Rの擬球のガウス曲率を求めよう。

o

r’

r

A B C

R Q

P

S

o

P

r S r’

図2.43: 擬球の曲率

図のように擬球の母線上の点Pでの曲率半径をrとし、この半径を延長しY軸との交点をOとして線分 OP の長さをrとおく。すると点Pで中心をOとSに持つ半径rrの2つの直交する円が図右のようにか ける。ガウス曲率kの定義から

k= 1 rr ところが図のの角度は等しいので三角形の相似から

AC R = P Q

r AC QP = R

r

また、無限小の変化を考えればP A=QB=RなのでQP =BCである。角BCAと角APOがともに直角 であるので微小変化では三角形ABCは三角形OAPと相似になる。よって

r R = AC

BC = AC QP = R

r これから

k= 1

rr = 1 R2 となりガウス曲率の式が得られる。

下図のように擬球の軸周りの角を0≤x≤2πとしてトラクトリクスの母線に沿う弧長をσとおく。この2 つは座標として用いて擬球上の座標(x, σ)をユークリッド平面に写す写像yを考える。ユークリッド平面の座 標(x, y)を複素数zとみなす。

座標(x, σ)を通るσが一定な半径Xは式2.90から dX

=−X R logX =−σ/R+C 底辺ではσ= 0でX =Rとなるので

X =Reσ/R R= 1とすると

X =eσ

等角な写像であるとすればσ=一定とx=一定な直線はどちらの地図上でも直交しているのでσ=一定の像 はy(σ) =一定に移ると考えられる。

また擬球上でp(x, σ), q(x+dx, σ)を結ぶ曲線の弧の長さはdxが角度、Xが半径のようにふるまうからXdx であり、同じ高さにあるので擬球から平面に写すとこの2点はdxだけ離れているので1/X倍される。式2.77 から次のように計量が定まる。

dsˆ =Xds (2.91)

図のように擬球上の高い位置で直径ϵの無限小円板を考える。地図上では直径がϵ/Xとなるので地図上では 図のようにy軸の下に向かうと直径は小さくなる。

σ= 0ではX = 1となるので等倍である。よって地図上では

=Xdy dy

= 1 X だからσ= 0でy= 1として

y=eσ (2.92)

を得る。よってこの地図では

dsˆ =Xds=

dx2+dy2 y

という計量であることがわかる。さらに擬球上での面積Sˆとすると dSˆ= dxdy

y2 (2.93)

という関係がある。

x dx