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7 調和関数 [57]

7.3 境界問題

図7.3: 半円上で特異点を迂回しての積分は0になる。

電場の関係式7.28に戻ると。これは実軸では光の分散をみることになるが虚軸では光の吸収を見ていること に対応する。分極が電場が与えられてから生じる因果関係を示している。

図 7.4:

v(x) =u(x)−M−ϵ(R2− |x|2)

V¯ の範囲内にあればR2≥ |x|2であり、MS上の最大値であるからこのv(x)S上で常に負である。

さらに内部においても、もし、v(x)が開領域V 内で正になるとすれば端点が最大ではないので uは有界だからV 内のある点x0で正の極大値をとることになる。

x0で極値をとるとすると

∂v

∂x =∂v

∂y = 0, 2v

∂x2 0,2v

∂y2 0 が成り立つから

2v≤0 でないといけない。しかし、x0

2u= 0, 2r2= 4 だから

2v≥4ϵ >0 であり、矛盾する。よってv(x)が領域V 内では負である。

u(x)≤M +ϵ(R2− |x|2) となりϵ→0とすれば

u(x)≤M がいえる。最小値についても同じように証明できる。

この最大値の原理を利用してラプラス方程式のディリクレ問題の解の一意性を考えよう。

まず内部については

u(x) =u1(x)−u2(x)

とおくとuV で調和かつV¯ で連続であり、S上でu= 0だから最大値の原理から m=M = 0

である。よってV¯ においてu= 0である。よって u1=u2

であり、解は一意である。

次に外部について次の正則性の条件を付加する。|x| → ∞において

ˆ 3次元の場合:u(x)0

ˆ 2次元の場合:u(x)→Const

この条件を付加することは外部ディリクレ問題を内部ディリクレ問題に変換することができる。

7.3.1 複素領域

与えられた関数f, gは境界S上で連続である。また、ディリクレ問題に対してはu(x)が、ノイマン問題に対し ては ∂u

∂nが境界を含めて連続でなくてはいけない。具体的に円Cに対する内部ディリクレ問題はx=rcosθ, y= rsinθとして次が成り立つことである。

2u

∂r2 +1 r

∂u

∂r + 1 r2

2u

∂θ2 = 0

これはurθとの関数に分離して解くことが多いがDirichlet問題の解法の1つは複素数に拡張する方 法がある。

複素領域Dで正則な関数f(x)を実数部Re[f(x)]が境界Cで与えられた値をとるように決めれることがで きる。そこで図のように向きを持った境界C上の点P(x, y)での接線微分をds、内法線微分をdnとすると複 素表示で直交性から

nx+iny = i(sx+isy) nx = −sy

ny = sx

であり、また

∂s = sx

∂x+sy

∂y

∂n = nx

∂x+ny

∂y

= −sy

∂x +sx

∂y (7.35)

が成り立つことになる。

D P

s

C

n

iy

x

図 7.5: 閉曲線C上の法線ベクトルと接ベクトル

そこで領域D内で正則な関数

f(x) =U(x, y) +iV(x, y) (7.36)

を定義するとIm[f(x)]はU(x, y)に共役な調和関数である。よってコーシー・リーマンの関係から正則であ るためには

∂U

∂x = ∂V

∂y

∂U

∂y = ∂V

∂x が成り立つので式7.35より

∂U

∂s = ∂V

∂n

∂U

∂n = ∂V

∂s

と書き換えることができる。領域Dの境界C上で∂U/∂nが与えられているときにU に共役な調和関数V を考えればこの式から∂V /∂sが与えられる。C上に1点P0をとり、そこからC上の任意の点P(x,y)まで境 界Cに沿った積分

V(x, y) =

P P0

∂V

∂sds (7.37)

によりV の値はC上の各点で決まる。したがってD内の調和関数V はCのディリクレ問題として求まる ことになる。ノイマン問題の解U はこのV を代入したコーシー・リーマンの方程式を積分すればいい。

よってノイマン問題は結局ディリクレ問題に帰着する結論が得られる。

境界Cで虚数部Im[f(x)]が指定された値をとるように領域Dで正則な関数Re[f(x)]を決定するのがノイ マン問題であるといえる。

複素関数によりその実部、虚部がディリクレ問題とノイマン問題を決めるわけである。

例としてz=x+iy平面上の有界単連結領域Dで調和な実数関数U(x, y)が与えられた時、DでU に対す る1価な共役調和関数を求める。

D内の任意な境界Bで囲まれた領域をKとすると I

B

(Xdx+Y dy) = 0 (7.38)

が成り立つ。そこで

X =−∂U

∂y Y = ∂U

∂x とおくと式3.6からGreenの定理3.10を用いて

I

B

(

−∂U

∂ydx+∂U

∂xdy )

=

∫ ∫

K

∇U dxdy= 0 (7.39)

が成り立つ。故にD内に定点Q0と任意の点Qをとると次の積分は途中の経路によらない。よって積分

V(x, y) =

Q(x,y) Q0

(∂U

∂xdy−∂U

∂ydx )

(7.40)

は変数(x, y)の1価連続な関数で例えばxのみの変分をとると

V(x+dx, y) =V(x, y) +

x+dx x

(

−∂U

∂y )

dx (7.41)

とおける。これから

∂V

∂x = lim

dx0

V(x+dx, y)−V(x, y) dx

= lim

dx0

1 dx

x+dx x

(

−∂U

∂y )

dx

= −∂U

∂y が成り立つ。同様にyのみの変分を考えれば

∂V

∂y = ∂U

∂x (7.42)

となる。この結果からDでRe[f(x)] =U(x, y)を満たす1価正則関数は

f(z) =U(x, y) +i

Q(x,y) Q0

(∂U

∂xdy−∂U

∂ydx )

(7.43) となる。