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Unicode の IVS 対応

ドキュメント内 EUR システム設計ガイド (ページ 150-155)

(3) COBOL

4.11  Unicode の IVS 対応

4.11.1 IVS とは

同じ意味の漢字文字の異体字(字形が異なる字)を表現できる仕組みで,ISO/IEC 10646 で規定されて いる Unicode で実装されています。漢字(基底文字)を表すコードの直後に,異体字セレクタと呼ばれる コードを付加することで,その漢字の異体字を表現します。

また,漢字を表すコードを基底文字と呼び,基底文字と異体字セレクタを並べた文字符号列を「IVS」

(Ideographic Variation Sequence)と呼びます。IVS(基底文字+異体字セレクタ)の文字コードは,

「U+hhhh;U+E01hh」(h は 16 進数)の形式で表現します。

異体字セレクタによって,同一文字コードの漢字文字(基底文字)の異体字(基底文字+異体字セレクタ)

を表現する例を次に示します。ここでは,IPAmj 明朝フォントを使用した場合の「葛」(U+845B)の例 を示します。

■基底文字「葛」の異体字(基底文字+異体字セレクタ)の例

• 基底文字(U+845B;異体字セレクタなし)

• 基底文字+異体字セレクタ(U+845B;U+E102)

注※

異体字セレクタのコード,および使用するフォントによって,ほかの異体字も存在します。

基底文字と基底文字+異体字セレクタは,文字の意味で分けた場合は同じ文字を差しますが,文字の字形 で分けた場合は異なる文字となります。

4.11.2 帳票出力時の異体字セレクタの扱い

EUR Server では,文字コードが UTF-8 または UTF-16 で,IVS の異体字に対応しているフォント

(IPAmj 明朝フォントなど)を使用している場合,Windows 環境の帳票サーバでの印刷および EPF 形式 ファイル出力で,Unicode の IVS(基底文字+異体字セレクタ)で表現される漢字文字の異体字に対応し ています。

(1) 文字間隔

• 10-20 より前のバージョンの場合

• 10-20 以降のバージョンの場合

異体字セレクタを含めて 1 文字として扱います(異体字セレクタは文字間隔に影響しません)。

(2) 桁数

• 10-20 より前のバージョンの場合

異体字セレクタを 1 文字として扱います。

• 10-20 以降のバージョンの場合

異体字セレクタを含めて 1 文字として扱います(異体字セレクタは桁数に影響しません)。

(3) 折り返し位置

• 10-20 より前のバージョンの場合

基底文字と異体字セレクタの間に折り返しが存在する場合,異体字セレクタの前で折り返しを行いま す。この場合,異体字セレクタは,折り返した行の先頭文字となり,空白や「□」などで印字または出 力されます(フォントが不正な文字を指定した場合と同様です)。印字または出力される文字は,使用 しているフォントに依存します。

• 10-20 以降のバージョンの場合

基底文字と異体字セレクタの間に折り返しが存在する場合,異体字セレクタを含めて 1 文字として扱 い,異体字セレクタの後ろで折り返しを行います(異体字セレクタは折り返し位置に影響しません)。

(4) 任意書式

• 10-20 より前のバージョンの場合

任意書式を指定した書式記号から印字する文字を置換する場合,異体字セレクタを 1 文字として扱いま す。この場合,異体字セレクタは空白で印字または出力されます。

• 10-20 以降のバージョンの場合

任意書式を指定した書式記号から印字する文字を置換する場合,異体字セレクタを含めて 1 文字として 扱います(異体字セレクタは任意書式に影響しません)。

(5) 区切り

• 区切り文字(CSV 形式)

異体字セレクタは区切り文字に影響しません。

• 区切り位置(FIX 形式)

IVS(基底文字+異体字セレクタ)などの文字コードの長さが,見た目のデータの長さと異なる場合も 考慮した上で,すべてのレコードの,フィールドの開始位置とデータ長が固定となるデータを作成して ください。作成したデータが想定しているデータ長を超えると,意図しない文字が印字または表示され る場合があります。

4.11.3 IVS の対応範囲

EUR Server では,文字コードが UTF-8 または UTF-16 で,IVS の異体字に対応しているフォント

(IPAmj 明朝フォントなど)を使用している場合,Windows 環境での印刷および EPF 形式ファイル出力 などで異体字に対応しています。

(1) サーバ環境での動作

EUR サーバ帳票出力機能での IVS の異体字の動作を次に示します。

(a) 入力

次に示す範囲で異体字の入力に対応しています。

• 帳票上の固定文字の文字列

• データファイル中で帳票上の文字データとして扱われる文字列

• 上記の文字列との比較または置き換えに使用される文字列(アイテムの表示条件,置き換えデータ,ス プールデータの EPF 形式ファイル名での検索など)

(b) 出力

Windows 環境の場合,次に示す範囲で異体字の出力に対応しています。

■印刷

• Windows 対応プリンタでの出力

■ファイル出力

• EPF 形式ファイル

• ファイル出力※1

• EPF 形式ファイルの印刷※2

• EPF 形式ファイルの表示※2

• EUR 形式ファイル

• ファイル出力※1

• EUR 形式ファイルの印刷(EUR サーバ帳票出力機能)※2

• PDF 形式ファイル

• ファイル出力(フォント埋め込み)※1, ※3 注※1

注※2

ファイル出力時に使用した IVS に対応するフォント(IPAmj 明朝フォントなど)が必要です。

注※3

• 異体字を埋め込んだ PDF 形式ファイルの表示および印刷時に,異体字に対応するフォントは不要で す。

• PDF 形式ファイルに埋め込んだ異体字の検索は,Adobe Reader の機能に従います。

• スプールデータからファイル取得した PDF 形式ファイルは,IVS の異体字に対応していません。

(2) クライアント環境での動作

EUR 帳票作成機能および EUR クライアント帳票出力機能での IVS の異体字の動作を次に示します。

(a) 入力

文字コードが UTF-8 または UTF-16 で,異体字に対応しているフォント(IPAmj 明朝フォントなど)を 使用している場合,異体字を入力して表示できることがあります。

(b) 出力

クライアント環境での帳票の印刷およびファイル出力は,IVS の異体字に対応していません。

EUR 帳票作成機能および EUR クライアント帳票出力機能(apgrpt コマンド,eurer コマンド)では,

IVS の異体字セレクタが 1 文字としてカウントされ,異体字セレクタが空白で印字または出力されます。

IVS の異体字に対応したフォント(IPAmj 明朝フォントなど)を使用している場合,IVS の異体字は印字 または出力されますが,異体字の後ろに空白が印字または出力されます。IVS の異体字に対応したフォン トを使用していない場合は,異体字の代わりに基底文字が印字または出力されます。

異体字の後ろに空白が出力される例を次に示します。ここでは,IPAmj 明朝フォントを使用した場合の例 を示します。

■基底文字「葛」の異体字(基底文字+異体字セレクタ)の出力例

• 入力文字列

• 出力文字列

4.11.4 注意事項

IVS(基底文字+異体字セレクタ)で表現される漢字文字の異体字を,印刷またはファイル出力する場合 は,異体字セレクタに対応したフォント(IPAmj 明朝フォントなど)を使用してください。対応するフォ ントが存在しない場合は正しく表示されません。

メモ

IVS の字形一覧は,Unicode コンソーシアムから IVD(Ideographic Variation Database)

として公開されています。IVD には,IVS を利用する社会や目的ごとに,区別すべき字形と IVS の対応関係の集合(コレクション)が登録されています。コレクションごとに異体字セレ クタのコード範囲が異なっており,IVS を利用できるフォントごとに対応するコレクションが 異なります。

IVS を利用できるフォントと対応するコレクションの対応,コレクションと異体字セレクタの コード範囲の例を次に示します。

表 4‒27 IVS を利用できるフォントと対応するコレクション

フォント 対応するコレクション

IPAex フォント Adobe-Japan1

IPAmj 明朝フォント Hanyo-Denshi,Moji_Joho

表 4‒28 コレクションと異体字セレクタのコードの範囲(基底文字「葛」の場合)

コレクション 異体字セレクタのコードの範囲

Adobe-Japan1 U+E0100〜U+E0101

Hanyo-Denshi U+E0102〜U+E0109

Moji_Joho U+E0102〜U+E0108

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