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T P S における f 在庫低減」とは

ドキュメント内 T P S   (トヨタ生産システム)と会計評価 (ページ 165-169)

1 在庫の種類

図表 50は 、 製 造 業 の 一 般 的 な 製 造 現 場 で 見 ら れ る 様 々 な 在 庫の種類を 、 在 庫のでき 原 因 別 に 整 理 し 、 そ れ ぞ れ の 在 庫 を 減 ら す た め に 必 要 な 手 段 に つ い てとめた も の で あ る。

在 庫 の 種 類 在 庫 が で き る 原 因

※ジャスト・イン・タイムになっていない

①  材 料 在 庫 仕入品(購入品)が多い

②  工程 内 在 庫 工程内の流れの中に、ムダがある (仕掛品)

③  工程 間在庫 ロット生産・工程ごとの能力差 (仕掛品) 工程が分断、 離れている

=

争ものの流れができていない

④  非 常 用 在 庫 保管ルール(期限・明示方法)不明確

=争陳腐化リスク

⑤  運 搬 待ち在 運搬回数が少ない・大ロット運搬

※そもそも、その運搬は必要か?

⑥  死蔵品 何のための在庫であるのか不明 必要なものかどうかが不明

図表50 在庫の種類と原因・低減手段 資料出所:筆者作成

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在 庫 低減 のた め に 必 要な手 段

発注点管理・購入リードタイム短縮 工程の流れ改善をする

工程分析をして、 ひとつずつ、つぶしていく 一個流し・標準手持ち・レイアウ 変更タクト イム生産・後程引取り(かんばん)・最適ロツ

=争標準化・整流化・平準化・同期化

ールを定め 保管期限・責任者等を明示する

=争先入先出しで常に入れ替え

※安易な安心値としての在庫を持たない 運搬手段検討=宇多回数・小ロット運搬

※全ての運搬はムダという思想が基本 赤札作戦(視える化)=争処分

死蔵品のリ化=発生させない『しくみJ

在庫は、まず、工程の流れの各段階で、少なくとも、何のためのものかが判明するいわ ゆる「在庫J(① ⑤)と、すでに、何のためのものかが判明しない、「死蔵品J(⑥)に大 別できる。

i   ‑ t

図表

5 1

工程の流れと在庫の所在例 資料出所:筆者作成

ゆ 君 主

C 工 程

時間当り 処理陸カ

10個/1H 

‑ t = 

さらにこれらを、工程の流れの中に示しているのが、図表51である1)(① ⑥の分類は、

図表50と共通)。これらのうち、① ⑤は、目的がはっきりしている在庫である。それら を細分化すると、まず①は、工程に投入される前の在庫であり、伝統的原価計算において は「材料勘定」にあたる。②と③は、工程内と工程外にそれぞれ滞留している在庫である。

滞留している場所は異なるが、会計上でいえば、いずれも「仕掛品勘定」にあたる。⑤は、

製品としては完成しているが、出荷前のものであり、「製品勘定」に相当する。また、④は、

製造途中での、何らかの異常時に対応するための在庫であり、予備的な性格を持つ。勘定 科目としては、「材料JI仕掛品JI製品」のいずれにおいてもあり得る。

⑥の死蔵品に関しては、その意味が異なってくる。これは、ただちに処分されるべきも のであり、会計的には、近い将来、「廃棄損」として計上されることになるものである。

2  r

ものと情報の流れ」の重要性

在庫の種類によって、その発生要因、また、それらを低減するために必要な、 TPS上の 手法は様々である。その中で、共通項を見出すならば、ものがつくられてし1く過程に、「流 れ」をつくるという点である。

TPSは、「ものと情報の流れJを重視する。しかもそれは、流れにしたがって、付加価値 が付け加えられていく「価値の流れ」でなければならず、さらに、その流れは、顧客価値 からはじまるものでなければならない。つまり、お客様が欲しいものを、欲しい時に、欲

しいだけの量で提供できるのが「あるべき姿Jなのである。

したがって、通常の製造における時系列的な流れでいえば、その最終到達地点である「顧 客価値」が、価値連鎖に関してはその起点になる、ということになる。 TPSの基本概念の ひとつで、ある、「後工程引き取り (ブワレシステム)Jというのは、実は、ものの流れだけで はなく、この、「イ面値のフ。ノレシステムJ2)という上位概念に包括される。そして、これらの スムーズな流れをつくりだすために、当該企業の状況、レベルに応じた、標準化・整流化・

平準化・同期化などが必要となってくるのである3)

r

在庫を減らす

J

と「在庫が減る

J

図表52は、「在庫低減」を、その目的によって、整理したものである。ひとくちに「在 庫低減」といっても、目の前の「在庫」という「もの」を処分する= I在庫を減らす」と いう意味と、そのような直接的な処分ではなく、あくまでも、 TPSの改善の結果、工程内 外の「在庫が減っていく」という意味の両方があることに留意しなければならない。

図表52における①、②は、ともに、「在庫を減らすJものであるが、これらは、持って いる意味が大きく異なる。一般に、 TPSを導入した企業において、初期段階で在庫を大量 に処分したため、結果として、その会計年度において、多額の廃棄損を出す、というのは、

①のケースに相当する。しかしこれは、あくまでも一時的な、特殊な処置である。したが って、会計上は、営業外損益ではなく、特別損益に計上されることもあり得る。いわば、

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過去における、負の遺産を整理する、という状況である。

施 工程改善の結果、

滞留がなくなる

図表

5 2 r

在庫低減j の意味と改善手段・効果 資料出所:筆者作成

麓争力強化

=キ将来キャッシュ・

イン・フロー増加

製造途中であれ、製造後であれ、 放置された在庫は、常に陳腐化リスクを伴い、将来に おいて、「評価損」を計上する可能生を内包するが、ここでは、その段階にとどまらず、全 額が「廃棄損」として計上されるということになるのである。

ここで重要なのは、これが、あくまでも、緊急避難的手段だという点である。 TPSでは、

このような処理をする場合には、同時に、これ以降、同じことを繰り返さなくてすむよう に、「死蔵品をつくらないしくみづくり」をする。そのためにも、標準手持ちなどの在庫管 理のしくみや、工程改善の実施による、ものの滞留をなくす努力が必要とされるのである。 もうひとつ、②のケースは、工程の流れをつくる中で、必要最低限の在庫数を決め、そ れ以外のものを減らす、ということを意味する。この場合は、必ずしも、もの自体を処分

する必要はなく、それらの在庫が工程内で使われ、次工程へ流れていくまで、上流の生産 をストッフOする、などという手段を取ることも多い。したがって、「廃棄損」という、会計 上の損失は必ずしも発生しない。

ケース③は、さらに、工程内での様々な改善活動の結果、ものの流れがスムーズになり、

滞留がなくなった結果、工程内外の在庫が自然に減ってくることを意味する。すなわち、

②および③、特に③こそが、 TPSの改善過程で重要、かつ、どこまでも高低続、発展させて いくべき「在産低減」であるといえるのである。

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