第 4 章 民間企業運営大規模直売所の価格政策
第 2 節 T 直売所の概要
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社敷地内に店舗を開設した。2012年10月には新潟市にT直売所2号店を開設している。
直売所の設立目的は、農業資材の顧客農家の所得増を図ることで本業との相乗効果を生み 出すことと新規事業の育成である。直売所事業は現金ビジネスで、在庫リスクもなく、リ スクが少ない事業であるとのメリットも合わせ持つため、魅力的な新規事業であった。
T直売所の運営方針は、①農家の販路を増やし、再生産につながる価格設定をする、② 直売所事業の採算を確保して新規事業として育成することの2点である。①の価格設定方 針から、生産者は農業資材購入顧客の中から専業農家を重点に個別に勧誘したため、T直 売所の生産者は専業比率が高く優良農家(良品・高スキルを持ち、技術向上に熱心)が多 い。また、②の方針に基づいて2006年10月期の2年目から黒字化を達成した。黒字化に は最低2億円以上、2~3億円の売上高が必要との計画どおりであった。
T直売所の概要は、表Ⅳ-1のとおりである。2012年度利用者数16万人(443 人/日)、
売上高3.0億円である。生産者数は当初75人から現在登録ベースで150人、実績ベース では約90人となっている。売場面積は575㎡であるが、自社敷地内にあるため販売能力 以上の広い売場面積となっており、売場面積1㎡当たり利用者数は295人、売上高は52.3 万円と低くなっている。売上構成では生鮮農産物が74%を占める。
表Ⅳ-1 T直売所の概要と売上構成
(出所)T直売所資料、聴き取り調査より作成
(注1)*は2005~2009年度、2009~2012年度。2005年は7カ月営業のため1.7倍で年換算
(注2)売上構成比は、仕入品(31%)の野菜・果物、米等を品目別に括りなおしている。
売上高推移は、図Ⅳ-1のように2005年度~2009年度までは年平均成長率19.8%の急成 長であったが、2009年度を境に横這いに転じ、2009年~2012年度の同成長率はマイナス
2009年度 2012年度 2012年度 売上構成(%)
設立 2005年 野菜 45
売上高(億円) 3.0 3.0 果物 9
年平均成長率*(%) 19.8 -0.3 米 10
売場面積(㎡) 575 花き・花木 10
1㎡売上高(万円) 52.8 52.3 生鮮農産物計 74
利用者数(万人) 17.0 15.9 農産加工品 7
1日利用客数 471 443 肉・牛乳 7
1㎡利用客数(人) 295 277 加工食品その他 12
客単価(円) 1,706 1,798 合計 100
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0.3%に低下した。利用者数は2009年度の17万人(471人/日)から2012年度16万人(443 人/日)に減少しているが、客単価のアップで売上高は3億円前後が維持されている。
図Ⅳ-1 T直売所の利用者数、売上高、客単価推移
(出所)表Ⅳ-1に同じ
(注)2005年度は7カ月営業の数字
図Ⅳ-2 T直売所の売上構成比推移
(出所)表Ⅳ-1に同じ
(注)仕入品の内訳は野菜・果物10%、米10%、一般加工食品10%(2012年度)である。
図Ⅳ-2は仕入品と生産者売上高を分類して売上構成比を示しているが、2012年度の売
87
173
215
255
304 298 312
301
63
110
130
149
170 167 167 159
0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000
0 50 100 150 200 250 300 350
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012年度
客 単 価
(円
) 売
上 高
(百 万 円
)、 利 用 者 数
(千 人
)
売上高(百万円)
利用客数(千人)
客単価(円)
38.2 32.5 33.8 36.2 35.0
10.3
8.8 8.4 8.5 9.0
11.0
10.2 10.2 9.8 10.1
9.3 14.7 15.0 13.7 14.9
32.7 33.8 33.7 32.8 31.1
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
2008 2009 2010 2011 2012年度
売 上 構 成 比
(%
)
仕入品 加工・日配 花き・花木 果物 野菜
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上構成比では生産者売上高が野菜35%、果物9%、花き・花木10%、加工・日配品15%
となっており、仕入品は31%である。2008年度からの生産者売上の品目構成比の推移を みると、野菜が38%から35%に減少し、果物や花き・花木も減少傾向にあり、野菜・果 物、花き・花木の生鮮農産物が2008年度の60%から2012年度54%に減少して、加工・
日配品が9%から15%に増加し、総合化の傾向がみられる。他方、仕入品は同期間31~34%
で推移し、2012年度の品目構成は野菜・果物10%、米10%、一般加工食品10%で、米 は仕入販売の方針と冬期の野菜・果物の仕入れが多いため、生鮮食品の仕入れが多い。