第 9 章 数式処理 / 数値計算ソフトウエア
9.2 Scilab 入門
9.2.2 Scilab の起動と終了
Scilabを起動する
Scilabを起動するには, ktermなどで scilab
←- (9.84)
と入力します. ここに, ←-は
Enterキーを押すことを意味します.
上記のコマンドを実行すると, Scilabが起動し,画面に図9.3のようなウィンドウがあらわれます. 図9.3
図9.3: Scilabの起動画面
の画面に出ている -->
という部分がScilabのプロンプトです. この部分の右側にいろいろなコマンドを打ち込んでゆくことで,
Scilabにいろいろな作業を実行させることができます. ウィンドウ上部には,いろいろなメニューを呼び出
すためのボタンがあります. これらのメニューの使い方についてはこれから順を追って説明してゆきます.
Scilabを終了する
Scilabを終了したいときには, Scilabのプロンプトに続いて
quit
←- (9.85)
と入力します.
9.2. Scilab入門 133
9.2.3 いくつかの例題
Scilabにはウィンドウ上部のメニューから呼び出すことができる豊富な例題が用意されています. ここで
は,例題をいくつか実行してみることにします.
簡単な例題
では,図9.3に示されているDemos というボタンを押す(マウスカーソルをこのボタンに合わせてマウ ス左ボタンを押す)という操作をおこなってみて下さい. すると,画面に図9.4のようなウィンドウがあらわ れます. このウィンドウは, Scilabの各種のデモ(例題)を選択するためのウィンドウです. ここで, Scilab
図 9.4: デモ(例題)を選択するためのウィンドウ
の主ウィンドウの方を見て下さい. すると,ウィンドウ内に
-->exec(’SCI/demos/alldems.dem’); (9.86)
という表示が出ています. これは, Scilabのプログラムが記載されたalldems.demというファイルを実行し ている,という意味です.
では,まず最初に一番上にある“Introduction to SCILAB”というメニューを選択してみましょう. この ためには, “Introduction to SCILAB”という文字の部分にマウスカーソルを合わせてマウス左ボタンを押 します. すると,図9.4のウィンドウは消えてしまいます. 何がおこったのでしょうか?
Scilabの主ウィンドウの方に目を移してみましょう. ここまでの操作が正常におこなわれていれば, Scilab
の主ウィンドウは図9.5のような状態になっています. ウィンドウ内に
図 9.5: デモ“Introduction to SCILAB”が実行されている画面
pause mode: enter empty lines to continue. (9.87) という新しいメッセージが表示されているのがわかるでしょうか?
実は,この状態で,すでにデモ“Introduction to SCILAB”が実行されています. このデモでは,利用者が
Enterキーを押すたびにいろいろな作業が実行されてゆくようになっています. ですから, “enter empty
lines to continue.” (継続するには空行を入力せよ)というメッセージが表示されているわけです. メッセー
ジが英語なので,すこしわかりにくいかもしれません.
では,さっそく
Enterキーを押してみましょう. すると,画面には,
-->// SCILAB OBJECTS (9.88)
という表示が出ます. いささか素っ気ないですが, これからScilabのオブジェクト(変数など)を紹介する よ,ということが宣言されているわけです.
画面を見ながら
Enterキーを数回押し,どのような表示があらわれるか確認してみて下さい. まったく面
白くありませんが,図9.6のような感じでデモが続いてゆきます. ここでは, Scilabの基本的な構文が紹介さ
図9.6: デモ“Introduction to SCILAB”を途中まで実行した画面
れています. ここから,たとえばa という変数に値1を代入するには
a=1 (9.89)
と書けば良いことがわかります.
このデモは退屈なので,とりあえず動作確認ができたところで打ち切ることにします.
デモを中断するためには,
C-c (9.90)
(
Ctrlキーを押しながら
c キーを押す)と入力します. すると,画面左端のプロンプトが
-1-> (9.91)
というふうに変わります. この状態では,先ほどのデモは中断されています. 中断されたデモを継続して実行 することも, 完全に終了することもできるのですが,ここでは完全に終了することにします. このためには, abort
←- (9.92)
と入力して下さい. すると, プロンプトは通常のもの(--> )に戻り, デモの実行は完全に終わります.
描画の例題
続いて, グラフを描く例題をいくつか実行してみます. 再び図9.3に示されているDemosというボタ ンを押して下さい. そして, 画面にあらわれた図9.4のようなウィンドウで, 上から2番目の“Graphics:
9.2. Scilab入門 135
図 9.7: デモ“Graphics: Intro-duction”の選択メニュー
図 9.8: 空白のグラフ描画用ウィンドウ
Introduction”というメニューを選んで下さい. すると,図9.7のような選択メニューと図9.8のような空白
のグラフ描画用ウィンドウがあらわれます. では, さっそく一番上の“plot2d” の部分を押して選択してみ ましょう. すると,図9.9のようなメッセージウィンドウがあらわれます. このウィンドウには,これから実
行されるScilabのコマンドがすべて表示されています. ウィンドウ左下の Okボタンを押すと描画が実行
され,グラフィックスウィンドウには図9.10のようにグラフが描画されます. 他のグラフもいくつか試して
図9.9: これから実行するコマン ドを確認するためのウィンドウ
図9.10: plot2dの例題で描画されたグラフ
みましょう.
グラフ描画のデモを終わるときには, 図9.7の左下にあるCancelというボタンを押します. さいごにこ のボタンを押してグラフ描画のデモを終了しておいて下さい.
図9.4の内容を見ればわかるように, Scilabにはこれ以外にも多数のデモが用意されています. この中で は,グラフィックス関係と“Car parking”, “Bike Simulation (1)”は見るだけでも面白いと思います. 各自で 試してみて下さい.