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環境設定ファイル

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第 9 章 数式処理 / 数値計算ソフトウエア

12.3 環境設定ファイル

12.3.1 環境設定ファイルとは

みなさんがログインしたときには,どのようなディレクトリにあるコマンドが利用可能か,標準的に利用 される言語は何か,ニュースサーバやメールサーバの名前は何か,などといった情報が自動的に設定されて います. また, X Window Systemを起動したときや,各種のアプリケーションを起動したときにも,多くの 場合には操作系や見た目に関するいろいろな情報が自動的に設定されています.

UNIX系のオペレーティングシステムでは,これらの情報は,みなさんのホームディレクトリにある「環 境設定ファイル」と呼ばれるファイルに記載されています. 環境設定ファイルを参照することにより,各種 のアプリケーションは,いわばみなさん専用の設定で起動することになります.

アプリケーションの標準的な挙動を変更したいときには, Muleなどのテキストエディタでみなさんのホー ムディレクトリにある環境設定ファイルを書き換えます. これを「カスタマイズする」といいます. この 場合に重要なのは,みなさんの個人環境設定ファイルを書き換えても他の人には一切影響がないということ です.

あるユーザが自分の環境をカスタマイズしたときに他の人に影響が出ないようにする,ということは,単 一のコンピュータを複数の人が利用するマルチユーザの環境では非常に重要です.

12.3. 環境設定ファイル 171 環境設定ファイルは,通常は最初の文字が「.」(ピリオド)で始まります. また,最初の文字が「.」で始ま るディレクトリに特定のアプリケーション用の環境設定ファイルなどがまとめられていることもあります.

代表的な環境設定ファイルやディレクトリを表12.1に示します.

表12.1: 代表的な環境設定ファイルとディレクトリ

.login ログインしたときに1回だけ参照される環境設定ファイルで,パスや各種環

境変数などの設定をおこなう.

.cshrc ktermなどを開くたびに参照される環境設定ファイルで,パスや各種環境変

数の設定をおこなう.

.Xdefaults X Window Systemから起動される各種アプリケーションの標準設定が記

載される.

.xinitrc X Window Systemを起動したときの環境設定や起動アプリケーションを

指定する.

.fvwm2rc X Window Systemでウィンドウマネージャfvwm2が起動したときの各種

設定が記載される.

.netscape Netscapeの個人環境設定やブックマーク,キャッシュなどが置かれる.

環境設定ファイルの一覧を表示したいときには,コマンドlsにaというオプションを付けます. すなわち, ls␣-a

- (12.5)

と入力すれば,そのディレクトリにある環境設定ファイルの一覧を画面に表示することができます.

なお,どのような環境設定ファイルにどのような内容を書くかということは,厳密に決まっているわけで はありません. たとえば, 環境設定ファイル.loginと環境設定ファイル.cshrc に書くべき内容はかなりの 部分で重複しています. .loginと.cshrc のどちらをより積極的に利用するかは,個人の好みの問題です. こ の学科の設定では, .loginに必要な事項の大部分が記載されています. また,環境設定ファイルの名前そのも のを個人の好みで変更できる場合もあります. たとえば, X Window Systemの標準設定がどのファイルに 記載されているかは,ファイル.xinitrcで指定されています.

12.3.2 環境設定ファイルのカスタマイズ

では,練習のために,いくつかの環境設定ファイルに非常に簡単な変更を加えてみることにします. なお, 環境設定ファイルにおかしな設定を書いてしまうと,ログインできなくなってしまうことがあります. また, 非常に変なことをした場合には,コンピュータがハングアップ(動かなくなること)に近い状態になってしま うこともあります. これから述べる作業を実行するときには,入力ミスがないよう十分に注意して下さい.

今回の講義が終わった後には,環境設定ファイルは各自で自由に変更して構いませんが,環境設定ファイ ルを書き損なうと重大な問題が生じることがあることは確実に記憶しておいて下さい. なお,学科の標準的 な環境設定ファイルはディレクトリ

/home/a/proto/ (12.6)

にあります. 環境設定ファイルを壊してしまった場合には,ここからコピーして下さい.

cp␣/home/a/proto/.??*␣~

- (12.7)

と入力すれば,学科の標準的な環境設定ファイルをすべてみなさんのホームディレクトリにコピーできます.

また,

cp␣/home/a/proto/.cshrc␣~

- (12.8)

とすれば,学科の標準的な環境設定ファイル.cshrcをみなさんのホームディレクトリにコピーできます.

環境設定ファイル .cshrcの変更

まず最初に, ktermなどのウィンドウの左端に出るプロンプト(みなさんの入力を促すための記号)を変更 してみましょう. みなさんの現在の環境では, プロンプトはファイル.cshrcで設定されています.

みなさんの環境設定ファイル.cshrcの内容は,以下のようになっています. プロンプトが設定されている

# csh, tcsh が起動されると常に実行される.

# .login で必要な設定が終わっている場合は,

# ここで改めて設定する必要はない.

echo source .cshrc setenv LANG ja_JP.EUC set history=100 set savehist=100

# プロンプトの設定 set prompt="%m $ "

alias ll ’ls -l ’ alias la ’ls -a ’ alias n ’mule -nw’

図12.2: ファイル.cshrcの内容

のは, 9行目の

set prompt="%m $ " (12.9)

という部分です. 文字「prompt=」に続く2重引用符の中に何か文字列を書くと,その文字列がそのままプ ロンプトの左側に表示される文字列になります.

では,プロンプトを変更してみましょう.

作業を始める前に,ホームディレクトリに移動してから, これから変更を加えるファイルのバックアップ を取っておくことにします.

cd␣~

- (12.10)

cp␣.cshrc␣.cshrc.orig - と入力して下さい.

次に, Muleを起動して.cshrcを開き, .cshrcの9行目を

set prompt="TEST >" (12.11)

と書き換えて保存して下さい.

この.cshrcの内容は,次にログインするかktermなどを開くまではみなさんの環境には反映されません.

これを強制的に読み込みたいときには, sourceというコマンドを使います. コマンドsourceの使い方は, source␣環境設定ファイル

- (12.12)

です.

では,

source␣~/.cshrc

- (12.13)

と入力して下さい. すると, プロンプトの左側に表示される文字列がTEXT >に変わります.

なお,変更前の.chsrcに書かれていた

set prompt="%m $ "

12.3. 環境設定ファイル 173

表12.2: プロンプトにおける代表的な特殊記号

記号 意味

%~ カレントディレクトリ

%h 現在のヒストリ番号

%m ホスト名

%n ユーザ名

%t 時刻

という部分のうち,文字%とそれに続く英文字など1文字の記号には,特別な意味があります. 代表的なもの を表12.2に挙げておきます. 表12.2から,最初の設定では,プロンプトは「ホスト名に続いて記号$が表示 される」というように設定されていたことがわかります.

ファイル.cshrc の11行目以降にある

alias ll ’ls -l ’ (12.14)

という部分は,コマンドaliasを使ってエイリアスというものを定義しています. エイリアスとは,コマンド に付ける「あだ名」のようなものです.

エイリアスを新たに定義するときにはコマンドaliasを使うのですが,このときには

alias あだ名 ’実際に実行されるコマンド’ (12.15)

という書き方をします. エイリアスの宣言はふつうは環境設定ファイルの中でおこないますが,コマンド行 からこれを入力することもできます.

上記のようなエイリアスが設定されている場合には,あだ名の部分で指定した文字列を入力すると,「’実 際に実行されるコマンド’」という部分に書かれたコマンドが実行されます. 先の例では,

ll

- (12.16)

と入力するとコマンド

ls -laF (12.17)

が実行される設定になっていることがわかります.

では,例として, t

-

と入力するとtrrが起動するようなエイリアスを書いてみましょう.

Muleを起動して.cshrcを開き, 最後の行に alias␣t␣’mule␣-e␣trr’

という内容を追加してから保存して source␣~/.cshrc

- (12.18)

と入力して下さい. 続いて, t

- (12.19)

と入力して, trrが起動することを確認して下さい.

これらの一連の作業が終わったら, cp␣.cshrc.orig␣.cshrc

- (12.20)

と入力して, 環境設定ファイルをもとに戻しておきましょう.

環境設定ファイル .fvwm2rcの変更

この学科では,みなさんがログインすると, X Window Systemが起動し, fvwm2というウィンドウマネー ジャが立ち上がる設定になっています. このfvwm2の設定をおこなっているファイルが, .fvwm2rcという ファイルです. fvwm2は.fvwm2rcを編集することできわめて柔軟にカスタマイズできるのですが,この講 義では背景色や背景の絵を変える簡単な方法について説明します.

作業に入る前に, cd␣~

- (12.21)

cp␣.fvwm2rc␣.fvwm2rc.orig -

と入力して, .fvwm2rcのバックアップを取っておいて下さい.

.fvwm2rcにおいて背景色などが設定されているのは, .fvwm2rcの136行目の

+ "I" exec xsetroot -solid DarkSlateBlue + "I" exec kterm -geometry 80x24+0+0

#+ "I" exec xpmroot /usr/X11R6/include/X11/pixmaps/world.xpm

#+ "I" exec xsetroot -bitmap /usr/X11R6/include/X11/bitmaps/mensetmanus

という部分です. 上記の最初の行のDarkSlateBlueという部分を希望する色の名前に変えることで背景色 が変更できます.

なお,上記において,文字#で始まる部分は注釈です. この部分は, fvwm2の挙動には反映されません.

どのような色が使えるかを調べたいときには, xcolors

- (12.22)

と入力して下さい. すると,印刷は白黒なので見にくりですが,図12.3のように,利用可能な色とその名前 の一覧が画面に表示されます. 図12.3のウィンドウの色とその名前が表示された部分にマウスカーソルを

図 12.3: 利用可能な色一覧の表示

合わせてマウス左ボタンを押すとウィンドウ上部の文字の部分がその色に変わり,マウス中央ボタンを押す とウィンドウ上部の背景がその色に変わります.

q (12.23)

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