第 2 章 基本コマンド (1)
2.4 ファイルとディレクトリの操作 (1)
のように階層的に使うことができます.
ここでもう1回 pwd
←- (2.5)
と入力してみて下さい.
ここで表示される文字列(「/home/b/y99/d99999」など)には,コンピュータが持っているディレクトリ の情報が反映されています. この一番最初の文字「/」 が, ディレクトリの階層構造のいちばん根本にあた ります. この枝分かれの根本のことをルートディレクトリといいます. また,文字と文字の間の「/」は,そ こにディレクトリの枝分かれがあったことを示します. ですから,「/home/b/y99/d99999」 というのは,
根本から見て, homeというディレクトの中の, bというディレクトリの中の, y99というディレ クトリの中の, d99999という名前のディレクトリ
を表します. 図2.2にこれらのようすを示します.
当学科では,学籍番号が偶数の人のホームディレクトリは/home/aに,学籍番号が奇数の人のものは/home/b にあり,それぞれ学年ごとに分類されています.
/ home
a
b
y97 y98 y99 y00
y97 y98 y99 y00
d99002 ...
d99001 ...
d99999 d005502 d005504 ...
d005501 d005503 ...
ルートディレクトリ
図 2.2: ディレクトリの概念
皆さんがこれからコンピュータを使ってゆくと,ホームディレクトリの中のファイルはどんどん増えてゆ くでしょう. ですから, わけがわからなくならないうちに, ホームディレクトリの中に適当なディレクトリ を作って,ファイルを整理する習慣を付けるべきです. ディレクトリの作成と削除やファイルの作成と削除 およびディレクトリの間の移動の方法については,今回および次回の講義で説明します.
2.4 ファイルとディレクトリの操作 (1)
2.4.1 cd と mkdir : ディレクトリの移動と作成
ではまずディレクトリを移動するためのコマンドcdと ディレクトリを作成するコマンドmkdirの練習 をすることにします. なお, cd はchange directoryの略, mkdirは make directoryの略です.
まずktermを開いて下さい. X Window Systemのメニューからktermを開いた場合は,今あなたがいる
ディレクトリ(これをカレントディレクトリと呼びます)は,自動的にあなたのホームディレクトリになって います. でも,念のために,あなたのホームディレクトリに移動するためのコマンドを入力しておきましょう.
cd
←- (2.6)
と入力して下さい. これだけで,あなたのホームディレクトリに移動することができます. ここでもう1回 pwd
←- (2.7)
と入力して, 実際にあなたのホームディレクトリに移動できていることを確認しましょう.
さて,ここで,ファイルがぐちゃぐちゃになってしまう前に,講義などで使うためのディレクトリを作って おくことにしましょう.
mkdir␣lecture
←- (2.8)
と入力して下さい. これで,「lecture」 という名前のディレクトリができます. 次に,このディレクトリに 移動します.
cd␣lecture
←- (2.9)
と入力して下さい. 続いて, pwd
←- (2.10)
と入力してみましょう. この段階で,画面は図2.3のようになります.
図2.3: lectureという名前のディレクトリを作ったところ
今使っていたmkdirというコマンドが,ディレクトリを作成するためのコマンドです. このコマンドの名 前は,「make directory」の略です. 使い方は,
mkdir␣作りたいディレクトリの名前
←-
です. ただし,日本語のディレクトリ名は作成できない他,いくつか使えない記号があります. 基本的な方針 として
英文字(大文字と小文字),ピリオド ,数字, ハイフン「–」,アン
ダースコア「_」だけを使う ということにしておけば,問題は生じません.
ディレクトリ移動のためのコマンドは「cd」です. これは, change directoryという英語の略です. 先ほ どやってみたように,
cd
←- (2.11)
と入力すると,あなたのホームディレクトリに移動することができます. また, cd␣lecture
←- (2.12)
などのように,コマンドcdのあとに空白を空けて続けてディレクトリ名を入力すると,そのディレクトリに 移動することができます.
では,さっそくコマンドcdのいろいろな使い方を試してみましょう. まずpwdコマンドを使って現在の ディレクトリを確認しておいて下さい. 次に,
cd
←- (2.13)
と入力し,続いて cd␣./lecture
←- (2.14)
2.4. ファイルとディレクトリの操作(1) 15 と入力して下さい. 先ほどと同様にディレクトリlectureに戻って来ることができたでしょう. 実は, (2.2.4.1) と(2.2.4.1)の意味は同じです.
これとは別に,
cd␣/home/b/y99/d99999/lecture
←- (2.15)
としても, 今作成したディレクトリに戻って来ることができます. ただし, (2.2.4.1)の場合は, 上の例で
「b/y99/d99999」となっている部分をあなたのホームディレクトリに対応する文字列で置き換える必要があ ります.
(2.2.4.1)や(2. 2.4.1)のようなディレクトリの指定の仕方を「相対パス」, (2.2.4.1)のようなディレクト リの指定の仕方を「絶対パス」といいます. パスという言葉は英語のpath (道筋)から来ています. ディレ クトリを複雑に分岐した道路のようなものだと考えれば,パスという言葉は「通るべき道筋をあらわす」も のとして理解できるでしょう.
この節を終わるにあたって, 3個新しい記号の説明をしておきます. まず,記号 「~」(波線の記号,上付き の横棒 で表示されることもある)はあなたのホームディレクトリをあらわします. だから,
cd␣~/lecture
←- (2.16)
と入力すると,あなたのホームディレクトリの下のlectureというディレクトリに移動できます. また,記号
「.」は現在作業中のディレクトリをあらわし,記号「..」はそのディレクトリの1個根本のディレクトリを あらわします.
表2.1にこれらについてまとめておきます. これらを覚えないと,今後の講義に重大な支障を来します. 確 実に記憶して下さい.
表2.1: ディレクトリの標記の仕方
相対パス 現在作業中のディレクトリから見た相対的な位置関係 絶対パス ルートディレクトリから見た絶対的な位置関係
~ あなたのホームディレクトリ . 現在作業中のディレクトリ
.. 現在作業中のディレクトリの1個根本のディレクトリ
2.4.2 ls : ディレクトリにあるファイルの一覧を見る
続いて,あるディレクトリにあるファイルの一覧を見るためのコマンドを紹介しておきましょう. このた めのコマンドがlsです. lsとは英単語listの略です.
コマンドlsの説明に入る前に,まず cd
←- (2.17)
と入力してあなたのホームディレクトリに移動しておきましょう.
では, ls
←- (2.18)
と入力して下さい. 画面は図2.4のようになります. ここに表示されているのが,あなたのディレクトリに あるファイルの一覧です. ですが,ここに表示されているファイルがすべてではありませんこれ以外に「隠 しファイル」と呼ばれる(2.4.2)の方法では表示されないファイルがあります. 隠しファイルを含むファイ ル一覧を見る方法は次回の講義で説明します. ただし,以下のファイルの内容を見る例題では,この隠しファ イルの中身を読んでみます. ですから,「このディレクトリには, 今は表示されていないけれども, .login というファイルと.fvwm2rcというファイルがある」ということを把握しておいて下さい.
2.4.3 cat : ファイルの中身を見る
次に,ファイルの中身を見る方法を説明します.
cat␣.login
←- (2.19)
と入力して下さい. すると, 画面に図2.5のように.loginという名前のファイルの中身が表示されます.
このcatというコマンドが,ファイルの中身を表示するためのコマンドです. これは,英単語concatenation の略です. 実は, concatenationという単語のはファイルを表示するという意味ではなく,いくつかのものを 繋げるという意味です.
図 2.4: コマンドlsを入力したところ 図 2.5: コマンドcatによってファイルの中身が表 示されたところ
catの機能を強化したjless というコマンドもあります.
jless␣.fvwm2rc
←- (2.20)
と入力してみて下さい. 画面は図2.6のようになります. ここで,
図 2.6: コマンドjlessを使っているところ
Ctrl +
n (2.21)
(
Ctrlキーを押しながら
n キーを押す)と入力して下さい. 画面が1行ずつ先に進んでゆくのがわかるで しょう. また,
Ctrl +
p (2.22)
(
Ctrlキーを押しながら
p キーを押す)と入力すると1行ずつ前の行へ戻ってゆくことができます. カー ソル上下キー(キーボードの右下にある矢印のついたキー)を使っても同じ操作ができます. コマンドjless を終了するには,
q キーを1回押します.
jlessというコマンド名の由来は,まずcatの機能を強化したmore というコマンドができて,それが機能
強化されたものがmoreの次だからということでlessという名前になり,それが日本語化されて頭にjが付 いた,というものです. (日本語化されていないlessというコマンドも使えます).
jlessにはこれ以外の機能もあるのですが,これについては次回以降で機会があれば説明します.