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11. 化粧品市場における競争

11.2. グローバル化粧品会社

11.2.2. Revlon

図 11.2.2: L’Oreal India – 製品の内訳(2010)

出所: L’Oreal 年次報告書, Jefferies Equity Research レポート 20117

 ビジネス戦略

<拡大戦略>

L’Oreal India は、インドにさらに工場、研究所、技術革新センターを設立するため、1 億 940

万ドル(50億ルピー)の投資を計画している。また、同社は、インド市場向けに開発されたいく つかのブランドを他のアジア諸国に輸出することを検討している。Garnier Color Naturals、Matrix のオイル、美容室専用ブランド、カージャル(アイライナー)など、インドでの開発製品は他の アジア諸国、特に東南アジア諸国で発売される。同社は最近、ムンバイの Mankhurd に研究・技 術革新センターを新設した。

<リバース・イノベーション戦略>

技術革新はL’Oreal Indiaの主要戦略であり、同社は技術革新は売上と顧客ベースの両方を拡大 すると考えている。この戦略はいまや他の新興市場にも適用されるようになっており、同社はイ ンドの研究・技術革新センターで新興国市場向けに美容製品を開発し、最終的にはそれらを国際 市場向けに改良するという計画を立てている。同社は、インド人消費者には髪にオイルを付ける 習慣があることを考慮し、Garnier Fructis Shampoo+Oilを開発した。Garnier Men PowerLightの製 品はインド人男性の肌向けに開発され、Garnier Color Naturalsはインド人の髪に合わせて開発され た最初のヘアカラーである。

同社はインド人女性向けに、多数の国際的化粧品、トイレタリー製品、フレグランスをインド の状況や好みに適合させた製品を販売している。Revlonは、米国ニュージャージー州Edisonにあ る研究センターでの貴重な成果を地域市場のニーズや選好に融合させた製品を提供している。

 製品ポートフォリオと主要ブランド

Revlonの製品は、主に化粧品、ヘアケア、美容製品、フレグランス、デオドラント、スキンケ

アのカテゴリーからなる。Revlon は、フェイス・メーキャップ(ファンデーション、パウダー、

ほお紅、コンシーラー)、リップ・メーキャップ(口紅、グロス、リップライナー)、アイ・メ ーキャップ(マスカラ、アイライナー、アイシャドウ)、ネイルカラー、ヘアケア(ヘアカラー、

ヘアケア製品)など、異なるラインの製品をRevlonのブランド名で販売している。

表 11.2.2: Revlon 製品ポートフォリオ 主要製品部門 ブランド

カラー化粧品

Revlon (Revlon Age Defying, Revlon ColorStay Aqua, Revlon Super Lustrous, Revlon Color Burst, Revlon Just Bitten, Revlon CustomEyesなど)

StreetWear (口紅、アイ・メーキャップ、ファンデーションなど)

ヘアケア Revlon ColorSilk (Revlon Colorsilk Luminista)、Flex Shampoos & Conditioners フレグランス Charlie Cologne、Body Sprays、Talc & Fire、Ice Cologne

出所: 企業報告書

 主要ブランドのマーケティング戦略 StreetWear

 ティーンエイジ市場を中心に15~25歳の年齢層を対象とする。

 ネイル・ペイント、口紅、リップグロス、フェイス・メーキャップ、アイシャドウなどの 幅広い製品で、若い女性向けに選択の機会を提供。

 製品の一部は第3級都市や小都市を対象に、低価格(100ルピー以下)に設定。

 小規模なキャンペーン、大学キャンパスでのファッションショーやファッション・フェス テバル、魅力的な看板広告などが販売促進戦略として用いられている。ターゲットにする 顧客や都市に応じて、小型デパート、一般商店、中規模・大規模ショッピング・コンプレ ックスを通じた販売促進。

Revlon

 店舗でのディスプレイ、値引き、強力な販売網を通じた販売促進。

 高年齢女性向けメーキャップ・ラインであるVital Radianceは、45歳以上の主婦に重点を 置いている。

 Revlon ColorSilkは、印刷媒体、テレビ、インターネットでの広告とともに、無料試用品

配布などの販売促進。

 画期的な広告キャンペーン:ブランドへの信頼を高め、女性が Revlonの製品を使用する ことをどう感じているかを重視する感情的つながりを作り出す。

 「魅力的で流行の装い」が大衆市場向け戦略。

 売上分析

同社のインド市場における化粧品の売上高は 2010 年に 1,540 万ドルと推定されている。2009

年初めに起きた世界金融危機の結果、2009年の売上高4,134万ドルから約62.7%減少した。最近

のRevlonカラー化粧品やRevlon ColorSilkヘアカラーへの需要の高まりにより、今後しばらく同

社の売上は安定する見込みである。また、様々な小売形態にわたる流通網の存在が、同社の成長 見込みを高めている。Revlonカラー化粧品は、若者、労働者、ミドルエイジの女性の間で最も注 目されている。強力なマーケティング・イニシアティブにより、同社のヘアカラー製品部門も急 速に成長している。

図 11.2.3: Modi-Revlon – 売上高 (2009年、2010年) 41.34

15.4

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

2009 2010

100

出所: 企業報告書, Reuters 推計, Press Trust of India (Mumbai) 推計 注: 財政年度は1231日終わり

 ビジネス戦略

<たゆまぬ技術革新と製品開発>

Revlonは、中心ブランドであるRevlonで、PhotoReady Collectionという革新的な製品ラインを 発売した。この製品ラインは、太陽光線からの全面的だが目立たない保護のため、光線を吸収、

反射、拡散するために感光顔料を使用している。同社によると、これらの製品は、強い光線や高 解像度の条件下で効果を発揮するよう設計されており、これらの製品を使用することで、インド 人女性に、どんな条件下でも、毛穴が見えず、エアブラシで描いたような肌を提供する。これら の製品には、最も厳しい光線および高解像度カメラによる専門家の試験が行われ、その結果、室 内の蛍光灯の光でも屋外の光でも完璧な肌に見えることが明らかになった。この製品ラインすべ てに使用されている光線拡散効果により、メーキャップ、コンパクト・メーキャップ、コンシー

ラーがSPF20、パウダーがSPF14程度で、光線によるダメージを防ぐことができる。

<幅広い製品ポートフォリオ>

Revlonは、ヘアカラー、美容製品、制汗剤/デオドラント、フラグランスなど幅広い製品を製造、

販売する有名化粧品会社である。同社はその中心ブランドであるRevlonブランドで幅広い種類の 化粧品を販売している。さらに、同社はStreetWearのブランド名ですべてのカテゴリーにわたる 低価格化粧品を製造、販売している。同社は、ファンデーション、パウダー、ほお紅、コンシー ラーなどのフェイス・メーキャップをRevlonブランドで発売している。同社のネイルカラーおよ びネイルケア製品ラインには、Revlonブランドのエナメル、トリートメント、キューティクル調

整剤などがあり、ヘアケア部門ではヘアカラーとヘアケア製品の両方を販売している。