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11. 化粧品市場における競争

11.4. インド化粧品会社

11.4.3. Dabur India Ltd

 ビジネス概観

Dabur India Limited (Dabur)は、アーユルヴェーダ製品、自然製品、パーソナル・ヘルスケア製 45%

39%

16%

パーソナルケア ホームケア ヘアケア

品の取扱い企業である。同社は、コンシューマーケア部門(CCD)、国際業務部門(IBD)、コンシュ ーマー・ヘルス部門の3つの主要部門を通じて事業を行っている。CCDはさらに、ヘルスケア、

パーソナルケア、ホームケア、食品の4カテゴリーに分かれている。ヘルスケア・カテゴリーは 一連のヘルスケア製品を販売している。

IBDのブランドには、Dabur Amla よび Vatikaがある。同社はインドに、Baddi Cluster (ヒマ ーチャル・プラデーシュ州)およびPantnagar (ウッタラカンド州)の2カ所の主要工場を中心に組 織された13の製造施設、およびSahibabad (ウッタル・プラデーシュ州)、Jammu、Silvassa、Nasik、

Alwar、Katni、Narendrapur、Pithampurに9カ所の工場を持つ。

表 11.4.3: Dabur 製品ポートフォリオ 主要業務部門 ブランド

消費者ケア部門

Dabur Amla Hair Oil、Dabur Vatika Shampoo、Dabur Vatika Coconut Hair Oil、Fem Fairness Bleach、Dabur Uveda Skin Care Range、Real Fruit Juice、

Real Activ、Lemoneez、Hommade、Dazzl、Odonil、Sani Fresh 消費者ヘルスケア部門 Dabur Chyawanprash、Dabur Honey、Dabur Red Tooth Paste、Hajmola

出所: 企業ウェブサイト

 マーケティング戦略

 既存の製品の再発売、新製品を加えることによる製品レンジの拡大が、消費者の注目を集 めるための戦略。

 ヘアケア製品は、天然成分の使用により、家庭向け製品として販売されている。

 すべての製品は中価格帯、低価格帯に設定されており、大衆市場をターゲットにしている。

 FemブリーチおよびFem Fairnessブリーチにスキン・ホワイトニング効果を加え、15分 以内に美しい肌色の効果があるとして再発売する戦略は、Fem美容室で金や時間を使いた がらない働く女性や10代の若い女性をターゲットにしている。

 最近、同社は高級スキンケア・ブランドのDabur Uvedaを立ち上げ、その製品は中価格帯 むけの純粋アーユルヴェーダ・ブランドとして販売されている。割引コンボや人目を引き やすい販売カウンター、印刷媒体への大量の宣伝などが、製品の販売促進のための主要戦 術である。

 売上分析

Daburの売上高は、2009-10年度の7億2,110万ドルから、2010-11年度の9億130万ドルへと

約24.9%の増加を記録している。2010-11年度には、海外での企業買収や新製品発売が、売上高の

着実な増加という結果をもたらした。Dabur Uveda、Fem Fairness Bleach、Vatika Shampooなどが、

2010-11年度の増収に貢献したブランドである。

図 11.4.4: Dabur – 売上高 (2009/10年度、2010/11年度)

721.1

901.3

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

2009/10年度 2010/11年度

100

出所: 企業報告書

注: 財政年度は331日終わり

コンシューマーケア部門では、ヘアケア製品の販売が最も多く、2010-11年の売上高の31.40%

を占めている。残りの68.30%は、健康補助食品、オーラルケア、食品、消化剤、ホームケア、ス キンケアなどの売上が占めている。

新製品の発売、既存製品ラインの拡大、ブランド再編など、Dabur が実施している活発なマー ケティング戦略により、ヘアケア部門およびスキンケア部門における製品の需要が増加している。

VatikaのシャンプーおよびFemのブリーチは、変化する顧客の好みに合わせて再発売された。ハ

ーバル製品ブランドのVatikaの開始は、同社の市場での地位を高めるとともに、ヘアケア製品の 需要を増加させた。

図 11.4.5: Dabur – 製品部門別売上内訳 (2010/11)

出所: 企業報告書

注: 財政年度は331日終わり

 ビジネス戦略

<戦略的企業買収を通じた拡大に重点>

Daburは事業買収は成長のために重要であるとしており、2010-11年には2社の買収を実施した。

1つは2010年10月のHobi Kozmetik Groupの海外買収である。Hobi Kozmetik Groupはトルコに おけるパーソナルケア製品の首位企業である。同社は、ヘアケア、スキンケア、ボディケアの幅

31.40%

19.90%

18.20%

14.20%

8.60%

5.20% 2.40%

ヘアケア ヘルス・サプリメント オーラルケア

食品 消化薬 ホームケア

スキンケア

広い種類の製品を製造している。同社の買収により、Dabur は事業を拡大し、国際市場における 存在感を強化する予定である。

2011年 1月、アフリカ地域への特殊ヘアケア製品の主要販売業者である Namaste Laboratories LLCを買収した。Daburは、この買収により、サブ・サハラ・アフリカでの事業を拡大できると 考えている。

<新製品の開発>

2010-11年、Daburはコンシューマーケア部門において様々な新製品を発売した。ヘアケア部門

では、「100%ダメージ・フリー」の髪を作るための優れた栄養補給効果があるとされる Dabur Almond Hair Oil を発売した。同社はヒンディー語映画女優の Minissha Lamba と契約し、Dabur

Almond Hair Oilのブランド大使として起用した。ホームケア部門では、エアフレッシュナーのブ

ランドとしてOdonilを立ち上げている。Odonilは部屋の片隅まで行き渡るとされている。Odonil には、リードディフューザー、オイル・バーナー、ポトプリ、ピラー・キャンドル、アロマティ ック・フローティング・キャンドルなどの様々な形態がある。

11.4.4. そ の 他 の イ ン ド 化 粧 品 会 社(Paramount Cosmetics India, Zydus Wellness,