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図 10.9.1.1: 外国企業の参入オプション

出所: Koncept Analytics

10.1. 輸入代理業者や販売代理業者を通じた輸入

ほとんどの外国化粧品会社は、インド市場に参入するため、輸入代理店や販売代理業者と提供 している。高級ブランドは販売代理業者を介したインド市場参入が多い。これは、インド国内の 小売業および流通業への外国投資が禁止されていることによる。輸入代理業者は、ラベルの要件、

包装への最高小売価格の記載など、包装消費財の輸入規則に関する業務を行う。輸入代理業者の 役割には、政府の認可取得、通関手続き、販売代理業者/仕入れ業者/小売業者の選定、価格設定、

販売員の養成、販促キャンペーンなども含まれる。

インドの主要販売代理業者/輸入代理業者には以下のものがある。

 Baccarose

 Euro Traditions

 Cosmos Brands

 MKP

 GR Fragrance

輸入代理業者&

販売代理業者

外国化粧品会社

合弁会社

全額出資の製造施設/

子会社の設立

国内小売業者と 直接契約

 Ebony, Lifestyle, Landmark, Westside, Pantaloonなどデ パートの店舗内 店舗

 Big Bazaar (Future Group), Spencer’s, Easyday (Bharti-Walmart) などハイパーマ ーケット

消費者

現在、Baccaroseはインド国内最大の流通網を持ち、製品は約100店舗で入手可能である。この 数は、ショッピングモールや小売アウトレットの成長とともにさらに増加するとされている。

Burberry とAzzaroがBaccaroseが取り扱う中で最も売れているフレグランス・ブランドである。

Baccaroseの提携小売業者にはShoppers Stop,、Lifestyle、Central Retail Corporation、Pantaloons、

Westside、Health & Glow、Parcosがある。Baccaroseの取扱いブランドには、Bourjois、Max Factor、

Chambor、Clarins、資生堂、Guerlain, Elizabeth Ardenがある。

下記の表は、インドの輸入代理業者/販売代理業者を通じてインド市場に参入している代表的な 外国化粧品ブランドをまとめたものである。

表 10.1.1: 外国化粧品ブランドとインド輸入代理業者/販売代理業者との契約関係 外国化粧品ブランド 輸入代理業者およ

び販売代理業者 契約関係 Bourjois

Max Factor Chambor Clarins Shisheido Guerlain Elizabeth Arden Ferrari

Canali

Baccarose マーケティング、販売促進、主要デパートでの流通

La Prairie Versace

Euro Traditions 輸入関連業務、流通(販売スペース確保を含む)、販

売促進

Bvlgari Beauty Concepts 主要小売アウトレットでのマーケティングおよび流通

Pola Elder Group 当初はスキン・ホワイトニング・クリームおよびジェ

ルの流通。将来的にはアンチエイジングおよび美容製 品、フレグランスの流通にも拡大。

Jordana Cosmetics Corporation

SSCG Pvt. Ltd SSGC がブランドの独占的な流通、販売促進、ブラン

ド・パートナーとなる。

出所: 企業ウェブサイト

10.2. 国内小売業者とのライセンス契約

外国企業が、国内小売業者とのライセンス契約を通じてインド市場に参入する方法もある。小 売業者は販売額の一定割合または契約した一定金額またはその両方を受け取る。小売業者は新ブ ランドを導入することにより、その製品ポートフォリオを充実させることができる。

たとえば、デパート・チェーンのShopper’s Stopは、多数の外国ブランドの独占ライセンスを 取得し、ライセンス契約の一部として、店舗内にそれらのブランドの販売店を開設している。同 社は、店舗を通じてインドに導入可能な国際的ブランドとの提携機会を重視している。また、同 社が立ち上げた独立チェーン店でもそれらのブランドの製品を販売している。

Shopper’s Stopは、インド国内にM.A.C, Estee Lauder, Cliniqueなどの国際的ブランドの販売店を 設立するため、世界的に有名な化粧品大手のEstee Lauderと非独占的販売契約を結んでいる。2011

年3月31日現在、Shoppers Stopには17カ所にM.A.C販売店を持つ。Estee Lauderには路面店3 店を含む4店舗があり、Cliniqueには路面店2カ所を含む10店舗がある。また、Shopper’s Stop

は英国のMothercare Plcと独占販売販売契約を結んでいる。Shopper’s Stopは主要都市(メトロ)

にParis Hiltonの店内店舗を開店する予定である。Shoppers Stopは、Mothercare (ベビーケア)、Home Stop (家庭用品)、Estee Lauder (化粧品)、Crosswords (音楽、書籍) 、Mac (化粧品)の5種類の専門 小売形態を有している。

カナダ企業のFaces Cosmeticsは、インド市場で戦略的にFacesブランドの販売促進を行うため、

Future Groupの中心企業であるPantaloon Retailと提携した。

10.3. 製造/流通のための合弁会社

グローバル企業はインド企業との合弁でインドに拠点を設立することができる。この方法にお ける多国籍企業の出資比率は49%までに制限されている。

事例:1995年、米化粧品ブランドのRevlon は、Modi Mundipharma との76%対 24%の合弁で

Modi Revlon Pvt. Ltdを設立した。同社は化粧品およびビューティケア製品全般を販売している。

Revlonはインド全国に3カ所の専門販売店を持つ。デリー店はModi Revlon Pvt. Ltd自身が所有し、

ラクナウ店および南インドの1店はフランチャイズ契約店である。同ブランドの製品は主要デパ ートの店内店舗を通じても入手できる。Revlonは製品を、アッサム州にある全出資子会社の製造 会社Kamakhya Cosmetics and Pharmaceuticalsから調達している。

10.4. 100%出資製造施設/ 子会社

外国小売業者は製品の製造工場をインドに設立することができる。この方法によるインド市場 への参入では、小売業者は、独立の小売店舗を通じてインド市場で製品を販売する権利が得られ る。

L’Oreal India は、パリを拠点として世界 120 カ国以上で販売される世界最大の化粧品会社

L’Oreal SAの100%子会社である。インド事業は1980年代なかば、L’Oreal のライセンスでロシ

アに輸出する製品を製造するためインドの輸出業者によって設立されたIndelor Indiaとして始ま った。しかし、1992年にインドが外国投資規制を緩和したあと、同社はL’Orealの子会社になり、

当初はLaboratories Garnierのライセンスでスキンケア・ローションSynergieやヘアコンディショ

ナーUltra Douxを製造していた。1994年、Laboratories GarnierがL’Orealの100%子会社になった。

2000年、L’Orealはインド市場で自社の化粧品を発売した。

インドでL’Orealは、ヘアケア、ヘアカラー、スキンケア、メーキャップなどのカテゴリーで、

7つの国際的ブランド(L’Oreal Paris, Maybelline New York, Garnier, Vichy, L’Oreal Professionnel,

Matrix, Kérastas)を展開している。

Amway India Enterprises は、米拠点Amway Corporationの100%子会社で、インド最大の直接 販売企業の1つである。Amwayは1995年、インドで製造を開始する前に2年間の製品の試験販 売を行う許可を外国投資促進委員会(FIPB)から得て、インド事業を開始した。

Chanelは2005年、販売代理業者を用いず、子会社を通じて直接にインド市場に参入した。