ー)と推定されており、女性用スキンケア市場の年10~15%成長に対し、年25~30%で成長して いる。
インドの男性用スキンケア市場の将来に見込みがあることから、主要企業がこの部門に参入し ている。2005年、Emami GroupはFair and Handsomeのブランドで男性用美白クリーム市場に参 入した。続いて、2007年にはHULがFair & Lovely Menz Activeで参入した。Beiersdorf (Nivea for
Men) やL’Oréal (Garnier PowerLight)などのグローバル企業も男性用スキンケアの一連の製品を発
売した。最近の参入企業には、2010年にOlay Men SolutionsとGillete skincareを発売したP&Gが ある。P&Gは、Olay Men SolutionsとGillete skincareで、それぞれ高価格帯の消費者と低価格帯の 消費者の両方をターゲットにしている。Olay Men Solutionsは高級スキンケア製品のシリーズで、
クレンザーが 400 ルピー(8.7 ドル)、トーナー、モイスチャライザー、若返りクリームが 700 ルピー(15.2ドル)である。Gillette Skincareは、モイスチャライザーが15ミリリットル入り69 ルピー(1.5ドル)、フェイスウォッシュ、スクラブが199ルピー(4.3ドル)と、低価格に設定 されている。
6.2. ヘアカラー
ヘアカラー市場は2005年から2010年までの間に、年平均20%以上の大きな成長を見せ、今後 数年間でさらに成長することが予測されている。ヘアカラーはかつて美容施術として富裕層が購 入していたが、今や日常的に求められる製品になった。ヘアカラーには、ヘアサロンなどで行わ れる染髪サービスで使用される業務用製品と、家庭用製品の2部門がある。
L’Oréal Professionnelが業務用ヘアカラー市場をリードしており、これにSchwarzkopfとWella が続いている。業務用製品は、主として都市部で着実な成長を見せている。インド人消費者、特 に女性は積極的に国際的流行に従い、好みのヘアスタイルにするためならば、より多額を支出す るつもりでいる。市場が成熟するにつれ、化粧品会社のマーケティング担当者は、インド人消費 者の間にファッションや美容に関する高い意識を作り出し、そのニーズを満たすような販売をす るようになっている。企業はヘアサロンで、小売り向け製品の試験を行っている。L’Oréal は
Kerastase Institute の高級ヘアケア・サービスを開始した。同社はデリーとムンバイに Kerastase
Instituteのヘア・スパを開設、今後、主要都市をターゲットに全国で店舗数を増やす計画である。
このような高級サービスを提供することで、企業は価格を高価格帯に維持する戦略を取っている。
これは、より高い収益を生み出すだけでなく、国内に成熟した消費者ベースを創出する方法でも ある。
家庭用ヘアカラー市場も成長期を迎えている。L’OréalやLaboratories Garnierに加え、インドの 大手企業が市場に参入している。この市場は、パーマネント用ヘアカラー、ヘアダイ、オイルベ ース・ヘアダイなどの下位部門に区分される。
現在、ヘアカラー・クリーム市場はシェア60%のL’Oréalが支配しており、これにStreax (9%) が
Godrej Renew (5%)が続いている。ヘアカラー・クリームはほとんどが大都市で消費されており、
ヘアカラー・パウダーはほとんどが第2級都市および第3級都市で使用されている。ヘアカラー・
パウダーのカテゴリーでは、ColorMate (シェア38%)やMoonstar (12%)などのブランドを持つ地方 の小規模企業が多くあり、Godrej Expert and Renew (13%)を持つ大企業のGCPLと併存している。
Godrej Nupurがカリ・メヘンディ(kali mehendi、黒ヘナ)のカテゴリーを支配しており、HRIPL
のVasmolはエマルジョン・ベース・ケシュ・カラ(kesh kala)部門の91%を占めている。
6.3. 特化スキンケア:アンチエイジング・クリーム
インドのスキンケア市場は、消費者の成熟や従来と異なる新規製品への需要増加などにより、
2013年まで年平均成長率19%で継続的に成長すると予測されている。業務用スキンケア部門は、
男女共に肌への施術やトリートメント製品を求めにスキンケア・セラピー・センターや皮膚科に 行くようになったことで、着実な成長が見込める部門である。業務用スキンケア製品を使用、販 売する医療スパ(メディスパ)も成長が見込まれる。スキン・タイトニング(skin tightening)、ラ ディアンス・ブースティング(radiance boosting)、アンチ・タニング(anti-tanning)も業務用スキンケ ア市場で大きな期待が持てるカテゴリーである。いまやインド人女性は、シミ、シワ、目の下の クマ、テカリ、スキン・ブライトニングなどに個別に対応するクリームを使用するようになって いる。アンチエイジング製品は、スキン・ホワイトニング製品の次に売れている製品である。
欧米ではアンチエイジング化粧品市場は高度に成熟し、技術的にも進んでいるのに対し、イン ドの同市場は比較的未成熟で、市場開拓が進んでいない。インドのアンチエイジング製品では P&GのOlay Total EffectsやHULのPonds Age Miracleが市場をリードしている。Olay Total effects は2007年に発売され、同年にシェア20%を獲得、現在はシェア37%で市場を支配している。P&G はさらに、同市場でのシェアを伸ばすため、Olay Regeneristを発売している。
他のグローバル企業もインド市場の成長潜在性を信じ、アンチエイジング化粧品市場に参入し ている。高級ブランドのLancomeは、現在までに数種類のアンチエイジング化粧品を発売してお り、アンチエイジング製品は同社の製品ポートフォリオ全体の 45%を占めている。L’Oréal Paris はアンチエイジング製品としてYouth Codeを発売した。The Body Shop Indiaの製品ポートフォリ
オの約35%はさまざまな老化の兆候への対処を助ける製品で占められている。主として大衆市場
向けに日用消費財(FMCG: fast moving consumer goods)を販売するDaburは、インド消費者の価格 意識の強さを考慮に入れながら、Dabur Uvedaブランドでアンチエイジング製品に進出している。
インドのアンチエイジング化粧品市場は1,300 万ドル(6億ルピー)と推定され、年平均 93%
と最も急速に成長しているカテゴリーである。現在、アンチエイジング製品の浸透率は低く、化 粧品会社は同カテゴリーに巨大な潜在性を見込んでおり、その成長に優先的に力を入れている。