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MICROSAR V2G – 外部インフラ通信用 AUTOSAR ベーシックソフトウェアモジュール

ドキュメント内 MICROSAR (ページ 30-33)

Ethernetとその上位層にあるTCP/IPスタックは、車外のインフラストラクチャーとの通信に必要な基本的なテクノロジーを提供します。

MICROSAR V2G (Vehicle-to-Grid) パッケージには、電気自動車およびハイブリッド自動車のインテリジェント充電と、HTTPなどのインターネ ットテクノロジーを介したインフラストラクチャーとの通信に用いられるベーシックソフトウェアモジュールが含まれています。このパッケージに含まれ ているモジュールはいずれも、AUTOSARでは規定されていません。ただし、これらはベクターのAUTOSARソリューションに統合されています。

これらの拡張機能は、AUTOSAR 4.x と AUTOSAR 3.x の両方を対象として提供されています。MICROSAR V2G の基盤としては、

MICROSAR.ETHパッケージのモジュールが必要になります。

図 15: AUTOSAR 4.3対応のMICROSAR V2Gモジュール

8.1 MICROSAR V2Gの機能概要

> Smart Charging Communication (vScc) に必要なすべてのプロトコルを実装

> インターネットのメカニズムおよびプロトコルを介した通信をサポート

> すべてのベーシックソフトウェアをAUTOSAR環境にシームレスに統合

> 汎用インターフェイスにより、お客様固有の機能の組込が容易

8.2 適用分野

MICROSAR V2G を使用すれば、電気自動車とハイブリッド自動車に、適切な充電ステーションでインテリジェント充電を実行できます。対応する 規格は以下の通りです。

> ISO 15118

> DIN SPEC 70121

これらには、交流または直流(AC/DC)、非接触充電(WPT)、自動接続(ACD)、双方向給電(BPT)での充電に対応するオプションが必要です。

MICROSAR V2Gパッケージのモジュールを使用すれば、一般的に使われているインターネットプロトコルを介して、ECUにサーバーと通信させ ることもできます。

必要に応じて、TLSを用いてこの通信を暗号化することもできます。

8.3 AUTOSAR仕様を拡張するベクターモジュール

MICROSAR.V2Gには、以下のベーシックソフトウェアモジュールが含まれています。

> vDns – Vector Domain Name System Resolver

vDnsモジュールにはDNSリゾルバーが含まれています。これにはたとえばvector.comなどのドメインを、有効なIPアドレスに解決する 役割があります。

> vHttp – Vector Hypertext Transfer Protocol

Hypertext Transfer Protocolのアプリケーションの1つとして、サーバーへのブラウザー要求の送信が挙げられます。このモジュールに はHTTPクライアントが含まれています。

> vXmlSecurity – Vector XML Security

このモジュールは、W3C XML Security規格に基づいてEXI形式でエンコードされるXMLシグネチャーを生成し検証します。

> vExi – Vector Efficient XML Interchange

vExi モジュールは XML ドキュメントを解釈し、それらをバイナリー形式に変換するのに使用されます。これによって、ファイルの処理と伝送 の効率が高まり、通信帯域幅を節約できます。

> vScc – Vector Smart Charging Communication

このモジュールが担当するのはISO 15118またはDIN SPEC 70121に準拠したSmart Charging Communicationです。

アドオン

> AC: 直流での充電のほか、関連するPlug and Charge (PnC) やExternal Identification Means (EIM) プロファイルをサポートしま

す。

> DC: 交流での充電のほか、関連するPlug and Charge (PnC) やExternal Identification Means (EIM) プロファイルをサポートしま

す。

> ACD: Automatic charging device (ACD、パンタグラフ充電)

> WPT: Wireless power transfer (WPT、非接触充電)

> BPT: Bidirectional power transfer (BPT、双方向給電)

> <OEM>:<OEM>によって指定されたアプリケーションインターフェイスを提供します。

> vCanCcGbt – Vector CAN Charging Communication according to GB/T 27930

このモジュールは中国 EV 急速充電規格GB/T 27930 の仕様に準拠した直流充電のための充電通信規格に対応しています。こちらの規 格に対応した診断機能のサポートはご要望に応じて開発可能です。

> vCanCcCdm – Vector CAN Charging Communication according to CHAdeMO

このモジュールは日本で使用されるCHAdeMO規格に準拠した直流充電のための充電通信規格に対応しています。

さらに、AUTOSAR 3.xの環境用には以下のモジュールがあります。AUTOSAR 4はご要望に応じて利用可能です。

> XML Engine

XML Engineモジュールには、XML 1.0ドキュメントを処理するためのパーサーと、有効なXML 1.0ドキュメントを作成するためのジェネレ ーターが含まれています。このモジュールはV2G分野で使用されます。

> JSON

このモジュールにはJSONパーサーが含まれています。JSONはJavaScriptベースのデータ交換形式で、XML の代わりに使用できま す。

8.4 設定

MICROSAR.V2Gパッケージのモジュールは、DaVinci Configuratorで設定できます。詳しくは、ベクターまでお問い合わせください。

固有の設定パラメーターはECU Configuration Descriptionの拡張として保存されます。

8.5 その他のMICROSAR関連製品

MICROSAR.V2GはMICROSAR.ETHパッケージに基づいており、通信の基盤としてEthernetスタックとTCP/IPスタックを必要とします。こ れは以下のモジュールから構成されています。

> 基盤となるハードウェアを抽象化するEthernet Interface (Ethif)

> Ethernet通信のオン/オフを切り替えるEthernet State Manager (EthSM)

> TCP/IPスタック(TcpIp)とそれに関連するIPバージョン(IPv4およびIPv6またはそのいずれか)

この他に、Ethernet ドライバー(Eth(EXT))と、MICROSAR.EXT の Ethernet トランシーバードライバー(EthTrcv)も必要です。これには、

Smart Charging Communication用として、電力線通信(PLC)専用のドライバーとトランシーバードライバーが用意されています。

Smart Charging Communicationの制御をAUTOSARソフトウェアコンポーネントで実装する場合は、MICROSAR.RTEのご利用を推奨します。

開発期間中のエラーの検出および評価には、MICROSAR.SYSのDETモジュールが利用できます。

MICROSAR.DIAGパッケージのDEMモジュールは、検出されたシステムイベント(エラーおよび環境データ)を管理するのに使用できます。

8.6 その他のEthernet用関連製品

Ethernet用のCANoeの関連オプションを使用すれば、既存のCANoeインストール環境を手軽に拡張し、Ethernetベースの通信を解析およ びシミュレーションする機能を追加できます。無料のSmart Charging Communicationアドオンを使用しても、SCCトラフィックをCANoeで解 析できます。これによって、車両と充電ステーションの複雑なシミュレーションを、ISO 15118およびDIN SPEC 70121に基づいてセットアップで きます。

ベクターでは、VTシステムに対応した電力線通信用のプラグインカードを用意しています。

8.7 Ethernet/V2G ECU開発用ベクターツールチェーン

図 16: ベクターは、Ethernet/V2Gプロジェクト用の幅広い製品ラインナップを提供しています

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